今年度トピックス①
梛野憲克氏:まず概況のところ、トピックス等を交えてご説明したいと思います。まず今年度。平成29年6月期を当期、今年度と呼ばせていただきます。
今年度のトピックスとしましては、まず大きく1つあります。ソフトブレーン株式会社を完全連結子会社化というところになります。前期末から株式を取得しまして、2017年3月3日付けで、日本基準上の連結子会社となりました。
決算ハイライト(IFRS)
それを踏まえまして、昨日公表しました決算短信の内容になります。IFRSベースの決算数字としまして、ソフトブレーンの連結化に伴って、売上・利益共に大幅に増加しております。
真ん中の赤い列、平成29年6月期。売上収益に関しては、106億6,300万円。前期比で295.8パーセントの増加となっております。ソフトブレーンの株式の段階取得による一時的な利益ですね。
これは恒常的なものではなくて、第1四半期で計上しておりますけれども。そちらの株式の評価益というところを含めまして、営業利益が37億3,600万円となっております。
税引前利益で37億2,800万円。当期利益で33億8,200万円。親会社の所有者に帰属する当期利益として、29億8,700万円となっております。
売上構成
当社、IFRSでの発表になりますけれども、より実態を表す指標としてNon-GAAPを採用しております。この後に関しては、Non-GAAPベースで実態を表す内容をご説明したいと思います。
まず、ソフトブレーンの連結子会社化に伴って、売上構成はこのようになっております。従来のスカラのSaaS/ASP事業に関しては、26.3パーセント。106億6,300万円のうち、28億700万円。
26.3パーセントがSaaS/ASP事業になります。次に大きなところでいきますと、eセールスマネージャー関連事業ということで36.6パーセント。3つ目に、フィールドマーケティング事業で30.0パーセント。その他7.1パーセントという、こういった内訳になっております。
事業内容
事業セグメントに関しては4つに分けております。同じくSaaS/ASP事業、eセールスマネージャー関連事業、フィールドマーケティング事業、その他という区分で発表をしております。
SaaS/ASP事業に関しては、従来のソフトウェアを基幹が使用しまして、その月額利用料をいただくというのを基本としまして、その他、一時カスタマイズですとか新規開発というところをやっております。
とくにWebサイトだけではなくて、Webサイトからお客さまが商品に興味を持っていただいて、実際に電話で申し込んだりとか、実際に資料請求をして資料を発送するとか、ネットからリアルにまたがる部分を仕組みとして、我々はSaaS型で提供しているというところになります。
2つ目のeセールスマネージャー関連事業というのは、営業支援システム「eセールスマネージャー」。こちらは営業マンの活動管理をするようなツールでして、日々の営業マンの活動をスマホですとかPCで登録をすると、この後の売上見込ですとか、そういったものが瞬時に表れると。
それで見込みを立てながら、営業戦略を立てていくといったツールになります。そのシステムのライセンス料、SaaS型の利用料、そのツールを使った営業コンサルティング、営業マンのスキルトレーニング。そういったところの事業として、eセールスマネージャー関連事業としてくくっております。
3つ目のフィールドマーケティング事業ですけれども、こちらに関しては小売店、店舗とサービス現場の調査・営業支援、店舗の運営等も含めてフィールドサービスの提供をしております。
その他としましては、ソフトウェアの受託開発、ビジネス書籍によるマーケティング⽀援といったところが含まれております。
今年度トピックス②
トピックスとしましてNon-GAAP指標の採用をしております。経常的な経営成績を理解していただくために、一時的な費用ですとか、その他調整項目を除外しまして、実態を表す数値として発表しております。
売上収益の推移
売上収益になります。売上収益に関しては、IFRS、Non-GAAP共に同じ金額になります。前期26億9,300万円に対して、当期に関しては106億6,300万円。
営業利益の推移(Non-GAAP)
295.8パーセントの増加となっております。Non-GAAPベースの利益推移になりますけれども、前期6億1,600万円に対して、125.2パーセントの増加。13億8,900万円となっております。
営業利益率に関しては、約13パーセントという結果となっております。この営業利益に関しては、先ほどのIFRSベースの数字との差異に関しましては、一時的な利益としてソフトブレーンの株式取得による再測定益。それから、当社の創業メンバー2名の退職に伴う慰労金。それから、社員に対する一時金というところも含まれます。
後ろの方でご説明しますけれども、新たにB to Cのサービスを展開していくことに伴って、対戦型ゲームのトレーディングカードを取引するECサイトを運営する会社をM&Aしております。そのM&Aの仲介手数料等を含めまして、そこの金額を全部除外して、13億8,900万円となっております。
当期利益の推移(Non-GAAP)
9ページが当期利益の推移になります。前期4億6,300万円に対して、104.3パーセントの増加。9億4,600万円となっております。ここまでが全体のNon-GAAPでの数値となります。次のページから、事業セグメントを分けてご説明していきたいと思います。
SaaS/ASP事業 売上収益・営業利益の推移(Non-GAAP)
SaaS/ASP事業の売上収益・営業利益の推移となります。こちらもNon-GAAPベースとなります。SaaS/ASP事業に関しては、前期26億9,300万円に対して4.0パーセントの増加。28億700万円となっております。売上に関しては、下の赤の濃いところ。こちらが月額固定売上プラス従量料金。
従量売上というのは非常に小さいので、ほとんど月額売上だと思ってください。固定売上の部分が20億600万円となっております。
一時売上、上の薄いところですけれども、こちらに関しては一時的な開発等が入ってくるかどうかというところが、あまり期初でも見込めないところもありまして、毎年非常に変動率の高い部分になります。
こちらとくに前期が、損害保険ジャパン日本興亜さま向けの、車の安全運転診断関連のサービスの開発で、非常に大きな売上計上しておりましたけれども、今期に関してはどちらかというとリリースしたサービスの安定・運用フェーズということで、運用に関わる小規模なカスタマイズといったところにとどまりました。
そういったことも含めまして、さらに一時的な売上ではなくて、月額固定をさらに伸ばしていきたいというところも含めまして、新しいサービスの開発をしております。中間でもご説明しているかと思いますけれども、Web上でのチャットの仕組みですとか、あとはチャットボットと呼ばれるロボットが自動的に応えるようなサービス。
ここの開発というところに集中をしたことによって、一時的な売上に対する開発に関しては、社外のリソースを使いました。当社に開発の方が来ていただいて開発をしていただくというところで、外注品が増加しております。
その結果、利益のほうが前期6億1,600万円に対して、3億9,600万円と。前期が22.9パーセントの営業利益率だったんですが、今期に関しては14.1パーセントと利益が下がっております。
SaaS/ASP事業 売上収益の増減要因
営業収益の増減要因というところになります。前期の26億9,300万に対して、増加要因と減少要因を分けて説明しております。まず、ニュースサービスですけれども、こちら他社の、他社というのは当社のお客さまのWebサイトになります。お客さまのWebサイトに、ニュース記事を表示するというサービス。「e-market」というものがあります。
こちらの売上増というところを含めまして、5,400万円増加しております。それからiシリーズに関しては、今好調なのが「I-ask」。FAQの仕組みになります。こちらの「I-ask」のサービスで3,300万円ほど増加しております。
その他IVR、電話の自動音声応答システムのサービス、それからWebサービス。Webサービスは非常に細かいもの全部集めたものになりますけれども、少しずつ増加しております。
それに対して、その他の区分にしております「M204」という、まさに当社の創業以来ずっとやっておりました、大型のデータベースの保守サポートですね。
メインフレームで動くデータベース「M204」のサービス、こちら終了しました。最後の1社さんが終了になりまして、その売上要因、そこも含めまして約3,000万円の減少というかたちになります。その結果、28億700万円という結果となっております。
SaaS/ASP事業 売上構成
もう少し詳しくサービスごとにご説明、比較しますと、12ページのようになります。「I-search」、「I-ask」というのが主力製品なんですけれども、「I-search」に関しては、今期に関しては横ばいというような結果となりました。
「I-ask」が順調に伸びておりまして、対前期比10.2パーセントの増加となっております。「I-entry」、Webサービス、こういったところ横ばいになっております。
電話系サービスに関しては、9.6パーセント増加しております。電話の当社のIVRと、あとはスマホのSMSと呼ばれるショートメッセージの仕組みですね。
こちらと連携をすることで、簡単に複雑な個人情報を取らず、ある程度セキュリティを保ったまま応募フォームで応募等していただけるような仕組みとして、IVRが伸びております。
それから、先ほどご説明しましたWebサイトへのニュース掲示サービスということで、ニュース配信サービスの方も14.7パーセント増加しております。
SaaS/ASP事業 営業利益の増減要因(Non-GAAP)
営業利益の増減要因と書いております。増加要因としては、売上増というところで1億1,300万円の増加。それから前期特損ですね。
事務所移転しておりますが、そちらの事務所移転費用が前期には入っておりましたけれども、今回は入っておりませんので、その部分1,100万円プラスとなっております。
それに対して減少要因としましては、売上原価のうち、労務費、外注費ですね。こちら開発に伴う部分、社内人件費及び外注費の部分が少しかさまっております。
それから賃借料ということで、移転に伴う家賃の増加。それから顧客増加に伴うデータセンターの増床というところも含めて、コストがかさんでおります。
また先ほど売上が増というところで、ニュース配信サービスのご説明をしていますけれども、そのニュース配信に関わる記事使用料ということで、新聞社さんにお返しする費用ですね。
そこも含めまして、1億4,400万円増加しております。あとは人件費の増加ということで、管理部門も含めた運用部隊の人件費の方も増えております。9,300万円増加となっております。
eセールスマネージャー関連事業売上収益・営業利益の推移
次のページ、14ページになります。eセールスマネージャー関連事業の売上収益と営業利益の推移になります。前期、平成28年6月期に関しては、当社連結しておりませんので、参考値として見ていただければと思います。
JGAP、日本基準の数字となっております。右側のグラフが当社の連結数字、Non-GAAPでの数字となっております。IFRS換算というところになります。
前期31億6,200万円に対して、23.3パーセントの増加。39億100万円という数値となっております。営業利益に関しては3億3,400万円に対して、7億8,300万円増加しております。
とくに大型案件の獲得によって、売上が増加しております。
フィールドマーケティング事業売上収益・営業利益の推移(H28/6期は参考値)
次のページ、15ページになります。フィールドマーケティング事業の売上収益と営業利益の推移になります。同じく前期に関しては、非連結の数字になっております。前期29億4,900万円に対して、8.4パーセントの増加。31億9,800万円という結果となっております。
フィールドマーケティングに関しても、ストックビジネスを中心に堅調に推移しておりまして、売上増となっております。ただ、体制強化と新規事業への積極的な投資というところを含めまして、営業利益に関しては若干下がっております。3億8,100万円から、2億2,500万円という数字となっております。
貸借対照表主要項⽬⽐較(連結)
16ページになります。貸借対照表の主要項目の比較ということで、今回のソフトブレーンの連結に伴って、当社のグループの財務状態を説明したいと思います。
左側が平成28年6月末のBS状況となっております。現預金が50億円。それに対して、短期借入金が33億円という状況でございました。ソフトブレーンの連結に伴って、資本に関しては、39億円から79億円ということで40億円増加しております。それに対して、安全性というところで見ていただければと思いますけれども、連結の現預金ですね。
現金同等物等を含めまして49億円というところで、それほど買収前と変わっておりません。それから借入金に関しては、この細かいグレーの四角の部分を足していただくと、47億円。社債と借入金ですね。
長期と短期含めまして、合計で47億円。保有している現預金49億円と借入47億円がバランスしておりますので、とくに問題なく安定しているかなと思います。
とくに短期借入金は長期借入金に巻き直しておりますので、こちらも含めて安定させております。ここまでが決算の概況になります。
平成30年6⽉期 営業利益⾒通し(Non-GAAP)
31ページ、営業利益の見通しになります。Non-GAAPと書いておりますけれども、今のところ何か一過性の項目というのは、とくに見込んでおりませんので、Non-GAAP=IFRSと思ってください。13億8,900万円の営業利益に対して23.1パーセントの増加。
17億1,000万円。営業利益率は13.6パーセントですね。ちょっと控えめですけれども、17億1,000万円を見込んでおります。
平成30年6⽉期 当期利益⾒通し(Non-GAAP)
次、32ページになります。当期利益は9億4,600万円に対して、24.6パーセントの増加。11億8,000万円を見込んでおります。
平成30年6⽉期 親会社の所有者に帰属する当期利益⾒通し(Non-GAAP)
最後に、親会社の所有者に帰属する当期利益の見通しですけれども、5億5,200万円に対して30.3パーセントの増加。7億2,000万円を見込んでおります。その結果、1株あたりの当期利益に関しては42円60銭。
年間配当に関しては、短信で発表しておりますとおり、20円を予定しております。中間・期末10円ずつ、年間で20円。この場合の配当性向は46.9パーセントとなります。
基本的にはNon-GAAP指標の親会社の所有者に帰属する当期利益ベースで、配当性向は50パーセントを基準としております。この20円で、9期連続増配となります。以上が決算説明になります。