2018年3月期第2四半期決算説明会

宮尾文也氏:本日は当社の2018年3月期第2四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。私からは上期決算の総括をご報告させていただきます。

決算ハイライト

資料8ページをご覧ください。先に修正の発表をしたとおり、計画を上回る利益の計上となりました。

売上高は2,587億4,000万円、前期比プラス1.3パーセント、計画費プラス0.2パーセントとなりました。売上総利益は494億2,400万円、前期比プラス8.3パーセント、計画費プラス8.6パーセントとなりました。

販管費は計画の範囲内でとどめましたので、営業利益は139億円、前期比プラス23.3パーセント、計画費プラス44.2パーセントとなりました。経常利益は138億円、前期比プラス28.7パーセント、計画費プラス45.5パーセントとなりました。

期中、保有不動産の売却による減損損失が発生しましたが、税効果でカバーした関係で、当期純利益は94億円、前期比マイナス2パーセントながら、計画費プラス26.5パーセントで終えることができました。

セグメント別業績

続いて、セグメント別業績です。

賃貸事業は旺盛な法人需要により入居率が好調に推移し、売上高は前年比プラス72億8,000万円、計画費プラス5億3,900万円の増収となりました。

営業利益は、前年比プラス35億4,600万円、計画費プラス27億5,800万円となりました。賃貸事業の売上高2,174億円は、全体の売上の84パーセントを占める構成となっています。

開発事業は、前期比減収減益となっていますが、工程・引渡の前倒しにより、売上高に関しては計画費プラス7億円、利益率向上により、営業利益に関しても計画費プラス11億円となりました。

売上総利益率は30.1パーセントと、分離発注あるいは部材の工業化等により、半期で採算性の向上を果たすことができました。

シルバー事業とホテルリゾート・その他事業に関しては、まだ赤字ではあるものの計画どおりの収益状況となりました。ホテルリゾート・その他事業は、昨年国内外のホテルの売却もあり、前期比べで減収となっています。

主要指標(入居率)

賃貸事業の主要指標である入居率の説明をさせていただきます。

2018年3月期の通期平均入居率は前年比プラス1.0ポイントの89.5パーセントを目標としておりますが、法人需要の増加を背景に、上期の平均入居率に関しては90.2パーセントと、前年比1.84ポイントの達成となりました。

引き続き人手不足に基づく採用増加による法人需要を確実に取り込むとともに、増加を続ける海外留学生等の入居促進や、各種の差別化施策の推進により、さらに個人入居の強化も図ってまいりたいと考えています。

主要指標(属性別契約戸数シェア)

属性別契約戸数シェアをご覧ください。法人の利用戸数に関しては、9月末のシェアが56.5パーセントと、引き続き高い水準を示しています。

主要指標(法人業種別契約戸数)

続いて、法人業種別契約戸数です。(2017年)9月末時点の法人契約数は29万1,085戸、前年比プラス6.4パーセント、1万7,569戸の増加となりました。

ご覧のとおり、各業種がまんべんなく伸びていますが、とくに建設業がプラス11.1パーセント、派遣・業務請負がプラス18.5パーセントと、引き続き堅調な伸びを示しています。

主要指標(外国人契約状況)

こちらは個人契約における外国籍入居者の国籍別の推移をグラフで示したものです。グラフに記載のとおり、個人の契約者数は1万6,548戸、前年同期比プラス14.6パーセントとなりました。個人契約の外国籍の属性としては、引き続き留学生が約6割となりました。

また、昨年から法人入居者の国籍の情報入手も行っており、まだ判明率が100パーセントまでいたっておりませが、法人契約における外国籍の入居者は約1万5,000戸を超えると推定されています。従って、個人とあわせた外国籍の方のご利用は3万戸を超える状況で、全利用戸数の約6パーセントを占める状況です。

こうした賃貸事業のターゲットである法人の入居ならびに外国籍の入居に関しては、計画どおりの推移を示しているかと思います。

賃貸施策(店舗拡充)

ここからは、個人・一般入居者に対する賃貸施策です。

賃貸施策(入居者専用サービス)

新たな展開のご報告となりますが、入居者専用サービスに新たな自社ブランドのクレジットカードの導入を行っています。

賃貸施策(セキュリティシステム)

また、セキュリティシステムの設置率が50パーセントを超えたほか、防犯カメラの設置率も約3分の1になり、近隣住民も利用可能なオープン型宅配ロッカーも14個の設置となっています。

賃貸施策(IoT化)

また、IoT化は当社が今注力している施策の1つですけれども、スマートフォンでの家電操作が可能な「Leo Remocon」の導入、スマートロックの採用、賃貸マンションでの顔認証の実現という施策を打っています。

先週リリースを行いましたけれども、来年からはAIスピーカーを搭載したスマートステーションの導入も図ってまいります。

当社はこれまで、さまざまな業界初のサービスを導入してまいりましたが、今後も入居者のニーズを的確につかみながら、一歩先を行く展開を進めてまいります。

主要指標(契約・売上)

続いて、開発事業のご説明に入ります。

上期の請負受注に関しては、前期比マイナス14.5パーセントの378億円となりました。また、9月末の請負の受注残は680億円となりました。

私どもは競合が激しい大都市での受注活動に限定しているということに加えて、昨今では空き家問題、賃貸住宅の供給過剰、アパートローンの過剰感といった、我々から見ると若干アゲインストな報道が続いているかと思います。

このような中で、受注環境はなかなか厳しく、私どもが思い描くようなレベルまでまだいたっていないというところは事実です。ただ一方で、当社は決して規模だけを追う方針はとっておりません。

ここ数年の完成した竣工のアパートの供給戸数というのは、およそ8,000戸強ですけれども、私どもは人口、世帯数、とくにこの人口の転入転出をよく見極めながら、エリアを限定した営業活動を行なっています。

主要指標(エリア別建築請負支店数、竣工売上)

私どもの一括借上アパート完工棟数は、首都圏でシェアが58.6パーセント。三大都市圏で78.2パーセントとなりました。またここに仙台、広島、福岡といった大都市圏を加えると、全体の95パーセントを占める状況です。

開発施策(社会福祉施設)

また、私どもはアパートにとどまらず、提案の多角化あるいは受注のバリエーションと拡大を行なっています。高齢者施設や保育施設といった社会福祉施設、商業施設、複合施設において、子会社を含めた注文住宅および中層賃貸マンションの開発等を本格化しているところです。

このようなアパート以外の建築はこれからですけれども、このようなところにまだ活路を見いだせると考えています。

関連事業(シルバー事業)

続いて、関連事業のご説明に入ります。まず国内の戦略成長事業であるシルバー事業です。11月1日時点で現在運営している施設は82施設となりました。

新規施設の開設は、デイサービスおよびショートステイといった通所介護系ですので、1年ほどの創業赤字が必要となりますが、施設増加による全体最適化、利用者の増加、社員の人員配置の適正化といったところで、計画どおりの収益改善の道を歩んでいます。

この中期経営計画では、86施設をターゲットに掲げておりますので、今期は施設の開設から収益改善により注力しているところです。

国際事業(賃貸事業の海外展開)

続いて、国際事業です。当社では国際事業を成長事業の1つとして位置付け、とくにASEANでの管理物件の拡大といったものを図っていく方針です。

国際事業(サービスアパートメント・オフィス)

とくにニーズが高い自社運営のサービスアパートメントについては、タイのシラチャー郡およびハノイ市の2物件に加えて、12月にはカンボジアのプノンペン特別市に新規施設の開業を予定しています。

経営指標

続いて、財務関係のご報告に移らせていただきます。

当社はいろいろな経営指標を掲げていますけれども、とくにROICを経営指標に取り入れた関係で、保有資産の見直しによる資産と資本の効率経営を進めています。10月末を持ちまして、416棟の保有アパートの売却を完了したところです。

株主還元

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株主還元に関しては、中間配当10円の実施、それから期末の配当予想12円を加えて、通期22円の配当を予定しています。

したがって、配当性向は40.1パーセントとなりますが、自社株買い80億円を合算すると、総還元性向は96.4パーセントとなります。引き続き、株主還元の拡大強化にも図ってまいりたいと思っています。

財務(バランスシート)

財務関係で、バランスシートについてご報告いたします。

9月末の総資産は3,249億円、前期末と比較して128億円の減少となりました。主として販売用不動産が35億円。繰延税金資産が長短合わせて37億円増加した一方、現預金が85億円減少、有形固定資産が89億円減少という内容となりました。

一方、負債勘定は101億円の減少となりました。主として社債借入金の減少、リース債務の減少、工事未払金が37億円、前受金の減少45億円などが主たるものです。

一方、純利益は中間期で94億円を計上しましたが、配当の支払いが31億円、自社株買いが80億円あり、逆に27億円の減少となりました。

したがって、自己資本比率に関しては、負債の減少のほうが大きいので、前年末比で1ポイントプラスの48パーセントとなりました。

財務(キャッシュフロー)

続いて、キャッシュフローの状況です。

営業活動によるキャッシュフローは上期80億円、前期比プラス38億円となりました。主として税金等調整前当期純利益63億円。それから減価償却、のれんの償却、減損損失などが加算になります。一方で、前受金の減少、仕入債務の減少、法人税等の支払などが支出の主な内容です。

投資活動によるキャッシュフローは1億円のプラスという途中経過になっています。ご覧のとおり、固定資産の売却による収入が46億円。そして逆に固定資産の取得による支出が36億円というのが主な内容です。

財務活動によるキャッシュフローは、社債、借入金返済、リース債務の返済で合計48億円。これに配当支払が31億円と、自社株の取得で80億円が加わり、160億円のマイナスとなりました。

財務(株主構成)

財務関係というわけではありませんが、株主構成のご報告をさせていただきます。

9月末の株主構成ですけれども、外国法人等が3月末と比較して、プラス5.4ポイントの55.1パーセントとなりました。

また信託銀行勘定となっている国内の機関投資家を含めた全体の機関投資家は75.3パーセントと、引き続き高いシェアとなっています。

以上で上期の決算報告を終了させていただきます。今期は5月に発表した中期経営計画の初年度ですので、下期も引き続き事業活動に邁進して、初期の目標はクリアしてまいりたいと思いますので、引き続きご注目をいただければと思います。

ご静聴誠にありがとうございました。