2017年5月期 決算ハイライト

木南陽介氏(以下、木南):みなさま、おはようございます。株式会社レノバの2017年5月期決算説明会にお越しくださいまして、どうもありがとうございました。大変暑い中、感謝申し上げます。まず前期のハイライトです。

1点目は、過去最高益を無事達成することができました。

2点目は、発電所の計画です。順調に開発が推移いたしまして、予定どおり竣工し、連結化収支率の向上等が進みました。

3点目は、マルチ電源開発の伸長がありました。

過去最高益達成

前期決算はこちらに記載のとおり、売上高が82億円、EBITDAが約50億円、営業利益が27億円、経常利益が18億円、当期純利益が20億円ということで、各項目ごとに業績目標を達成することができました。

創業以来の売上高推移

過去の売上推移で見ますと、以前は事業が複数あり、わかりづらいところがあったかもしれませんが、ほぼ過去最高水準の80億円相当を達成しています。

右側3本のグラフにありますとおり、2015年から再生可能エネルギー事業が成長していまして、13億円(2015年)、49億円(2016年)、71億円(2017年)と伸びています。

連結EBITDA推移

私どもは非常に大型の開発を多数していますので、連結EBITDAの数字を大変重視して経営を進めています。今期は50億円ということで、過去最高のEBITDAを稼ぎ出すことに成功いたしました。

再生可能エネルギー事業のEBITDAは、3期前(2015年5月期)が7億円、前期(2016年5月期)が32億円、前期(2017年5月期)が47億円を達成することができたということで、急速な伸びを実現できています。私どもの経営的な数字がほぼ発電量の推移・増加に伴うものになってきました。

【ご参考】レノバの保有する発電所における売電量の月次推移

このグラフは少しわかりにくいかもしれませんが、弊社の各発電所で発生している発電量のを推移を足したものです。

季節的に今月は太陽光発電所の発電量が非常に多かったとか、夏場の発電量が多いとか、そのようなことを加味して作っています。

2014年2月に水郷潮来ソーラー発電所の運転を始めて以来、富津ソーラー、静岡の菊川ソーラー等々が積み上がっていったという状況です。

(スライド)一番右端に緑色の分厚い部分ができていますが、これは秋田でのバイオマス発電事業です。バイオマス発電事業は非常に稼働率が高いので、発電量が非常に大きくなってきたということです。

連結 当期純利益の前期比較

当期純利益の前期比較です。2016年5月期は3億円でしたが、2017年5月期に20億円になりました。この内容は昨年にプラスチックリサイクル事業を譲渡していますので、その譲渡益が加味されています。また、開発案件で1つ2つ計画どおり進捗していないものがありまして、それは損失で抜いています。

また、4月に大津ソーラーという熊本の太陽光発電所を連結化いたしまして、段階取得差益が計上されましたので、このようないくつかの特殊要因が含まれていて、この数字になっています。特殊要因を差し引いた分は約7億円です。

発電所の計画通りの竣工と連結化

発電所の計画の進捗です。ここに表示されているものは、2016年5月末時点の再生可能エネルギー発電所の状況です。

そして今、赤枠で囲っている部分が、2017年7月14日時点の再生可能エネルギー発電所の状況です。

赤枠が1年ちょっとで変化したということで、水郷潮来ソーラー、大津町のソーラー、那須塩原のソーラーについては収支比率が向上しました。岩手県の軽米東ソーラーは、昨期に非常に大規模な太陽光発電所を新規着工いたしました。秋田のバイオマス発電所は、収支比率が向上して、連結決算の対象になりました。

【ご参考】軽米東・西ソーラー事業

軽米東・西ソーラー事業をもう少し詳しくご紹介いたします。

こちらは西のソーラーということで、2016年5月期にすでに着工していました。それに加えて2017年5月期に東側の着工に至ったということです。発電容量は東西合わせて129MW(メガワット)で、全国最大級の事業になっています。

完成するとこの発電所だけで売上高約50億円、EBITDA約40億円が積み増されるということになっていまして、期待しています。今のところ工事は非常に順調に進んでいて、2019年から運転開始予定です。

秋田バイオマス事業(URE)の連結化

続きまして、秋田のバイオマス事業についてです。マルチ電源化に向けた1号案件として捉えており、これをもとに今後さらに成長を加速したいと考えています。

こちらは燃料がすべてバイオマス資源であるという専燃の発電所になっていまして、発電容量が20.5MW。東北地方では現在最大クラスのものです。この7月から連結化が始まっています。

秋田バイオマス事業(URE)連結化の戦略的な意義

秋田バイオマス事業の戦略的な意義ですが、バイオマス発電所は太陽光発電所等と違い、オペレーションが非常に重要です。20年間材料を調達してきて、燃焼して、発電するということです。

このオペレーションノウハウを蓄積して、次の新しいバイオマス発電所の開発・運営に活かしていきたいというのが1点目です。

2点目は、このような事業を地域に根差して開発していると、地域内でのブランドや人脈等々、いろんなものが形成されます。今後はこれを活かして、秋田県へのコミットメントを強めて、他の電源への展開を考えたいと思っています。

3点目は、経営に1歩踏み込むということで、秋田バイオマス事業の収益性を向上して、連結売上高・EBITDAの向上につなげてまいりたいと考えています。

現在公表可能な代表的開発案件(パイプライン案件)

現在弊社で開発しているパイプライン案件をご紹介します。

昨年発表させていただいたものに加えて、赤枠で囲った部分が2017年5月期に新規に着手した案件です。

バイオマス発電所で75MWのものを4件発表していますが、これらは今後の成長の上で非常に重要になってきます。

それからすでに発表済みですが、秋田県由利本荘市の大規模洋上風力発電について、昨年着手を始めました。

現在はこれを足していくと、1GW(ギガワット)以上のパイプラインになるということで、これを着実に仕上げて収益につなげてまいりたいと思います。ここまでが2017年5月期の活動報告です。

2018年5月期見通し 連結売上高および連結EBITDA

2018年5月期の業績計画についてお話しいたします。今期は売上高で115億円。今期から再生可能エネルギーの売上のみになりますが、2017年5月期の71億円から61パーセント増を見込んでいます。

連結EBITDAは62億円を計画しています。再生可能エネルギー部分での比較になりますが、30パーセント増の計画を立てています。

こちらの数字はご覧のとおりですが、売上高115億円。EBITDA62億円。営業利益35億円。経常利益20億円。当期純利益7億円という予想になっています。

2018年5月期 開発パイプライン(パイプライン案件)

今期の開発状況をご説明します。一番重要なのは岩手県の軽米西・東ソーラー建設の進捗です。2019年7月と12月に運転開始を予定していますが、今のところは順調です。

また上期に四日市で20MWの太陽光発電所の着工をしたいと考えています。下期にも、栃木県で同じ20MW規模の太陽光発電所の着工に入りたいと考えています。

こちらも下期に予定しているのですが、西日本で75MW規模の大型バイオマスの着工に入ります。このあたりが今期の重要な成長に向けてのトピックとなります。

今申し上げてきたようなことを含めて、着々と発電所を作るということではあるのですが、やはり私どもとしては、当面は発電所の積み上げに集中すべきだと考えております。

レノバの長期成長イメージ

建設中の発電所を含めたパイプラインですけれど、3年、5年と経ったところで、1GWの発電容量まで進めたいと考えています。

将来的には、さらにそれを積み上げることを考えておりまして、目の前で確保した案件の建設をしっかり進めること、開発を進めることに加えて、新規案件についても取り組みたいと考えています。先行投資があるものの、そのような成長イメージを持っているとご理解いただければと思います。

ミッション/経営理念

最後はミッション/経営理念です。「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会課題を解決する」ことで、要はコストが安い、社会的に何かサポートを受けていなくても成立している電源を作ることを目指しています。これによってエネルギー・システムを構築して、社会課題を解決したいと考えています。

引き続きご支援を賜ればと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。