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Institution for a Global Society株式会社4265

東証グロース

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Executive Summary

福原正大氏:Institution for a Global Society株式会社代表取締役会長CEOの福原正大です。本日はお忙しい中、決算発表にご参加いただき、ありがとうございます。それでは、2026年3月期の決算についてお話しします。

通期業績ハイライトについてです。2025年度は、すでにご報告のとおり、特別損失として転職サービス「ONGAESHI」のクローズに伴い、大きなマイナスを計上しました。一方で、これは今後も成長を持続していくための大規模な構造改革であり、非常に重要な目的を持つ取り組みです。

2025年度には、プルータス・グループと資本業務提携を結ぶことで財務基盤をさらに強化し、2026年度以降の成長に向けた大きな構造変革を遂げた1年となりました。そのような中で、当社の営業キャッシュ・フローは4期ぶりにプラスへと転じています。

資本業務提携の結果、期末の現預金残高は期初に比べて1億7,100万円増加しました。これを用いて、2026年以降にもしっかりとしたキャッシュフローを生み出すことを目標として、株主のみなさまにリターンを還元するための基盤が整った1年間だったと考えています。

当社が取り組んでいたブロックチェーンの1領域「ONGAESHI」は終了しましたが、その際にグローバルなイーサリアム財団を含む世界的なネットワークを構築しました。また、日本では、初めての試みとなる、集合知をミクロ経済学の知見を活用して集約する仕組みである予測市場のプラットフォーム「Signals」を立ち上げ、すでに企業向けサービスとしてローンチしています。今後は、大きな成長が見込まれると考えています。なお、これには一切の賭博性はありません。

HR・教育事業については、これまでどおり安定的な成長を続けており、足元の状況も堅調です。それでは、詳細についてご説明します。

2026年3月期 通期連結実績(前年比較)

2025年度の売上について、従来から行っていたHR・教育事業が前期比増収となり、9.3パーセント増加して6億5,900万円となりました。一方で、当期純損失は2億8,100万円となりました。

特別損失やPF/Web3事業である「ONGAESHI」に関連するマイナスが大きく影響し、これが主な要因となっています。2025年度については、すべて過去の負債を清算し、以降の構造改革に向けての施策を推進している状況です。

セグメント別通期実績(前年比較)

具体的に、事業ごとに見ていきます。HR事業は、売上高は前期比18.3パーセント増の2億8,100万円で、セグメント利益は7,100万円です。前期では赤字でしたが、黒字に転換してきている状況です。

教育事業は、売上高は前期比6.5パーセント増の3億2,800万円、セグメント利益は前期比26.5パーセント増と、どちらもしっかりと利益を出している状態になっています。

PF/Web3事業は、日本国内において「ONGAESHI」事業をクローズした後、私どもが関連する投資の一括償却を行ったことにより、マイナスが大きくなっています。

各事業毎のハイライト

事業別にご説明します。HR事業です。当社は、一橋大学の「人的資本理論の実証化研究会」を通じて4年連続で研究会を実施しており、2026年度も継続予定です。

現在、人的資本が注目される中で、ノーベル経済学賞受賞者であるゲーリー・ベッカーの人的資本に関する理論を基に、経済理論に則ったかたちで、企業価値を高めるための人的資本の計測方法や介入方法を多数の日本企業に提供しています。

その中核を担うのが、当社の強みであるアセスメント「GROW360」です。

2025年度には、スキルまで測定可能な「GROW360+」を提供しました。スキルマップを作成し、企業が掲げる戦略に対して必要な人材やスキル、現状とのギャップを把握し、どのように介入すべきかまでを一貫して実現する取り組みを進めています。

もう1つ重要な点として、プルータス・グループと連携できたことが挙げられます。プルータス・グループが保有するさまざまなコンサルティングサービスも活用しつつ、企業のHRや経営課題を解決するお手伝いをしっかりと行っています。

教育事業は、ストックビジネスの性質を持っています。おかげさまで、私どもは日本全国47都道府県にわたる学校のお客さまを抱えており、既存の「Ai GROW」によるストック収益をしっかりと向上させていきます。

これまで連携を進めてきたJTBとの「J's GROW」や、内田洋行との「Ai GROW Lite」の展開も推進しています。また、アジア開発銀行(ADB)やヤマハとも連携を図りました。

東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)とともに、非認知能力のアセスメントの拡大に取り組みました。当社は、この分野で世界的にもパイオニアであるとの評価をいただいており、この領域の拡大が2025年度の教育業界の状況を大いに支えています。

2025年度から、教育事業の対象を未就学児や小学校低学年の子どもたちに広げる「First GROW」という取り組みを開始しました。幼少期の子どもから大企業のCEOに至るまで、一貫した軸で能力を測定し、人的資本の新しいプラットフォームの基盤を構築していく方針です。

特に、現在の社会情勢においてAIエージェントやAIの進展が急速に進む中、企業の差別化を図る上で重要なのは、独自性のあるデータを保有しているかどうかです。当社のように、幼少期からの子どもたちの非認知能力を含む360度評価のデータを、日本だけでなく世界規模で保有している企業は非常に少ないと認識しています。

このデータそのものが、将来的に大きな価値の源泉となる時代が到来しつつあります。そのため、今後もHR領域および教育事業のさらなる拡大を目指していきたいと考えています。

PF/Web3事業については、2025年度を通じて転職支援サービスから戦略的に撤退し、関連する売掛金については、全額を貸倒引当金に繰り入れる、もしくは償却するという対応を行いました。

ブロックチェーン領域においては、しっかりとした知見を習得するために時間がかかります。この分野の基盤を持つことをきっかけに、まさに世界で最も力を入れられている「予測市場」において、日本の上場企業の中でも最も早く手を打つことができたと考えています。

後ほどもお伝えしますが、大手企業からすでに受託をいただいているという点は、私たちの強みにつながると確信しています。

FY26の成長を牽引する予測市場プラットフォーム「Signals」

「Signals」についてです。最初の検証パートナーとして、三菱UFJ銀行、アクシスコンサルティング、スカパーJSATとともに検証を開始しています。企業向けの取り組みであり、アメリカの「Kalshi」や「Polymarket」のような賭博市場とはまったく異なります。

会社内には、さまざまな集合知が存在しています。例えば、各プロジェクトが成功するか否かという点については、役員会に上がってくる情報と、実際にプロジェクトに関わっている若手が持つ情報との間に大きな差が生じることがあります。実際には、現場の知見のほうが優れている場合も少なくありません。

こうした情報をどのように集めるかという点に関しては、ミクロ経済学におけるメカニカルデザインという専門領域があります。慶應義塾大学の研究者と共同で開発した「Signals」においてはその知見を活用しています。

「ChatGPT」を立ち上げたサム・アルトマンたちが設立した「World ID」と連携しています。「World ID」は、AIエージェント全盛時代において、重要となってくると言われています。

自分の情報をすべて開示せず、一定の必要な情報だけをやり取りできる「ゼロ知識証明」にも対応しています。

予測に関しては、法規制に準拠したかたちでインセンティブを設計し、この仕組みを構築することで、多くの企業さま向けの受託業務を進めていく状況にあります。

2027年3月期 通期連結業績予想

2027年3月期の業績予想についてお話しします。今年度は、昨年度の売上高6億5,900万円から、8億5,000万円へと前期比約30パーセント上昇させる計画です。

HR・教育事業については、これまでどおり堅実な成長を進めるとともに、予測市場を踏まえて事業を展開していきます。昨年度に経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業」を受託したことで基盤を築いたインド市場を中心に、さらに大きく成長させていく予定です。

2027年3月期の通期計画では、営業利益1,000万円を目指しています。投資が必要な部分には適切に投資を進めつつ、利益をしっかりと確保するHR・教育領域を組み合わせた取り組みを進めていきます。

今年度は領域転換を図り、利益を出せるチーム体制を確立していきたいと考えています。

成長戦略|市場の構造変化をとらえる3本柱

成長戦略についてお話しします。

HR事業においては、多くの企業が人的資本のリターン・オン・インベストメントを重視するようになりました。AIエージェント全盛時代では、組織において、人間だけでなくAIエージェントを導入するかが問われるようになっています。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの人的資本レポートによると、人間が約4万5,000人から約4万人に減少した一方で、AIエージェントの数が2万5,000体まで増加し、人間とAIエージェントが並列する時代を迎えています。

「GROW360+」は、これらをしっかりと計算できるだけでなく、企業がAIエージェントをどのように導入すれば業績向上につながるかを含め、測定から育成、デューデリジェンスまで一貫して対応可能です。

プルータス・グループとの連携により、買収企業の人的資本デューデリジェンスを実行できる仕組みを含め、さまざまな可能性を秘めている領域に進出しようとしています。

教育事業では「GIGAスクール2.0」を通じて、生成AIが日本の教育において大きな転換期を迎えていることを感じています。AIがこれだけ成長すると、大きな転換点となるのは必然です。

私たちは、これらの領域を強みとしており、データを豊富に保有しています。これからの時代、人間が認知領域でAIに勝つことは不可能と考えざるを得ません。認知領域で競い合う時代は終わりを迎え、今後は非認知能力の競争が重要となります。

アセスメントの領域で先行している当社の強みは、今後さらに活かされていくと考えています。そのため、データドリブンの教育支援を進めていきたいと思います。

グローバルプラットフォーム事業については、予測市場やインドを含むアジアでの可能性を探り、しっかりとビジネスにつなげていく1年にしたいと考えています。

中期経営計画|2026年6月発表予告&グローバル展開

通常であれば、さらにご説明を続けるところですが、スライドに記載のとおり、2026年6月に非常に大きな発表を予定しています。

HR・教育事業は安定的な成長を続けており、もう1つの領域であるプラットフォーム事業部については非常に大きな可能性を秘めていると考えています。その段階で、3ヶ年中期経営計画を発表する予定です。

日程については最終確定していないため、6月のどこかでとしかお伝えできませんが、今度の大きなグローバルにおける提携も含めてお話しできると考えています。その段階で、中期経営計画3ヶ年が非常に明確になってくると思いますので、計画を発表したいと考えています。

中期・長期の視点において、グロース市場で時価総額100億円を達成しなければならないことを十分に理解しています。利益レベルでも、時価総額100億円にふさわしい結果を目指して取り組んでいきます。

成長に向けた着実な方向性を感じていただけるような中期経営計画を発表したいと考えていますので、ぜひご期待ください。

福原氏からのご挨拶

本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。私どものビジョンである「人を幸せにする評価と教育で、幸せを作る人、をつくる。」に向けて、これまでの取り組みをしっかりと発展させるとともに、世界におけるさらなる可能性を探っていきたいと考えています。

6月には中期経営計画および新たな発表を予定していますので、ぜひご期待いただければと思います。引き続き、よろしくお願いします。

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