2018年3月期第1四半期 ハイライト

畑彰之介氏:こんにちは、畑でございます。本日もお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。それでは、株式会社カカクコム2018年3月期の第1四半期の決算について、概訳をご説明させていただきます。

ハイライトということで、「価格.com」「食べログ」「その他」(の項目)で、それぞれの概略をお知らせいたします。

1番目。価格.comは、通信・金融サービス比較を中心としたサービス事業が成長を牽引いたしました。売上高は51億円で、前年同期比プラス3.4パーセントの増収になりました。

また、海外市場の「Priceprice.com」は、2017年6月時点の月間利用者数が914万人になっております。(価格.com事業の)ショッピング・サービス・その他詳細については、後ほどご説明申し上げます。

2番目。食べログ事業は、6月末の従量売上を含む新プラン課金飲食店数が、4,900店に増加いたしました。また、1レストランあたりの売上も21,100円に上昇しました。売上高は46億円で、前年同期比プラス6パーセントという結果になりました。

ネット予約サービスも、非常に好調でございます。7月には累計予約人数が1,800万人を突破するということで、依然としてペースを伸ばしております。

それから3番目。新興メディア・ファイナンスは、不動産住宅情報サイトの『スマイティ』、それから(女性向けライフスタイルメディアの)『キナリノ』が、好調に推移いたしました。売上高は8億円で、前期比プラス3.6パーセントという結果になりました。

2018年3月期第1四半期 連結業績(IFRS)

次に、今四半期の連結業績のご説明です。今期から業績をIFRS(国際財務報告基準)に提供しておりますので、IFRSの基準で表示しております。

売上高全体は106億5,100万円で、前年同期比プラス4.5パーセント。営業利益は51億円で、プラス3.9パーセントという結果になっております。

これらの数字の、資料の右から3列目にある進捗率についてご説明します。

(資料の右から4列目にある)第2四半期の予想に対して、売上高で47.3パーセント。営業利益で48.6パーセントという結果でございました。開示はしておりませんが、社内の第1四半期の予算に対して、ほぼほぼ100パーセントという進捗率でございます。

四半期別 業務別売上構成の推移(連結)

次の資料、「四半期別 業務別売上構成の(連結)」をご覧ください。

ここでは、前期までは日本基準、今期からはIFRSで(記載しております)。グラフの連続性(という観点)は、少し欠けております。

資料のいちばん下の新興メディア・ファイナンス(緑色のグラフ)で、旅行事業のダイナミック・パッケージをやっている、株式会社タイムデザインという連結子会社の売上をネット計上しております。ここの売上高が少し減っているように見えますが、実態としては、ほぼほぼ順調に伸びてきております。

四半期別 コスト内訳の推移(連結)

次の資料は、「四半期別 コスト内訳の推移(連結)」でございます。

コストの内訳のパーセンテージにつきましては、前年同期比とみても、それほど変わらないコスト構造になっております。

唯一、資料のいちばん下のその他(紫色のグラフ)が、少し減っているようにみえます。タイムデザインの旅行商品売上のうち、原価の部分が(IFRSを任意運用したことにともない、純額計上に変更したことで)ネットアウトされたためです。

価格.com事業

それでは、事業別の概訳についてお知らせいたします。まず、価格.com事業でございます。

価格.com事業は、サービス事業が非常に順調で、全体の売上高はプラス3.4パーセントという結果になりました。資料下側のグラフをご覧ください。ショッピング(青色のグラフ)、サービス(水色のグラフ)、広告(緑色のグラフ)の内訳を表示しております。

ショッピングは前年同期比で、マイナス0.8パーセント。

サービスは、プラス11.3パーセント。

広告は、マイナス3.3パーセント。価格.com全体としては、プラス3.4パーセントという結果になっております。

価格.comショッピング事業

次に、ショッピング事業のご説明でございます。

ショッピング事業は、消費財のUI改善によって、流通総額では増加しました。しかし、全体でみると、販売あたり単価が少し減りました。それによりショッピング事業の売上高は、22億1,300万円。前年同期比マイナス0.8パーセントという結果になっております。

資料の左側、主要耐久財カテゴリの四半期平均訪問者数をご覧ください。いくつか例を出させていただきました。

洗濯機は、前年同期比でプラス3.7パーセント。

薄型テレビは、前年同期比でプラス7.3パーセント。

ノートパソコンは、プラス4.6パーセント。

エアコンは、少し減っていて、マイナス0.7パーセント。

デジタル家電・パソコンが、一昨年から昨年にかけて、長らく新製品が出ていないこともあり、少しトラフィックが減っておりました。しかし、それも底を打ち回復というかたちで、横ばい以上の傾向にあることを示しています。

資料の右側、消費財流通総額をご覧ください。前年同期比で、プラス5.1パーセント。昨年全体でみるとプラス5.4パーセントでしたが、今期も同様のペースで伸びておりますので、今後もトレンドは続くのではないかなと考えております。

価格.comサービス事業

次に、価格.comのサービス事業のご説明でございます。

サービス事業全体では、この第1四半期の売上が20億9,500万円で、前年同期比プラス11.3パーセントという結果になりました。

とくに通信事業(が売上を大きく伸ばしました)。その中でも、国内・海外Wi-Fiの比較事業が大きく伸びております。資料右側のグラフのとおり、国内外Wi-Fiの申込件数は、前年同期比プラス67.7パーセントという結果でございました。

それから、資料左側の(サービス事業 事業別売上高の)グラフをご覧ください。

金融(青色のグラフ)は、プラス2.5パーセント。

通信(水色のグラフ)は、プラス17.8パーセント。

中古車検索(黄色のグラフ)は、プラス36.4パーセント。

それから、一昨年以来事業者とのアライアンスではなく、独自に引越社業者との契約を進めている引越業(オレンジ色のグラフ)は、プラス126.9パーセント。いずれも、順調な増加をしております。

価格.com広告事業

こちらは、価格.comの広告事業でございます。ここにつきましては、ネットワーク広告が大きく成長したものの、従来型のタイアップを含んだ予約型広告が、少し減収いたしました。価格.comの広告事業全体で、8億1,600万円。前年同期比マイナス3.3パーセントという結果になりました。

以前もご説明した、外部配信広告の構造を、資料右側の表にしております。データ広告というところをより進化させるべく、事業を行っております。

今後もネットワーク広告は、少し専門的になるのですが、プライベートネットワークの広告も含めて、売上を伸ばしていくという予定でございます。

価格.com事業 今後の取り組み

次の資料に、「価格.com事業の今後の取り組み」を記載しております。

まず、ショッピング事業につきましては、消費財を含めた各カテゴリページがございます。パソコンのページ・スマートフォンのページ・アプリ(のページ)というところも含めて、デバイス別にページの最適化を図る。より買い物しやすいサイトにして、流通額の増加を目指していく、ということをやっております。

次に、サービス事業です。直近リリースしたサービスとして、電気料金比較・(プロパンガス一括見積もり・)ガス料金比較・IPO(新規公開株)コンテンツ・訪日向けWi-Fiレンタル・(水まわりの)リフォーム価格比較がございます。今後も、次々と新しい分野のリリースをする予定でございます。

価格.com海外事業

次に、価格.comの海外事業についてご説明します。

インドネシア、フィリピン、タイ、インドで展開しているPriceprice.comでございます。4ヶ国合算利用者数は、前年同月末比プラス13.1パーセント(の914万人)ということで、これも計画どおり順調に伸ばしております。

海外事業については、リスティング広告・ネットワーク広告を掲載するということが、ほとんどの売上です。一部始めているアフィリエイトに加えて、新しいメニューを追加してマネタイズするテストを、今期中に始めていきたいと考えております。

食べログ事業

次に、食べログ事業のご説明をさせていただきます。まず全体像でございます。飲食店課金が好調に、計画どおり進捗しております。食べログ事業全体の売上は、46億5,400万円。前年同期比で6パーセントの増加という結果になりました。

また、資料のグラフに内訳を書いております。

飲食店課金(青色のグラフ)は、前年同期比プラス13.9パーセント。

個人課金(水色のグラフ)は、マイナス10.5パーセント。

広告(緑色のグラフ)は、マイナス9.7パーセントという結果になりました。広告は、飲食店課金については新プランの販売状況・ネット予約数を含めて、社内計画どおり、順調に成長しているという結果でございます。後ほど、進捗状況をご案内いたします。

食べログ飲食店課金事業 課金店舗数の進捗

飲食店課金事業の店舗数の進捗を、少し具体的に記載しております。

資料右側の新プラン課金飲食店数は、2016年12月に2,100店舗だったものが、(2017年3月に)3,500店舗、2017年6月に4,900店舗というように、一定のペースで増えております。

また、資料に記載はないのですが、2017年8月から、今まで東京限定で販売していたいろいろなものを、全国でも販売し始めました。実際の契約が始まっていることと、代理店さん向けにもこの新プランの販売を開放したこと。

これらにより、今まで月間でだいたい500店舗ずつぐらい、この新プランの契約数が増えておりましたが、7月から8月にかけては今の状況だと、1,500店舗ぐらい増える見込みになっております。一気に全国に向けてこの新プランを拡大していくということにおいては、順調に推移しております。

食べログ飲食店課金事業 オンライン予約の進捗

オンライン予約数の進捗でございます。オンライン予約人数は337万人ということで、前年同期比プラス172.7パーセント。好調に進捗しております。

資料左側の、オンライン予約人数(四半期累計)のグラフをご覧ください。第3四半期から第4四半期にかけて、少し伸びが止まっているようにみえます。これは、12月の需要であること、もしくはコンテンツ開始の時期であるということが原因で、このようなデコボコのグラフになっております。

この第1四半期では、オンライン予約を推進するというコンテンツ配信が着々と進んでおりますので、また大きく数字を伸ばしたという結果でございます。

資料右側をご覧ください。契約している店舗に対する平均の月額の料金(ARPU)では、この第1四半期で2万1,100円。こちらも、一定のペースで増やしております。この8月は今までより、新プランの課金店舗数のペースが増えておりますので、ここもさらに推進していければと思っております。

食べログその他事業

食べログのその他事業をご説明します。

個人課金加入者数は、2017年6月では155.7万人ということで、前四半期末から少し減少しました。また、個人課金の売上も先ほどご説明したとおり、前年同期比マイナス10.5パーセントになっております。

携帯電話が売られる繁忙期にセット販売しておりましたので、少し解約が出るところもあるのですが、新たなキャリアさんとの契約により、再加速する予定になっております。

それから、資料の右側をご覧ください。これはコンテンツ関連で、「食べログアワード(『食べログ 百名店』」というものを毎年行っております。店舗にご投票いただき、点数の高い店舗を表彰しています。

(その第1弾では)「ラーメン」「スイーツ」「パン」、それぞれの分野について名店をご紹介していく、というコンテンツをリリースしております。先日も、『うどん百名店』をリリースしております。

食べログ事業 今後の取り組み

食べログ事業の、今後の取り組みのご説明です。

新プランの販売が非常に計画通りいっているということと、まだ当社の飲食店課金の新プランは序盤戦であることから、今後もますます店舗数を増やすべく、営業を推進していく。

それから、コンテンツの改修も含めて、「コンテンツを楽しむ」という観点から、一般ユーザーさんがレストランを検索すると、予約できるところまで繋げて提供できるようなサービスを、目指してまいります。

また、資料がないのですが、食べログの広告事業についてお話しします。

食べログの広告販売は、今まであまり積極的に行ってきませんでしたが、非常にポテンシャルが高い。そのため、今期から人員を増強して、積極的に販売するという体制をとっております。

ただ、食べログは、掲載面を定価で売っていくことをほとんどしておりません。そのため、例えば飲食店にサンプリングするお手伝いをする・デジタルサイネージなどと絡めて「食べログ」というブランドを売っていく・コンビニで売っているようなカップラーメンなどと、コラボ企画をする。

そういったもののメニュー化が進んでおりますが、一部、かなり企画型のものが多い。その影響でこの上期は、ちょっと出遅れたところがございます。

下期については、「広告」という意味での予算を達成できるような案件が、クロージングしかかっているという状況でございます。以上が、食べログ事業のご説明でございます。

新興メディア・ファイナンス事業

新興メディア・ファイナンス事業をご説明いたします。

事業がいくつかあるのですが、収益が上がっているものの中では、『スマイティ』『キナリノ』が好調に推移いたしました。また、昨今インシュアランス(保険)で展開しているファイナンス事業も増収となりました。

合わせた売上高は8億7,200万円で、前年同期比プラス3.6パーセントという結果になりました。

新興メディア事業

次に、新興メディア事業のご説明です。四半期売上高を、IFRSベースでグラフにしております。

資料の左側をご覧ください。

下から2番目の「WebCG」(黄緑色のグラフ)は、自動車メーカーからスポットの案件で構成されているということもあって、この第1四半期はちょっと案件が足りなかった。そのため、マイナス44.1パーセントという結果になっております。

その上の「映画.com」(ピンク色のグラフ)は、プラス13.8パーセント。

『スマイティ』(青色のグラフ)は、プラス10.4パーセント。

『タイムデザイン』(水色のグラフ)は、プラス6.5パーセント。

『キナリノ』(緑色のグラフ)は、プラス80パーセントということで、順調に推移しております。

資料の右側をご覧ください。トラフィックが非常に好調な2サイトについて、グラフにしております。

(左側の)「icotto」は、始めたばかりで動いている部分もあるのですが、去年の9倍のトラフィック。

(右側の)「求人ボックス」は、去年の5倍以上のトラフィックという結果になりました。

新興メディア事業≪キナリノ≫

次に、『キナリノ』のコンテンツについてご説明します。『キナリノ』は、読み物のメディアでございます。その中で、写真を中心としたアプリ限定コンテンツ「キナリノマガジン」を、配信開始しております。その一例を、資料の左側にiPhoneの画面で示しております。

それから、『キナリノ』から「キナリノモール」というサービスをリリースして、実際に物販の手数料をいただいております。こちらについて、資料の右側に月間流通額を記載しております。(ご覧のとおり、)順調でございます。

この6月は、前年同期比プラス171.8パーセント、月間流通額は6,400万円という結果になりました。

新興メディア事業≪タイムデザイン≫

新興メディア事業「タイムデザイン」のご説明です。

タイムデザインは、売上を非常に順調に伸ばしておりますが、その中でもいくつか新規事業を始めております。

1つは、資料の左側にある、訪日旅行者向けのシステム提供開始。星のや東京、星野リゾートトマムの2施設で、訪日外国人向けにダイナミックパッケージのサービスを開始しております。

また、ページを英語で見ていただいた際、「航空券付きで予約する」というページにいっていただく。そこがタイムデザイン提供の、ダイナミックパッケージのご案内をしているところです。そのページの例が、資料の右側です。

ちょっとここには記載がないのですが、もう1つ、アウトバウンドの取り組みも始まっております。本日(2017年8月2日)リリースしたのですが、ハワイの持っているホテル「ハレクラニ」にも、タイムデザインのシステムを入れていただきました。

日本語のページですが、ハレクラニのページにいっていただき、「航空券付きで部屋を予約する」を選ぶと、タイムデザインのダイレクトパッケージが売られている。これをリリースしております。

海外展開への取り組み

海外展開への取り組みのご説明です。

6月にシンガポール・インドネシアで、個人向けの金融比較サイト『MoneySmart.sg』を運営する「Catapult Ventures」に出資しました。ここはローン比較・クレジットカード比較・保険比較というようなことで、価格.comのサービス事業とノウハウが重なる部分もあります。

個人向けのスマートフォンのサイト・アプリという部分では、彼らのほうが進んでおりますので、よりシナジーを効かせて、いずれ収益に貢献してくるのではないかなと考えております。

カカクコムグループ積上トラフィック

最後に、参考資料として、カカクコムグループの積上トラフィックを載せております。

「価格.com」「食べログ」も含めた当社が運営するすべてのサービスの、それぞれの月間利用者数を表にすると、こういうかたちになっております。

グループ全体では、前年同期比プラス28.5パーセント。全体のUUを足して、2億人を突破しているということでございます。この3月期も同様です。

以上、2018年3月期の第1四半期の決算の概要について、ご説明させていただきました。