連結業績概要

尾上広和氏(以下、尾上):尾上でございます。よろしくお願いいたします。それでは、2017年3月期第3四半期の決算の概要につきまして、ご説明いたします。

はじめに、当第3四半期累計期間の連結業績の概要についてご説明をいたします。資料の2ページをご覧ください。

まず、当第3四半期累計期間の連結業績につきましては、増収増益となりました。

売上高につきましては、海外市場、金融市場の販売が堅調であったことから、前年同期並みに推移いたしました。

また、営業利益につきましては、販売費および一般管理費等の減少に加え、海外市場での製品ミックスの改善や、金融市場での売上高拡大等により、前年同期に比べ21.9パーセント増加いたしました。

経常利益につきましては、為替差損等が発生しましたが、前年同期並みで推移し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、36.6パーセント増加いたしました。

また、EBITDAにつきましては、4.0パーセント増加しました。なお、為替の影響を除いた場合、前年同期に比べ売上高は9.9パーセント、営業利益は32.7パーセントと、それぞれ増加しております。

売上高の変動要因(セグメント別)

続きまして、売上高の変動要因をご説明いたします。3ページをご覧ください。

当第3四半期累計期間の売上高をセグメント別に前年同期と比較しますと、海外市場はプラス22億7,600万円、金融市場はプラス33億6,000万円となりましたが、流通・交通市場はマイナス34億4,800万円、遊技市場はマイナス14億円、その他はマイナス2億7,300万円となり、全体で前年同期に比べ5億1,600万円の増収となりました。

営業利益の変動要因

次に、営業利益の変動要因をご説明いたします。4ページをご覧ください。

当第3四半期累計期間の主な増益要因といたしましては、売上高の増加による効果が2億200万円、販管費の減少による効果が23億3,800万円ありました。

一方、減益要因といたしまして、売上原価の増加により、1億1,300万円の影響がありました。

その結果、当第3四半期累計期間の営業利益は、前年同期と比べ24億2,700万の増益となりました。

セグメント別売上高・営業利益

それでは次に、セグメント別の業績につきましてご説明をいたします。5ページをご覧ください。

当第3四半期累計期間のセグメント別売上高の増減につきましては、先ほど3ページのグラフでご説明いたしましたとおり、海外市場、金融市場が前年同期と比べ増加し、それ以外のセグメントは減少いたしました。

一方、営業利益につきましては、前年度と比較して増益になったセグメントは海外市場、金融市場、減益になったセグメントは流通・交通市場、遊技市場、その他となりました。

海外市場

まず海外市場についてご説明をいたします。6ページをご覧ください。

海外市場では、「紙幣整理機」の販売はアジアにおいて低調であったものの、主要製品である「紙幣入出金機」および流通市場向け「紙幣硬貨入出金機」の販売は欧州において好調でありました。また「硬貨選別機」の販売は、米州において好調でありました。

市場全体として、現地通貨ベースでは好調に推移いたしましたが、円換算後の売上高は、円高の影響により、前年同期並みでありました。

その結果、売上高はプラス3.2パーセントの743億7,800万円となり、営業利益はプロダクトミックスの改善やコスト削減等により、プラス111.0パーセントの54億4,300万円となりました。

地域別売上高

海外市場の地域別売上高につきましては、7ページをご覧ください。

米州では、米国で「硬貨選別機」や流通市場向け製品の販売が増加いたしました。

欧州では、金融機関窓口用「紙幣入出金機」や流通市場向け「紙幣硬貨入出金機」の販売は堅調でしたが、円換算後の売上高は前年同期比でマイナスとなりました。

アジアでは、オーストラリアの金融機関向け窓口用「紙幣入出金機」の販売が好調でしたが、中国での「紙幣整理機」の販売が低調でした。

なお、中国につきましては、今期より決算期ずれの解消を行ったため、第3四半期累計期間は4月から12月の売上高を記載しております。

また、OEMはATM用紙幣入金ユニットの販売が好調でした。

地域別の現地通貨ベースでの伸び率は、それぞれ一番右の列に表示ているとおりでございます。

金融市場

続きまして、金融市場をご説明いたします。8ページをご覧ください。

金融市場では、主要製品である「オープン出納システム」の販売は、中小規模店舗向けのコンパクトタイプが好調であり、前年同期比プラス10パーセントとなりました。

また、窓口用「紙幣硬貨入出金機」の販売も更新需要を捉え、前年同期比プラス81パーセントと好調でした。

この結果、売上高はプラス9.6パーセントの384億5,800万円となり、営業利益につきましては、プラス15.2パーセントの49億2,200万円となりました。

流通・交通市場

続いて、9ページの流通・交通市場です。

主要製品である「レジつり銭機」の販売は、大口需要の反動により、前年同期比マイナス32パーセントと低調であり、「売上金入金機」の販売も、更新案件の延伸等により前年同期比マイナス25パーセントと低調でした。

この結果、売上高はマイナス10.2パーセントの303億6,900万円となり、営業利益につきましては、マイナス12.3パーセントの28億3,500万円となりました。

遊技市場

次に、10ページの遊技市場です。

主要製品である「カードシステム」等の販売は、遊技台の撤去問題に伴い、新店改装を見合わせるホールが多く、設備投資抑制の影響を受け低調でした。

その結果、売上高はマイナス8.6パーセントの148億5,400万円となり、営業利益につきましては、マイナス56.5パーセントの5億2,600万円となりました。

最後に、これまでご説明した4つのセグメントに属さない、その他の事業につきましては、顔認証システムの販売が前年同期比マイナス22パーセントと低調でした。

この結果、売上高はマイナス15.5パーセントの14億9,200万円、営業損益は2億2,800万円の損失となりました。

設備投資他

次に、設備投資他についてです。

設備投資につきましては、マイナス7.1パーセントの57億1,400万円。減価償却につきましては、マイナス8.9パーセントの70億7,600万円。研究開発費につきましては、プラス9.3パーセントの102億9,600万円となりました。

損益計算書・包括利益計算書

続きまして、連結損益計算書・包括利益計算書につきまして、ご説明をいたします。12ページをご覧ください。

売上高から営業利益までのご説明は、4ページの営業利益の変動要因と内容が重複しますので、割愛させていただきます。

営業外損益につきましては、為替変動に伴う為替差損28億2,000万円が発生しましたが、経常利益は前年度比プラス1.9パーセントの108億6,800万円となりました。

また、特別損益につきましては、主だったものは発生しなかったため、税金等調整前四半期純利益は前年同期比プラス2.1パーセントの108億5,600万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、法人税率の低下等から前年同期比プラス36.6パーセントの67億700万円となりました。

なお、四半期包括利益は、円高による為替換算調整勘定の減少により、10億9,800万円の損失となりました。

貸借対照表

次に、貸借対照表になりますが、13ページをご覧ください。

資産の部では、タラリス社買収によるのれん等が減少したため、無形固定資産は、前期末に比べ150億4,100万円減少いたしました。

一方、負債の部では、外貨預金の借入れ等により、有利子負債は前期末に比べ97億1,200万円増加いたしました。

2017年3月期 業績予想

続きまして、2017年3月期通期の業績予想につきまして、ご説明をいたします。14ページをご覧ください。

2017年3月期、通期の業績予想につきましては、2016年7月28日に情報開示した数値から変更をしておりません。

売上高は、前期比マイナス3.1パーセントの2,200億円。営業利益は、前期比マイナス7.6パーセントの190億円。経常利益は、前期比マイナス14.7パーセントの150億円。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比マイナス9.4パーセントの80億円です。

セグメント別売上高・営業利益(予想)

セグメント別の売上高・営業利益の予想につきまして、15ページをご覧ください。

今回の事業環境と第3四半期累計期間の実績を踏まえ、2016年11月7日に公表した業績予想を修正いたしました。

海外市場につきましては、売上高・営業利益を上方修正しました。

金融市場につきましては、売上高・営業利益を下方修正しました。

流通・交通市場につきましては、売上高を下方修正しました。

遊技市場につきましては、修正はありません。

その他につきましては、営業利益を下方修正いたしました。

セグメント別売上高・営業利益(四半期)

セグメント別の売上高・営業利益の四半期ごとの推移は、16ページのとおりです。

第4四半期の各セグメントの販売動向といたしましては、海外市場では、欧米での紙幣入出金機や流通市場向け製品の販売が順調に進むことを予想しております。

金融市場では、オープン出納システムや、窓口用紙幣硬貨入出金機の販売が順調に進むことを予想しております。

流通・交通市場では、レジつり銭機の販売がスーパーや専門店で順調に進むことを予想しております。

遊技市場では、引き続き厳しい市場環境が続くことを予想しております。

その他では、顔の認承システムの新規需要の獲得などを見込んでいます。

海外地域別売上高

続きまして、海外の地域別売上高の予想につきましてですが、17ページをご覧ください。

今回、事業環境と第3四半期累計の期間の実績を踏まえ、米州の業績予想を上方修正いたしました。米州の売上高予想は、前回からプラス20億円の390億円とし、その他の地域の売上高につきましては変更しておりません。

設備投資他(予想)

最後に、設備投資などの予想ですが、第2四半期累計期間の決算発表から修正をしておりません。18ページをご覧ください。

設備投資額につきましては80億円、減価償却費につきましては100億円、研究開発費につきましては130億円を予想しております。

以上で、2017年3月期第3四半期の決算に関する説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。