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ダイナミックマッププラットフォーム株式会社336A

東証グロース

情報・通信業

※当記事は速報版です。スライド情報は割愛している他、数値などに誤りが含まれる可能性がございます。正確な情報は決算短信・決算説明資料などの正式な開示資料、または追って公開予定の確定版記事にてご確認ください。

2026年3月期 通期決算説明会

ダイナミックマッププラットフォーム株式会社、代表取締役社長の吉村です。本日はお忙しいところ、当社の2026年3月期通期決算説明会にご参加頂き、誠にありがとうございます。こちらが本日の流れとなります。

冒頭、会社概要と事業概要をご説明します。その後、2026年3月期通期決算実績、2027年3月期通期業績予想、そしてパイプラインをアップデートし、最後にQ&Aとなります。

2026年3月期は修正予想比、上振れで落着しまして利益改善を実現したという点と、フィジカルAI市場を背景に2027年3月期は調整後EBITDAが黒字化するという点を中心にご説明できればと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

会社・事業概要

まず、会社概要です。このパートは、これまでの説明会での内容と重複する部分もございますが、当社についてご理解頂く為に、おさらいも兼ねて最新の会社概要をご説明させて頂きます。

会社概要

2016年6月に日本国政府主導のもと自動車会社など事業会社各社が協調出資する形で設立しており、その後、北米の同業他社を海外買収しております。

こうした背景から、自動運転や社会のデジタル化に関わるビジネスを進める上で、自動車会社や関係省庁との強固な関係は弊社の事業推進へ有利に働いています。

数字で見るDMP

こちらでは弊社の特徴を一枚にまとめております。

進出国数は26ヶ国、海外売上高比率は74%であり、グローバルにビジネス展開しております。ライセンス型売上高は2026年3月期に前年比121%成長しました。各地域における高精度3次元データカバレッジは180万キロメートルに達しており、今後、年平均で30%の成長が見込まれるフィジカルAI向けに高精度3次元データを提供しております。

これらの数字から、既にグローバルで優良なデータ資産を保有しており、フィジカルAIの進展に向けて当社のライセンスビジネスが成長していくことをご理解頂けるかと思います。

ハイライト

当社のハイライトとして、4点ございます。

1つ目に、当社はダイナミックマップという高精度な位置情報基盤をグローバルに構築するディープテック型のスタートアップとなります。今後、グローバルで飛躍的拡大が見込まれる自動運転を含むフィジカルAIの市場において、先進技術をベースに先行して事業を展開してまいりました。

2つ目は、日系大手自動車メーカー10社やGM/日本国政府等々の優良な顧客基盤を持っており、高い売上成長性を実現可能であることです。これは当社が大手企業の技術を結集する形で設立されたこと、その後に米国の最大手企業を買収した経緯によるものです。当社は拡大するグローバル市場の恩恵を一手に享受できる立場にあります。

3つ目は、競合比でも圧倒的なデータ量を保有しており、世界初のLv2+・Lv3を実現した技術力という競争優位性です。当社の従業員はグローバルで235名おりますが、その7割がエンジニアであり、日米のエンジニアがそれぞれの技術を持ち寄り、開発を継続しています。

最後に、ビジネスモデルについてはフロー型のプロジェクトビジネスと、ストック型のライセンスビジネスの2本柱です。プロジェクトビジネスを通じて事業基盤が整いましたので、以降は収益性の高いライセンスビジネスによって全社として高収益体質が実現可能となります。

Modeling the Earth

当社のビジョンを一言で表すと、「Modeling the Earth」、日本語でいうと、地球のデジタル化になります。現実世界をデジタル空間に複製し、デジタル社会のインフラとなる高精度3次元データを提供するプラットフォーマーを目指しています。

このプラットフォームと様々な情報と結びつけることで分析・制御・予測を可能とし、社会課題解決に資するイノベーションを実現しています。

当社の提供するサービスとは

続きまして当社の提供するサービスについてご説明します。

大きく分けて4つありスライド左上の自動運転向けデータは、自動走行などのシステムが使用する高精度な3次元地図データです。車線数や区画線の情報、道路の情報、建物や構造物の位置情報などを含んでいます。自動運転の制御のために車載される他、AIの学習用等に用いられています。

右上は、そのデータを可視化するためのViewerです。点群データは1つ1つの点がセンチメートル級の高い位置精度を持っています。これらのデータは、インフラ管理や事故調査、シミュレーションに用いられます。

左下は、Guidanceシステムになります。高精度な三次元でのガイダンスは、空港や港湾・物流センター、除雪作業支援等で用いられています。

最後に右下は、「空間ID」をはじめ、その他広範な位置情報サービスの提供を行っております。

世界最大級の高精度3次元データを構築

当社の最大の強みは世界最大級のデータ量になります。この領域に特化して研究開発と設備投資を行ってきた結果、顧客である自動車メーカー各社の要求を充足し、かつ競合比でも圧倒的なカバレッジを有する高精度三次元データを構築することに成功しております。

グローバルで合計180万kmに及ぶ整備済みのデータは、量産車に搭載される自動運転/ADAS向け利用にとどまらず、世界各国における産業のデジタル化、社会課題解決に貢献する大きなポテンシャルを有しております。

ビジネスモデル全体像(プロジェクトとライセンスの2本柱)

当社のビジネスモデルは、プロジェクト型ビジネスとライセンス型ビジネスの2つに分類されます。

プロジェクト型は安定した利益率を獲得しながら、データやソフトウェアの整備を進めるため事業基盤構築の役割を担います。180万kmに及ぶ世界最大のデータはこのプロジェクトビジネスを通じて整備してきました。

そして、プロジェクト型で整備したデータ・ソフトウェアをライセンス型として提供することで、コストを増やさずに収益増加が可能、高い収益性を実現できます。特定の顧客からの受注で整備したデータを他の自動車会社、自動運転システム会社、半導体メーカー向けにライセンス提供することで高い利益率を実現できます。現実世界の変化に合わせてデータの更新も必要になるため継続的・累積的に売上が伸びていくビジネスモデルになっています。

各種データ連携を通じたダイナミックマッププラットフォーム構築

当社の歴史を振り返ると、公道における静的なデータ取得からスタートしそのカバレッジを拡大しそこに様々な動的データの収集・システム化との統合を進めてきましたが、近年では空港・港湾・物流センターなど公道以外の特定エリアでの需要も高まりを見せております。

こうした特定エリアで動的データを統合するアプリケーションの開発・導入を進め、ダイナミックマップの構築に取り組んでおります。ダイナミックマップは今後の産業のデジタル化・効率化を支える社会的な共通基盤の役割を果たすことが出来ると考えています。

測量ネットワーク構築 -測量能力拡大の必要性-

そのために、公道向けに用いてきたMMS(モービル・マッピング・システム)に加えてデータ取得の手法の拡大に取り組んでいます。特に狭域、特定エリア向けにはドローンやハンディレーザ、スマホLiDAR等の積極的な活用、そして機動的な測量体制という観点で、既存の測量パートナーに加え自社での測量能力強化に取り組んでおります。

M&Aによる事業領域拡大

その方法として、M&Aを通じて事業領域の拡大を図っております。2019年に市場シェア獲得を目的とする水平統合型のM&Aとして、General Motors他からUshr社を買収しグローバル市場No.1のポジションを獲得しました。現在は垂直統合型のM&Aとして川上と川下で両方の領域において買収を進めております。

既に実施した日本海測量設計とリカノスの買収は川上における「データ収集」、すなわち現実世界を正しく計測する事業領域の拡大に該当します。川上の領域で他には、当社のデータ生成に必要となる「調査・解析」「3Dモデル化」を行う企業を対象に考えています。

また、川下の領域では、当社が保有するデータを活用することで、分析・制御・予測の向上が期待される「GIS」「シミュレーション/3DCG」「AR/VR」の業界が対象となります。

連続的M&Aを通じたグループ拡大

当社では、こうしたM&Aを通じた非連続的な成長を、オーガニックな成長に加えて重要な戦略と位置付けております。

当社の歴史を振り返りますと、2019年にUshr社を買収し一体経営を進めたことによって、欧州・韓国・中東への進出も可能となり、このM&Aは、当社の事業拡大における大きなターニングポイントとなりました。

その後、上場を経て昨年(2025年)よりM&Aを再開しております。2025年10月に日本海測量設計の買収を完了し、先月(2026年4月)にはリカノスをグループに迎えました。これらの会社が有する地域密着型の測量力やドローン測量技術を取り込むことで、当社のビジョンである「Modeling the Earth」を実現してまいります。

今後も、複数の測量会社の買収、測量事業の中核となる企業の買収、事業領域の拡大を通じてグループの成長に取り組んで参ります。

フィジカルAIの「データプラットフォーム」

以上を通じて、自動運転からモビリティ・インフラ・広告・エンターテイメントへと活用領域を拡げ、多様な産業においてフィジカルAI時代における「データプラットフォーム」を提供してまいります。

2026年3月期 通期決算実績 サマリー

成長の為の基盤整備が完了、ライセンス型中心の収益構成へ転換

ここからは、2026年3月期通期決算実績についてご説明します。

こちらのスライドにサマリーをまとめております。2026年3月期は、これまで進めてきた成長のための基盤整備が概ね完了し、収益構成がプロジェクト型中心から、ライセンス型中心へと転換した年度となりました。改めて、2026年3月期は、当社創業以来10年間の「仕込みが終わった年」と言えます。

事業面では、当社の高精度3次元地図データが、ホンダの「アコード」、SUBARUの北米向け新型「アウトバック」、日産「リーフ」などに搭載され、搭載車種は累計で6社38車種となっています。

ウーブン・バイ・トヨタはじめ大手自動車メーカー、海外大手半導体メーカーとの間で、AI用途、いわゆるData for AI向けのオートモーティブ法人ライセンス契約を締結しました。AIの学習・検証用途での需要が顕在化し、法人ライセンス売上の成長につながっています。

また、進出国27か国目における新規データ整備も準備が完了いたしました。

開発面では、北米における高精度3次元データの整備距離が拡大し、グローバルでの整備距離は合計180万キロに到達しました。

AI活用やデジタルツイン関連の取り組みでは、日本マイクロソフト、NIVIDIAとの提携・協業を開始しました。

また、当社データの活用領域の拡大に向けて、都市開発・不動産市場を見据えた3Dmapspocketの機能強化、ゲームへのデータ提供によるエンタメ領域への拡大が進捗しました。

M&Aとしては、測量会社のネットワーク化に向けた買収を完了し、ロールアップに向けた基盤整備も進展しました。

以上のとおり、2026年3月期は、事業・開発・M&Aの各面で基盤整備が進み、ライセンス型中心の収益構成へと移行する重要な転換点となる年度でした。

2026年3月期 通期決算実績 連結業績ハイライト(対修正予想比)

修正予想比でライセンス型が増加し調整後EBITDAは大幅改善

2026年3月期実績について、修正業績予想との比較からご説明します。

スライド左側は売上高、右側は調整後EBITDAを示しています。2026年3月期の実績は、売上高が約57億円と、ライセンス型売上が伸長したことにより、修正予想を約2億円上回って着地しました。

スライド右側の調整後EBITDAについても、ライセンス型売上の増加に加え、プロジェクト型案件における原価低減、買収効果、販管費低減等が寄与し、修正予想比で約5億円改善しています。

結果として、収益性が大きく改善しており、事業構造転換の効果も表れています。

2026年3月期 通期決算実績 連結業績ハイライト(対前年比)

ライセンス型が前年比2倍成長し、調整後EBITDAも改善

続いて、前年度との比較についてご説明します。

前年比では、中東における新規整備案件についてプロジェクトの遅延等が生じたためプロジェクト型売上の期ずれを主因として減少した一方で、ライセンス型売上は前年比で2.2倍超の成長となりました。

具体的には、ライセンス型売上が前年の約12億円から約26億円へと拡大しており、量産ライセンスの積み上がりに加えて、AI用途を中心とした法人ライセンスの伸長が大きく寄与しています。

その結果、売上高全体としては前年を下回ったものの、収益性の高いライセンス型売上の構成比が上昇しました。これにより、調整後EBITDAについても、前年から約1億円改善しています。

このスライドでは、当社の収益構造がプロジェクト型中心からライセンス型中心へと着実に転換し、収益性も改善している点をご確認いただきたいと考えています。

2026年3月期 通期決算実績 四半期毎実績

第4四半期に法人ライセンス案件中心に23億円の売上、調整後EBITDAも改善

続いて、第4四半期の状況についてご説明します。

第4四半期は、法人ライセンス案件を中心に売上が伸長し、約23億円の売上となりました。その結果、通期の売上高は、修正予想を上回って着地しました。

調整後EBITDAについても、第4四半期は約8億円の黒字となり、通期ベースでも、修正予想及び前期実績からいずれも改善して着地しました。

2026年3月期 売上カテゴリー別事業実績

ライセンス型が大幅続伸。プロジェクト型は期ずれと政府案件縮小で不調

続いて、カテゴリー別の事業実績についてご説明します。

ライセンス型では、AI用途の法人ライセンスが牽引し、量産ライセンスも新たな車種への搭載が開始され堅調でした。一方、プロジェクト型は、受注形態の変更により政府案件の規模が縮小、GM向け案件の期ずれにより、計画を下回りました。

「オートモーティブ法人ライセンス」は、自動運転の本格普及に向けたAI学習用途・シミュレーション用途・法規対応用途等の需要高まりを背景に、期初計画を上回る受注・売上となりました。ウーブン・バイ・トヨタ、海外大手半導体メーカー向けに加えて、第4四半期には大手自動車メーカー向けにも2件受注し、Data for AIの需要が顕在化していることが実績として示される形となりました。

「オートモーティブ量産ライセンス」は、Honda「アコード」、SUBARU「アウトバック」、日産「リーフ」が発売開始され量産車種は38モデル(世界最多)となりました。

一方、「3Dデータライセンス」は、本格的な事業規模確立に時間を要した展開となりました。都市開発・不動産市場を見据えた3Dmapspocketの機能強化を行い、不動産デベロッパー向け提供開始に留まりました。

「3Dデータ・プロジェクト」は、政府案件の受注形態の変更により受注規模が大幅に縮小しました。民間案件については自動化ニーズは高まっていますが、今期の売上貢献は期ずれにより限定的でした。

最後に「オートモーティブ・プロジェクト」は案件の期ずれが発生しました。中東エリアについては、現地の情勢を注視していますが、今年度、計画通りプロジェクト完遂の予定です。サウジアラビアを始めとする中東における3Dデータは通常取得することが困難な稀少なデータであるため、今後、大きな発展が期待されます。今年度へ延期となった新規整備案件は、今年度正式受注済みです。

2026年3月期 案件事例

法人ライセンスが拡大中(Data for AI)

ここで改めて、Data for AIに対する顧客ニーズ、当社の提供価値についてご説明します。

車載ライセンスに加えて、法人単位で、大手自動車メーカーグループ・海外大手半導体メーカー・自動運転システム会社向けに「法人ライセンス」が拡大しています。

スライド上段に記載している通り、当社は、大手自動車メーカーグループ、海外大手半導体メーカー、自動運転システム開発会社に対し、高精度3次元データを法人単位でライセンス提供しています。これらの顧客では、AIを活用した自動運転やADASの開発が本格化しており、学習用途のデータに加え、安全性検証や法規制・認証対応での用途、さらにAIが現実世界を理解・判断するための推論・判断用途として、高品質な実世界データが求められています。

当社が提供する価値は、グローバルで整備済みの高精度3次元データを、即時に利用可能なデータとして提供できる点にあります。産業用途で求められる高い水準の精度と忠実度で現実世界を再現できるデータセットであることから、顧客のAI開発プロセスにおいて、効率化と高度化の両立に貢献しています。

このように、当社では、これまで整備してきたデータ資産を活用し、AI用途向けの法人ライセンスとして提供することで、高収益なライセンス売上の拡大を進めています。

2027年3月期通期業績予想①

事業環境と取り組み方針 - AIネイティブなデータ・商品開発を強化、法人ライセンス拡大

ここからは、2027年3月期通期業績予想についてご説明します。まず、2027年3月期の事業環境と、当社の取り組み方針についてご説明します。

事業環境ですが、自動運転を含むフィジカルAIの進展が見込まれ、産業界におけるAI」関連投資の裾野拡大も見込まれる一方、地政学的リスクや原油価格動向など、自動車業界を取り巻く事業環境には不確実性も依然存在しています。

こうした環境認識のもと、取り組み方針を3つご説明します。

一つ目は「AIネイティブデータ」の開発を一段と強化していきます。AIの学習、推論、検証といった用途において、顧客が即時に利用可能なデータや商品を提供することで、Data for AIの需要を着実に取り込んでいく考えです。

二つ目はフィジカルAIの進展によるData for AIの需要を捕捉することで、引き続き、高収益な「ライセンスビジネスの拡大」に注力していきます。

あわせて、測量会社のロールアップを中心とした「M&A」に継続して取り組み、フィジカルAI時代を支える測量能力を強化します。また、データ利用拡大を促す、「川下」領域のM&Aにも取り組んでまいります。

2027年3月期通期業績予想②

調整後EBITDA黒字化へ

続いて、2027年3月期の通期業績予想についてご説明します。

前頁でご説明した事業環境、不確実性も踏まえて、売上高70億円、ライセンス型売上30億円、調整後EBTIDA50百万円としています。

HDマップ搭載車種の増加やAI用途を中心とした法人ライセンスの拡大により、ライセンス型売上を30億円まで着実に成長させる計画です。その結果、利益指標である調整後EBITDAについては、ライセンス型売上の拡大とコスト構造の改善を背景に、黒字化を見込んでいます。

これまで進めてきた成長のための事業基盤の構築が一巡し、2027年3月期は本格的な投資回収フェーズへと移行する重要な年度になると考えています。

なお、今期の業績予想の前提として、想定為替レートは足元の水準よりも円高水準に設定しており、円建て海外売上の観点では、保守的な前提となっています。

2027年3月期 売上カテゴリー毎の主な取り組み

法人ライセンスがライセンス型を牽引、プロジェクト型は民間企業中心へ

カテゴリー毎の注力する取り組みをご説明します。

「オートモーティブ法人ライセンス」については、大手自動車メーカー、半導体メーカー、自動運転システム開発会社からの引き合いが引き続き見込まれており、各国で施行される安全規制対応のデータ需要も含めて、これらの需要を着実に取り込んでいく方針です。

「オートモーティブ量産ライセンス」については、既に当社データが搭載されている38車種の台数増加に加え、新規車種への搭載拡大を進めていきます。これにより、車両台数の積み上がりに伴う安定的なライセンス収益の拡大を目指します。

「3Dデータライセンス」については、インフラ管理用途における3Dmapspocketをはじめ、空港・物流施設向けのガイダンスシステム、データ連携システムの拡販を進めます。また、販売パートナーを通じたデータ提供や、フィジカルAI用途に対応したAIネイティブなデータ・商品の展開を進めていきます。

次に、プロジェクト型ビジネスについてです。プロジェクト型は、ライセンス型売上拡大のための基盤整備として、引き続き一定規模で取り組んでまいります。

政府向けでは、国の政策・方針に沿った自動化、デジタル基盤、防衛・防災分野の案件に取り組み、社会実装に向けて関係省庁と連携してまいります。

民間向けでは、物流や空港分野を中心とした「民間主導の自動化投資」の需要に対応していきます。また、グループ内測量会社と連携し、ドローン測量など新たな分野への展開も進めていきます。

オートモーティブのプロジェクトについては、中東地域における整備案件を着実に遂行するとともに、新規国でのデータ整備も新たに受注したため取り組む方針です。

フィジカルAIとは

ここでは、フィジカルAIについて、改めて整理したいと思います。フィジカルAIとは、自動運転やロボットに代表されるように、物理空間に作用するAIを指します。

従来のAIが自然言語や画像などのデジタル空間を対象とするのに対し、フィジカルAIは、実世界を知覚、判断、行動し、その結果を再び知覚するというクローズドループで動作します。

そのため、カメラやLiDARといったセンサー由来の情報が不可欠となり、出力も単なる情報提供ではなく、実際の移動や操作など、物理的な行動につながります。

特に重要な点が、安全性と信頼性です。

フィジカルAIでは、失敗時に人身事故や物損といった現実世界にダメージが発生するため、従来AI以上に高い水準の検証や説明可能性が求められます。

このような背景から、フィジカルAIにおいては、実世界を高い精度で再現した信頼性の高いデータが不可欠となります。創業以来、物理空間のデータを生成・蓄積してきた当社は、こうした領域において一定のデータ基盤を有しており、既に優位なポジションにあると考えています。

フィジカルAI市場の成長性

高成長するフィジカルAI市場へデータ提供

外部調査機関によりますと、フィジカルAI市場は2025年に約50億ドル規模で、2035年には約830億ドル規模まで拡大し、今後10年間で年平均30%を超える高い成長が見込まれています。

また、この成長は、自動運転やロボティクスを中心に、フィジカルAIが研究・実証段階から、実際の社会実装フェーズへと移行していることを背景としており急速な立ち上がりが期待されます。製造、物流、医療など幅広い分野で自動化投資が進み、物理空間でAIが動作するユースケースが増加しています。

また、地域別に見ても、北米に加えてアジア太平洋地域においても高い成長が見込まれており、フィジカルAIはグローバルに拡大する市場と位置付けられます。

当社は、これらの市場において、AIの学習・検証・シミュレーション用途向けの高精度3次元データを既に提供しており、市場拡大とともに中長期的な事業機会の拡大が期待されます。

フィジカルAIの社会実証における課題とDMPの貢献

「Data for AI」でフィジカルAIの社会実装に貢献する

ここでは、フィジカルAIの社会実装における課題の観点から、データの用途類型を整理します。

フィジカルAIでは、データは大きく「学習」「評価・検証」「補助情報」「認証」「安全機構」の5類型に分類できます。

学習用データは、AIモデルを効率よく賢くするために必要となる基礎データです。

評価・検証用データは、実環境を高い精度で再現し、AIの性能を確認するために用いられます。

補助情報は、エッジ側で動作するAIの判断や推論精度を支える役割を果たします。

認証対応のデータは、法規・規格への適合を示すための根拠となります。

安全機構を支えるデータは、AIの動作範囲、いわゆるODDを規定し、異常動作を抑制する役割を担います。

これら5類型に共通しているのは、実世界を正確に表現した高品質な空間データが不可欠であるという点です。当社では、これらを「Data for AI」として体系的に整理し、フィジカルAIを信頼して社会実装できる状態にするためのデータ提供を行っています。

中長期的な成長方針

粗利率80%超のライセンス型を伸ばし中長期で成長率10-30%で成長を続ける

最後に、中長期的な成長方針についてご説明します。

当初計画通り今期、データ新規整備が完了し、成長の為の事業基盤構築が完了しました。2026年3月期は、ライセンス型売が前年対比2.2倍へ成長しました。2027年3月期は、いよいよライセンス型中心の収益構成へとシフトし投資回収のフェーズへ入ります。

以降、全社として売上高は中長期的には10-30%と着実に成長を続けます。

それを牽引するのはやはりライセンス型売上です。AI用途向け法人ライセンスでは粗利率が100%という案件もありますが、ライセンス型売上全体としては80%超の粗利率を狙っていきたいと考えています。

下段にはカテゴリー別の施策をまとめております。これらの施策に取り組み、売上成長とライセンス型中心の収益構成へシフトしていきます。

ライセンス型ビジネス(オートモーティブ)

これより、パイプラインを4つに分けてアップデートをさせて頂きます。2月に開示したものからの更新箇所に絞ってご説明させて頂きます。

1つ目はライセンス型のオートモーティブビジネスです。

まず、量産ライセンスについては、自動車メーカーA・自動車メーカーBの両方で今年度に新規車種への搭載のパイプラインが追加されました。一方、自動車メーカーDの2028年モデルは見送りとなりましたが、既存モデルでの累積台数は確実に増加しております。

続いて、法人ライセンスについては、2025年度に追加で大手自動車メーカーグループ、大手車載システムメーカー、自動運転システム開発会社より受注・契約締結しました。2025年度に受注に至らなかった海外大手地図メーカーと海外大手半導体メーカーの案件については、引き続き、2026年度の受注を目指しています。

2026年度の案件としては、2025年度に北米データの提供実績のあった海外大手半導体メーカーに対して日本・欧州・韓国など地域を拡大して追加契約を既に締結しております。また、海外における自動運転システム開発会社向けに新たに受注・契約した他、自動運転システム開発会社向けの案件が受注に向けて進展しております。

ライセンス型ビジネス(3Dデータ)

2つ目が、ライセンス型の3Dデータビジネスです。

除雪支援につきましては、今年も冬から春にかけて各地でご利用頂き、2025年度の提供台数は昨年度対比で大幅に成長し降雪地域での生活維持、担い手不足への対応に貢献することが出来ました。

都市開発・不動産用途を見据えて機能強化をした3Dmapspocketについては、大手不動産会社向け提供を進めてまいります。

商品化が進展した、物流・空港・港湾等狭域・特定エリア向けのデータ連携システムについては、2027年度以降の提供・実装に向けて取り組みを進めております。

プロジェクト型ビジネス(3Dデータ)

3つ目は、プロジェクト型の3Dデータビジネスです。

2026年度は、政府向けでは、空港・港湾自動化、防災・防衛、農業、宇宙分野におけるパイプラインがあります。民間向けでは、物流自動化など民間主導の新しい需要が高まっています。

引き続き、社会実装に向けて、関係省庁、民間企業との連携を進めてまいります。

プロジェクト型ビジネス(オートモーティブ)

最後に、プロジェクト型のオートモーティブビジネスです。

中東における受注済み案件は一部売上計上の期ずれが発生しましたが、案件規模を拡大して受注を完了しており、今年度にプロジェクト完遂する予定です。

新規案件については、新たな国・地域における新規整備案件を、今年に入り米国子会社の第1四半期に受注済です。その他の商談中の案件についても、引き続きクローズに向けて取り組んでまいります。

更新整備について、今年度分は受注が完了しており、来年度以降も継続的に受注してまいります。

中長期ビジョン

最後に、こちらが当社の中長期ビジョンです。「Modeling the Earth」を実現するべく、DMPグループとして中長期で事業を成長させるべく取り組んでまいります。

引き続きどうぞご支援頂けましたら幸いです。よろしくお願い致します。

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