上期 概況
新野隆氏:それではまず、2018年3月期上期の決算概要について、ご説明を申し上げます。4ページ目、全体像のご説明でございます。売上収益につきましては、パブリックやその他事業が増加したことによりまして、全体では前年同期比で7.2パーセントの増収となりました。
営業利益につきましては、エンタープライズやテレコムキャリアが減少いたしましたけれども、パブリックやその他事業が増加しまして、前年同期比で35億円の増益となりました。
当期利益につきましては、営業利益の増益に加えまして、為替差損益の改善などもあり、前年同期比で57億円の増益となりました。
上期 実績サマリー
5ページ目、全体の数字でご説明を申し上げます。資料のいちばん右側のところが上期の実績でございます。上期売上収益につきましては、1兆2,880億円。営業利益は73億円。税引前利益は308億円。当期利益は188億円となりました。
また、フリー・キャッシュ・フローにつきましては、753億円の収入となりまして、これは前年同期に比べまして283億円改善いたしました。これは主に、保有株式の売却等によるものでございます。
セグメント別 上期実績サマリー
6ページ目、上期の実績をセグメント別に表にしたものでございます。前年同期比で、パブリックとその他事業が増収・増益となりましたけれども、それ以外のセグメントにつきましては、減収・減益となりました。
なお、(2017年)7月末時点での計画比ではパブリックが改善いたしましたけれども、テレコムキャリアが若干悪化して、全体ではおおむね想定どおりという結果になっております。
パブリック
それでは続いて、上期の実績についてセグメント別にご説明申し上げます。
7ページ目、パブリックでございます。売上収益につきましては、社会公共領域で消防・防災システムが減少いたしましたけれども、日本航空電子工業株式会社を連結子会社化したことなどによって、前年同期に比べて38.7パーセント増加し、4,070億円となりました。
営業利益につきましては、売上の増加などによりまして、前年同期に比べて67億円改善して150億円の利益となりました。
エンタープライズ
8ページ目、エンタープライズでございます。売上収益につきましては、前年同期の第2四半期に大型案件がありました。流通・サービス業向けが減少したことなどによりまして、前年同期比で6パーセント減少して、1,918億円となりました。
営業利益につきましては、売上の減少、またIoT関連投資費用の増加などによりまして、前年同期に比べて35億円悪化し、158億円の利益となりました。
テレコムキャリア
9ページ目、テレコムキャリアでございます。売上収益につきましては、海外ビジネスにおいて海洋システムの大型案件が一巡したこと、また国内の通信事業者の設備投資が低調に推移したことなどによりまして、前年同期に比べまして3.7パーセント減少し、2,675億円となりました。
営業利益につきましては、売上の減少などによりまして、33億円悪化し6億円の利益となりました。
システムプラットフォーム
10ページ目、システムプラットフォームでございます。売上収益につきましては、ハードウェアの減少などによりまして、前年同期に比べまして2パーセント減少し、3,330億円となりました。
営業利益につきましては、売上が減少したことなどにより、前年同期に比べまして14億円悪化し、63億円の利益となりました。
その他
11ページ目、その他の事業でございます。売上収益につきましては、海外向けのセーフティ事業が増加したことなどによりまして、前年同期に比べまして3.1パーセント増加し、887億円となりました。
営業損益につきましては、売上の増加に加えまして、費用の効率化などにより前年同期に比べまして40億円改善して、58億円の損失となりました。
当期利益増減(前年同期比)
12ページ目、当期利益までの増減でございます。資料の中ほどの金融損益につきましては、為替の差損益、それから金融費用の改善などがあって、全体では146億円の改善となっております。また、その他の中で、法人所得税費用については86億円の増加となりました。
これらの結果、当期利益の合計では前年同期に比べまして、57億円増加の188億円となりました。
業績予想の見直し(主なポイント)
続きまして、年間の業績予想についてご説明を申し上げます。
14ページ目、業績予想の見直しの主なポイントについてご説明を申し上げます。3つの項目がございます。
まず1点目、戦略投資の具体化でございます。(2017年)7月末に公表した計画では、80億円の戦略投資については、調整額にその金額を織り込んでいました。この中で、現時点で具体化済みの案件を、それぞれ対象のセグメントに配分をいたしました。
まず、エンタープライズに30億円入れております。これは、主に需給最適化による測量のロス等を削減するための、新たなサービスソリューション開発のための投資となります。
そして、その他の事業に、新たに20億円を織り込んでおります。これはIoT基盤の開発、あるいはグローバル成長を加速するための投資ということになります。
残りの30億円については、現在調整額に含んでおりますけれど、これも今後具体化に向けて継続して検討しているところでございます。
2つ目が、指名停止の影響についてでございます。現時点で指名停止の影響額を再検証いたしました結果、売上収益で400億円・営業利益で100億円の影響ということで、織り込んでおります。
これは、当初想定していた額は、売上収益で600億円・営業利益で150億円でございましたけれども、それぞれ売上収益・営業利益ともに、当初予定からは改善ということになってございます。
それから3つ目が、当社が保有するルネサス エレクトロニクス株式会社の株式の売却でございます。これは(2017年)6月に実施した株式にともなう売却の影響を、今回の業績予想に織り込んでございます。
業績予想サマリー
15ページ目が、これらを反映しました業績予想のサマリーになります。まず、売上収益と営業利益につきましては、これは(2017年)7月末に公表した計画から、変更してございません。
先ほどのご説明のとおり、指名停止の影響額は改善する見通しであり、期初の想定からは上振れ方向ではありますけれども、現時点では売上収益・営業利益ともに業績予想は変更してございません。
当期利益ならびにフリー・キャッシュ・フローについて、ルネサス エレクトロニクス株式会社の株式の売却により、修正をいたしております。
当期利益につきましては、(2017年7月31日の予想から)50億円増加で、350億円。フリー・キャッシュ・フローにつきましては100億円増加の、900億円となる見込みでございます。
なお、期末の配当予想につきましては、前回予想からの変更はございません。
セグメント別 業績予想サマリー
16ページ目が、セグメント別の表でございます。全体では(2017年)7月末に公表した計画から変更はございませんが、先ほどご説明申し上げた戦略投資の具体化によりまして、一部のセグメントの営業損益を見直してございます。
まず、エンタープライズの営業利益が、30億円悪化で330億円の利益。その他事業の営業損益が、20億円悪化で180億円の損失。調整額が、50億円改善して720億円の損失となる見込みでございます。
なお、テレコムキャリアにつきましては、上期実績が計画値を営業利益で約20億円下回りましたけれども、下期で挽回するということで、年間予想の達成に向けてがんばって取り組んでいきたいと考えてございます。
スマートエネルギー事業の見直し
17ページ目、スマートエネルギー事業の見直しについてのご説明でございます。リチウムイオン電池の開発・製造・販売を担います、私どもの持分法適用関連会社であるオートモーティブエナジーサプライ株式会社(以下、AESC)。AESCと呼んでおりますけれども、当社およびNECエナジーデバイス株式会社保有株式のすべてを、日産自動車株式会社へ譲渡すると、(2017年)8月に公表してございます。
日産自動車株式会社は、同社のバッテリー事業およびバッテリーの生産工場を、AESC株式とともに、民営投資会社GSRキャピタルへ譲渡する予定でございます。
本株式譲渡につきましては、当社の連結子会社であるNECエナジーデバイス株式会社の前年比株式を、GSRキャピタルへ譲渡することなどが成立の条件となっております。
現在当社では、NECエナジーデバイス株式会社の株式を、譲渡契約の締結に向けてGSRキャピタルとの交渉を継続して進めております。
なお、AESCの株式の譲渡につきまして、約100億円の営業外の利益を計上する予定でございます。ただ、現時点では成立条件を満たしていないため、本日(2017年10月31日)発表の業績予想には、この数字は織り込んでおりません。
年間計画を確実に達成し、期末配当継続へ
最後のスライドでございます。これまでご説明申し上げましたとおり、上期の決算につきましては、前年比で増収・増益ということになりましたけれども、この2017年度は、みなさまからの信頼を再度回復させるために、年間の業績予想を確実に達成して、期末配当の継続を目指してまいりたいと考えております。
また、新しい中期経営計画につきましては、当初予定どおり2018年来年の1月の発表に向けて現在グループ一丸となって、取り組んでいるところでございます。
以上で、決算の概要のご説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。