業績は引き続き好調に推移し2桁台の利益成⻑

ジェームス・キーホー氏(以下、キーホー):みなさんこんにちは。

今回は非常に力強いパフォーマンスで、第3四半期も継続しています。

まず第1に、3つの優先事項において進捗を見せています。

事業ポートフォリオの成長、研究パイプラインの再構築、利益率の向上です。

この進捗は、明確に現れています。

我々の売上収益は6.7パーセント成長しております。

実質的なCore Earningsは32パーセント、そして、2桁台の成長を実質的なCore EPS、そして、財務ベースでも達成しています。

EPSは前年対比で25パーセント成長しています。

さらに重要なことに、キャッシュ・フローも堅調で、25パーセント前年比で伸びています。

通年のガイダンスを上方修正しました。Core Earningsの増加が300ベーシスポイントあると見込んでいます。前回のガイダンスから100ベーシスポイントの増加を見込んでいます。

優先事項の着実な進捗

5枚目をご覧ください。我々の優先事項の進捗を見ていきます。

まず、ポートフォリオの成長です。売上収益は6.7パーセントの成長です。これは、上期と同じ成長率です。

成長ドライバーが牽引しています。14.5パーセントの成長です。

そして、主力製品が力強い売上をあげています。

最近、タイジェニクス社の買収を表明しました。これによって、GI領域におけるリーダーシップが強化されます。そして、アメリカのスペシャリティケアでのプレゼンスが強化されます。

また、着実な進捗がパイプラインでも見られています。2017年度は13の新規化合物がステージアップしました。これは22ページに詳細を掲載しております。そして、33件の新たなコラボレーションを行っています。そして、イノベーションネットワークを外部のパートナーと組むことを示しています。

収益性の強化も計画どおりです。CoreEarningsのマージンは390ベーシスポイント対前年で伸びています。19.9パーセントまで伸びています。

このおかげで、またオーペックスの規律効率化によって、我々の通期のガイダンスを実質で上方修正しています。これは、「ベルケイド」の売上増、その他ノンキャッシュ項目、これは武田テバ社、ジョイントベンチャーに関わるものです。そして、最近の米国の税制改革を反映させています。

財務ベースのEPSは45.5%伸⻑、Core Earningsの成⻑と 減損損失の減少、一時的な収益の増加を反映

6枚目、こちらが財務ベースです。

売上は4パーセント伸びています。6.7パーセント実質成長と合致しています。

為替のプラス影響が3.4ポイント、そして、5.9パーセンテージポイントの売却のネガティブインパクトによって、一部が相殺されています。

そして、1番大きなインパクトが和光純薬工業株式会社の売却です。これが4.8ポイント売上にマイナス影響を与えています。

営業利益は48.2パーセント伸び、3,223億円でした。

メインのドライバーは、Core Earningsの成長で28パーセント、そして、他にも減損損失の減少が前年と比べて減っていることと、それから、アザーインカムが増えていることもあります。

償却、減損に関しては158億円昨年よりも下がっています。償却に関しては、昨年よりも194億円増えています。これはアリアド社の買収によるものです。

しかし、毎年毎年減損の金額が低くなっていますので、352億円で、相殺しています。

また、コルクリスの無形資産の再評価によって、プラスが出ています。

アザーインカム、エクスペンスのところに関しては、昨年と比べて258億円増えています。

いろんな要因がありますが、最近217億円の収益を認識しました。武田テバのジョイントベンチャーへの長期収載品にかかる繰延事業譲渡益です。これは、持分損益によって相殺されています。

そして、EPSの成長は45.5パーセント、309億円となっています。営業利益の成長とともに増えています。

先ほど申しましたが、いろいろとここは出入りがあり、持分が下がっていることを357億円の損失として計上させています。これはテバジョイントベンチャーにおける損失によるものです。

第3四半期は、一括での税のプラス影響が251億円ありました。これは、繰延税負債の再評価によるものです。米国の税率低下を反映させています。

いろんな複雑な要因がありますが、キーのメッセージとしては、Core Earningsは28パーセント伸びていること、そして、実質のビジネスパフォーマンスは引き続き堅調であることです。

最後に、喜ばしいことに、ROEは3.6パーセンテージポイント前年比で伸びています。

実質的なCore Earningsは32.8%増益、力強い売上収益と利益率の向上を反映

では、実質のP /Lを7ページでご説明いたします。

売上収益は6.7パーセントの伸びです。

そして、売上総利益は10.2パーセント。

よりより製品ミックスがあったおかげで、2.3パーセンテージポイントグロスマージンが伸びています。

マージンの高い成長ドライバー製品によって、牽引されています。そして、低マージンの仕入れ品を日本で終了したとも聞いています。

営業費用です。前年比で3.5パーセント伸びています。しかし、売上の伸びに比して考えると、いいトラッキングとなっております。

コストの規律と、それから、グローバルオーペックスイニシアチブからのセービングが重要な貢献因子となっています。

さらに、株式ベースのインセンティブプランが増えています。これは、株価が上がったことによって、増額となっています。

また、コープロモーションの費用も売上にマッチしたかたちで増えています。

この2つのアイテムを除きますと、オーペックスの伸びは前年比で1.4パーセントでした。

また、2017年の結果の中には、追加の諸経費がアリアド買収で入ってきています。これを除きますと、全体の諸経費はおよそ0.7パーセント前年比での下落となっています。

まとめますと、実質のCore Earningsの成長は32パーセントで、強い売上収益の伸び、そして、よりよい製品ミックス、そして、規律のあるオーペックスのマネジメントによって牽引されています。

これによって、390ベーシスポイントのCore Earningsマージンの改善につながっています。

実質の Core EPSの成長は25.8パーセントでした。Core Earningsの成長よりも少し下回ります。これは前年比で税率がアップしているからです。

成長ドライバーは力強い+14.5%の売上成⻑

8枚目は、グロースドライバーの説明です。

引き続き、10パーセント台半ばでの伸びになっています。

GIは23.7パーセントの伸び、38パーセントの成長は「エンティビオ」から、70パーセントの成長は「タケキャブ」から生まれています。

オンコロジーの成長は13.8パーセント、「アルンブリグ」「アイクルシグ」が追加で7.3ポイントの成長を生み出しています。「ニンラーロ」も「アドセトリス」も好調です。

ニューロサイエンスでは、26.4パーセントの伸びで、これはアメリカの「トリンテリックス」によって牽引されています。

新興国の成長は1.9パーセントで、強いパフォーマンスがロシア、ブラジルで見られています。それが最近、中国の向かい風で相殺されています。また、中東における一括の会計上調整が入っています。

新興国のパフォーマンスは残念ですが、ほとんどのインパクトは一時的なものです。そして、これからの四半期では改善が見られると思います。中国は、政府の医療制度改革に関しては支持していますし、これからイノベーションに対しての改善が見られると思います。

武田は7つのイノベーティブな製品をこれから5ヶ年で中国で上梓していく予定です。

主力製品の力強い売上実績

9ページは、6つの主力製品の説明です。

エンティビオは、引き続き堅調です。1,460億円のセールスを、9ヶ月で達成しております。38パーセントの伸びです。また、全体の市場シェアも力強いものです。エンティビオは米国における潰瘍性大腸炎の生物製剤、新規患者の25パーセントを獲得しています。グローバルのエンティビオでの上梓も計画どおりです。UCの申請を日本で行いました。また、フェーズ3の試験が中国で実施中です。

タケキャブも急速に日本で伸びています。しかし、ご存知のように、タケキャブは4月に薬価引き下げの対象となるかもしれません。これは、競合品の拡大採算点によるものです。具体的な引き下げ額はまだ発表されておりません。

ニンラーロは引き続き堅調です。58パーセント成長しています。いくつか重要なデータリードアウトがこれから1年、1年半で出てきます。

アドセトリスも、引き続き魅力的な成長プロファイルを示しています。ヨーロッパでは最近新しい適応が承認されました。

また、フロントラインのホジギンリンパフォーマも申請しました。

アルンブリグの上梓も好調です。

トリンテリックスはマーケティングのイニシアチブが効いており、成長を力強く遂げています。

米国の2桁台の成長が実質的な売上収益を牽引

主要地域について、10ページで説明します。

アメリカは我々の最大市場で、17パーセントの成長を遂げています。これは、エンティビオ、トリンテリックス、ニンラーロによるものです。

アリアドのポートフォリオが加わったことによって、こちらから4.3パーセンテージポイントの成長が生み出されています。

「ユキャン」の成長は4.9パーセント、「エンティビオ」は41パーセント、「アドセトリス」は10パーセントの伸びです。

ニンラーロは、今9つのEUの市場で保険償還を受けています。

日本が1.3パーセントの伸びです。この中には「プレベナー」と「ベネフィクス」のファイザーへの返品のネガティブインパクトが含まれています。

この返品のインパクトを除きますと、日本の成長は8.4パーセントでした。

グローバル経費削減イニシアチブのスポットライト 出張および会議費用(対象の15%を占める)

11ページをご覧ください。

前回コンサル、そして、業者費用についてハイライトを示しました。

これは、グローバルオーペックスイニシアチブの11のコストパッケージの1つです。

今日は、出張および会費用について述べます。

これは全体の対象範囲の費用の15パーセントとなります。

ベンチマーキングをしたところ、武田は第4クオータイルにいることがわかりました。ビジネスの出張も出発前2週間以内に予約するのが50パーセント、また、推奨ホテル以外にも泊まっているのが半分ありました。

そこでなにをしたか。10月に新しいグローバルポリシーを出張会議について設定し、改善が見られています。コンプライアンスも改善しています。また、旅行代理店も数を絞り、それによっていい効果が現れ、バーチャルな会議も増えています。

2018年のバジェットも、このコストパッケージで検討しており、全体的に2016年のベースラインに比べて3割は削減できると考えています。このような節約は、2018年度の終わりに、すべて実現できると考えています。

営業フリー・キャッシュ・フローは25.1%増加

キャッシュ・フローは、12ページをご覧ください。

営業フリー・キャッシュ・フローは、25.1パーセントの増加で1,521億円となりました。これは、資産獲得による高いキャッシュ流出にも関わらずです。

例えば、資産の獲得の中には110億円のライセンスの支払いも、TESAROに対してアップフロントでした。ポートフォリオを将来に向けて日本で構築するためです。また、好調な業績改善が運転資本でもあり、キャッシュコンバージョンサイクルは対前年で4日改善しました。

ノンコア資産の売却によって、1,430億円のキャッシュが今年創出されています。この数字は、第2四半期では1,310億円でした。それ以来、追加で70億円が生まれたわけです。株式、不動産の売却は50億円規模でした。詳細は、Appendixの36ページに書いてあります。

その結果、ネットレバレッジは着実に改善しています。DEレシオ、EBITDAベースで1.9倍となっています。去年、会計年度の末は2.7倍でした。

年間のガイダンスは重要アイテムをアップデート

13ページをご覧ください。通期の見通しを、主要アイテムのみアップデートしています。

まず最初に、ベルケイドの売上の予測を250億円増やしています。1,310億円と見込んでいます。競合品は「フレゼニウス」が上昇していますが、FDAはこの分類については、ベルケイドと治療同等性はないと見なしています。

フレゼニウスの他にも2社が申請をしており、この中にはマンニトールが入っていない製品があります。我々は知る限り、承認はまだ出ていません。FDAがいつ判断するかについては、憶測を控えたいと思います。したがって、2018年度のアップサイドは、コメントを控えます。

2017年度のガイダンスの中には、2つのノン・キャッシュ・アイテムが入ってきた影響があります。まず最初に、スタンドアローンのテバ武田、ジョイントベンチャーで一時的にノン・キャッシュの減損を、第3四半期に計上しています。

これによって357億円のマイナスの影響が、武田の持分利益に対してありました。しかしこれは、ほとんどオフセットされています。それは、217億円の譲渡益の繰延利益があるからです。これはベンチャーに⻑期収載品を譲渡したときの利益です。これは第3四半期の、その他の利益に計上しております。

第3四半期には、一時的には税のプラス効果251億円があります。これは、繰延税負債の【採算点? 00:18:50】によるものです。アメリカの税制改革による、税率の低いことが影響しています。しかし、この税制の変更によって、我々のオペレーションも調整が必要になっており、累積の為替換算調整が第4四半期に必要になると考えます。ファイナンスの調整・検討が入るからです。

現在、一時的なノン・キャッシュのネガティブなCTAの影響は、250億円と見込んでいます。しかし、最終的な影響の額は、スポットの為替レート、この変更した日の為替レートに影響されます。全体として、アメリカの税制改革は、ほぼゼロの影響と考えています。

ベルケイドの増収増益影響を踏まえマネジメントガイダンスを上方修正

スライド14です。3つの実質ガイダンスを示しているものです。これはベルケイドの見通しが増えることだけを反映しています。実質ガイダンス1桁前半から1桁半ばに、実質CoreEarningsは10パーセント後半から20パーセント後半に、実質Core EPSは10パーセント半ばから20パーセント半ばへと見通しを引き上げています。

通期の実質Core Earningsのマージンの拡大・改善は、300ベーシスポイントと考えています。前のガイダンスは200ベーシスポイントでした。

年間の売上・利益予想を上方修正

それでは、財務ベースの予測です。スライド15をご覧ください。こちらで11月1日発表の見通しと、現在の見通しを示しています。通期のCore Earningsは、2,895億円と見込んでおります。増分は、ベルケイドによるものです。

その他の利益・経費の中には、先に述べたようなアイテムが入っています。217億円がプラス効果です。これは、テバの長期収載品の繰延益、そしてまたマイナス影響で為替換算調整で250億円です。これらを含めて、営業利益の予測は2,187億円と見ています。9.4パーセント、前の予測よりも増えています。

純利益も、追加の2つの要素によって影響が出ます。先に述べました、まず持分利益が低めになったことです。これは、武田テバのJBの減損による影響です。また、プラス影響が繰延税負債で得られることです。これで、EPSの見通しは201円となります。前回の予測よりも3.5パーセント高い数字となりました。

2017年度の財務ベースEPSは37%伸⻑の見通し

16ページです。前年比と比べての成長プロファイルを示したものです。

対前年で売上、財務ベースで0.7パーセントの伸びを見込んでおり、18パーセントと強い成長がCore Earningsで見込まれています。これはマイナスの事業売却の、それなりの規模のことがあったにも関わらずです。

また、和光純薬工業の事業売却は、マイナス6.3パーセントの影響。Core Earningsの伸びでは、14パーセントの影響がありました。営業利益は40パーセント、対前年での伸び。EPSは37パーセントの伸び、201円の1株利益と考えます。

営業利益の伸びは、強いCore Earningsの伸びを反映していて、また減損が低め、そして一時的な利益が高かったことによるものです。我々の想定には、主なアイテムを含めています。ただ、前のスライドに述べたこと以外は、他には項目は書いておりません。

一時的収益費用の発生タイミングによる営業利益への影響

17ページです。

前回もお見せしましたし、みなさんの中には、これがあるとわかりやすいと思う方もいるかもしれません。通期の営業利益は、これまでの9ヶ月のものよりも低くなっています。

このキードライバーとして、すべての一時的な資産売却による影響は、最初の9ヶ月までに計上されています。そして今後は、今会計年度、第4四半期には大きなアイテムはないと考えます。また、先に述べましたように、217億円の繰延利益を計上しています。これは、テバの長期収載品譲渡益。これは第3四半期に計上しました。

また、一時経費も、第4四半期により配分が多くなっています。例えば、年初来の減損、「コルクリス」はプラス影響で、150億円となっています。そしてまた、マイナスの第4四半期の減損もあると考えています。

年間の減損のテストは終わっていません。まだ、第4四半期には、マイナス影響が為替調整250億円規模で出ると考えております。たくさん、まだわからない部分もあります。これはまだ、なかなか理解するのは難しいかもしれませんが、この表がお役に立てばと思います。

その他のゴール

18ページです。いくつかのその他のキーゴールについて、アップデートを示しました。年初にも示したものです。

まず、Core Earningsのマージンの拡大です。これは300ベーシスポイントになると考えます。不動産の売却について、最初は目標としては600億円のキャッシュを生み出すことを18ヶ月かけてやりたいとしていました。

しかし、12月に発表したように、東京本社ビルを495億円で売却することがあり、全体として、その売上として、少なくとも814億円と見込んでいます。東京本社ビルの売却は、2018年度の第4四半期に完了の見込みです。

有価証券の売却は、これまでの発表では、ターゲットは700億円のキャッシュを18ヶ月かけて生み出すことでした。これまで215億円を売却しています。そして、我々の目標も最大で800億円としています。18ヶ月の同じ期間内でです。

P&Lの有価証券の売却の影響は、300億円の利益が2017会計年度にあると考えています。しかし、前回も申し上げましたように、P&Lの利益の反映は、2018年度はありません。IFRSの会計原則が変わったためです。

業績は引き続き好調に推移し2桁台の利益成⻑

まとめです。19ページをご覧ください。

業績、これまでの9ヶ月で非常に満足をしています。良い進捗が、3つのプライオリティでありました。ポートフォリオの成長、パイプラインの再構築、そして利益性の向上です。

強い売上、そして利益の成長を、9ヶ月で達成してきました。実質Core Earningsが32.8パーセント増加。実質CoreEPSが25.8パーセント伸びました。キャッシュのポジションも改善が続いています。営業キャッシュ・フローの改善、そしてまたノン・コア社の売却によるものです。

最後に、我々の通期のガイダンスを引き上げています。実質、そして財務諸表ベース両方でです。

ありがとうございました。