2017年第2四半期 連結決算概要
板谷嘉夫氏:おはようございます。板谷でございます。今日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
今年の上半期の実績についてご報告させていただきたいと思います。いつものとおりなんですが、色刷りのパワーポイントのスライドで順を追ってご説明したいと思います。
それではさっそくでございますけれども、内容のほうに入らせていただきます。スライドの2になりまして、こちらにいつもどおりなんですが概要をとりまとめております。
まずこの上期の売上収益でございますけれども2,528億円、前年同期と比べまして53億円、2.1パーセント増収しております。
その内訳でございますけれども、タミフルを除く国内製商品でいいますと、昨年4月の薬価改定の影響がございまして、それとの対比で減少方向に動いております。マイナス12億、0.7パーセントほど減収でございます。
海外製商品ですけれども、アレセンサが非常に順調に推移いたしまして増加したんですが、他方でアクテムラは減少しております。これは為替影響が大きかったということでございます。合計しまして微減と。ほぼ前年並でございます。
それから売上収益の一部を構成しますロイヤルティ及びその他の営業収入、マイルストン収入の増加ということで一時的にマイルストンが増えております。
昨年はとりわけマイルストン収入が少なかったということで、前年対比で見ますとその分が大きく増加の方向に働いたということでプラス56億円、54.4パーセントほど増えております。
それから原価・経費のほうですが、売上原価に関しましては製商品売上構成比の変化、いわゆる製品ミックスの改善によりまして、製商品原価率が1.4ポイント改善しております。この上期で51.0パーセントという結果でございました。
経費のほうですが、研究開発費及び一般管理費といったものが少し増えまして、経費全体では28億円ほど増えております。3.5パーセント経費の増加という結果でございました。
それを受けまして損益ですけれども、IFRS実績営業利益で471億円、36億円、3.8パーセント増加しております。Coreベースで見ますと、営業利益が502億円、61億円、13.8パーセントの増益でございました。
1株当たりの利益(EPS)で見ますと70.10円ということで、11.65円、19.9パーセントEPSも増加していると。
売上収益、利益、すべて半期ベースで見まして過去最高だったという結果でございます。
IFRS実績及びCore実績 1-6月実績
3枚目のスライドでございますけれども、こちらNonマイナスCore調整をしております。真ん中のNonマイナスCore項目ですけれども、営業利益で31億円の影響が出ております。プラス31億円ということでございます。
その内訳ですけれども、償却費がプラス6億円、減損損失がプラス25億円と。開発中のプロジェクト等々の見直し等によりまして、少し大きめの減損損失が上期は認識しております。
あとでも触れますけれども、ここにその他の費用と入っておりますけれども、こちらAPAのいわゆる移転価格税制調整金ということで、この上期は4億円の費用認識をしたということでございます。こちらNonマイナスCoreには影響ございません。
損益の概要 1-6月実績
次の4枚目のスライドでございますけれども、この上期をPLでお示ししております。真ん中の黄色くハイライトしたところがこの上期でございます。前期との対比で繰り返しになりますけれども、売上収益全体で53億円の増収であったということでございます。
国内マイナス12億円ということなんですけれども、先ほど少し触れましたけれども薬価改定の影響、それから昨年の暮れに売上が好調であったものが年初少し反動が出たのかなという感じはしておりますけれども、これもまたのちほど触れますけれども第2四半期3ヶ月間では、それを取り戻す方向に少し働いてきているということでございます。
特徴的なところとしては右に書き出しております。先ほども触れましたがマイルストン収入が増加している、それから営業利益の下のところでその他の金融収入(支出)ということで、マイナス2億円計上しております。
前同比マイナス5億円ということで大きい金額ではないんですが、為替差損益とデリバティブ(為替予約)損益に分けますと、為替差損益が昨年同期対比マイナス27億円、デリバティブ損益がプラス22億円ということでございます。
昨年の1マイナス6月は予算レートスイスフランでいいますと127円であったのに対しまして、市場平均レートが114円ということで上期中に円高方向にかなり動いたということで、これと逆の動きになっております。
為替差損益がプラスでデリバティブ損益がマイナスであったということなんですが、今年ほとんど動きがなかったということでそれをひっくり返すようなかたちになっていると。差し引き増減ですのでそういう表れ方をしております。
それからさっき申し上げましたけれども、移転価格税制調整金が営業利益の下のところで認識しております。その他の費用としてこちらには記載しておりますが4億円という費用を認識しております。
製商品原価率、先ほども触れましたけれども1.4ポイントの改善であったという結果でございます。
製商品売上高(タミフルを除く)の増減内訳 1-6月実績
次の5枚目のスライドで製商品別、あるいは領域別にお示ししております。これはタミフルを除くベースということですけれども、まず海外ですがマイナス1億円の減収と。その大きな要因がアクテムラの54億円の減収ということでございます。
これは為替の影響が非常に大きく効いておりまして、数量ベース、為替影響を除きますと若干プラス、ほぼ前年並みという結果でございました。
一方でアレセンサが非常に順調に推移しておりましてプラス41億円ということで、差し引きしましてその他も含めて海外全体ではほぼ前年並みという結果でございます。
国内のほうですけれども、さっきも申し上げましたとおり、全体ではマイナス12億、0.7パーセントと微減ということでございます。
がんの領域ですが、マイナス7億円、0.7パーセント減収になっております。製品別の内訳を見ますと、アバスチンがマイナス13億円ということで昨年、10.9パーセント薬価改定引き下げを受けております。その影響が大きかったということでございます。
あとタルセバでマイナス4億円、それからHER2フランチャイズですけれども、全体では微減ということでございます。その中でカドサイラが少し大きめの減収となっております。
他方で国内でもアレセンサ大きく順調に推移しておりまして、これがこの辺のマイナスをある程度カバーして、全体でマイナス7億円だったという結果でございます。
紫色の骨・関節領域ですけれども、全体でプラス22億円、5.3パーセントほど増収しております。エディロール、アクテムラといったものが大きな増収の要因であったと。
かつての主力領域でございました腎の領域ですけれども、こちらもマイナス15億円、7.5パーセント減収でございます。
この中で一番大きな要因としてここに書いておりますオキサロールですけれども、これは新薬創出加算の返上ということで19.7パーセントという大きな引き下げになっております。その影響がございましてマイナスであったということでございます。
その他の領域、少し大きめの数字になっておりますけれども、これは非常に細かいものの積み重ねでございまして、この中ではセルセプトが主要製品となるんですが、こちらむしろプラスに働いております。それ以外の長期収載品がマイナス要因であったということでございます。
タミフル売上高の推移
6枚目のスライドでございます。こちらタミフルの売上高の推移をお示ししております。いつものとおりマトリクスのかたちなんですが、上が通常売上、下が行政備蓄等ということでございまして、この上期通常売上が63億円でございました。
期初に公表いたしました予想が65億円ですので残り2億円ということですから、おそらく年間をとおしては上振れるであろうと見ております。
それから行政備蓄ですけれども19億円出ております。期初の段階では16億円程度を予想しておりましたけれども、少しそれを上回ったというかたちで。
基本的にはドライシロップの都道府県向けの備蓄の出荷が上期にあったのが主要因でございます。こちらも通期ではすでに上振れしておりますけれども、若干可能性あるかなと考えております。
営業利益の増減内訳 1-6月実績
7枚目のスライドで営業利益の増減内訳をお示ししております。製商品売上総利益の増加ということで挙げております。冒頭でも申し上げましたように、製品ミックス、自社品アレセンサ、エディロールを中心としまして、製品別売上構成比が利益率的にはいい方向に動いたということでございます。それからロイヤルティ、その他の営業収入の増加。
費用面をご覧いただきますと、販売費は9億円ほど減少しております。これは昨年の4月に組織改正を行いまして、従来販売費で認識しておりましたものを研究開発費で認識したという要因が大きく効いております。
半面それは研究開発費の増加の方向にいっておりまして、それに加えまして、おかげさまで開発テーマは非常に順調に進展しているということがございまして、研究開発費は大きめに23億円昨年よりも増えているという結果でございます。
一般管理費等の増加ですけれども、諸経費がもろもろ細かいものの積み重ねで増えているというのと、法人所得税が減税になった分、逆に外形標準課税のほうが増税になっておりまして、こちらは所得にかかわるものではない公租公課ということになりますので、費用に分類されるということで、これも少し一般管理費等が増加する要因になっております。
合計しまして61億円営業利益が増えたという結果でございます。
損益の概要 4-6月実績
4-6月だけを取り出しております。売上収益、上期全体では増収増益ということなんですが、4月だけ取りますと若干減収、営業利益で見ますと減益の方向に少し動いておりますが、ほぼ前年並みという結果でございました。
この中でタミフルを除く国内のところですけれども、こちらは6ヶ月間とは逆方向でプラス15億円ということで、これは薬価改定の影響が4月以降ですでになくなっているというのと、昨年12月品目によっては好調であった売上のものが、4月以降取り戻しが始まっていると認識しております。
あとはマイルストンの収入等々ですね。これは4マイナス6月にも入っておりまして、プラス26億円ということでございます。
それから4マイナス6月だけ切り取りますと、製商品原価率は1.7ポイント改善しております。主要因はやはり製品ミックスの改善ということでございます。
損益の進捗 1-6月実績
こちらから期初に公表しました予想との対比での進捗率をお示ししております。国内の売上、タミフルを除くベースで46.5パーセントの進捗となっております。昨年が48.5パーセントでございました。
ちなみに同じ薬価改定のない年であった2015年は47.4パーセントですので、2015年実績に対しましても、やや進捗が遅いかなということですけれども、先ほど申し上げましたようにこの第2四半期からやや増加に転じておりますので、なんとか目標を達成したいと考えておりますが、少し厳しいかなという感じも若干ございます。
ロシュ向けの輸出ですけれども、これはタイミングの問題とさっき申し上げましたように為替の問題もございまして、進捗の仕方が昨年と比べて少し遅いというかたちにはなっておりますけれども、通期を通してなにか大きなマイナス要因があるということは今のところないかなと見ております。
予想比では製商品原価率はほぼ予想どおり、0.4ポイントほど改善しているということでございます。
営業利益ですけれども54.6パーセントということで、進展が5割強ということで少し早いように見えるんですが、昨年54.7パーセントと薬価改定のなかった2015年が50.6パーセントということでございましたので、少し進展が早いかなという感じはしておりますけれども、通期見通しまして920億円の目標を達成することはほぼめどがついているかなという感触を持っております。
後半まだまだ6ヶ月ございますので断定的なことは言えないんですが、少し強含みで収益が推移しているかなと感じております。
製商品売上高の進捗(タミフルを除く) 1-6月実績
10枚目のスライドでございまして、こちら製品別にお示ししておりますけれども、いくつか製品ごとに凹凸はございますけれども、総じて47.4パーセントの進捗ということで、やや遅いかなという感じはしております。これを第2四半期以降の9ヶ月でどこまで取り戻せるかということになります。
製品別に見ますと、冒頭でも少し触れましたけれども、HER2フランチャイズの中でカドサイラの進捗が前年と比べてもあれですが、予想対比でも少し遅いなという感じがしております。39.4パーセントの進捗率になります。
他方で、海外のアレセンサですけれども、57.9パーセントの進捗ということで、通期見通しましても期初に予想していたものよりは上振れる品目になるかなと見ております。
為替変動の影響
11枚目のスライドでございます。為替変動の影響をまとめております。為替変動はこちらにございますように7億円ほど営業利益でマイナスの方向に動いております。
スイスフランのレートで申し上げますと、こちらにございますように期初想定106円、これは実際去年のうちにスイスフランに関しましては、予約を入れてヘッジをかけているのがだいたいこの相場ということで、この想定レートにしてますけれども、実際の市場の平均レートは円安のほうに動いております。
昨年予約をしてヘッジをしたのがだいたい8割ぐらいでございます。オープンになっているポジションのところで少し円安の影響が出ているという感じがしております。
財政状態の変化
次の12枚目のスライドからバランスシート、キャッシュ・フローになります。
こちらの左側のバランスシートの一番下のところをご覧いただきますと、総資産の合計ということで8,217億円と。これは12月末との対比ということなんですが、154億円ほど総資産が増加しております。
負債を除きました純資産合計を見ますと、6,682億円ということで、217億円増えております。それを受けまして自己資本比率1.2ポイントほど改善しているという状況でございます。
ネット現金の増減
次のスライドでネット現金の増減をお示ししております。この上期で昨年末と比べまして156億円増加しまして、この6月末で2,205億円という結果でございます。営業利益は好調であったということがございまして、これが一番大きな要因になります。
純運転資本等の減少ということでお示ししておりますけれども、この中で大きなものとしましては、営業債権の減少ということで119億円ほど減少しております。これは12月と6月の季節的な要因が大きかったということでございます。
特徴的なところでは有形固定資産の取得による支出ということで、173億円ほど支払いをしております。ちなみにこれはキャッシュの動きとは直接イコールではありませんけれども、今年有形固定資産に対する投資を年間計画380億円ほど予定しております。
このうち上期で229億円有形固定資産を取得しておりますので、進捗率でいいますと60.3パーセントであったと。
上期だけとって少し進捗率が高いようですけれども、年間計画を見まして今年の380億円の計画を変更する要因は今のところございません。年間とおしておそらくその辺で着地するだろうと見ております。
キャッシュの動きのところですけれども、少し特徴的なものとしまして、その他のところをご覧いただきますと、移転価格税制調整金が39億円キャッシュが出ております。
これは昨年35億円費用認識いたしまして、バランスシートに残っていたわけなんですけれども、ロシュに対する調整金でございます。
未払い金のかたちで残ってましたけれども、この6月にロシュとの間で費用清算の方法の細かい点も含めて合意をいたしました。
両社間で合意いたしましたので6月に支払いを行ったということでございます。39億円支払っております。差し引き4億円が上期の費用として認識したものでございます。
それがすべてですので、6月末ではバランスシート上はすべて0になっているというかたちになっております。
フリー・キャッシュ・フローの概要 1-6月実績
最後のスライドになりますけれども、フリー・キャッシュ・フローの概要ということで、この6ヶ月間のキャッシュ・フローを昨年6ヶ月間と比較した表ということになります。
細かいことはいろいろありますが、赤く囲みましたところをご覧いただきますと、営業フリー・キャッシュ・フローの入りが昨年6ヶ月間は70億円であったのに対して、今年は438億円だったということで、368億円ほど昨年同期よりもフリー・キャッシュ・フローの入りが大きかったということでございます。
繰り返しになりますが、先ほどの営業債権の減少ですとか営業債務の増加といった季節的な要因、あるいは仕入れ等々のタイミングの要因があってこういうかたちになっておりますけれども、基本的にはフリー・キャッシュ・フローの動きは非常にいい方向に動いたかなと認識しております。
以上でございます。どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。