2017/3期 3Q累計決算の概要

山畑聡氏(以下、山畑):それでは、第3四半期累計の決算概要からご説明をいたします。

3Q累計の売上高は、為替のマイナス要因がございまして、前年に対して減収となりました。ただし、営業利益は4期連続の増益を維持しております。

楽器・音響機器ともに3Q3ヶ月間の販売は、前回予想には達しませんでした。楽器事業は、中国市場が好調を維持いたしましたけれども、それ以外の市場が3Qの売上高が前回予想に届かず。ただし、3Q累計の売上高は、前年同期103パーセントと、堅調を維持しております。

音響機器も3Qの売上高は、前回予想に届きませんでしたけれども、累計では104パーセントと、こちらも堅調でございます。その他の事業は、3Qで部品、装置が、増収となりましたけれども、累計では前年に対して減収でございます。

2017/3期 1~3Q業績概要

数字の確認です。売上高3,083億円、営業利益374億円、当期利益371億円と、前年に対しましては減収、ただし、利益は増益というかたちでございます。ただ、右側を見ていただきますと、前回予想に対しては、減収減益でございました。

2017/3期 1~3Q事業別業績

続いて、4ページです。売上高、営業利益のセグメントごとの内容です。

売上高3,083億円です。ただ、その下にありますように、為替影響が前年に対してマイナス320億円ございます。これがありますので、その左側の前年との比較では、各セグメントマイナスが付いておりますけれども、この為替を除いた現地通貨ベースでの積み上げでは、楽器でプラス3パーセント、音響機器でプラス4パーセント、全体でもプラス3パーセントという実績でした。

ただし、前年に対しましては、この為替、その下にあります52億円もありましたけれども、それでも前年予想には届かなかったということでございます。

営業利益、374億円です。こちらは、前年に対する為替影響、マイナス100億円を吸収して増益となりました。ただし、前回予想には届いておりません。

2017/3期 1~3Q営業利益増減要因

続いて、5ページ目です。前期との比較の営業利益の内訳でございます。今までご説明してきたものと、だいたい傾向は変わっておりません。

為替影響でマイナス100億。中国、インドネシアの賃金が上がったことによって製造コストは、マイナス17億。それに対して、実質販管費の減によるところが、プラス18。これは、ほぼ、昨年減損を実施いたしました、のれんの焼却が減っているところによるものです。

販売価格の適正がプラス28、実質増収増産でプラス39、コストダウンでプラス37といった内訳で、ネットで前年よりもプラス5億という実績です。前回予想に対しては、為替のプラス、それから実質販管費の減がございましたけれども、減収の影響が大きくて、マイナス26ということで、前回予想には届いておりません。

楽器事業3Q累計の状況

6ページ目からは、セグメントごとのご説明になります。

まず楽器です。売上高1,965億円、営業利益273億円と、減収減益となりました。減収は、先ほどからご説明しているように為替によるもので、実質はプラス3パーセントです。市場別では中国が2桁成長を維持しております。

中国以外の市場は、3Qの前回予想未達になりましたけれども、累計では、日本以外の北米、欧州、それからその他の新興国市場でも成長しております。

商品別では、ギターが2桁成長、ピアノ、電子楽器、管楽器も堅調でございます。

損益面では、価格の適正化、コストダウン、販管費減などがございましたけれども、為替の減益要因を吸収できず、合計で273億円と前年に対して6億円の減益ということになりました。

音響楽器事業3Q累計の状況

続いて、7ページが音響機器です。

売上高850億円、営業利益85億円、前年に対して減収増益です。その他の市場を除き、実質的に成長をしております。3Qでは、強気にみていた対前回予想に対し、欧州、それから北米、国内の主力市場で未達となりました。

商品別には、AV機器が新商品の導入時期だった前年の3Q比で減収となりましたけど、PA機器、それから通信機器に関しては好調を持続しております。

損益は、PA機器を中心に増益となりました。前年の78億円から85億円と増益となりました。

その他の事業3Q累計の状況

山畑聡氏:続いて8ページ、その他の事業です。

売上高268億円、営業利益16億円です。減収も、増益となりました。電子部品、第3Qでの増収、それから、ゴルフの新商品効果もございまして、前年に対して増益という結果でございます。

2017/3期 3Q業績概要

続いての9ページは、第3四半期、3ヶ月だけの数字です。

売上高1,092億円、営業利益127億円、当期利益98億円と、前期に対して減収減益、前回予想に対しても減収減益という結果になりました。

2017/3期 3Q事業別業績

10ページ目をご覧ください。

セグメント別の売上高です。1,092億円の内訳ですけれども、為替影響、前年に対して96億円、これが大きくて、それぞれのセグメントで前年に対してはマイナスとなっております。ただ、ここも為替影響を除きますと、楽器はプラス1パーセント、音響機器はマイナス3パーセント、全体でも100パーセントと、前年を若干上回っております。

音響機器の対前年マイナス3パーセントは、前年第3Qに「MusicCast」という新しい商品群が発売されて、非常に前年が好調でした。それに対してはマイナスという結果になりました。

営業利益127億円、前年に対して為替影響がマイナス37億円です。前年の157億円は、過去の半導体を除けば、楽器音響としては最高の利益を挙げた第3Qでした。それに対して30億減益となっておりますけれども、為替影響が37億ですので、それ以外の要素では前年を上回る利益が計上できたということでございます。

2017/3期 4Q及び通期業績見込み

続いて、11ページをご覧ください。第4Q、それから、通期の見通しでございます。

まず、第4Qの楽器は、Q3の販売の実績もふまえて、前回予想から若干の下方修正で見ております。逆に音響機器は、前回予想から若干の上方修正で、とくにAVのところを上方修正で見ております。その他の事業は、増収も、損益面での厳しさを第4Qで想定しております。

通期の業績見込み、上期が大変好調に推移した状況から、最大の需要期である3Qについては強気の販売予想をたてておりましたけれども、中国市場を除いて、前回予想には未達となりました。こうした状況と、Q4での為替前提の変更、ドルを100円から110円に、ユーロを110円から120円に変更し、下記の通り業績の修正をいたしました。

売上高は前回の4,020億円から30億円上方に修正をして4,050億円、営業利益は据置き、経常利益と当期利益に関しましては、それぞれ為替の円安による営業外の為替差益を考慮して、10億円上方修正をしております。

2017/3期 通期業績予想

12ページをご覧ください。通期の業績予想の数値の確認です。 売上高4,050億円、営業利益420億円、当期利益420億円と、前年に対して減収でございますけれども、増益の想定をしております。また、右側の前回予想から、それぞれ為替が主な要因でございますけれども、売上高・利益とも上方に修正をいたしました。

レートに関しては、その下を見ていただく通りでございます。Q4に関しては、先ほど申し上げました通り、ドル110円、ユーロ120円で想定をしております。

2017/3期 通期事業別業績予想

続いて13ページ、セグメントごとの通期業績予想です。

売上高4,050億円、前年に対してマイナス360億円の為替影響がございます。これを除いたところでは、楽器がプラス2パーセント、音響機器がプラス4パーセント、全体でプラス2パーセントでございます。

営業利益420億円、前年に対してマイナス115億円の為替影響がございますが、これを吸収して、前年の407億円から増益を想定しております。その内訳をご説明いたします。

2017/3期 通期営業利益予想増減要因

14ページをご覧ください。

前年の407億円から420億円の今期の想定の、要因の変化です。為替でマイナス115億円、製造コストアップでマイナス21億円、実質販管費の減23億円、このうちのれんの償却の減が20億円です。販売価格の適正化35億円。実質増収が44億円。コストダウンが47億円という内訳になります。

それから前回予想に対しては、販売価格の適正化でマイナス5億円。これについて説明させていただきます。今までずっと販売価格の適正化順調に進めておりましたけれども、第3四半期、とくに欧州で、想定より売上が届いていないということと、他社が値上げに追随をすぐにしてこなかったということもあって、ここで1月で5パーセントの値上げを様子を見ることにしております。これを実施をいたしませんでした。ですので、その分を考慮してここでマイナス5億円にしております。

ですので、対前年も、今まで40億円と申し上げてきましたけれども、上を見えていただくと、販売価格の適正価格35億円ということで、5億円ここでマイナスをしております。

それから、実質減収によるところのマイナス21億円。これは第3四半期で発生しているものであります。為替がプラス20億円。実質の販管費の減でプラス6億円という内訳です。

楽器事業(予想)

続きまして、15ページからはセグメントごとの通期の業績予想のご説明です。

楽器に関しましては、売上高は、前回予想に対し増収の減益を想定しております。売上高2,560億円、営業利益は320億円です。320億円の営業利益は、前回予想の325億円より5億円下げました。ただし、前年の317億円よりは増益です。

商品別には、ピアノ、電子ピアノ、弦打楽器、これはギターですね、で通期で堅調な推移を想定しております。また市場別では、中国の2桁成長の継続を想定しております。

楽器事業(地域別の販売予想)

続いて、16ページをご覧ください。

これは市場別になっておりまして、楽器の販売予測です。グラフの見方は、この棒グラフの左側が前年の実績、右側が今期の予想です。

日本から見ていきますと、第3四半期までの累計で為替を除いています。日本は為替関係ありませんけれども、対前年97パーセント、通期で96パーセントの見通しです。

同じ見方で、北米が、為替を除いた対前年で、3Q累計で104パーセント、通期で104パーセントを想定しています。欧州が、105パーセントに対して、104パーセント。

中国は、112パーセントに対して、通期111パーセント。その他の新興国も、103パーセントに対して、通期103パーセントを想定しております。

音響機器事業(予想)

続いて、17ページ、音響機器になります。

売上高1,140億円。営業利益95億円です。この95億円は、前回予想の90億円より5億円上方修正をしました。前年よりは10億円の増益です。対前回予想に対し、増収増益を想定しております。

商品別には、業務用音響機器が2桁の成長です。通信機器も好調で、全体に堅調な推移を想定しております。市場別には、その他市場で苦戦をしておりますけれども、それ以外の市場では堅調な推移を想定しております。

音響機器事業(地域別の販売予想)

18ページをご覧ください。楽器と同じような見方をしていただきたいんですけれども。

日本、第3四半期までの累計で、対前年108パーセント、通期で106パーセントです。北米、106パーセント対し、通期105パーセント。欧州、104パーセントに対し、通期106パーセント。中国、102パーセントに対し、通期99パーセントです。

これは前回もご説明しておりますけれども、中国は、中国にある工場に向けたOEMの出荷が少し厳しさを想定しております。ですので、それ以外の一般の中国の市場は2桁の成長を今期に関しても想定をしております。

その他の市場、先ほど来ご説明しておりますように、ここはちょっと厳しくて。Q3累計で96パーセント、通期でも98パーセントという対前年の減収という見込みをしております。

楽器・音響機器事業(主要商品別販売予想)

続いて19ページをご覧ください。これは商品ごとの、同じような見方です。

ピアノが、第3四半期までの累計で105パーセントでしたけれども、通期で106パーセント。電子楽器は、103パーセントに対して、通期103パーセント。管楽器、104パーセントに対し、通期102パーセント。弦打楽器、108パーセントに対し、通期105パーセントです。音響機器、AVは、第3四半期までの累計が102パーセント、通期が103パーセントです。

第4四半期で108パーセントという伸びを想定しておりますけれども、これは新しいMusicCastの第2弾がここでリリースされてくるということから、新商品効果での増収を想定しています。

PA機器は、第3四半期までで109パーセント、通期で107パーセントです。

その他の事業(予想)

その他事業になります。

売上高350億円。営業利益5億円。前回予想から変えておりません。売上高・営業利益ともに前回予想の据え置きです。

損益は、電子部品、ゴルフの4Qでの経費増などもございまして、損益の悪化を予想して、第3四半期累計からの減益を想定しております。営業利益は5億円です。

棚卸資産

21ページですけれども、棚卸資産です。 3Q974億円と、前年の952億円から若干増えております。かつ、為替影響−40億円があってですので、想定より少し高いレベルで在庫が着地をいたしました。

期末は920億円と、こちらも前年から変わっていないように見えますけれども、為替影響−43億円を含んでおりますので、やはり前年より少し高い水準。また、想定よりも、前回予想よりも高い水準で期末は着地しそうだということの予想をしております。

設備投資額・減価償却費/研究開発費

22ページ、設備投資、研究開発費です。

設備投資は165億円と、前回予想の196億円から、これは中国の工場の増床計画が若干遅れているというようなこともありまして、減らしております。ただし、前年の112億円からは、これは本社の研究開発棟の建設もございまして、165億円と、設備投資にお金を投じる計画でおります。

研究開発費は249億円であります。

貸借対照表

最後に、23ページ、貸借対照表です。左側が第3四半期末、右側が期末の予想になります。

期末の総資産は5,055億円。純資産が3,456億円です。純資産比率が、計算をすると68.4パーセントということで、ある一定の財務の健全性は確保しております。

以上、駆け足でございましたけれども、これでご説明を終了いたします。