2017年 第1四半期決算ハイライト
石坂修氏:みなさんこんばんは。アサヒグループホールディングスIR部門の石坂と申します。
本日は2017年度第1四半期決算の電話会議にご参加いただき、誠にありがとうございます。最初に私から決算の概要について説明します。
第1四半期決算のハイライトからご覧ください。
当第1四半期決算のポイントして、売上収益は、昨年10月から連結した欧州事業が上乗せとなった国際事業を始めとし、全事業で増収を果たし、トータルでは前期比6.9パーセント増収の3,792億円でした。
事業利益は、3月31日の中東事業の買収手続き完了に伴い、取得関連費用22億円の計上で、国際事業が6億円の減益となりましたが、その影響を除いたベースでは全事業で増益を果たし、トータルでは前期比20億円増益の150億円でした。
中間予想に対しては、年初予想には織り込んでいない取得関連の一時費用が発生しましたが、とくに飲料事業・食品事業が計画を上回る増収増益を達成したことで、トータルでは好調なスタートを切ることができました。
現時点では中間予想および年間予想据え置いておりますが、今後は既存事業での超過達成を目指していくとともに、4月以降の中東事業の業績を上乗せしていくことで、年初計画の上方修正を図っていく方針です。
なお、中東事業は、3月末時点でバランスシートを取り込んだことにより、総資産は9,054億円増加しています。
ただ、PPA、パーチェス・プライス・アロケーション、買収価格の資産負債の配分手続きを行っている前なので、この数値は暫定値です。
今後、資産の時価評価や無形資産の切り出しを精査をしていく予定です。
また、PLの取り込みは、第2四半期以降ということになりますが、業績予想も今後精査した上で中間決算のタイミングを目途に開示をしていく予定です。
よって、現時点では中東事業は、情報開示は限定的となることをあらかじめご了承いただければと思います。
酒類事業(ビール類販売数量)
それでは、事業ごとの詳細について酒類事業のビール類の販売数量から説明します。
1-3月のビール市場全体は業界各社が主力ブランドの強化やエクステンション商品などを積極的に展開しましたが、ビールトータルでは前期比0から1パーセント程度縮小したものと推定をしています。
そうした中、当社の販売数量は、ビールではスーパードライが発売30周年に関連したマーケティング施策などにより前年を上回ったものの、昨年3月に発売した新商品の反動減などにより、トータルでは前期比2パーセントの減少でした。
一方、新ジャンルでは2月に発売した贅沢ゼロやプライムリッチが好調に推移したクリアアサヒブランドを中心とし、トータル6パーセント増と市場平均を大きく上回ったことにより、ビール類トータルでは前年並みを維持しています。
中間予想に対しては、ビールは計画を下回っておりますが、発泡酒と新ジャンルが計画を上回り、トータルではほぼ計画ラインの進捗とお考えをいただければと思います。
酒類事業(売上収益)
ビール類以外の種類は、主に昨年4月に発売した、もぎたてが好調なRTDや洋酒の拡大により、トータルでは前期比5.8パーセント増収の355億円となりました。
また、アルコールテイスト清涼飲料についても、ドライゼロが引き続き堅調に推移しており、ビール類以外の売上収益は計画を上回る進捗となっています。
酒類事業(事業利益)
次のページには酒類事業の事業利益の増減要因を記載しています。
主な増減要因として、人件費などのその他経費が10億増加していますが、ビール類以外の増収効果や、変動費のコストダウンなどで、トータルでは前期比1.8パーセント増益の152億円でした。
費目ごとに多少のばらつきはありますが、事業利益トータルではほぼ計画ラインの進捗です。
また、広告・販促費は、ビール類では2億円減少したものの、主にもぎたてが好調なRTDで増加をし、トータルでは2億円の増加でした。
ビール類は、6月の改正酒税法の施工を見据えて、すでにリベートの適正化などに着手をしています。
今後も広告・販促費率の低下に向け、家庭用・業務用それぞれの過度な販促費の抑制といったことにつなげていきたいと考えています。
飲料事業(販売数量)
次に、飲料事業について、アサヒ飲料社の販売数量から説明いたします。
1-3月の飲料市場全体は、各社の積極的な新商品の投入などにより、トータルでは前期比1パーセント増加したものと推定しています。
そうした中、アサヒ飲料社の販売数量は、ミネラルウォーターやお茶飲料がマイナスとなりましたが、カルピス・ウィルキンソン・ワンダといった主力ブランドが好調に推移したことにで、トータルでは計画を大きく上回り、前期比4.8パーセント増加の5,189箱でした。
飲料事業(事業利益)
次のページには飲料事業の事業利益について記載をしています。
主な利益増減要因として、数量増効果や品種容器ミックスの改善に加え、広告・販促費の効率化が進んだことにより、飲料事業トータルでは前期比29億円増益の32億円でした。
中間予想に対しては、売上・利益ともに計画を上回る進捗です。
引き続き、主力6ブランドを中心としたマーケティングの強化やミックス改善に加え、広告・販促費などコスト全般の効率化により、計画の超過達成を目指していく方針です。
食品事業(売上収益・事業利益)
食品事業については、ミンティアやベビーフードなど、主力ブランドの好調が持続していることなどにより、トータルの売上収益は前期比6.2パーセント増収の270億円でした。
事業利益では増収効果や広告・販促費の抑制に加え、原材料を中心とした製造原価の低減などにより、トータルでは76.8パーセント増益の31億円となり、計画を上回る進捗です。
中間予想に対しては、1部経費の期ズレもありますが、事業トータルで計画の超過達成を目指していきたいと思います。
国際事業(売上収益)
次に、国際事業についてご説明をします。このページには決算ベースの売上収益に加え、下段には為替影響を除いたベースの売上収益を記載しています。
まず、決算ベースでは主に欧州事業の上乗せや、オセアニア事業の増収などにより、トータルでは前期比44.1パーセントの増収でした。
また、事業トータルの為替影響は4億円のプラスとなったため、為替影響を除いたベースでは43.5パーセントの増収となっています。
為替影響を除いたベースの内訳として、まず欧州事業では245億円が上乗せとなっています。
欧州事業は新規連結のため前年比はありませんが、SABミラー時代の参考値と比較しますと、主要3ヶ国で着実に増収を果たしており、事業トータルでは計画を若干上回る進捗です。
オセアニア事業では、炭酸やRTDに加えましてミネラルウォーターやスーパードライなど、成長カテゴリーの強化などによりまして、トータルでは6.4パーセントの増収となっております。
一方、東南アジア事業は主にマレーシアのインド市場全体の低迷などによりまして、トータルでは6.6パーセントと減収となり、また、中国事業は製造工程の見直しに伴う一時的な生産量の減少などによりまして、6.4パーセントの減収となりました。
それぞれ中間予想に対ては、東南アジアが計画を下回っておりますが、欧州やオセアニア事業が計画を上回り、トータルではほぼ計画ラインの進捗です。
国際事業(事業利益)
次のページで事業利益について説明をします。
決算ベースではオセアニア事業は増益となったものの、東南アジアと中国事業の減益に加えて、冒頭申し上げたように中東事業の取得関連費用を計上した欧州事業が減益となったことで、トータルでは6億円の減益でした。
西欧事業の事業利益は分離コストなどの一時費用4億円の計上後で14億円となりましたが、中東事業のアドバイザリー費用等を22億円計上したことで、トータルでは8億円の赤字です。
本来は西欧事業の進捗としては、1Q業績の年間計画に占めるウェイトは10パーセント程度ということになりますが、参考値で比較しますと英国やオランダを中心に増益を果たしており、事業トータルで計画を上回る進捗です。
オセアニア事業は増収効果やミックス改善効果に加えて統合シナジーの創出などにより、65.3パーセントの大幅な増益でした。
東南アジア事業は主にマレーシアにおける減収に加え、市況や為替影響に伴う原材料の高騰などにより、トータルでは8億円の減益となり、また、中国事業でも減収影響や容器ミックスの悪化などにより、2億円の減益となっています。
それぞれ中間予想に対しては、中東事業の取得関連費用を除いたベースでお話をしますと、東南アジア事業が計画を下回っているということになりますが、西欧事業やオセアニア事業の計画を上回る進捗などにより、トータルでは計画ラインの進捗となっています。
事業環境の悪化により、東南アジアの計画達成は多少厳しくなってきていますが、欧州とオセアニアでカバーし、トータルでの計画達成を目指していきたいとい考えています。
営業利益・親会社の所有者に帰属する当期純利益
続いて連結決算の営業利益を説明します。
営業利益は昨年計上した和光堂本社など固定資産の売却益がなくなったことなどにより、事業利益の増益幅が縮小し、前期比5.7パーセント増益の136億円となりました。
また、親会社の所有者に帰属する当期利益については、赤字となっている康師傅飲品会社の持ち分保有比率の低下に伴い、持分法投資損益のマイナス幅が縮小したことなどにより、前期比29.8パーセント増益の28億円となりました。
以上、簡単ではございますが、当社からの説明を終わらせていただきます。