サマリー①
西野伸一郎氏(以下、西野):あらためまして、富士山マガジンサービスの西野です。よろしくお願いいたします。
それでは早速、第16期目(2017年12月期)の業績報告ということで、サマリーからいきたいと思います。ここにあるとおりなのですが、取扱高は83億7,300万円ということで、昨対比9.4パーセントの増加でした。
売上高は29億1,900万円で、こちらは(昨対比で)13パーセント上回っています。営業利益は3億3,100万円で、昨対比はマイナス18.5パーセントになりました。
下に表がありますが、達成率としては目標としていたところに足りず、それぞれ90パーセントをちょっと超えるぐらいです。営業利益は、87パーセントという結果に終わりました。
サマリー②取扱高と会員数について
もう1つのサマリーとして、取扱高と会員数でございます。
これは、管理部にお問い合わせをよくいただくということで、それが一覧で見えるようなかたちのもののほうがわかりやすいかなと思って、今回はこのように示してみました。
グラフで言えば、オレンジ色がトータルの会員数です。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、灰色の小さいグラフが、お金をいただいているアクティブユーザー数です。そして、折れ線グラフが取扱高というかたちです。下(の表)にそれぞれの具体的な数値が入っていますが、このようになっております。
業績推移
それから、業績推移です。
取扱高・売上高に関しては着実に(推移しています)。雑誌業界は、少しずつ市場が縮小している中、(当社は)定期購読など、いろいろと底溜まりする事業モデルですので、そのような意味では、堅実に成長しております。
ただし、後述の理由により、売上総利益・営業利益は予算と比較して未達という結果に終わってしまいました。
2017年12月期(第16期)における原価推移
こちらは、(みなさまから)ご質問いただいている項目ということで、グラフおよび数値の表にまとめさせていただきました。
いろいろな原価の項目がある中で、とくにこちらで言いますと、運用原価率が悪化しています。その内訳として、大きくは配送コスト面(の悪化)と、それから(新規)システムのソフトウェア(開発に伴い)運用費の比率が、ちょっと上がってしまいました。こちらによって原価が悪化したということが、ここに書いてある内容でございます。
2017年12月期(第16期) 販売管理費推移
今度は、販売管理費の推移です。
(固定費としては)人件費、家賃および広告宣伝費です。こちらが、結果としてはコスト増につながっています。もともと若干のコスト増にするつもりだったのですが、結果としては、前年度比を上回る(ほどの)結果のコスト増につながっています。これが、販売管理費の昨対ベースの上昇率が全体の比率よりも、ちょっと大きくなってしまっている原因となりました。
BS推移
こちらは、それぞれの項目が細かな数字になっていますので、この(スクリーンに映した)表で見るよりは、お手元の資料で見ていただければと思います。
BS自体は、我々はけっこうお客さまの預り金や、それから出版社さんへの未払金という項目もありますので、(数字上は)キャッシュがドンとあるように見えるのですけれども、実質的な現預金としては、5億円ぐらいの数字なのかなと思っております。
それから、無形固定資産の減少は、先ほど申し上げました(新規)システム開発の運用コスト(運用工数)が今回増大してしまったことを受けて、(開発に)振り分ける工数が減少した結果によるものとなっております。
ここまでが、今期のレビューになります。
当社が目指す企業像
ここからは、数値のレビューというよりは、今はすでに(2018年の)2月ですけれども、16期(2017年12月期)に成長戦略として掲げた戦略の結果をご説明します。
もともと、雑誌にはいろいろな種類があるので、(当社は)それに基づいた趣味・嗜好を反映したプラットフォームを提供していく体制になるべく、別の言葉では「ファンクラブ」という言葉を使っているのですけれども、そのような事業体になっていこうというのが、我々が目指す道です。富士山の裾野が広がるようにいろいろな趣味があるので、それを束ねていこうというのが、(我々の)目指しているものです。
成⻑戦略「マガノミクス 3本の矢」
「成長戦略『マガノミクス 3本の矢』」です。雑誌の定期購読販売以外の部分で、第2・第3の矢としてデジタルの記事・コンテンツや、それから「マガコマース(物販)」と呼んでいる別の商材のプラットフォームを積み上げるというのが、もともとご提示している成長戦略の内容です。
成⻑戦略の振り返り
その結果、前期の振り返りとしては、こちらに書いてあるとおりでございます。
まず、1本目の矢です。「Special Partner戦略」と呼んで、定期購読を増やしていこうというところと握って、進めている内容です。
それぞれの出版社さんと定期講読を増やそうということは、各々がやっているのですけれども。できれば、当たりを引く……なんと言えばいいのか、言い方が適切かどうかわからないのですけれども。雑誌のいろいろなジャンルがある中で、定期購読をグググっと伸ばせるようなかたちのものを見つけようと、今もいろいろと試行錯誤しています。
結果として、1つのジャンルにおいて、すごく(定期購読比率が)伸びる勝ちパターンを見出すことはできなかったというのが、現状になります。
ただ、それぞれの雑誌はそれぞれ少しずつ(定期購読の)パーセンテージは伸びておりますので、引き続き堅実に、そこは成長させていきたいと思っています。
それから第2の矢は(「デジタル・WEB戦略」で)、とくに「デジタル」というキーワードのところで、いろいろなことが進んでいます。
あらためて言うと、もともとデジタル雑誌を我々が始めてから、随分経つのですけれども。雑誌のレイアウトのまま……PDFと言ったらいいのですか、業界では「レプリカ」と言うのですけれども。雑誌に見えるあのレイアウトのまま、デジタルでも読んでいただくというものを、ずっとやってきています。
やはりそういうのって、タブレット端末でしたらそれなりに読めるのですけれども、タブレット端末よりも(所持数の)桁が2つぐらい多い、スマホを中心にしたものでは(対応領域を)拡大しないといけないとか、いろいろなことで、なかなか伸びないということが見えてきました。
いわゆる書籍やマンガのような分野は、もう十分スマホに対応しているので、そちらの見え方で大丈夫なのですけれども、雑誌に関しては「やはり、レプリカでは(スマホとの相性の問題で)限界があるな」ともともと思っていたので、テキストベース……こちらは、業界用語で「リフロー」と呼ぶのですけれども。リフローで対応できることを、いろいろ開発してきました。
リフローベースでの記事化のシステムを、使っていただいているところが少しずつ増えてきているのが、実際に進行している内容となります。
それから第3の矢は、マガコマース(物販)・イベントを中心にした、次世代の雑誌ビジネスプラットフォーム(の構築)です。こちらは、もともとOCEANSさんやGGメディアさんなどのECサイトで使ってきたもの(プラットフォーム)を、いくつかのサイトで展開しはじめました。
まだそこも、いろいろなことをやってみて(展開していく)ということではありますけれども、いろいろな雑誌に関連するものの販売を、3つのサイトで始めております。
1本目の矢 スペシャルパートナー(SP)戦略の進捗
1本目の矢ということで、先ほどご説明したもの(Special Partner戦略)としての代表例は、このようなものになります。車系の雑誌で、我々の株主でもあるCCCさん(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)で、Tチケットを取り扱っているのですけれども。
Tカードがあれば、別のラインから優先的に入れるという車のイベントとコラボして、その中で使っていただいたものに関しては、ポイントをバックするという施策ですとか。
それから、この将棋の雑誌(『将棋世界』)のように、(次号を予約すると)「3号連続半額」など、いろいろなことをずっと続けてきています。
この中でジャンルに応じて、「こういう分野だったら、こういう企画が当たる」というもので、(定期購読の)パーセンテージが一気に伸びるものを見つけたいと思って、いろいろやっているのですけれども。
それぞれの雑誌のパーセンテージを、着実に増やしていくことはできるものの、もうちょっと1つのジャンルで、「これ(分野)だったらこれ(企画)」という勝ちパターンの成功の方程式を作りたいと思いながら、まだ進行している段階です。
「2本目の矢」の進捗
2本目の矢の進捗です。こちらはもともと、たぶん(資料の)上に書いてあることをご提示していたわけですけれども。それに対して実際に、(資料の)下のことが可能になりました。
もともとやっているデジタル雑誌……レプリカの雑誌のデジタルデータを、多くのデジタル書店さんに提供することを進めていました(①)。
それに加えて、こちらで「PDFデータ」と書いてあるものが、先ほどお話ししたレプリカデータなのですけれども、こちらを記事単位のデータでキュレーションサイト等に提供していくことで、少しずつ成果が出てきています(②)。
例えば、これも本当に少しずつですけれど、ドコモさんの「dグルメ」の中の、いわゆるグルメ雑誌を集める。そしてそこの記事コンテンツを、普通の雑誌だとそのままのページ単位になってしまうので、(PDFデータから)記事単位にテキストを分け、再整形するかたちで(キュレーションサイト等へ)提供することを始めています。
それからもう1つは、出版社さんのWebメディアに提供する、記事コンテンツのもとを作っております(③)。とくにこちらを今期に拡大できるよう、基盤を作ってきたのが、この2本目の矢の進捗状況です。
第3の矢の進捗
第3の矢の進捗です。こちらは、(雑誌の定期購読者と親和性のあるサイトが)「3社ほどに拡大しました」と、先ほど申し上げました。この『Veggy』は、菜食系と言うか、そういうものを食べる方々の雑誌です。『ゴルフダイジェスト』は、たぶんみなさんもご存じなのかな? ゴルフの雑誌です。それから、『子供の科学』です。
それぞれの、マガコマースサイトをオープンしました。
事例① ゴルフポケット✕MagaCommerce
『ゴルフダイジェスト』さんのもの(マガコマースサイト)は、「ゴルフポケット」というサイトになっています。基本的には、定期購読者なら割引で(商品を)買えるということを、実現したサイトです。
こちらのサイトは、まだ開設してから時間はそれほど経っていないのですが、7・8割は定期購読者が買っているという状態になっています。それなりに「定期購読者に対しての特典」という位置づけで、少しずつ引き付けができています。
事例② veggy Marche(veggy)
それから『Veggy』(のマガコマースサイト)は、「veggy Marche」というサイトです。こちらは、商品にもよるのですけれども、定期購読者なら30パーセントから40パーセント割引みたいな商品がけっこうありまして、そういうものを販売しています。
事例③ KoKa Shop!(子供の科学)
それから「KoKa Shop!」は、『子供の科学』のサイトなのですけれども。こちらも当然、定期購読者に対してのインセンティブが付いているのですけれども、こちらは値引きだけではなくて、例えば3Dプリンターなど、子どもが興味を持つような物をいろいろと販売しています。
この販売商品を、作り方を説明してくれる人を呼んで、子どもと一緒にそれを作ってみる……みたいなイベントを、定期購読者向けに開催しながら、だんだん会員を増やしていくことを実現しています。
第17期(2018年12月期)通期予算について
そして、こちらが第17期(2018年12月期)通期の予算になっております。とくに、原価項目と販売管理費項目なのですけれども。
ここに書かせていただいたとおり、(原価項目は)システム投資も大きく、去年に比べても1億円以上乗せるかたちで、投資をする予定にしております。
それから、販売管理費項目。こちらはとくに、広告宣伝費と組織再構築の人員採用です。昨年に比べて、投資を大きく増やそうと考えております。
結果として、売上は、通期で堅調に拡大する予定ですけれども、営業利益・経常利益は前期並みの数字ということで進めさせていただきたいと思い、このような予算になっております。
私からのご説明は以上になりますので、あとはご質問等を賜れればと思います。よろしくお願いします。
質疑応答:他社のECサイトの移管について
質問者1:18ページの『子供の科学』の(マガコマースサイトの)事例で、「他社サイトで運営していたECサイトを移管」とありますけれど、これはどのようにして御社にきたのでしょうか?
西野:出版社さんそれぞれで、いろいろな考え方のところがあると思うのですけれども。『子供の科学』さんに関しては、他社さんのシステムで(サイトを)やられていたのですけれど、やっぱり出版社さんとしては定期購読者の管理とECサイトの利用者を一元管理したいという思いがありました。
そして、定期購読者のデータは、我々しか持っていないため、「定期購読者なら割引をします」とか、そのようなことを実現したくても、当社ではなく他社のシステムだと結局そのような対応ができないので、定期購読者情報と連動できる当社提供のサイトに移ってきていただけました。
全部一貫して1つのところで管理した方が、管理コストも安いですし。今実現したいと思っている「会員サービス」という考え方……単なる物売りサイトというよりも、いかに定期購読者さんが継続的にお金を支払う価値を見出せるサービスを提供できるかという考え方に基づいて、この「マガコマース」は出版社さんでそれぞれやっていただいております。
質問者1:これ(マガコマースサイト)は御社が重点を置いていることだと思いますけれども、今後の増え方について、どのように考えていますか?
西野:当然我々としても、増やしていきたいなと思っています。増え方ということで言うと、例えば『子供の科学』さんは、比較的スムーズに意思決定していただいた後、移管することができました。一方で、今(自分たちでECサイトを)やられている人たちは、簡単に言えば条件さえ合えば(我々のほうにきてくださると思います)。
先ほど言ったように、「物売りサイトというよりは、定期購読会員のビジネスを広げていくんだ」という思いが(ECサイトをお持ちの方々に)あれば、うちに移管してくるようなことが、けっこうあるのではないかなと思っています。
その一方で、そういうコンセプトには同意していただいているのですけれど、(それでも)やられていないところには、やっぱり理由があります。それは、Eコマース機能だけの提供だと、ちょっと足りないと。
「ちょっと足りない」とは何かと言うと、例えばとくにファッション系。我々は、OCEANSさんではずっと前から(マガコマースサイトを)実現しているのですが、やっぱり服を販売するとなったときの、いわゆるマーチャンダイジング機能と言うのですかね。編集部の方々は極端な話、「こういうものが好き」と、売るイメージじゃなく(好みによるイメージで)掲載はしてくれるのですけれども、実際に販売するとなると、やっぱり違った視点が必要でして。
そのような人材や機能がない場合に、いきなりすぐに(サイトを)立ち上げられないというのは、我々もけっこう感じているところがありまして。そのようなところに関しては、我々が機能を提供していくか、そういうこと(人材や機能の確保)をしながら順番に進めていくかという、2つのタイプに分かれて、増やしていくのかなと思っています。
ただ、今回3社に増やしてみて、いろいろなパターンがまた見えてきましたので、(今後は)確実に増やしていけるのかなとは思っています。
質問者1:ファッション系ってけっこう大きいと思うのですけれど、御社はそのあたりのマーチャンダイジングや物流機能に関して、どこかと提携してやるという考えがあるのでしょうか?
西野:はい。可能性としては常にオープンなので、我々だけでやるよりも、そういう機能をもともと持っているところと提携する方が(いいこともあり)、そのような話も実際にあります。なので、いいと判断すればそうしますし。
それから例えば、先ほど出てきたOCEANSさんと我々で、株式会社rumorsというジョイントベンチャーを作っています。
そこで、OCEANSさんがすでにやっているものを拡大することができれば、それでもいいと思っています。そこにこだわりはないというか、実現できればという考え方でいます。
質疑応答:システム投資の目的は?
質問者1:わかりました。最後の質問で、第17期(2018年12月期)はシステム投資がけっこう増えるみたいでしたけれど、どういうところに使うのでしょうか?
西野:やはり第2の矢・第3の矢を実現するにあたって、なかなか既存の仕組みの上に……実際に技術開発しているものも多いので、そのあたりを増やすにあたって、しっかり投資していこうと考えています。
質問者1:あと、利益の反転のめどは、いつごろからと見込んでいますか?
西野:もちろん(利益を)反転するべく、投資しているのですけれど……(佐藤氏を見て)いつごろと、言った方がいいの?
佐藤鉄平氏(以下、佐藤):現状としては正直な話、今は投資期と考えていますので、「いつ投資をやめる」というプランのところまでは、作成していません。ただ、2~3年経って、逆に業績関係や市場拡大にシステム投資等が追いついてきたら、当然そこからは回収期に入るでしょうから、そのタイミングをこの2~3年で見てということで、事業計画を組んでいます。
なので、現段階において今すぐ「この段階で投資をやめます」といった話は当然できませんが、回収できるめどが立ってきて、第2の矢・第3の矢の数字が見えてきたら、回収期に入るのかなと思っています。
西野:「あれ、そのあたりって言っていいんだっけ?」と思っていたので、変な言い方になってしまったのですけれど。簡単に言えば、前期と同じようにぴったりと合わせることはできないのですけれども。今までの利益の額は担保したかたちで、その他を今回は投資に使わせていただきたいなと、こういう計画になっているのですが。
そこの投資余力というのは、当然そのうちのモデル的には、売上は確実に上がっていく予定ですので、その分投資額は増やしていけると思っています。ただし今話が出たように、とくに第2・第3の矢を中心に上がってくれば、そこに合わせて利益も反転させていくつもりでいます。
質問者1:ありがとうございます。
質疑応答:IPO前後の事業環境をどう捉えている?
質問者2:IPOしてから年月が経っていると思うのですけれども、IPOする前に想定していた事業環境と現状について、教えてください。
例えば直近で、去年の翌年度の事業環境である現在が、想定したところにきているのか、それともきてないのか。(想定に)合ってるところと合ってないところを、教えてください。
西野:今回、そもそも予算が未達になってしまったことに表れているとおり、もともと想定していたものどおりではない部分があったなというのが、正直な考えです。
とくに、それぞれの(雑誌による)部分ではあるのですけれども、事業環境として、やっぱり雑誌市場そのものの減り方が、想定よりも大きかったなというのが、振り返って見たときの感覚ではあります。
その一方で、そうだからこそと言えるのですけれども、とくにデジタルメディアは、そこから商機を見つけていかざるを得ないところでもあるにも関わらず、先ほど申し上げましたように、レプリカベースではない記事単位ベースが(少しずつ増えているということで)、本当はもっと投資するべきエリアだったなと、当初考えていたものよりも、今は強く考えています。
ですので、そこに今のうちにささっと投資をして、そこで売上を立てていけるんじゃないかということが、もともと考えていたことと今考えていることの違いです。まさに先ほどの、第2の矢・第3の矢の投資の、主なところになります。
質問者2:ちょっと細かくお伺いしたいのですが、投資の費用のかかり方についても想定路線できていたのか、それとも、「思っていたよりも、コストは高くなってしまうんだ」という感じなのか。
西野:投資していた分野……先ほどの例で言えば、レプリカという分野で、それなりに伸ばしていこうという戦略がありました。デジタルというエリアです。
だけど実際は、レプリカという分野よりも、もうちょっとリフロー、記事単位という分野の方が可能性が大きそうだと、今は思っているのですけれども。そういう意味では、もっとそちらに投資を振り向けるべきだったという感覚があります。
実際は、「このぐらいの投資になると思っていたら、もっと(高いコストに)なってしまった」というよりは、投資の分野の比率として(強調すべきものは)こっち側だったぞということで、もともと投資しようと思ってたところよりも、今投資しようと思っている分野に投資しなければと思っている次第です。
質疑応答:コストコントロールはうまくいっている?
質問者2:御社のお話をお伺いしていると、コストコントロールがうまくて、利益を残してきたのではないかなという印象はあるのですけれども。やはりそういう意味では、コストは今後もきちんとコントロールできて、それなりにきれいなかたちで事業展開を進められると、見ているのでしょうか?
それとも、そうは言っても投資や費用とかのかかりどころは、思っていたよりも出るようになってきたなという……ちょっと、同じ質問をしてるかもしれませんけれども。
西野:ちゃんと質問を理解したくて(もう一度お願いします)。コストコントロールができているから……?
質問者2:利益もそれなりに残してきたんじゃないかなと。
西野:今までが(利益を残してきたのではないか)。
質問者2:そう思うのですけれども。御社の収益を出すためのマネジメントと言いますか、現状は先行投資をしているということで……?
西野:そうですね。正しい回答なのかどうかはわからないのですけれども、コストコントロールができる、ある程度の自信があるからこそ、今回で言えば同じ利益水準は守った上で、その上乗せ分。本来ならば、一番の基幹の売上は確実に上がってるわけなので、(費用を)出しておかしくないものは投資をしようとしているので、そういう意味ではコストコントロールが、できているつもりではいるのですけれども。
質問者2:コストとともに、売上の見積もりもかなり上げているのではないかなという印象があるのですけれど。新規の事業に関しても、売上は取れるだろうということでしょうか? それとも、挑戦していこうというニュアンスでしょうか?
西野:新しい分野……いわゆる第3の矢の部分は、当然今ある市場ではないというか、僕ら自身で作っていくところがあるので。今(市場が)ある、僕らが第1の矢と呼んでいる定期購読販売(のように)、「これだけ(費用を)かけたから、これだけ売上が上がるよ」というのとは、違うと思います。
ただし、もうちょっと広い意味では、イベントやデジタルとかのEコマースの事業がたくさん出てきているので、投資分野がその中(にあるということ)で間違いがなければ、当然投資に対して、その分の売上が上がってくると思っています。
質疑応答:今後の人員の増え方は?
質問者2:もう1個質問させていただくと、今後の人員の増え方は、どのようになっているのでしょうか?
西野:人員は、正直今年はちょっと失敗したというか。「営業をけっこう採ります」と言って、採ったわりには抜けた人たちもいて、結果としてそれほど増えていないみたいなことがあるのですけれども。
もうちょっと、ちゃんと「投資」という意味で言うと、結局エンジニアにしても営業にしても人なので。そういう意味では、正社員なのかバイトなのかを除いても、そこに投資の芽があります。
結果としては見え方が変わっちゃいますけど、ある部分で、投資するイコール人員と言うか。(今後人員が)増えていくことは、間違いないです。
質問者2:その増えていくバランスの中でも、利益はコントロールできるというニュアンスでしょうか?
西野:そうです。
質問者2:以前と比べると、難易度が上がるとお考えでしょうか?
佐藤:難易度は正直、上がると思うんです。ただ、そこまで大きくはないと思います。
西野:僕からすると、外注・社員でちょっと違ってくると思うのですけれども。必要な時期に、とくにエンジニアで外注が必要になる部分は、必要な時期だけ充てて、それをずっと引きずるものではないので。そこだけで言うと、別に難易度が上がるということはないと思います。僕らは売上に比例して、それなりにやっているつもりなので。
質問者2:ありがとうございました。