2017年3⽉期 決算のポイント

横川收氏:本日は大変お忙しいなか、また悪天候のなか当社の決算説明会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。ただ今ご紹介いただきました、横川と申します。

早速ですが私の方から2017年3月期の決算概況と、2018年3月期の損益計画について、その概要をご説明させていただきたいと思います。

連結の売上高は、前期比7.4パーセント減の164億5,500万円となりました。

内訳としては水処理装置に関して、水面下で進行していた案件が8月以降順次具体化したこともありまして、受注が下期にそれ相応にあったのですが、残念ながら韓国・中国で前の期に受注していた案件がほぼ一巡したこともあり、装置そのものでいうと23.7パーセント減の80億9,000万円に留まりました。

その一方で、メンテナンス・消耗品に関しては国内・海外問わず、各地域で堅調に推移したこともありまして、22.5パーセント増の75億9,000万円。その他の事業は、6.7パーセント減の、7億7,300万円という結果でした。

利益に関しては今申し上げましたとおり、国内・海外ともにメンテナンス・消耗品が順調だったことが1点目。それから2点目として、前の期の反省から海外で受注した大型案件に関しては、前の期の受注分はドル建てで2件大きなものを受注してました。

それが決算期末に円高が進行して、第4四半期ヒヤヒヤした決算期の反省から、前期に受注した案件に関しては初期の段階から円建てでの受注に注力いたしまして。

その影響で為替による影響が軽微に留まったことがあり、売上総利益率が3.8ポイント改善したことで、減収ながらも、売上総利益が金額ベースで3億6,500万円増加したことが、一番大きな特徴かと思います。

一般的に開示資料等に記載していないのですが、前の期の装置のいわゆる売上総利益率。10.7パーセントに留まってたんですけど、前期に関してはこれが3.8ポイント。ここも改善してます。全体の売上総利益率も3.8ポイントの改善に繋がったことが、前期の一番大きな特徴なのかと言えるかと思います。

加えましてグループ全体でコスト削減に取り組んでまいりました結果が功を奏しまして、販管費はわずか8,700万円でありますが、減少したこともありまして、営業利益が前期比4億5,300万円増の7億6,900万円という結果となりました。

経常利益に関しても、為替差損が前の期との比較でいうと9,000万円ほど減少したこともありまして、経常利益が5億5,100万円増の7億4,500万円でした。

損益計算書の概要(連結)

それから収益の回復が2期続いたことで、最終的には繰延税金資産の一部計上もあって、当期利益についても5億4,000万円増の6億9,100万円という結果で終わりました。

損益計算書の概要(個別)

ご参考までに、個別は営業段階の増益に比べて経常の方がかなり多くなっているのですが、これに関しては子会社2社からの配当金による影響とご覧いただけたらと思います。

いずれにしましても、2月14日の段階でいったん前期の業績予想修正で出させていただいたものと比較すると、利益面での乖離が大きかったわけなのですが、先ほども申し上げたとおり、とくに日本と韓国で期末にかけて消耗品の駆け込み需要が我々が想定している以上に大きかったと。

具体的には金額ベースで、野村マイクロ単体と連結子会社を合わせますと、消耗品の駆け込み需要による上乗せが利益ベースで2億3,000万円ほどに達していることが、数字が持ち上がった大きな要因になっております。

地域別売上⾼・売上構成

こちらのグラフに、地域別の売上高と売上構成を示させていただいてます。先ほどからご説明させていただいていますが、まず国内に関しては、装置・メンテナンス・消耗品ともに、受注が堅調だったこともあり、8.7パーセント増の56億4,300万円。

韓国と中国・台湾に関しては、いずれもメンテナンスと消耗品に関しては韓国が50.5パーセント増、中国・台湾に関しては96.4パーセント増で、パーセンテージベースでみるとかなり増えたのですが、逆に金額ベースでは先ほど申し上げた装置の一巡した影響が大きく、金額ベースで減少という結果になっております。

受注⾼・受注残⾼

お手元の資料の9ページに、事業別の受注高と水処理事業の地域別受注のグラフを添付させていただいておりますが、地域別でみるとアメリカと韓国が減少と。

その一方で、中国が前の期と比較すると、大型装置案件を受注したこともあって、受注高全体で見ても前期比2.3パーセント増の165億8,300万円となっておりますが、この中で一番寄与してるのは、中国での受注になっております。

ちなみにそちら(事業別受注⾼グラフ)にも書いてあるとおりで、期末の受注残が前の期との比較ですと、2.8パーセント増の46億5,400万円。

当社の場合、正式受注ベースでもちろん受注残を出しているのですが、これに加えて、3月末の段階で内示をいただいている案件を合算すると約58億円で、前の期と比較するとほぼ同じぐらいの水準で新しい期に突入してる状況です。

キャッシュ・フローの概要(連結)

キャッシュ・フローを掲載させていただいておりますが、営業キャッシュ・フローの大幅な増加により、各段階でも、こちらもそれなりの結果で順調に推移してると。

とりわけ、フリーキャッシュ・フローが8億円超です。数字的には全く申し分がなかった決算と、認識をしております。

⾜元の受注環境と案件対応

2018年3月期の見通しについて、説明させていただきたいと思いますが、その前に足元の受注環境と、それから当社が取り組もうとしている対応を一部、ご説明させていただきたいと思います。

まず、景気の先行きそのものに関しては、私が説明する間でもなく、皆様方のほうがよくご存知かと思うのですが、当社を取り巻いている業界全体でいうと、やはりコンペティターとの競合もあって、引き続き価格面での競争が激しい状況が継続中です。

ただ、後半の部分で半導体業界の今後の見通しのグラフが出てまいりますが、今のところそこに出てくる、とくに中国を中心とした装置の旺盛な需要がありますので、これらが今期のポイントにもなってくるということかと認識しております。

その中国での設備投資の影響もあって、国内の半導体関連の装置メーカー、それから材料関係のメーカー等も、かなり状況としては良く、そういった国内の半導体関連の会社さんからも、受注見通しが現状あることが、今期の計画のなかに、一部盛り込まれております。

やはり当社としては、まず装置を受注して、それが2年後、3年後以降のメンテナンス・消耗品の受注に繋がることが、一番の狙いになってまいります。

それがなければ中長期的な利益の確保は困難ですので、会社全体としても、新規の受注確保と受注した上での利益面での改善。これが引き続き大きな課題と認識をしております。

それから今日、説明会資料の最後のところで先ほどもお話があったとおり、中国で取り組んでいます汚水処理場・浄水場の動画を一部、資料として用意させていただきましたが、当初の計画から比べると、年単位、正直申し上げて遅れております。

遅れてはいるのですが、事業化に向けての課題が1つ1つ解消しつつあって、やっと前期末から今期にかけて、試運転が可能な状況になっていることで当社としても、この実現に向けてさらに注力をしていく段階と。

それ以外の一部新商品につきましても、まだ数字的にそれほど大きなものでもないのですが、徐々に実績を上げつつある段階です。

それらの取り組みと、新商品の概要については、また後ほど説明のなかで、資料を含めて、ご説明をさせていただく予定にしております。

2018年3⽉期決算の⾒通し

ただ今ご説明をさせていただいた状況を踏まえまして、13ページ以降に、通期の業績見通しということで、予想の数字を掲載させていただいておりますが、まず水処理装置です。

こちらに関しては、先ほど来ご説明している、国内ととくに中国での受注見込みがありまして、売上高は前期比26パーセント増の、101億9,200万円の見通しです。

それから、メンテナンス・消耗品に関しては、逆に、前の期にとくに国内はご存知のとおり、熊本の震災の後、復興需要が一部にありました。

それが当然、前期で終わっていますので、今期はその反動等がありまして、見通しとしては現状9.5パーセント減の、68億7,300万円。

逆にその他の事業に関しては、20パーセントほどの増加で9億3,400万円を見込んでおりまして、合計売上高では9.4パーセント増の、180億円程度と見通しを持っております。

2018年3⽉期業績⾒通し(連結)

利益面に関しては営業段階で6億9,000万円。経常段階で6億9,800万円と前期の数字と比較すると、増収ながら減益の予想になりますが、当社としては受注の多くを見込んでいる中国側の装置案件、これはもう残念ながら利益率は決して高いとはいえません。

先ほど申し上げたとおり、受注した後の今後のメンテナンス・消耗品の受注を前提にした装置の受注ということで、その影響もあって、売上総利益率が今期に関しては2ポイントほど低下するのかというのが、現状の見通しです。

それから販管費が若干、前期に比較すると増加を見込んでることで、利益水準は増収ですが、減益を見通さざるを得ない状況を予想しております。

受注⾼・受注残⾼の推移

これは今期末の今期の受注高と期末の受注残という現状の予想になりますが、受注高に関しては装置で118億円。

下の(上期の受注高の)青い棒グラフを見ていただくとお分かりのとおり、前期はどちらかというと下期集中で装置の受注があったのですが、今期に関しては上期に先ほど申し上げた、中国の大型装置案件中心に受注を見込んでいると。

ただそれが業績に寄与する意味では、おそらく下期に集中してくるということで、数字的には上期がとくに水準が低い見通し予想をしております。

話は戻りますが、メンテナンス・消耗品については受注高として68億円程度と見通しです。それから期末の受注残は、前期の期末よりも若干プラスで、62億円程度になるかというのが、現状の見通しです。

簡単ですが、以上が前期の決算概要、それから今期の見通しとを説明をさせていただきました。