今回は行動心理学を紹介!

頼藤太希氏(以下、頼藤):こんにちは。

高山一恵氏(以下、高山):こんにちは。

頼藤:ゆるーくマネーについて語るラジオ。

両者:マネラジ。

(両者拍手)

頼藤:第33回。この番組はゆるーくお金や働き方について語るラジオ『マネラジ。』ということで、Podcast番組なんですけれどもね。

高山:はい。

頼藤:まあ、ゆるーく語っているんですが……。

高山:はい(笑)。ゆるい回とさ、固い回、けっこう差あるよね。

頼藤:最近どうですか?最近の状況は。

高山:なんですか、それ(笑)。

頼藤:最近のね、業務報告みたいな。

高山:最近は本当に、今年はiDeCoがブームだなっていうのを実感しておりまして。

いろんな金融機関さんにありがたいことに呼んでいただいて、お客様向けとか会員さん向けのセミナーがけっこう立て続けにある状況ですね。

頼藤:宇都宮とか水戸とか甲府とか、ちょっと遠いところに行っているんですけど。

高山:私はね、東京と神奈川(笑)。

頼藤:高山さんちょっとずるいっすよね(笑)。

高山:いやいや、依頼されているわけですから(笑)。

頼藤:あれですか、僕の方はちょっと地方行っとけよみたいな。

高山:えーそんな、地方の方に失礼ですよ。そういうこと言って(笑)。

頼藤:じゃあ、都市圏以外のところ行けよってことですか(笑)。

高山:いやいや(笑)。いいじゃないですか、いろんな地域に行けて、見分が広げられて。

頼藤:そうですね。僕が行った地域は、みんな勉強熱心だなって。

高山:みなさん本当そうですよね。

最近iDeCoセミナーに来てくださる方は、みんなかなり熱心で。

で、たまに私もギャグとか言うんですけど、そういうギャグまでメモる、みたいなね。

いや、それはいいんだけど、みたいな(笑)。

頼藤:なるほど(笑)。

高山:でも、みなさん本当に熱心に聞いてくださって、ありがとうございます。

頼藤:僕もね、ちゃんと笑いをとれるように頑張ってますけどね(笑)。

やっぱり、講演後に、けっこう質問もしてくれて。

高山:そうですね、はい。

頼藤:本当にみなさんにね、とっていい講演になるように頑張って、日々動いてるっていう感じです。

高山:そうですね。

頼藤:あとは、けっこう「Mocha」の記事とかも読んでいただける方も増えてきてまして。

高山:そうですね、私たちの自社サイト。

頼藤:「東証マネー部」っていう東京証券取引所が運営しているWeb媒体があるんですけれども、そこに転載されたりとか。

高山:そうですね。

頼藤:で、もともと「ZUU」さん、「DAILY ANDS」とかには転載されているんですけれども。

で、この番組も「ログミー」に書き起こしされているということで。

高山:そうですね、最近ちょっとこうね、Mochaも世に出ていく機会が増えてきたなと。

頼藤:あとはなんか、オウンドメディアとかの記事執筆もMochaの記事をたくさんしてほしい、みたいなのをちょっとね、2社ぐらいから今来てたりとかしていて。

まあ、ようやく軌道に乗ってきた感じと。

高山:Mochaもね。

(両者笑)

頼藤:そんなところですかね。

じゃあ、今日はちょっと行動心理学というか、行動経済学。

高山:お、なんか字面だけ聞いてると難しそうですけど。

損を嫌うがゆえに損をする“プロスペクト理論”

頼藤:難しそうなんですけれども、身近にある話に置き換えて、ちょっと経済を読み解いていくということをしていきたいなと思うんですけれども。

じゃあまずはですね、ちょっと言葉としては難しいんですけど、「プロスペクト理論」についてお話ししたいと思います。

高山さんに問題です。

例えば、50パーセントの確率で1万円もらえて、50パーセントの確率で1万円を失うクジ引きがあったとしますけども、その時、引きますか? 引かないですか?

高山:あ、これなんか前やった(笑)。

引きます。

頼藤:引きます! おー!

(頼藤拍手)

頼藤:引くと答えた方はちゃんとリスクに向き合える度量がある、許容度があるということなんですけども。

高山:よかったです。

頼藤:たいていの人は損することが怖いので、くじを引かないことを選ぶ。

高山:なるほど。

頼藤:人は、利益を得るよりも損する方が嫌で。

高山:まあね、それはね。

頼藤:だいたいその倍率は2.5倍って言われてるんですよ。

だから、1万円得するとしても、2万5,000円損するんだったら嫌なんですよ。

だから、1万円損するんだったら、2万5,000円以上の利益がないとやらないんです。

そういうクジじゃないとやらないってことなんですよね。

高山:なるほど。

頼藤:1対1じゃ、やらない。

2.5対1じゃないと、やらないんですよ。1万円の損に対して2万5,000円分の利益じゃないと嫌だと。

このように、損を嫌うがゆえに、損する行動をプロスペクト理論っていうことがあるんですね。

損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向のことです。

高山:まあね。

やっぱり、私たちのお客様にも、投資、なかなかやらないって方多いですよね。

頼藤:これは心の罠みたいな話でして、投資の世界でもけっこうあるんですよね。

難しいところではあるんですけども、投資っていうのは感情との闘いとも言われているので。

高山:わかりますよ。

欲が出ちゃったり、人間としてね、心理にすごい左右されるなと思います。

頼藤:心の罠にはまらないように向き合うことが投資の成功の秘訣ということで、行動心理学っていうのが注目されているということなんですかね。

高山:なるほど。

経験に引きずられてしまう“アンカリング効果”

頼藤:はい、じゃあ次はですね、「アンカリング効果」。

聞いたことありますか。

高山:聞いたことありますね。

頼藤:アンカー(錨)だから引きずりますよね。

それの名詞形アンカリング、動名詞ですね。

これはですね、人々が物事を判断する際に、自分の知っていることや経験値に引きずられてしまうことですよ。

高山:なるほど。

頼藤:はい。客観的に判断できないですよね。

高山:こうだったから、とかね。

頼藤:例えば、日本の失われた20数年を経験して、この間、物価は下落傾向、株価も下落傾向が続いて下がることに慣れてしまって、その経験値が心の罠となって「物価は上がらないだろう」とか「株価そんなに上がらない」ということで、買い時を逃してしまうっていうのがアンカリング効果です。

高山:世代のお金の使い方もそうじゃない?

バブルを経験していると、お金の使い方が、今の経済状況と合わせない感じで。

頼藤:そうなんですよ。

昔の栄光に引きずられるっていうところがあるんですよね。それはアンカリング効果なんです。行動心理学の言葉で言えば。

高山:なるほど。

頼藤:はい。みなさんどうですかね。

(両者笑)

高山:これはね、大きいんじゃない?

あと、年齢がいけばいくほど、過去の蓄積が長いから、過去にとらわれるっていうのはあるかもね。

若い人より。

ギャンブルで得た臨時収入どう使う? “メンタルアカウンティング”

頼藤:そうなんですよ、はい。

続きまして、「メンタルアカウンティング」。日本語だと心の会計。

けっこう当たる人が多いと思うんですけども、お金の入手方法・保管場所・使い方などによって、心の中でお金を勝手に分類して、扱い方を変えてしまう心理のことです。

例えば、競馬などのギャンブルで勝って、まとまってお金が入るとします。

仮にそれが30万円だとしましょうか。

その棚ぼた的な臨時収入は、ぱーっと使いませんか。

高山:あー、確かにね。

金は天下の回りもの。

頼藤:そう。

カジノとか競馬とか、まあパチンコ、パチスロ、スロットでも、そうですよね。

でも、毎月の給与収入が30万円だったら、その30万円をぱーっと使いませんよね。

高山:まあ、そりゃあね。

頼藤:お金って同じ30万円なのに、入手先が違うだけで扱い方が変わってしまうんですよ。

心の中で、頭の中で、勝手に分類しまっているんですよね。

高山:なるほど。

頼藤:これ自由に使っていいお金だ。

高山:なるほど。

頼藤:これはやっぱりおかしいですよね。

だから、自分の心の罠にかかっているということなので、ここはまあ自己規制しましょう、というところですね。

高山:自己規制する。

でも、確かに、もし、カジノとかで当てちゃったらなー。

遊んじゃいそうです(笑)。

頼藤:そうなんですよ。

ちょっと気にしないといけないのは、投資の利息、分配金とか配当と、ローンの返済額、これも、別で考えちゃうのってやっぱおかしいんですよね。

例えば、仮にリボ払いしていて、株もやっているっていう場合であれば、リボ払いの利息の方が高いんですよ。

高山:うーん、なるほど。

頼藤:だから、別で考えないで、損か得っていうのをきちんと考えて、ルールをしっかりして、損するものは早く返すとか、収入金額も、ギャンブルで儲けたとはいえ、きちんと貯蓄してね、まあ、ぱーっと遊んでもいいんですけど。

高山:一部、遊ぶとか。

つまらない映画を見続けのはムダ! “サンクコスト”

頼藤:そういうことですね。

はい、じゃああとは、「サンクコスト」。聞いたことありますか?

高山:あー、サンクコスト、なんかこないだ『インベスターZ』で見た。

頼藤:サンクコストっていうのは、サンクっていうのは埋没するっていうっていう意味なんです。

サンクコストはですね、人が行動する際につぎ込んだ費用の大きさによって、その後の判断に影響を与えるものなんですね。

例えば、これだけ金額を費やして塾に通わせたから、最後まで塾に通わせたいとかね。

あとは、ニュースで言えば、公共工事にね、通算で、通算では100億円かかって、今のところ10億円かかっていると。

もう10億円もかけちゃったから最後までやらないといけない、っていうふうに考えてしまう。でも、10億円で済んだって考える方が適切なんですよ。

高山:なるほど。

頼藤:10億円の勉強量でね。

これは投資も一緒なんですよ。

高山:映画とかも、つまんないなーと思っても、1,500円払っちゃったから、っていうのはあるよね(笑)。

頼藤:そう、映画も1,500円払って、つまんないのあれば、すぐ出た方がいいんですよ。

1,500円はもったいないんですけども、その残りの時間で有意義にできることがたくさんあるわけで。

高山:確かに。

頼藤:「便益」っていう言葉なんですよね。経済学で言えばね。

自分がした方が稼げるものに、より時間を使いましょうと。稼げるというか、自分が効用が、満足度が得られるものに使いましょうということですね。

高山:これは陥りがちだよね。サンクコスト。

頼藤:だから、見切りを早くつけるっていうことが大切になってくるのかなと。

高山:なるほど。

頼藤:どうですか、面白いですか?

高山:面白いですよ。

サンクコストとか、いろいろ応用できるよね。

ほら、例えば、彼氏とかでもさ、ここまで何年も付き合っちゃったから、いまさら別れるとか言えないとか、あるじゃない(笑)。

頼藤:まあね、だから、サンクコストの注意点は、現時点に、プラスなのかどうか、プラスになっていくのかどうかっていうのを考える。

今まで10万円損したからって考えるんじゃなくて、マイナスからのスタートじゃなくて、今の立ち位置に戻して考え直す。これがポイントですね。といってもなかなか難しいんですけどね。

だから行動心理学ってむずかしいんですけど。

高山:まあ、でもこういう、陥りやすい心の心理を知っておくっていうことも大事だよね。

頼藤:そうですね。次、あと2個ぐらいいきますか。

高山:はいはい。

モテ過ぎると結婚できない? “決定麻痺”

頼藤:じゃあ、「決定麻痺」。

多くの提案をされると、人は悩むんです。

高山:あー、なるほど。

頼藤:人は選択肢が増えば増えるほど、悩んでしまうんですよ。で、最近、ちょっとiDeCoの商品数も少なくしよう、みたいなのが。

高山:はいはい、流れありますね。

頼藤:今、個人が選べる投資信託って6,000本あるんですけど、これを少なくした方が選びやすいんですよね。

高山:確かに、選べないよね、6,000本の中からどれがいいって言われてもね。

頼藤:で、米国の心理学者が、ある実験を行っています。

あなたはCDプレイヤーを購入するつもりでお店に入りました。今日、1日限りの安売りセールをしています。あなたはどうしますか、ということで、選択肢2つ。

(選択肢1)普及機のソニーのプレイヤーが1万円、いつもよりも価格が安い。

(選択肢2)普及機のソニーのプレイヤーが1万円で、高級機のアイワのプレイヤーが1万7,000円で、どちらもいつもより価格が安い。

はい、どうしますか?

高山:うーん、(選択肢)1番(のときに購入する)。

頼藤:1番の時に購入する? 2番の時だと購入できない。

そうなんですよ。

実験結果、1の(選択肢で)場合で66パーセントが購入すると。2の場合だと、合計で46パーセントで、購入している数が少ないんですよ。

選択肢があると、もうちょっと待ってから考えるってなっちゃうんですよね。

だから、決定麻痺することで、機会を創出しようとしていますということですね。

外れをつかんで、あとで後悔したくないって気持ちが起こりがちになっちゃうので。

高山:それはね、私の友達にも独身の子がいるんだけど、やっぱり、本当に選択肢が多くて。昔すごい美人で。

頼藤:モテすぎたと。

高山:そう、すごい美人で。あれもこれも、ってやってたらいまだに独身。

頼藤:なるほどなー。

決定を先送りすることで発生する損失を考えた方がいいですね。

まあ、やってみようということですね。

高山:なるほど。

頼藤:やってみて、失敗したら失敗したでいいじゃないですか。

失敗から学ぶこと多いわけですから。

高山:人生は失敗の連続ですから(笑)。

頼藤:そうなんですよ。

失敗がたくさんあったから、電球とかも発明できたわけですよ。

高山:まあ、確かに。

損切り・離婚・転職に踏み切れないのは“現状維持バイアス”のせい?

頼藤:ではじゃあ、最後にしましょうか。「現状維持バイアス」。

これはですね、プロスペクト理論とちょっと似ているんですけども、新しい試みをしようとする際、その選択が得する可能性も損をする可能性も両方あった場合、人は現状のままいることを選択してしまう。

高山:まあね、これはやっぱり多くの方がそうですよね。

頼藤:そう。

投資に興味があっても、リスクを考えると踏み出せずにいるとか。保有している投資信託とか株式の売り時を逃したままになっているとか。

高山:なるほど。

頼藤:仕事や、家族との関係もそうだと思うんですよね。

先ほどありましたけど、恋愛関係や、離婚や、転職とか。面倒という気持ちが働いてしまって現状維持になってしまう。

高山:そう。

面倒っていうところが1番大きいんじゃない?人は変化をする時って、圧力とかね、いろんなのが来るじゃないですか。

だから、面倒くさいんですよ。

頼藤:この話って、すごい有名な本『チーズはどこへ消えた』でも伝えている話です。

高山:名作ですね。

頼藤:チーズが消えたんじゃなくて、チーズは食べてなくなったんですよ。

まずはその現実と向き合って、次のチーズを探しに行かないといけない。

高山:なるほど。

頼藤:はい、そんなお話なんですけども、だからですね、まず現実と向き合って、行動を起こさないといけないんですよ。

高山:じゃないと、新しい境地は開けないですからね。

6つのワナが投資の失敗につながることも

頼藤:はい、どうですかね、こんなところで。

プロスペクト理論と、メンタルアカウンティングと、あとアンカリング効果、サンクコスト、決定麻痺、現状維持バイアス、6個の心の罠をお伝えしたんですけども。

高山:これはもう、多くの人が当てはまっていることです(笑)。

頼藤:当てはまりますよね。

高山:私も含めてね。

頼藤:で、これは投資の世界ではけっこう全部、この6個がね、原因となって失敗するっていうケーズが多いんですよ。

だから、失敗しないようにどうするかっていうと、やっぱり機械的にできるものをつくっていく必要があるんですよね。

機関投資家でも一緒なんですよ、ファンドマネージャーだって人間じゃないですか。

だから、人間の誤りで会社が倒れないように、破たんしないように、やはり仕組みを作ったんですね。長期に分散して積立を低コストでやるとか。

それが大部分の9割とかを占めてて、残りの1割で、より利益を取りにいきましょうと設定されていたりしています。

個人の資産運用でも同じようにすればいいんですよね。

大部分を長期分散積立でやっている。

高山:そうですよね。

感情を排してコツコツとね。

頼藤:そう。

で、ただ感情排してコツコツやっているとつまんないので、やっぱ興奮するところで、株とかFXとか、個人で投資信託選ぶとか。

もちろんギャンブルもやっていいと思いますし、やっぱバランスが大事なんですよ。

長期分散積立が大事とは言いつつも、やはり心のバランスも大事ですので。

高山:そうですね。

頼藤:そういったところも伝えていけたらなと僕は思ってますね。

やっぱり株・FX面白いですからね。

高山:本当面白いよね。儲かった時の「やった!」っていう。

頼藤:そうそう。

高山:あ、でも損した時のあの「ずーん」っていうね(笑)。

頼藤:でも、ずーんがあるから次に活かせるということなので。

ぜひね、今日言った6個の罠を参考にしつつ、投資の世界にまだ向き合えていない方はぜひチャレンジしてみて、こんなに面白かったんだということを体験していただければと思います。

高山:思います。

頼藤:はい、というわけでね、お時間が来たということで。

頼藤太希と。

高山:高山一恵が。

頼藤・高山:お送りしました。

またね! See You!