2018年第2四半期 連結業績概要(対前年同期比)

オードバディ・アリ氏:こんにちは。市光工業オードバディでございます。それでは私から、2018年度の決算概況につきましてご説明いたします。なお、この資料の前年比較はすべて上期は1月から6月まで、通期は1月から12月までの同一期間の比較となっております。

今回は、私から上期業績と通期見通しをご説明し、中期経営計画の進捗状況については社長のサワーから説明させていただきます。

まず、上期業績です。上期は前年比較で大幅な増収増益となりました。営業利益は8割増加、経常利益は倍増しました。営業利益率も7パーセントと、前年に比べて2.3ポイント高い利益率を上げることができ、好決算となりました。

2018年第2四半期地域別業績

国内と海外に分けたベースでは、国内、海外共に増収増益となっております。売上高の増加要因ですが、国内はとくにヘッドランプが好調で、新車効果や高付加価値品の売上が好調でした。海外は、インドネシアの国内自動車販売が好調に推移した関係もあり、主にインドネシア子会社の売上が伸びたことなどから、増収となりました。

営業利益の増加要因ですが、国内は先ほどお話ししたとおり、売上高の増収効果などによるものです。海外については、増収効果に加え、ASEANのオペレーションが改善したことなどによるものです。

2018年第2四半期 連結業績概要(対予想)

次に、予想と上期実績の比較です。予想は5月に上方修正したものと比較しておりますが、売上と利益の両面で見通しを上回ることができました。

2018年第2四半期 業績のポイント

上期業績を事業部門別に見ていくと、国内ライティング事業、国内ミラー事業、ASEANライティング事業、全部門が改善しております。なお、経常利益ベースでは、15パーセントを出資している中国のヴァレオとの合弁会社で一過性の利益計上があったため、11億円のプラスの影響が出ていることも増益の要因となりました。

(参考)【営業利益~経常利益~親会社株主に帰属する当期純利益】

営業利益から経常利益、純利益までの内訳をグラフ化したものです。営業利益外収益では、先ほどご説明した一過性の要因もあり、持分法による投資利益で11億円のプラス要因となっております。

連結貸借対照表(前年度期末比)

貸借対照表です。総資産の総額にはほとんど変化がありません。貸方側で有利子負債を72億円減らした一方で、純資産を39億円増やしており、結果として、自己資本比率、D/E比率共に大きく改善しております。

連結キャッシュフロー計算書

キャッシュフローです。営業活動によるキャッシュフローで121億円を創出し、有形固定資産の取得などの投資活動で24億円を使い、有利子負債の返済など財務活動に87億円を振り向けております。フリーキャッシュフローは97億円を確保しました。

自己資本額と比率

こちらは、自己資本比率と自己資本の金額の改善をグラフ化したものです。

D/E レシオ

そして、こちらはD/Eレシオです。ご覧のように順調に改善しております。

2018年1月~18年12月 連結業績見通し(前年実績対予想)

通期見通しについては、5月の第1四半期決算期に上方修正した数値を変更しておりません。上期ですが、若干見通しを超過して達成しておりますが、下期の見通しは保守的に見て、前回の見通しを維持することといたします。以上で、上期決算と通期見通しの報告を終わります。

続きまして、社長のサワーからご説明いたします。

中期経営計画 2017 – 2022 変化点

サワー・ハイコー氏:Good afternoon everyone.本日はご参加いただきありがとうございます。私からはオペレーションやビジネスの進展といった観点から、今後の見通しをお話しいたします。まずは昨年発表した内容を振り返り、現状をお話しし、そして今後の2022年までの歩みについてお話しいたします。

スライド19をご覧ください。これまで発表した内容については順調に進展しております。今年度の目標については、すでに達成もしくは超過達成の見込みです。2018年、ここまでポジティブに進展している理由はいくつかあります。

オペレーション的な要因、セールス的な要因、また効率性の改善といった要因、海外オペレーション、数年前はそれほど好調ではなかったものが回復した……そういった要因もございます。

私たちは、2022年については約8パーセントの営業利益率にコミットしておりました。ただ、ここまでのビジネスの計画に対する進展を考慮し、現在は2022年で8.3パーセントの営業利益率を目指しております。昨年発表した内容については、ここまで順調に進んでおります。

2019年、2020年、2021年にかけては、セールス的にややフラットになる時期がくる可能性があります。なぜなら、2022年に目指すべき姿に達するための投資が必要だからです。みなさまもご存知のとおり、会社として新しい建物、(神奈川県厚木市)森の里に投資する判断をいたしました。

2019年の半ばには生産を開始いたしますので、まだ投資が必要な状況で、かなりの設備投資が必要です。建物の建築は現在順調で計画どおりに進んでおりますが、設備投資をかなり実行しないと2019年半ばの生産が開始できません。

私たちは、同時に研究開発R&Dにも投資をしております。なぜなら、テクノロジーをなんとしても強化しなければいけないからです。ヘッドランプ、ギアランプは年々複雑化しており、その結果、そうした部品内の電装は増加しており、だからこそ研究開発投資が必要なのです。

日本国内での投資も必要ですが、もう1つの大きなこととしては、効率や競争力を考慮して、海外でも研究開発投資をいたします。タイという可能性、インドという可能性、中国において親会社のヴァレオと協力するという可能性があります。投資はしなければいけません。逃げる道はないのです。

こうした投資を2018年、2019年にかけて行います。それにより、私たちが後々目指している受注を獲得することができ、その結果、セールスが2年から2年半後に伸びてまいります。時期としては2021年、2022年頃と見ております。

中期経営計画 2017 – 2022 売上構成推移

次のスライドに進みます。このように、私どもは成長しております。あらゆるところで成長していますが、日本国外でも力強く成長しております。とくにASEAN……みなさんも状況はご存知かと思いますが、インドネシアは急速な成長を遂げている国です。インフラについてはまだ発展途上の部分もあるかもしれませんが、自動車業界はとくに大きく成長しております。

わが社のお客様は、今後10モデルほど展開する予定で、私たちはそれに対応する用意があり、この動きについていきます。そして私たちが目指している受注計画によれば、今後ASEANで目覚ましい成長を遂げる予定です。お見せしているように日本国内でも成長しますが、全体的にセールスの成長を見ると、ASEANで著しく大きく成長をしてまいります。

そして、中国においてもトレンドについてまいります。みなさんご存知のように、中国においては成長が若干フラットになり、数年前ほど急速ではありません。ただ、中国におけるミラー事業においてはまだまだ成長しております。

3パーセント、4パーセント成長という軌道に乗っており、私たちは全体として成長いたします。毎年3パーセントから4パーセントの複利成長をしており、今後もそのような計画となっております。

中期経営計画 2017-2022 2018年進捗状況

次のスライドに進みます。では、昨年は何を公表したのかと申しますと、2022年には売上1,650億円を目指すと発表いたしました。また、営業利益率については約8パーセントと発表いたしました。すなわち利益率を順調に上げていくことを意味しております。

こうした成長を実現するためには、先ほどから申し上げているように生産拠点の刷新をしなければいけません。藤岡の拠点を刷新いたしました。更には新しい拠点、森の里もございます。そして、他にもいくつかの小規模拠点での刷新、リノベーションも必要となってまいります。非常にふつうのことです。

生産能力を引き上げ、レイアウトを変えて、中身をよくするといったリノベーションが、今後行われます。また、研究開発リソースも強化してまいります。すなわち私たちは、今年収益を強化いたしましたが、それは基本的に大きく効率性を改善したからです。オペレーションに目を向けると、私たちは非常にうまく(事業を推進)できております。

各チームの効率性の改善において、目覚ましい成果を上げてくれました。伊勢原、藤岡、九州において正しい方向に進んでおり、これがインダストリアルのオペレーティングマシーンの営業利益の改善によく表れております。

過去数年と比べると大きな改善があります。インドネシアにおいては大きな回復を果たしました。数年前、みなさまもご存知のとおり、ASEANは損失を出しておりましたが、そのASEANは今では収益性が非常に高くなっております。

インドネシアの工場は、レイアウト変更後、再び軌道に乗っております。オペレーション上の問題はまだ残っておりますし、そうしたことは常々発生いたしますが、今ではコントロールできており、インドネシアが市光工業の決算に大きく貢献し、今後も続く見通しです。

中国においては、2つ目の工場を開設いたしました。中国南部、広東省に開設し、中国の中央から東部の無錫市に1拠点、中国南部の広東省に1拠点を設けました。今年、操業を開始いたします。

まだまだ小さな拠点で、主にミラーのアセンブリをやっております。受注計画どおり進めば、おそらくその上流、すなわち射出成型も中国南部に展開し、流れを完全に最適化して、オペレーション上の利益を獲得することができます。今ではまだ、アセンブリからスタートしております。

収益に対する負担要因となるのは、当然ながら償却負担が高くなることです。設備投資額も高いですし、2019年からは森の里の償却も開始いたします。また、研究開発費も増加しております。なぜなら、ヘッドランプの開発時間が過去と比べて非常に長くなっているからです。

電装が多いため、時には時間が倍になることもあります。論理的に言えば、研究開発、ヘッドカウントを増やす必要性がありますが、同時にそれを補完するための効率性も必要になってまいります。

そして最後です。価格競争は和らぐ様子はありません。私たちは、新しい原価での購買を心がけなければいけませんし、オペレーションが正しいレベルとなるように管理しなければなりません。またクオリティ以外のコストも競争力のあるものとしなければいけません。すべてをますますリーン(筋肉質)にしなければなりません。

私たちも他社と同じような状況に直面しておりますが、私たちのチームをもってすれば、こうした課題にもうまく対処できるという自信があります。

中期経営計画 2017-2022 2019 – 2020年は成長に向けた準備期間

次のスライドに進みます。私たちが2019年から2020年にかけて実施する施策項目ですが、なんとしても新技術を、OEMの顧客に更に導入しなければいけません。ここでの理解としてとても大切なのは、私たちがすでによい立場にあるということです。というのは、すでにヴァレオと電装において深く協力しているからです。

スマートドライバーを共に開発し、また必要となるセンサーもヴァレオと共に開発、そして日本のOEMに提案しております。OEM側もその状況を理解し、評価してくださっています。

そして、市光工業のリーダシップの下で……日本では当社がリーダーとなるためですが、OEMは私たちを支え、ヘッドランプを導入するだけでなく、ヴァレオから来る必要な電装を受け入れる用意があります。これはどうしても必要なことで、今後セールスや利益率の改善において、大きく貢献すると考えられます。

また能力増強のために更に投資をしなければいけません。森の里においては、1年当たりヘッドランプ300万台以上という生産能力を期待しております。それと同時に、藤岡の生産能力を増強し、リアランプを1年当たりで300万~400万台といった生産能力を目指しております。

これが必要な理由は、私たちは受注を目指すビジネスを考えているからです。とくに日本ではOEMで受注を目指しており、それに必要なのがキャパシティです。また更に統合を進めております。垂直統合について優れた戦略を持っております。コンポーネントの中には、外部から購入するものもありますが、どこに付加価値があるのかよく考慮しなければいけません。

私自身は垂直統合を強固に進めていくことを指針としております。やはりオペレーションから価値を引き出す方法がそこにあると考えているからです。そうした統合を更に進めるとなると、その生産のためのエリアも必要となってまいります。

そして最後に、私たちはミラービジネスも強化する必要性があります。ご存知のようにミラービジネスについては、日本そして中国に進出していますが、今後はこの2ヶ国以外でのビジネスについても考えなければいけません。ヨーロッパは当然ですが、ASEANにおいても考えなければいけません。

また、日本以外のお客様で自動車のミラーを必要としているお客様についても検討しなければいけません。ASEANにおいてはおもしろい可能性があります。フォードという可能性……中国のOEMで今後ASEANに進出するところかもしれません。中国OEMには、非常に力強い投資をしております。また、韓国の自動車メーカーがASEANにということもあり得ます。

そうすれば、彼らを攻略して私たちのビジネスチャンスを見つけることができます。こうした様々な予想から、日本国外のミラービジネスを強化する必要性があります。日本国内においても引き続き、ミラー事業の競争力強化に努めなければいけませんし、今あるビジネスを維持するだけでなく、新たなチャンスを獲得してまいりたいと思います。

中期経営計画 2017-2022 ヴァレオとの統合進捗

ここでは、いくつかのことを発表しております。まずはR&Dのシナジーについてです。先ほどから申し上げておりますが、ヴァレオとの共同開発計画を持っております。

また定期的なレビュー会議をマネジメントレベル、オペレーション、ビジネスレベルで行い、どういった技術を日本のお客様に提案するのか検討しております。またその際に、どういった技術をヴァレオから入手し、どういったものを共同開発し、またどういったものを市光工業が単独で開発するのか検討しています。

私たちの5ヶ年の中期経営計画の中でも、明確にテクニカル開発計画として入っております。今はなんとしても実現しなければいけません。各チームで、オペレーションレベルで協力して実現しなければいけません。そして、ここまでもしっかりと成功しております。すでに一部のお客様に対して提案をしており、近々量産に入る予定です。

ドライバーを例にすると、ヴァレオのドライバーを日本の自動車メーカーのニーズに合わせて変更しております。非常に実りのある協力関係となっており、他の日本のお客様とも(同様に)続けてまいります。なぜなら向こう側は、ヴァレオのテクノロジーをオープンにこちら側にリリースし、利用・提案できるようにしようとしております。

私たちがオペレーションの効率性について考えるとき、購買シナジーは最も大切なポイントの1つで、非常にうまくいくと思います。ヴァレオは過去から購買力を大きく積み上げております。今では市光工業がヴァレオの購買組織と完全に統合されており、年々購買の収益性が高まっており、私たちの各指標も改善されております。

そして、サプライチェーンの土台はかなり最適化されており、これは国際的な競争力を高めるためにも必要なことです。日本は、ASEANだけに留まらない競争力を高めるために、とても必要です。シナジーが非常にうまく働いています。生産技術のシナジー……例えば森の里や新しく作る工場など、完全にリーンな生産拠点となります。

ここでは市光をリーンが生産し、ヴァレオから引き継いでいる思想に合わせてあります。ASEANのオペレーションにおいても、そうしたことを一歩一歩進めます。なぜなら新しい投資がある時には、当初の市光のプロセス中心のやり方から、もっとリーンな生産に移ることで得られるものがあるからです。

投資や空間面積を節約できますし、また世界中の方々……こうした技術を知っており、支援できる方々と一緒に仕事をするチャンスもあります。そのような意味で、プロセスエンジニアリングはもっと国際的になります。なぜなら、こうした投資は世界中で活用されるからです。

そして最後に、私たちの間接経費も効率化しなければいけません。これはどちらかというと、庶務的な業務をどのくらいヴァレオと共にできるのかということに関わります。白土さんのチームの協力もあり、まずは財務のシェアード・サービスセンターから着手し、更に進めてまいります。アリさんのヴァレオ・ジャパンチームにおいてもチャンスはありますし、人事においても、例えば採用・人材育成においてもチャンスはあると思います。

こうしたことを続けて、市光工業とヴァレオとの統合を進め、人員を節約するだけでなく、将来のためにシナジー効果を獲得してまいります。このようなわけで、2017年、そして2018年と、大きく進展を遂げております。進展は終わっておらず、続いております。

私たちがお見せしたヴィジョンを達成するために、私たちが信じているヴィジョンを達成するために大きなアクション……大切なアクションであり、毎日、毎月、毎年、各チームでこれを達成するための努力を続けております。各チーム、2022年の営業利益率8パーセント、もしくは8.3パーセントの達成に向け、すでに大きく前進できております。

これからも楽観視しております。私もチームも準備万端で、ヴァレオも必要な支援をする用意があります。今後も日本のOEMに対して、これが正しいやり方であることを説得しなければいけません。すでに多くの方から後押しいただいております。目標を達成できることを確信しております。ありがとうございました。