2017年2月期決算・中期経営計画

佐藤衛氏:みなさん、こんにちは。3月1日に社長に就任した佐藤衛と申します。初めての決算発表になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

今回は通常の決算発表に加えまして、当社として初めて策定させていただいた中期4ヶ年計画についても説明をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。

財務情報

まず終わった期と翌期の計画について説明させていただきたいと思います。

(表の)黄色いところが終わった期、2017年2月期の結果となっています。その左側がその前の期(2016年2月期)です。そして右側が翌期2018年2月期の公表値の計画となっています。

ひと言で申し上げまして、17年2月期は為替とBREXITに翻弄された年と言っていいかと思います。

まず為替の部分なのですが、(スライド)左下に終わった期とその前の期の為替が載っています。

ご覧いただきましたように、USドルはじめヨーロッパ主要通貨が軒並み円高に振れています。この大幅な円高の中で、終わった期の業績にどれぐらい影響があったかご説明させていただきたいと思います。

終わった期の売上が、489億3,700万円、その前の期が544億5,700万円ということで、55億円の減収となっておりますけれども、そのうち50億円が為替の影響となっています。

営業利益は終わった期が36億600万円、その前の期が57億3,500万円ですので、21億円の減益となっておりますけれども、同じく21億円のうち17億円が為替の影響によるものです。

事業別売上高

為替の影響を事業別に述べさせていただきたいと思います。まず売上ですけれども、一番上の特機事業部の3億円の減収に対しまして、為替の影響がマイナス14億円出ています。

従いまして、特機の場合は為替影響がなければ、前期を約11億円上回る数字となっていたということになります。工作機械は45億円の減収のうち34億円が為替の影響となっています。精密部品は7億円の減収のうち3億円が為替の影響です。

営業利益につきましても、特機事業部が4,000万の減益になっておりますが、為替の影響としましては、営業利益のところで4億マイナスに振れています。

工作機械につきましても14億の減益のうち13.8億円分が為替の影響であったということになります。精密部品のところは3億の減益に対しまして、為替の影響がゼロということになります。

それと弊社は昨年6月の予想外のBREXITの決定を受けて、中間において売上・利益の下方修正をさせていただきました。

BREXITが決定されたときに、やはり株式市場がかなり乱高下、動揺を受けましたし、欧州通貨もかなり変動いたしました。

というとことで我々としては、下期にわたってはとくに欧州を中心に、とくに工作機械の需要がかなり減るだろうということで、当初488億円の総売上で公表していたものを444億円に下方修正させていただきました。

ところが、期が終わってみると、実はBREXITによる欧州の景気減退等による影響が、ある意味一切出なかったという結果があります。

終わった期の売上が489億円で、当社の公表値が488億円ですから、結局下げなくてよかったという実績になっています。BREXITの影響を受けて下げましたが、それを下げなくてもよかったというのが実績だと思っています。

というところで、非常に為替とBREXITの影響で翻弄された17年2月期でありますけども、18年2月期にどういう数字にチャレンジするかというのが右側の表となっています。

売上は512億円、終わった期に対して23億円の増収、対前期比4.6パーセント増を見込んでいます。営業利益は10億円増の46億円、対前期比28パーセント増となっています。

経常利益が34パーセント増の48億円。当期純利益が16パーセント増の37億円を見込んでいます。経費面の要因として、我々は2020年を目標に新社屋の建設を決定しています。

この18年の2月期で古い建物を壊して、本社を建てるわけなのですけれども、その部分の早期償却分を償却してしまわなければならないというところで、通常では見込んでいなかった経費が約2億3,000万円かかりまして、それを踏まえての営業利益46億円のレベルだとご承知おきいただきたいと思います。

この業績を達成いたしますと、その下に指標が出ておりますけども、ROEが終わった期の6.9パーセントから8.5パーセント。

配当金につきましては、終わった期が中間24円、後半24円の48円配でやらせていただきますけれども、新しい期については、ぜひ2円増配の50円配にさせていただきたいと考えています。

終わった期の48円配は、12年の2月期から6期連続の増配となっておりまして、この50円配 ということが達成できれば7期連続の増配になります。

それと50円という配当のレベルですけれども、過去最高が2008年の2月期にお支払いした56円配となっていまして、それに次ぐ配当レベルになります。DOEは終わった期4.1パーセントから4.3パーセントに改善する見通しとなっています。

特機事業

次に事業別にご説明させていただきたいと思います。まずは特機事業です。

左側に売上高の推移が載っています。特機事業部は終わった期の売上高が110億8,100万円ということで、前期に対して約2.6パーセント減ということですが、先ほど申し上げたように、為替の影響がマイナス14億円入っています。新しい期には、10パーセント増の122億4,000万に持っていくという計画になっています。

右上の地域別販売台数のところをご覧いただくとわかるのですけれども、為替の影響を受けたとはいえ、終わった期は2.6パーセントの売上減になっているんですけれども、ここにあるように販売数量自体は大幅に伸びています。

終わった期が59万6,000台、その前の期が52万台ですので、販売台数につきましては約15パーセント弱増加しています。1つだけ特殊要因が入っておりますのは、(棒グラフ)緑色のアジアの数字を見ていただければわかります。

終わった期が12万8,000台、前の期が8万3,000台ということで、数値が4万台以上大幅に伸びているのに対して、下の地域別売上高を見ていただくと、販売台数がこれだけ伸びているのに金額は逆に減少しています。

これは中国のECR(キャッシュレジスター)メーカー向けに、通常のプリンターは単価が2万円以上するものなんですけれども、我々が売っているドットメカニズム(小型プリンター)というのは1,500円とか2,000円です。そういうメカが入っていまして、ここの数量が中国特需で伸びているのに対して、単価の安いものが入っているということで、このような結果になっています。

それを差し引きましても、17年の2月期というのは、やはり前期に比べましても販売台数自体は伸びています。

今、非常に注目していただいているmPOSのプリンターの販売台数に関してご説明させていただきたいと思います。

mPOSのプリンターの販売台数は、終わった期が20万6,000台でした。前の期が15万8,000台ですので、約5万台弱という大幅な伸びを示しています。終わった期で伸びた地域は主に欧州と日本です。

欧州はやはり17年の2月期は、mPOS元年であったと思っています。非常にmPOSプリンターの需要が伸びて、それに加えて、オーストリアでフィスカルプリンター需要があって、フィスカルプリンターの伸びがmPOSプリンターの販売にもつながったということが、欧州の好結果の1つの理由となっています。

日本の総台数が6万3,000台、前の期が4万4,000台と非常に伸びていて、mPOSの売上も終わった期が3万8,000台、その前が1万9,000台ですので倍増となっています。

これはやはり、日本の場合は大手のお客さんですね。リクルートさんのAirレジや楽天さんのスマートペイ、あるいは大手のISVの方々が、引き続き旺盛な購入をしていただきました。

あとはモバイルプリンターの用途がかなり広がっておりまして、物流、大手コンビニのバックヤード、あるいは宅配というふうにかなり用途が膨らんできていて、そういうところで日本のmPOSプリンター、あるいはモバイルプリンターの需要が増加しています。

18年の2月期ですけれども、総台数は63万4,000台、6パーセント増を見込んでいます。ただし、mPOSプリンターの総販売台数ということでいきますと、この中に含まれるmPOSプリンターの販売が22万台となっています。

終わった期が20万6,000台ですので、少しmPOSプリンターの伸びが緩やかになってきたと感じられるかもしれません。

地域別に見てみますと、mPOSプリンターではすでに大きなシェアをいただいているアメリカ市場は順調に伸びると見込んでおりまして、新しい期では14万台、終わった期が12万5,000台です。それとずっと伸びてきているアジア市場についても、今回は約1万台の販売を見込んでいます。終わった期が7,000台ですので、ここも伸長を見込んでいます。

それとは逆に、欧州市場と日本市場は今回慎重な見方をしています。というのは、先ほども申し上げたように、欧州市場は昨年がまさしくmPOS元年だったと思っておりまして、去年からようやくmPOSの市場が立ち上がったというところで、競合さんがここに対抗する、我々から見ても良いプリンターを投入し始めてきています。

というところで新しく始まった欧州市場については、やはり競合さんとの競争が激化すると思っていますし、実際に市場ではバチバチ火花が上がり始めているというのが現状でございます。

日本市場でも、やはりこれから競争が激化していくだろうということで、mPOSに関しましては、欧州と日本ではちょっと慎重な見方をしているという見立てになっています。これがmPOSプリンターの新しい年の伸びが鈍化している要因となっています。

ただ、それを置いても63万4000台と大きく数字を伸ばす要因として、何点かポイントがございます。

数字を見ていただいたらわかりますが、実は昨年のオーストリアに続いて、ロシアでフィスカル法制がとおり、需要が生まれています。すでに一部の数字では、欧州のフィスカル需要で、かなりの台数の需要が期待できます。

昨年は約1万1000台の販売をして、当初予定していたよりもスローだったのですが、おかげさまで販売が順調に伸びてきて、新しい期につきましては、2倍以上の2万5,000台を計画させていただいています。

ずっと伸びてきた東南アジア市場も順調に伸びておりまして、新しい期では2万4,000台の販売。終わった期が1万9,000台でしたので、ここも順調な伸びを予定しています。

我々の本決算が2月ということで、終わった期までの足元の状況ですが、プリンターの総販売台数はワールドワイドで10万台を超えるところにきています。その前の期が9万7,000台ですので、約3パーセントの増ということで、計画に対して非常に順調な滑り出しを見せています。

3月の数字はまだなかなかはっきりと言うことができないのですが、1Qレベルで見ても、過去の1Qの最高が15万5,000台でしたが、今回の1Qももそれに次ぐ2番目ぐらいの販売台数でいけるのではないかと考えています。プリンターの状況は、以上のような状況です。

工作機械事業

次に、工作機械の状況について説明させていただきたいと思います。右側の地域別の販売台数をご覧いただきたいと思います。ワールドワイドの総販売台数は終わった期が2,632台、新しい期は2,719台レベルです。

これはどういうレベルか申しますと、16年の2月期の2,734台が年度の販売においては過去最高の数字で、それにほぼ匹敵する数字を見込んでいます。

どういうところで、その伸びを見込んでいるかというと、一番上の(棒グラフの)黄色いところがアメリカになります。

アメリカ市場が終わった期に比べて、医療関連を中心に大きな伸びを示しています。その前の期が269台ですので大幅な伸長です。新しい期は医療系を中心に堅調な需要が続いて、同じく横ばいの300台を見ています。

その下の欧州市場は593台ということで、前の期に比べて3パーセントの増加を見込んでいます。ただこの欧州市場ですが、台数では増加するものの地域別売上高の販売金額を見ていただくと売上高が減少しています。

この理由ですが、実はこの欧州市場の中で販売増を見ているのが、主に新興国、トルコであるとか、東欧であるとか、旧ソビエト連邦の諸国、こういったところへの販売の増加が今期については一番大きいだろうと見込んでいまして、少し単価が安い新興国向けの伸びが高いことが、欧州の販売台数増に対する販売金額減の要因となっています。

それと、非常に伸びるのがアジア市場で、1,424台を見込んでいます。終わった期は1,383台ですので、3パーセント増ということになりますけども、その中でもやはり一番伸びたのは中国市場です。この1,424台の中で、中国向けは795台を見込んでいます。終わった期は1,383台のうち735台が中国向けでした。

この中国向けは年々販売数量が右肩上がりで伸びておりまして、新しい中では795台が今度の計画となりますけども、2012年の2月期は86台でした。86台が6年経って795台ということで約9倍くらいに伸びている。それほど中国市場の伸びが大きくなってきています。

新興国向けの価格と同様に、中国向けの価格はやはり台数は伸びますけれども、まだ単価は安いという状況です。

例えばアメリカ向けの機械の平均単価は2,700万円くらい。欧州は2,000万円くらいとなっておりますけども、中国向けの終わった期の平均売価が570万というところで、この価格差がまだ大きいというのが現状です。

従いまして、やはり工作機械事業部の課題としては、やはりアジア向けを中心とした伸び、あるいは全売上に対する占有率が大きくなっているということで、やはり利益構造、営業利益に与える影響をどう改善していくかが大きなポイントになろうかと思います。

直近、足元の受注状況がどうなっているかというと、これも終わった期ですね、2月までの受注の動向となりますけども、2016年の1月、2月の受注の合計が322台でした。今年2017年の1月、2月の受注合計が460台で推移しています。前期に対して138台、43パーセントの増加となっておりまして、足元の受注は非常に好調に推移しているという状況です。

3月の詳しい数字はまだ申し上げられませんが、単月で、それからこの3月を加えた1Qというくくりでは、おそらく過去最高の数字になるのではないかと考えています。

この2月までの200台という受注台数が、我々では好調であるという1つのレベルになっていますけれども、2月までで11ヵ月連続200台越えの連続記録を更新しています。というところで、工作機械につきまして、計画も前向きな計画を立てています。足元で、それを上回るように非常に好調な受注状況です。

精密部品事業

次に精密部品事業のところを説明させていただきます。

新しい期の売上は終わった期に比べて6パーセント増、45億円の見通しです。

時計部品につきましては、我々の大口のお客様の販売予測をもとに計画を立てています。腕時計市況としては、爆買い需要も一巡して、横ばいの状況と見ていまして、約1.7パーセント増の18億6,900万の見通しを立てています。

伸ばすところは、やはり非時計部品の部分で26億3,000万、終わった期に対して10パーセントの増加を見ています。

その内訳ですが、上から色が分かれておりまして、自動車関連、医療関連、ハードディスク関連、空調関連、OA・電子部品等と分かれています。

医療関連の伸びは20.5パーセント増となっています。

ハードディスクはタイの工場で作っていまして、需要としては構造的に減っていくものだと考えています。ただ、終わった期の3億4,700万円が、ちょっと生産調整が効きすぎた期となっておりまして、でこぼこの反動ということにはなるのですが、新しい期につきましては4億円強と改善する見込みを持っています。

空調関連は主に中国向けのエアコンの部品となりますが、ここのところは順調に数字を回復させて、約7パーセント増の見通しを立ています。

一番の伸びがOA・電子部品となっておりまして、約36パーセント増を見込んでいます。

今、非常に半導体の市況が回復傾向にありまして、半導体と関連するプローブが検査をする芯の先を部品として供給してるのですけれども、ここのところが大幅な伸びを示すという見立てです。

一番上の自動車関連部品は6パーセントくらいの減少となっています。この減少の要因としては、上海の工場で作っているカーオーディオ部品が減少しています。

車の中で音楽を聴くにしても、今はiPod等で聞くような時代の流れのなかで、カーオーディオ部品の減少を担いきれないというかたちで、自動車部品が減少しています。以上、各事業部の新しい期の見通しの説明となります。

設備投資/研究開発費

次に設備投資のところです。18年2月期の設備投資総額は52億2,600万円を計画しています。

ただし、(棒グラフ)一番下の灰色の部分に新社屋建築にともなう設備投資分25億7,400万円が入っています。52億2600万から新社屋分を差し引きますと、26億5,200万円の設備投資となります。

弊社の場合、設備投資のレベルとしては、基本的に償却の範囲内ということで立てているのですが、26億5,000万円というレベルは、(減価償却費)23億9,000万円を上回る設備投資のレベルになりますけども、主にここで投資させていただくのは工作機械部門の設備投資です。

終わった期の7億6,000万円に対しまして、今回は16億7,000万円ということで大幅な設備投資をやらせていただこうと思っています。

内容といたしましては、五面加工機という大型機械の導入で5億円、それとマシニングセンター、アリミゾ研削盤といった工作機械の導入をしていきます。

やはりこれは先ほど申し上げたように、工作機械の足元の受注が非常に好調だということと、新製品としては、主軸固定型、これもスイス型の旋盤に比べれば大型の機械になりますので、そういうところの投入を見据えた大型機械の設備となります。

その下の研究開発費ですけれども、基本的に弊社の場合だいたい売上比の5パーセントくらいを見ています。一番新しいところでは、18億3,600万円で、売上に対しては3.6パーセントです。

終わった期に対して約2億円くらい減っておりますけれども、これは本社のR&Dセンターという主に振動発電を開発しているところなのですけれども、ここがやはり振動発電の製品化あるいは規格化に特化したと。

あるいは他事業部、特機や機械というところで、やはり今後IoTの環境でやはり要員が必要だということで、R&Dのほうから主にソフトウェアの要員ということになりますけども、そういう人たちを移動させたということがありまして、減となっています。

賃借対照表

次に、バランスシートのところです。総資産ネットキャッシュ比率が大きく減少しているのがおわかりにになると思います。終わった期が14.9パーセント、新しい期が13.6パーセントということになります。

従来弊社ではネットキャッシュはだいたい25パーセント以上、右に書いてある自己資本比率は75パーセント以上というのを経営指標として掲げていました。

それを、やはりこの低金利の時代でもレバレッジを効かせた経営に転化していくということで実際に実行いたしました。

右側を見ていただければおわかりになりますけれども、終わった期に80億6,800万円の転換社債、それと上から2番目の短期借入金を20億円のレベルから25億円に増加させています。

というところで、一番左側のところでは、直近の期では、18年2月で201億円現預金がございますが、そこから借入金25億そしてCB80億円を差し引いたネットキャッシュの96億円と、総資産が706億円というところで、13.6パーセントのネットキャッシュ比率ということになります。

これを、とくにCBもしくは借入金を使って、非常に旺盛な自社株買いを17年2月期に展開させていただいていて、509万株の自社株買いをさせていただきました。

これを受けて、自己資本比率も従来73パーセントくらいであったのが、終わった期で63パーセント、新しい期には62パーセントとなっていきますけれども、今後とも経営方針としてこのような自社株買いは機動的に行っていきたいと考えています。

それに伴いまして、弊社の場合、従来株主様への還元として配当性向40パーセントを公約させていただいておりました。

この新しい期からは総還元性向50パーセントというところを1つのお約束として掲げさせていただきたいと思っています。

キャッシュ・フロー

続きまして、キャッシュ・フローです。新しい期は通常の営業活動によるキャッシュ・フローというところで、約60億円くらいシュミレートできる計画になっています。

先ほど設備投資で説明させていただいたように、本社屋の建設もございますので、46億円ほどあるというところで、フリーキャッシュ・フローはだいたい14億円を見込んでいます。

主な経営指標

続きまして、主な経営指標になります。この新しい計画を受けまして、これが達成できた時は、終わった期6.9パーセントのROE(自己資本当期純利益率)が8.5パーセントに改善してまいりまして、EPS(1株当たり当期純利益)は99円20銭というレベルに回復してまいります。

このROEの我々の会社の1つの目安としてWACC(Weighted Averageof Costof Capital )という、資本の調達コストになりますが、弊社の過去3年のWACCの平均がだいたい6パーセントになっています。

このWACCが資本の調達コストになりますので、やはり株主様が期待するものも最低限の収益率かなと仮定しますと、少なくともこのWACCを上回るROEは必要最低限ということになります。

終わった期が7パーセントということで、WACCの数字を1パーセントくらい上回っておりますけども、新しい期はなんとか8.5パーセントまで改善させるという計画になっています。

株主還元

それを受けまして、今期の配当のところです。先ほど申し上げたように、新しい期は50円配を予定しています。

この50円配を達成しますと、DOEは4.5パーセント以上を目標として掲げていきたいと思います。先ほど申し上げたように、還元につきましては、総還元性向50パーセントを目標にやっていきたいと思っています。この50円配当は、7年連続の増ということになります。

(スライドの)下に総還元性向と配当性向と比べた時の指標が載っています。配当性向の4割ということでずっとやらせていただきました。

48円配が終わった期の配当性向が58.7パーセント、その前の期が52パーセントということで、配当性向40パーセントをクリアしたかたちとなっています。新しい期の50円配を仮に配当性向に置き換えた場合、50.4パーセントになります。

従いまして、配当50円というだけで還元性向50パーセントというのは、クリアしている数値になっています。

ただし、今後も先ほど申し上げたように機動的に自社株買い等を行っていきたいと思っていますので、自社株買いを実行させていただいた折には、それなりに今の配当性向50.4パーセントにアドオンされるようになってまいります。というところで、充実した株主還元を積極的にどんどん打ち出していきたいと考えています。