2017年度第1四半期レビュー
滝健一氏:滝でございます。よろしくお願いいたします。それではお手元の資料に基づきまして、説明させていただきます。
まず1ページ目をご覧ください。2017年度の第1四半期のレビューでございます。
上に書いておりますが、この第1四半期のレビューといたしましては、ご承知の通り、二次高度化法に基づきます能力削減やJXTGの誕生の影響もございまして、国内需給など事業環境は改善する中で、製油所や石油化学工場における高稼働など、収益力強化を実現してまいりました。
セグメント別に下に開示しております。まず石油事業でございますが、製油所におけます安全操業・高稼働の実現に加え、CDベースで99.9パーセントとフルの生産となっております。これは12ページを参照してください。
四日市地域での事業提携を計画通りに開始いたしまして、製油所競争力を強化してまいりました。また、国内の需給改善で製品市況が堅調に推移いたしまして、適正マージンを確保いたしました。
前年比で約2円弱の改善となっております。これは前年が、前々年比2円強負けておりましたので、前々年比対比では、ほぼほぼ横ばいと。若干負けているような感じだと思います。
結果、在庫影響除きでの経常利益は79億円と、後ほど詳しくご説明いたしますが、 前年同期比ではプラスの158億円となっております。
次の石油化学事業でございますが、丸善石油化学は昨年度の定修影響解消によりまして、生産量増加などで増益。HCPは高稼働を継続したことで市況改善を享受し増益となっております。
こちらも在庫影響除きの経常利益は前年同期比で71億円プラスの83億円と大幅な増益となっております。
次に石油開発事業でございますが、こちらは12ページをあとで参照していただければわかるんですが、若干の数量減はあったものの、ご承知の通り、油価が上昇しております。
昨年の1-3月の平均が30ドルでございました。今年は53ドルとなっておりますので、この影響によりまして、経常利益は前年同期比で大幅増益、プラス39億円の54億円となっております。
決算ポイントを下で書いておりますが、結果といたしまして、石油事業を中心に各事業オールプラスとなっております。
セグメント別、あとで後ほど詳しくご説明いたしますが、増益によりまして、在庫影響除きの経常利益、いわゆるネットの経常利益につきましては、前年の赤字から今回黒転ということで、前年同期比でプラス278億円と大幅に改善いたしまして、233億円の実績となっております。
これは、ご参考までに申し上げますと、08年度から、四半期決算がはじまっておりますが、1Qベースでは、史上最高値となっております。
2017年度 第2四半期以降の方針
次に2ページ目をご覧ください。こちらは、第1四半期はよかったということでございますが、第2四半期以降の方針を書いております。
年度末から申し上げています通り、そこに書いておりますが、製油所の競争力強化、石油開発での生産量拡大など、収益力強化を推進してまいりたいと思っています。
4つのセグメントに書いております。
石油事業でございますが、千葉JVのパイプライン工事につきましては、今年の3月に、水平トンネルの掘削が完了いたしまして、トンネルは開通し、18年、年度の完成を見込んでおります。いわゆる順調に進捗しております。こちらも34ページをあとでご参照いただければと思います。
また、その下でございますが、秋の定修期間を除きまして、製油所が高稼働を維持しており、適正マージンを確保したいと考えております。こちらも昨年の16年度、CDベースでございますが、昨年88.3パーセントから、この17年度の計画では93.1パーセントという高稼働を維持してまいりたいと思っております。
結果、適正マージンを確保することにつながるんですが、こちらも年度ベースで申し上げますと、前年は、前々年比0.1パーセント若干負けておりましたが、今年の計画では通期で1円弱プラスになる前提でございます。
これは後ほど申し上げますが、1Qが若干それよりも上回っておりますので、通期ではこの1円弱が1円強になる見込みで考えております。
次に石油化学事業でございますが、丸善石油化学、HCPとも高稼働を維持しております。とくに丸善石油化学は今後コスモ石油、いわゆる石油精製とのシナジーを早期に具体化したいと思います。
これはエチレンプラントの原料の多様化とか、あとユーティリティの有効活用などを考えております。
次に石油開発事業でございますが、ヘイル油田につきましては、生産開始に向けて約9割の進捗率でございます。
計画通り10月初めに生産を開始し、17年度中、これは年度17年12月を想定しておりますが、ここではフル生産へ向かう前提でございます。こちらも、後ほど31ページをご参照していただければと思います。
いちばん最後でございますが、風力発電事業。こちらは新規サイト、酒田港湾、石狩湾新港につきましては、下期に運転開始をいたします。
結果、発電能力を約8%増強ということで、 21万1,000キロワットから 22万6,600キロワットに増強する計画でございます。
また、次期中計に向けましては、新規サイト、度会の2期、姫神。これは両方で4万2,000キロワットございますが、この開発を推進しております。こちらも39ページを後ほどご覧になっていただければと思います。
業績予想について
次に3ページでございます。
先走りますが、後ほどご説明します第1四半期が好調だったんですが、この業績予想については3ページで書いてあります。
【2017年度 第1四半期実績】 連結損益の概要 前年同期比
1Q実績につきましては、4ページをあとで見ていただければわかるんですが、2Qの累計、計画を、すでに上回る数字が1Qの実績で出てまいります。
2Q以降、いわゆる7月8月の今10日でございますが、ここまでも製品市況につきましては、堅調に推移する見通しであります。しかしながら、ここに書いておりますが、原油価格の見通しが不透明であることから、 現時点では、業績予想の変更は行わないとしております。
これは、24ページに書いておりますが、1ドルの感度が、約20億円強変わってまいりますので、期末に向けまして、9月末、3月末。いわゆる期末の在庫の評価損。
それから10ドル変わりますと、200億円強評価損が出るということで、ネットはこれ以上に積み上がってくるとは思いますが、公表の数字が、この通り表面になっておりますので、この表面については、ここではあえて変更は行わないというかたちにさせていただいております。
【2017年度 第1四半期実績】 連結損益の概要 前年同期比
次に4ページをご覧ください。
こちらは第1四半期の連結損益の概要の前年同期比でございます。
数字の確認をさせていただきます。いちばん上、売上高でございますが、前年同期比で842億円増収の5,629億円。伸び率といたしましては、17.6パーセントの伸びでございます。
4行目の営業利益でございます。こちらは前年同期比でマイナス5億円の、プラスの121億円。これは後ほどご説明いたしますが、在庫の評価益だったものが、在庫の評価損になりました。
したがいまして、ネットで大幅改善したものの、表面の営業利益では若干の減益というかたちになっております。
次の6行目でございますが、経常利益は前年同期比でプラスの47億円の合計で150億円。こちらは営業利益では若干マイナスになりましたが、営業外損益、こちらは持分法損益のところが、前回の赤字から今回黒字ということで、黒転した結果プラス。経常利益も増益となっております。
次に10行目でございますが、こちらはいわゆる当期の純利益ベースでございます。
こちらは法人税と非支配株主に属する四半期純利益。いわゆる少数株主損益でございますが、この影響もございまして、経常利益は増益となっておりますが、当期純利益ベースにおきましては、若干ながらも1億円の減益。47億円となっております。
次に11行目でございますが、在庫の影響でございます。
先ほど来、申し上げました通り、昨年はプラスの148億円の評価益だったものが、今回はマイナスの83億円。実はこの要因につきましては、13行目と15行目を見ていただければ、昨年は15行目。
1-3月の平均が30.4ドルだったものが、4-6月になりますと、43.2ドルということで、1Qで13ドルほど上昇したと。この結果が、プラスの148億円の評価益を構成しております。
逆に今期でございますが、15行目。1-3月の平均が53ドルだったものが、この13行目でございますが、1Qの4-6月の平均が49.8ドル。単純にはいきませんけども、この傾向が今回の在庫評価損を構成したと見て取れるんだと思います。
結果、12行目でございますが、先ほどからクドクド言っておりますが、在庫評価除きの経常利益は、233億円ということで、史上最高の1Qの利益を構成し、前回の赤字から大幅なプラス278億円の増益となっております。
ご参考でございますが、右側に第2四半期の累計の数字を書いております。6行目では経常利益が、公表では95億円。四半期純利益ではマイナスの35億円。在庫評価100億円を引きますと、ネットではプラスの195億円。
これを今回は1Qで上回っておりますが、先ほど来申しあげておりました環境によりまして、今回あえて業績予想の修正は行わないというのが結論でございます。
【2017年度 第1四半期実績】 連結経常利益の概要 前年同期比
次に5ページ目をご覧ください。
こちらは先ほど申し上げました、在庫評価除きの経常利益233億円のセグメント別でございます。
2番から5番まで、すべてのセグメントでプラスになっております。とくに石油事業のところでございますが、後ほどステップチャートで詳しくご説明いたしますが、前回のマイナス80億円から、今回はプラスの79億円。
石油化学事業につきましても、前期13億円から83億円。石油開発事業も前期15億円から今期は54億円。その他も7億円から17億円。すべてのセグメントで大幅な増益となっております。
次のページで詳しくご説明させていただければと思います。
【2017年度 第1四半期実績】 連結経常利益(在庫影響除き)前年同期比 増減分析
6ページ目をご覧ください。
こちらは先ほど来申しあげました通り、在庫評価除きの連結経常利益、前年同期比プラス278億円をセグメント別にステップチャートでご説明いたします。
表を見ていただきますと、いちばん左側の石油事業でございますが、プラスの158億円の増益となっております。その上に吹き出して書いておりますが、3つに分けております。
いちばん上のマージン・数量でプラスの85億円となっておりますが、これをさらに分解いたしますと、マージンでプラスの81億円。これは先ほど来申し上げましたが、前年同期比で4品が約プラス2円弱改善しております。
計画比でも1円程度の上振れで、前年同期比ではプラスの81億円。この内訳が、4品でプラスの53億円でございます。
また4品外ではプラスの19億円。あと、その他の子会社が若干プラスになったということで、81億円を構成しております。
あと販売数量でございますが、こちらはプラスの4億円でございます。合計で85億円を構成しております。
この4品数量につきましては、後ほど11ページをご参照いただければと思うんですが、前年同期比で販売数量は約7万3,000キロ増販の102.6パーセントとなっております。
これは昨年が、前年比96.5パーセントということで、前々年に対して前年が約3.5パーセント減販している。それを今回、ある程度系列回帰だとか、いろんな販売状況によりまして、若干のプラスになっていると。計画比でも約103.2パーセントの増販となっております。
あと、次の輸出プラス9億円というところでございますが、こちらにつきましては、前年の輸出数量から、今回は中間留分で約8万キロの増販を行っております。これも11ページをご参照願えればと思います。
その下の石油精製コスト他プラス64億円の内訳でございますが、直燃燃料コストにつきましては、昨年の1Qの43.2ドルから今回は48.9ドルということで、油価が上昇しております。この影響で若干のマイナスと。
あと諸費用も増えておりますので、合わせてマイナス11億円が精製コストのプラスの64億円の中のマイナスの11億円を構成しております。
あと、その他75億円のプラスがございますが、主には昨年ありました、製油所のトラブルでございます。これの解消。あとは今回、稼働率が改善したということで、結果といたしまして、製品の油購入がなくなっています。
昨年35万キロあった油購入が今回はほぼ0となっておりますので、この影響でプラスの40億円ございます。あとはジクシスなど、前年赤字だったものが、今回黒転しているというのも、今回も大きな要素でございます。
あとは、若干ではございますが、4月から昭シェルさんとの協業をやっておりますので、この影響も若干入ってございます。これが精製コスト他プラス64億円の内訳でございます。
その右側の石油化学事業プラスの71億円でございますが、こちらにつきましては、丸善石油化学、先ほども申し上げましたが、昨年の低収があったものが、今回ないとか、販売・輸出量の増加ということが効いております。
この71億円の内訳でございますが、丸善石油化学で約9割を構成しております。あと約1割がHCP。こちらも市況改善とか稼働率向上で、昨年より若干プラスになっております。いうのが、この石油化学事業プラス71億円の内訳でございます。
あとその右側。石油開発事業でございますが、価格でプラスの51億円。こちらも1-3月ベースで言いますと、昨年の30.4ドルから今年は53.1ドルということで、22.7ドルの油価上昇。この影響でプラスの51億円でございます。
あと数量がマイナス12億円となっておりますが、こちらは既存以前で使用していましたレゴですね。今回ヘイルが追い込みということで、ヘイルに開発に使用したために、計算しますと若干20万バレルぐらいが減販となっております。
あとその右側、その他10億円でございますが、こちらにつきましては、エンジンとか四日市霞パワーなんかの収益が、赤字だった会社が黒字になったこと。また黒字になっている会社が若干の増益ということが寄与しております。
【2017年度 第1四半期実績】 連結貸借対照表の概要
次に7ページでございます。こちらは連結の貸借対照表の概要でございます。
先ほど来、史上最高の利益と言いながらも、このバランスシートをご覧になっていただきますと、指標が若干ながらも悪化しております。
これは1番から数字申し上げますと、総資産につきましては、前期末に比べてプラスの252億円資産が膨らんでおります。結果、1兆5,509億円。あと純資産につきましては、今回の収益と、あとはいろんなものがございまして、プラスの46億円増加の2,774億円でございます。
その下の3行目でございますが、自己資本。こちらは19億円増加の1,666億円。あと自己資本比率は0.1ポイント悪化の10.7パーセント。
ネットの有利子負債は、前期末より305億円増加の7,578億円。D/Eレシオにつきましては、格付けベースでございますが、0.1ポイント悪化の3.7倍。
これは先ほど来、損益がいいと言っておりましたが、1Q特有の状況でございます。ご承知の通り、配当とかTAXの支払いが、どうしても1Qに集中してまいります。
しかしながら、利益につきましては好調と言いながらも年間の4分の1しか入ってまいりませんので、指標といたしましては悪化しています。これにつきましては、年度末に向けて改善していくというかたちになります。
たらればでございますが、この今の1Qのプラス。当初から見てた金額がプラスになっていますので、約100億円強プラスになっておりますので、これを年度末の業績予想にオンしますと、結果といたしましては、自己資本比率は12パーセントを超えてくるものと思っております。
D/Eレシオも3.2倍前後になるんではないかと。たらればでございますが、今の上期の好調が持続して、下期は計画どおりといった場合の前提でございます。誤解のないようにお願いしたいと思います。
あえて言っておりますのは、6月末が1Qの特有で若干悪化していることの言い訳でございます。よろしくお願いいたします。
【2017年度 第1四半期実績】 連結設備投資の概要
次の8ページ目をご覧ください。こちらは第1四半期実績の連結の設備投資の概要でございます。
左側でございますが、設備投資は233億円ということで、前年同期比77億円の減少となっております。
右側にセグメント別に書いておりますが、とくに4番のその他でございます。こちらが前年前期が117億円が、今回32億円ということで、85億円減少しております。
これは前年同期がIPP関連の投資があったものが、今回それが減少しているということが、主な要因でございます。
設備投資につきましては、中計に沿った投資を着実に実行しており、下期以降来期に向けての収益の目がこれから出てくるんではないかと思っております。
以上が2017年度の第1四半期の決算の概要の説明となります。ありがとうございました。