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森永製菓、10期連続増配で株主還元強化 「HI-CHEW」中核に海外展開加速
森永製菓グループ概要

岡本奈津子氏(以下、岡本):森永製菓株式会社コーポレートコミュニケーション部長の岡本です。本日はお忙しい中、当社の会社説明会をご視聴いただきありがとうございます。
本日は会社概要、当社グループのグローバル戦略についてご説明し、最後に株主還元方針についてご紹介します。
当社の創業は1899年です。創業者の森永太一郎が米国で菓子製造技術を学び、「日本の人々に美味しく栄養価の高い菓子を広めたい」という思いを胸に、西洋菓子製造所を設立したことから始まります。
日本の菓子産業の近代化を推進し、菓子製造で培った技術を活用して、食品、アイス、健康分野へと事業を拡大してきました。現在もいくつかのカテゴリーでトップシェアを有しています。
そのうちの1つである「HI-CHEW」は、当社の海外展開の柱となる商品です。現在は30ヶ国以上で販売されており、グローバルブランドへの成長を目指して展開を加速しています。
森永製菓グループの強み

岡本:当社グループの強みとして、まず126年の歴史で培われたブランド力があります。森永製菓というコーポレートブランドは日本国内で広く認知され、多大な信頼を得ています。また、親子3世代にわたって愛されるロングセラーの商品ブランドも多数保有しています。
3つ目は、長い歴史の中で蓄積された技術力・ノウハウです。「ソフトキャンディ技術」「冷凍下の菓子技術」「ゼリー飲料技術」の3大技術に加え、R&Dで生み出された試作品を低コストで安全・安心かつ高品質で量産化するノウハウは、工場の製造工程での改善を重ねながら磨き上げてきた当社グループの重要なコアコンピタンスです。
3つ目は、変化対応力のある企業風土です。当社は「アットホームな社風」と言われることがありますが、危機においては従業員一人ひとりが自らの役割を超えて一体となり連携し、乗り越えてきました。
これらの強みを守り、高めながら積極的に挑戦し、社会に新たな価値を提供することで、持続的な成長を目指しています。
売上高・営業利益構成(2026年3月期予想)

岡本:業績についてご説明します。2026年3月期業績予想に基づく売上高と営業利益の内訳をスライドに示しています。
スライド下部に記載のとおり、大きく分けて5つの事業があります。そのうち、in事業、冷菓事業、通販事業、米国事業の4つを、成長性と収益性が見込める事業として重点領域に定めています。
菓子食品事業は、安定的にキャッシュを創出し、事業活動を支える基盤領域として位置づけています。
円グラフをご覧のとおり、菓子食品事業は規模が大きく、足元の収益性改善も進んだことから、2026年3月期は利益面でも存在感を高めています。一方、中長期的には重点領域の構成比を高め、事業ポートフォリオの転換を図る取り組みを進めています。
連結業績推移

岡本:スライドは、2019年3月期以降の業績推移を示しています。コロナ禍や、スライド下部に記載している各年度の原材料価格高騰による影響額などの劇的な変化を経て、利益は一時大きく落ち込みました。
しかしその後は着実な売上成長と収益性の改善に取り組んだことでV字回復を図り、2026年3月期には過去最高の売上高・営業利益を達成する見込みです。
関本圭吾氏(以下、関本):株式会社IR Agents代表の関本圭吾です。スライドについて1点おうかがいします。原材料価格高騰の影響が2023年3月期から続いていますが、主な要因は何でしょうか? また、現在の状況はいかがでしょうか?
岡本:原材料高騰の内訳はその時々で異なりますが、カカオ関連や油脂、乳原料といった主要原料の高騰影響が大きいです。
特に、カカオの高騰は継続的に大きなインパクトを与えており、2026年3月期においても主な要因となっています。カカオ相場自体は下がりつつあるものの、調達から損益計算書への反映にはタイムラグがあるため、すぐに原価が下がるわけではありません。
2027年3月期については前期比でプラス方向に働く可能性も想定されますが、カカオ高騰の背景にある根本的な問題を考慮すると不透明感が依然として強く、ある程度の高止まりも視野に入れています。
森永製菓グループ 2030ビジョン

岡本:当社グループのビジョンについてです。2022年3月期に発表した2030経営計画において、スライドの2030ビジョンを掲げています。
当社グループは「心・体・環境」の健康を「顧客・従業員・社会」に提供し続けることで、世界のあらゆる世代のウェルネスライフをサポートする「ウェルネスカンパニー」へと生まれ変わることを目指しています。
2030経営計画における2024中期経営計画の位置づけ

岡本:2031年3月期に向け、現在は2ndステージである2024中期経営計画の2年目にあたります。先ほど売上高・営業利益構成のご説明で、重点領域と基盤領域についてお話ししましたが、スライドの図をご覧のとおり、重点領域の成長に加えてさらなる成長に向けた取り組みを具現化することで、目標達成に向けた道筋をつくる段階にあります。
2024中期経営計画:2030年に向けたさらなる取り組み(抜粋)

岡本:2024中期経営計画では、さらなる成長に向けた取り組みとして、2031年3月期の海外売上高目標をそれまでより引き上げ、グローバル戦略を加速しています。また、インオーガニックな成長戦略の具体化についても、重点領域を中心に検討を進めています。
2030経営計画・重要経営指標の進捗

岡本:定量的な経営目標はスライドのとおりです。重要経営指標として、重点領域売上高や海外売上高の比率を掲げ、戦略の進捗を管理しています。
資本コスト経営の実践としては、ROEおよびROICを指標としています。ROEは2025年3月期に13.5パーセントと10パーセントを超える水準を達成し、2031年3月期には15パーセント以上を目指します。また、ROICマネジメントの実践を通じて、成長力と資本収益性の向上に取り組んでいます。
森永製菓グループ グローバル展開

岡本:ここからは、本日のテーマであるグローバル戦略についてご説明します。
米国で菓子製造技術を学んだ創業者が、日本に西洋菓子を広めたいという思いから始まった当社ですが、世界で評価される優れた菓子を作り、輸出を通じて国益に貢献することは創業者の夢でもありました。
1900年初頭から輸出に挑戦し、その後戦争を経て、1961年には東南アジア進出の拠点として台湾森永製菓を設立するなど、海外進出を進めてきました。スライドに示すように、現在は米国、中国、タイに現地法人があり、事業展開しています。また、欧州やオセアニアも有望な市場として、現在取り組みを加速しています。なお、主軸となる商品は「HI-CHEW」です。
2030年海外売上高目標

岡本:海外売上高の目標は、2031年3月期に750億円、売上高比率として25.0パーセントを目指しています。
スライドは海外売上高の推移を示しています。米国では、2008年に現地法人を設立し、2015年から「HI-CHEW」の現地製造を開始しました。2022年3月期以降は販売エリアの拡大に伴い、売上を急速に伸ばしています。
グラフ右側をご覧いただくと、2026年3月期の予想に対して、2027年3月期および2031年3月期の目標が非常に高い水準となっていることがおわかりいただけるかと思います。これは、2024中期経営計画策定時の計画に対して、足元で伸び悩みが見られたことも事実です。しかし、現在はさまざまな施策を同時並行で進めながら、目標達成に向けて邁進しています。本日はその一端をご紹介できればと思います。
関本:今回のテーマはグローバル戦略とのことですが、過去の状況をもう少し詳しくうかがえればと思います。2021年3月期頃から海外売上高が拡大し始め、2026年3月期には多少の落ち着きが見られるものの、2021年3月期の117億円と比較して3倍近くまで成長しています。これにはそもそもどのような背景があるのでしょうか?
基本的には、米国での販売網拡大と認知度向上を地道に高めてきた結果によるものなのでしょうか? それとも、別の要因があったのでしょうか?
岡本:伸長の要因としては、粘り強い販売活動といった当社の取り組みが実を結び、全米のキャンディ売り場に商品が置かれるようになったことや、お客さまの認知度が高まったことが挙げられます。また、コロナ禍における在宅需要を取り込めたことも追い風となりました。
さらに、米国のインフレを受けて2021年3月期から2023年3月期にかけて毎年値上げを実施しましたが、数量を伸ばすことができたことで大きな成長を遂げることができました。
関本:値上げ後もなお数量を伸ばした点は、すばらしい成果だと思います。
事業成長イメージ

岡本:現在の海外展開についてご説明します。エリアとしては米国が中心で、プロダクトとしてはソフトキャンディの「HI-CHEW」が圧倒的な存在感を示しています。今後の成長イメージとしては、米国以外の市場への展開、さらにゼリー飲料やアイスなどソフトキャンディ以外のカテゴリーへの拡大を進めていきます。
カテゴリー別市場規模

岡本:今お話ししたキャンディ、アイス、ゼリー飲料は、当社が強みとする領域です。これらのカテゴリーは、世界規模で大きな市場を形成しています。
スライドには外部の市場データを示しており、右側にはエリア別の売上実績と今後5年間の予測を記載しています。市場成長の可能性を考えると、非常に大きなポテンシャルがあると捉えています。
海外成長戦略 6 CORES

岡本:そこで当社は、2031年3月期の海外売上高750億円を実現する成長戦略として6つの重点取り組みを定め、それらを総称して「6 CORES」と名付けました。
「HI-CHEW」関連で2つ、それにゼリー飲料、アイス、ウェルネス、日本製という構成です。本日はこの後、「HI-CHEW」およびゼリー飲料、アイスを中心にご紹介します。
6 CORES全体戦略

岡本:「6 CORES」は、商品・販売・生産という3つの大きな戦略が重なり合って構成されています。現在、社内ではこの「6 CORES」が重点テーマとして共通言語のように位置づけられており、戦略推進の中心である海外事業本部だけでなく、関係部門も連携して支援し、スピードアップして取り組んでいます。
HI-CHEW 2030年目標

岡本:ここからは「HI-CHEW」についてご説明します。「HI-CHEW」は、2031年3月期の目標達成のためのコアとなる存在です。スライドには、世界のソフトキャンディ/グミの売上を推計したランキングを示しています。「HI-CHEW」は2024年時点で7位ですが、2030年には5位にランクアップし、その先はさらに上位を目指していきたいと考えています。
HI-CHEW 販売戦略

岡本:「HI-CHEW」をグローバルブランドとして押し上げるため、ポテンシャルの高いエリアでの展開を加速しています。
これまでは北米とアジアが中心でしたが、これらのエリアでは商品カテゴリーを広げるなど「HI-CHEW」ブランドの拡張を図る一方で、欧州とオセアニアを第2極と位置づけ、積極的にマーケティング投資を行い、市場浸透を図っていきます。特に欧州は、今後の成長ドライバーになると考えています。
HI-CHEW 商品戦略

岡本:北米やアジアで「HI-CHEW」ブランドの拡張を進めるとお伝えしましたが、そのイメージをスライドに示しています。「6 CORES」では、「HI-CHEW」という従来の基本形ともいえるシリーズを「オーセンティック」、プロダクトのイノベーションによって新たな価値を提供するものを「ファミリー・グミ他」と位置づけ、それぞれの拡大を目指します。
また、「ファミリー・グミ他」への広がりは、「HI-CHEW」ブランドとお客さまとの接点拡大につながり、売上だけでなく「HI-CHEW」のマインドシェア拡大の効果も期待されます。
米国:HI-CHEW 課題と対策

岡本:足元の状況についてお話しします。米国での「HI-CHEW」は2020年頃から高い成長を実現していましたが、直近では踊り場にあります。キャンディ市場は競争が激化しており、大手菓子メーカーによるグミ商品の展開や新興ブランドの台頭の影響を受けています。
そのような中で、「HI-CHEW」としても今年から来年にかけて新たなプロダクトやプロモーション展開を計画しています。本日はご紹介できないことも多くありますが、新たな価値を提供し、お客さまに楽しんでいただける取り組みを継続することで、「HI-CHEW」のブランド強化を図り、事業成長を実現していきます。
ちなみに、スライド右側に掲載しているのは「Chewbie(チュービー)」という、米国発の「HI-CHEW」のブランドマスコットです。「HI-CHEW」のおいしさだけでなく楽しさも伝えるため、主にSNSやプロモーションイベントなどで活躍しています。
欧州・オセアニア:販売状況

岡本:欧州およびオセアニアの取り組みについてお話しします。国によって状況は異なるものの、導入を着実に進めています。イギリスでは2018年に参入し、大手小売業での導入が定着してきました。フランスでは2024年から、大手小売業を中心にレジ前での導入が進んでいます。
オーストラリアとニュージーランドでも導入を進めています。ニュージーランドでは2010年から展開してきたこともあり、全国レベルで配荷され、比較的高い認知度を獲得しています。
欧州:取り組み状況

岡本:各国の取り組みについてご説明します。少し先行しているイギリス、フランス、ドイツでは商品展開や広告施策が異なり、それぞれのステージに合わせたマーケティングを展開しています。
欧州での展開の特徴として、日本ブランドが消費者に好印象を与えることが調査から明らかになりました。そのため、日本ブランドであることをアピールするために、カタカナの「ハイチュウ」という表記を併記したロゴを使用したり、日本での販売実績を「富士山マーク」でわかりやすく訴求するなどの取り組みを行っています。
米国でも「HI-CHEW」が定着してきたことで、「HI-CHEW」が米国のブランドだと思われる方もいるそうです。そのため、あえてこのような対応をしています。
オセアニア:取り組み状況

岡本:オセアニアでの取り組みについてです。オーストラリアでは現地メーカーが強い状況が続いており、取り扱いや認知にはまだ大きな伸びしろがあります。そのため、商品ラインナップを拡充し、魅力度を高めつつ広告も展開しています。一方、ニュージーランドは先ほどお話ししたように比較的売り場に定着し、知名度も得ていることから、ユーザーのロイヤリティを高めることを目的にしています。
このように、各国の状況に応じたきめ細かな対応を行っています。
生産戦略(HI-CHEW)

岡本:グローバルでの拡大を進める「HI-CHEW」の供給体制についてご説明します。現在の中心となっている米国市場では、「HI-CHEW」の約半分を米国工場で生産しています。残りの半分は主に台湾と中国の工場で製造し、米国へ輸入しています。
なお、来年には米国で第2工場が稼働する予定があり、この体制が変わる見込みです。第2工場の稼働によって、米国内の供給能力は約2倍に増強されます。ただし、工場ごとに生産している包装形態が異なる事情があるため、すべてを米国内で生産するわけではなく、一部は引き続き輸入を継続する予定です。
それでも、台湾における米国向け製造品の一部は、米国内生産へと移行する計画です。これにより、台湾の製造キャパシティに余力が生まれます。その余力を活用し、台湾国内やオセアニア市場に加え、欧州向けの供給を増やすことが可能となります。
このように、全体最適を意識しながら、グローバル戦略を実現する生産体制を構築していきます。
日本:inゼリー発売から現在まで

岡本:続いて、ゼリー飲料についてです。当社は1994年に日本で「inゼリー」を発売し、新しいスタイルの食品として市場を創出してきました。最初は苦戦しましたが、手軽に素早く栄養素を摂取でき、適度に小腹を満たせるという商品価値が認知され、現在では大きなカテゴリーの1つとなっています。
その成長を牽引してきたのが当社の「inゼリー」であり、現在もシェア30パーセントを超える圧倒的なNo.1商品です。
台湾:inゼリー取り組み

岡本:海外では、台湾で「inゼリー」を1999年に発売し、市場を開拓してきました。現在ではカテゴリーとして定着し、商品ラインナップは現地のニーズに基づいた展開をしており、日本とは多少異なります。
また、著名人を起用した広告など、マーケティング投資を積極的に行っています。その結果、売上は継続的に伸びています。
米国:Chargel取り組み

岡本:米国では「Chargel(チャージェル)」として2022年に発売されました。米国では同様のゼリー飲料が存在せず、市場開拓はまだ初期段階であり、商品価値を広めるために試行錯誤を重ねています。
関本:2026年からの米国でのポジショニングと売り方の変化を検討されているとのことですが、どのような背景があるのでしょうか?
岡本:試行錯誤を重ねているとお話ししましたが、これまでは日本でかつてそうしていたように、スポーツシーンを中心としたエネルギー補給商品として訴求してきました。
一方、この春はパッケージデザインや商品展開を見直し、日常の間食として訴求する方向へ転換しました。栄養も水分も同時に補給できるゼリーで、おいしくさっと食べられ、腹持ちするという商品の価値は変わりませんが、間食としての見せ方や伝え方のほうが米国の消費者に手に取ってもらいやすいと判断しました。
「Chargel」をなんとかして定着させたいと考えていますが、新しい市場を開拓するのは並大抵のことではありません。少し時間がかかっていますが、日本や台湾でも最初は苦労しました。ブレークスルーを果たした後には大きな成長が見込めると信じ、取り組みを続けています。
関本:ありがとうございます。国ごとに文化の違いがあるのだろうと感じました。
世界のアイス市場規模

岡本:続きまして、アイスについてご説明します。アイスはキャンディ類や砂糖菓子よりも市場規模が大きく、地域別では米国や西欧の市場が特に大きくなっています。日本で冷菓事業に強みを持つ当社としては、挑戦したい市場です。
アイス 成長イメージ

岡本:スライドは、日本を含む現在展開中の各国でのアイス事業の成長イメージを示しています。米国では、昨年「HI-CHEW POP」というアイスバーのマルチパック商品のテスト販売を実施しました。大変売れ行きが良く、手応えを得ました。
オーストラリアとニュージーランドでは、「HI-CHEW」のアイスバーを日本から輸出販売しています。ニュージーランドは「HI-CHEW」の認知度の高さもあり、アイスバーの配荷が進んでいます。
台湾では、当社はこれまで長い歴史の中でアイス事業を展開しており、現地の主要なコンビニエンスストアにも導入されています。
このように、アイス事業についてはまだ導入の初期段階にある国が多いものの、大きな可能性を感じています。
米国 冷菓事業への本格参入へ向けて

岡本:このような中、当社は先日、米国でモチアイスを製造販売している会社の株式取得を決議したことを発表しました。
米国ではアイスのサブカテゴリーの1つとしてモチアイスが定着しており、同社が展開する「My/Mochi」ブランドの商品はトップシェアを有しています。売上高は前期で6,000万米ドル、現在の為替レートでは93億円から94億円という規模になります。
「My/Mochi」はユニークで魅力的な商品ですが、当社の買収目的は、米国における冷菓事業のバリューチェーンを獲得することです。モチアイスは、アイス市場全体から見るとニッチな商品であるものの、同社は全米で主要小売業を対象にアイスを販売しており、米国アイス市場におけるノウハウとディストリビューション機能を有しています。当社はMy/Mochi社を買収することで、米国冷菓事業へ本格的に参入し、事業立ち上げを速やかに実現したいと考えています。
My/Mochi社とのシナジーによる成長機会

岡本:My/Mochi社とのシナジーを見込める当社の強みは2つあります。1つは、国内市場で競争優位を築いてきた「冷凍下の菓子技術」をはじめとする研究開発力です。もう1つは、米国キャンディ市場で一定のポジションを得るまでに成長した「HI-CHEW」ブランドです。
これらにMy/Mochi社の製造技術や米国における冷菓事業のノウハウ、販路を掛け合わせることで、当社は米国での冷菓事業参入を、My/Mochi社は商品力の強化と新たな価値の創造をそれぞれ実現し、当社グループとして米国事業のさらなる成長につなげていけると考えています。
生産戦略

岡本:最後に、本日ご説明したグローバル戦略「6 CORES」の生産戦略についてお話しします。2031年3月期の海外売上高目標の達成に向けて、スピード感を持って各地で事業を立ち上げるうえでは、OEMの活用が重要になると考えています。
スライドのマップは、現在稼働中の拠点と検討中の拠点を示しています。従来は技術的な課題やレシピの問題などの懸念からOEMに対して慎重な姿勢を取っていましたが、現在は柔軟に対応可能なものについては積極的にOEMを活用し、最適な供給体制の構築を目指しています。
2030年に向けて

岡本:あらためて本日のポイントをおさらいします。当社グループの海外売上は現在、米国「HI-CHEW」が圧倒的な存在となっています。今後は米国「HI-CHEW」のさらなる成長に取り組むとともに、その他のエリアやカテゴリーへの拡大にも積極的に挑戦していきます。当社グループの今後の展開にぜひご期待ください。
関本:直近でM&Aもあったことから、アイスに関しておうかがいします。まず、今回のM&Aを受けて、米国アイス市場向けの展開状況はどのように発展していくのでしょうか? どのような期待をすればよいか、あらためておうかがいしたいです。
岡本:先ほども少し触れましたが、米国では昨年、「HI-CHEW POP」というアイスバーのマルチパック商品をチェーン限定でテスト販売しました。スライドにも小さくイラストが写っています。
非常に売れ行きが良く、手応えを得ることができたことから「HI-CHEW POP」の展開を継続していきたいと考えているものの、日本からの輸出になるため、当面は限定的な展開となります。将来的には米国でのOEMも視野に入れています。その際には、仕入れから販売までMy/Mochi社のディストリビューション機能を活用し、米国内での本格的な展開につなげていきたいと考えています。
また、「HI-CHEW POP」だけではなく、両社の強みを活かした新たな商品展開への期待も、すでに双方の経営陣の間で意見交換が行われています。現地法人である米国森永のマーケターとMy/Mochi社との連携も促進していきます。
すべてこれからの取り組みになりますが、中長期的にはより大きなシナジーを実現できるよう努めていきます。
関本:My/Mochi社のM&Aは今月発表されたばかりだと思います。先ほどシナジーというお話もありましたが、M&A後の取り組み、すなわちPMIの進め方や、どの程度の成長を見込んでいるかなど、可能な範囲でおうかがいしたいです。
岡本:PMIについてはこれからの取り組みとなるため、明確なお答えはできません。My/Mochi社については、現経営陣によるマネジメントを尊重・継続しながら、当社グループからも経営に参画して管理・支援の枠組みを整え、着実に統合運営を進めていく考えです。
また、My/Mochi社とは本件の検討段階からコミュニケーションを開始しており、社長を含む当社の経営陣が現地を訪問して先方の経営陣と直接会話を重ねてきました。
関本:少し厳しい内容になりますが、バリュエーションとして若干高いように思います。もちろん御社のお考えがあるとは思いますが、買収価格についてどのように議論され、どうお考えでしょうか?
岡本:「取得価格の水準がやや高いのではないか?」というご指摘があることは認識しています。当社としては、My/Mochi社の稼ぐ力として、EBITDAが黒字であり、比較的安定的にキャッシュを創出できている点を評価しています。今後はシナジーの実現により、さらに強化が見込めると考えており、投資回収も十分可能な水準であると判断しています。
中長期財務戦略

岡本:最後に、株主還元についてお話しします。中長期財務戦略の概要として、資本コストや株価を意識した経営の実践により企業価値の向上を目指す方針を中心に据えつつ、3つの主要財務戦略を実行することで財務マネジメントを強化していきます。
株主還元推移

岡本:3つの主要財務戦略の1つ目は、株主還元の強化です。重要な事業投資を行いながら、継続的かつ安定的な株主還元を基本方針としています。指標としてはDOEの水準を中長期的に引き上げていくことを目指しており、配当は2025年3月期まで10期連続で増配しています。また、2026年3月期も前期比5円増配し、1株当たり65円を予想しています。
スライド右側には自己株式取得の実績を掲載しています。自己株式取得については、総還元性向を意識し、投資の資金需要を考慮しながら、機動的に実施する方針です。
中間配当

岡本:配当については、株主のみなさまへの利益還元の機会を充実させるため、2026年3月期より中間配当を実施しています。
関本:ここまでのキャピタルアロケーションについておうかがいします。これまでは安定還元を重視されてきましたが、My/Mochi社のM&Aや生産拠点の増強など投資が増える中で、株主還元についてどのようにお考えでしょうか?
岡本:財務戦略および株主還元方針の基本的なスタンスに変更はありません。成長投資を通じた中長期的な企業価値の向上と、安定的かつ継続的な株主還元の両立を目指す方針は、My/Mochi社の買収後も変わらないとご理解ください。
株主優待

岡本:株主優待も実施しています。当社製品の詰め合わせ、またはご寄付をお選びいただく選択式となっています。所有株式数や継続保有期間に応じて金額が異なるため、詳細はご確認ください。
保有期間は6ヶ月以上となり、権利確定日は9月30日です。そのため、権利付き最終日は3月27日となります。3月27日までに100株以上を保有いただくことで、来年の株主優待をお受けいただけます。
(ご参考)IRサイト、統合報告書のご紹介

岡本:当社の詳しい情報は、IRサイトや統合報告書でご覧いただけます。また、決算情報や「IR DAY」などのイベント情報を含め、各種開示をタイムリーに発信しています。
さらに、IRサイトでは2026年3月期に個人投資家のみなさまに向けたコーナーを設置しており、情報拡充に努めています。ぜひご参照ください。
本日のご説明は以上です。ありがとうございました。
質疑応答:カカオ高騰に伴う対応策について
関本:「カカオ価格高騰の影響が大きいとのことですが、中長期的には値上げとコスト削減のどちらで対応していく方針でしょうか?」というご質問です。
岡本:選択肢としてどちらか一方というわけではなく、両方が該当します。カカオ高騰といっても、数ある原料の中から選択して開発に落とし込むレベルとなると、実際にはかなり複雑な状況があります。そのため、どのような状況になるか次第で、対応策も変わってきます。また、対象となる商品の位置づけによっても変わってきます。
いずれにしても、お客さまに安心して選んでいただける商品を提供し続けるために、価格はもちろん、おいしさや安全といった品質面も重要な要素であると考えています。その時々の状況を踏まえ、最善を尽くしていきます。
質疑応答:「6 CORES」を掲げた背景について
関本:「『6 CORES』についてご説明いただきましたが、今回あらためて『6 CORES』を掲げて取り組もうとされている背景は何でしょうか?」というご質問です。
岡本:米国「HI-CHEW」をさらに成長させることは最重要課題です。しかし、2031年3月期の目標からバックキャストで考えると、成長への種まきとして、米国「HI-CHEW」以外にもチャンスがあるものは立ち上げていこうというのが基本的な考えです。
「6 CORES」は、当社の技術優位性や強みを活かし、成長を目指したい領域で構成されています。現実的にはすべてが順調に進むわけではなく、途中で消えていくものもあると思います。だからこそ、入口としては広く可能性を探索している状況です。
「6 CORES」は細かなテーマリストが膨大にあり、2031年3月期の目標実現に向けて本気で挑戦している姿勢の表れであるとご理解いただければ幸いです。
関本:6つの領域の下に、まだたくさんあるということですね?
岡本:そのとおりです。
質疑応答:米国市場における購入意向引き上げの取り組みについて
関本:「『HI-CHEW』のご説明をいただきましたが、米国においてはすでに認知度がある程度高まっている印象を受けます。購入意向をさらに引き上げるにはどのような取り組みが必要なのでしょうか?」というご質問です。
岡本:おっしゃるとおり、米国でも着実に浸透して認知度は上がっていますが、当社の調査によれば、米国の伝統的な競合ブランドと比べるとまだ成長の余地があります。また、商品ラインナップもそのような競合ブランドと比べて少ないため、物理的な接点が限られているのが現状です。
「HI-CHEW」のブランドイメージをさらに高めるマーケティング施策を進めるとともに、商品の拡充や店頭露出の強化を図り、「HI-CHEW」の購入意向をさらに引き上げていく考えです。
質疑応答:米国第2工場の投資回収の目安について
関本:「米国第2工場への投資は200億円程度とかなり大きな投資だと思いますが、投資回収の目安はどのように考えていらっしゃいますか?」というご質問です。
岡本:定量的な回答は控えますが、比較的長期の回収期間になると考えています。
ご説明したとおり、米国第2工場は米国内の需要をまずカバーすることになります。ただし、これに関連して、欧州をはじめ米国以外のエリアへの供給を可能にするという全体構想となっています。当社グループのグローバル成長に資する投資として、確実に回収できると考えています。
質疑応答:米国キャンディ市場における市場シェア目標について
関本:「米国では『HI-CHEW』が大きく成長していますが、最終的にはどの程度の売上規模を目指しているのでしょうか?」というご質問です。
金額についてお答えすることは難しいかと思いますが、市場シェアなどの観点からおうかがいできればと思います。
岡本:「いつどのくらい」という点についてはお答えが難しい部分もありますが、例えば米国のキャンディ市場におけるシェアは現在1パーセント程度です。競合の状況を踏まえると、まずは2パーセントを目指したいという方針を掲げています。
ちなみに、トップブランドでも5パーセント程度です。このため、2パーセントという数値は、主力キャンディブランドを目指す上でぜひ獲得しておきたい水準として捉えています。
関本:「そのときの市場規模は不明だが、現状よりもシェアを倍程度にしたい」という理解でよろしいでしょうか?
岡本:おっしゃるとおりです。
関本:BtoC商品の場合、10パーセントや20パーセントといった市場シェアというよりはフラグメンテッドな状況で、5パーセントというように細かく分かれているのでしょうか?
岡本:そのとおりです。
質疑応答:「inゼリー」の成長戦略について
関本:「『inゼリー』は営業利益率20パーセント超と非常に高収益とのことですが、今後の成長は、数量拡大・単価アップ・新機能商品のうち、どれが中心になりますか?」というご質問です。
岡本:「inゼリー」についてはLTV(ライフタイムバリュー)戦略を推進しており、ユーザーの拡大や飲用機会の拡大を目指しています。具体的には、既存品のプロモーションや新製品の投入など、その時々の市場環境を踏まえてさまざまな施策を展開しています。
そのため、ご質問にはいくつかの選択肢がありましたが、今後も状況を見極めながら適切に対応していきます。また、「inゼリー」をご愛用いただくお客さまを増やすことが、すべての起点になると考えています。
関本:ちなみに、別の個人投資家向けセミナーでお話しさせていただいた際にブドウ糖の商品をご紹介いただき、たまに食べています。
岡本:ありがとうございます。
質疑応答:「inゼリー」において拡大余地がある顧客層について
関本:「LTV戦略として『子どもから高齢者まで飲み続けるブランド』を目指すとのことですが、最も拡大余地がある顧客層はどこだと考えていますか?」というご質問です。
岡本:大変難しいご質問ですが、「inゼリー」のメインターゲットは、デモグラフィックとしては20代から30代の特に男性です。メインターゲット層の開拓もさらに必要と考えていますが、そこはボリュームが大きいと捉えています。
一方で、あえてそこではない層についていえば、現在子ども向けの「ジュニアエネルギー」というシリーズや、女性向けの「フルーツ食感」というシリーズを定番商品としてラインナップしています。また、シニア向けの商品はまだテスト段階にとどまっています。現状の取り組みとして、相対的に手薄である層という意味では、シニア層が該当するのではないでしょうか。
関本:メインターゲットは、20代から30代の男性ということですね。
岡本:引き続き、ご愛用いただけると幸いです。
関本:ありがとうございます。承知しました。
質疑応答:米国市場における収益課題について
関本:「米国では、コンビニエンスストアの苦戦や販促費の増加、関税の影響などがあり、足元の売上成長以上に収益の質や費用が気になっています。米国の需要鈍化について、御社はどのようにお考えでしょうか? 一時的なものと捉えていますか? それとも、チャネル構造の変化などを含む構造的な要因があるとお考えでしょうか?」というご質問です。
岡本:「収益面に課題があるのではないか?」というご質問と認識しています。市場環境は大変厳しく、関税などのさまざまな問題がある中で苦戦しており、踊り場状態にあるとご説明しましたが、米国市場は「HI-CHEW」の成長段階にあると捉えており、販促費についても積極的な投資を行う段階にあると考えています。
また、先ほど生産拠点のお話もしましたが、来年には米国内での生産能力が約2倍になる予定です。この前段階として、米国の「HI-CHEW」が急速に成長したこともあり、製造キャパシティの上限を見据えながら戦略を進めてきた経緯があります。
まだ完全にアクセルを踏み切れていない状況のため、第2工場の立ち上げを見据えながら、店頭での「HI-CHEW」のプレゼンスをしっかり保つことを実現し、生産能力が整った段階でさらに成長を加速させたいと考えています。
このように、現在はタイミングを整えている状況です。現在は成長段階にあるため、収益の面でやや厳しい状況もありますが、成長を進める中で収益面もしっかりと考えたいと思っています。
関本:事業環境が厳しい部分もありますが、生産能力を増強することでさらに攻勢をかけられるのではないかという思いを受け止めました。
質疑応答:中国・台湾における事業と中長期的な成長戦略について
関本:「中国・台湾についてです。成長投資との関係で、利益がぶれやすいという印象を受けています。中国・台湾については、短期的に収益に貢献し、中長期の布石と考えたほうがよいのでしょうか? それとも、早期に収益化したいというフェーズなのでしょうか?」というご質問です。
岡本:収益を安定的に確保しつつ、事業としては短期的な視点ではなく、中長期的に持続的な成長を目指しています。
関本:国内や米国の例でもおっしゃっていましたが、「ブランドは10年から20年かけて作り上げるもの」ということでしょうか?
岡本:そのとおりです。
質疑応答:収益改善に向けた利益構成計画について
関本:「事業ポートフォリオについての質問です。足元では国内事業が安定収益源で、海外が成長ドライバーであるという構図に見えますが、数年後に理想とする利益構成などについて、お決まりでしたら教えてください」というご質問です。
岡本:国内の菓子食品事業については、足元で収益性が改善していると先ほどご説明しましたが、収益面ではまだ改善の課題があると捉えています。
国内ではin事業の利益率が非常に高く、収益源となっているものの、現在はやや苦戦しています。in事業をしっかり立て直しつつ、米国事業の成長を確実に実現し、長期的には米国事業の収益を安定させるかたちを目指しています。
関本:米国事業については、海外売上高目標として2031年3月期に750億円を掲げているという認識で正しいでしょうか?
岡本:そのとおりです。
質疑応答:チョコレート事業の今後の展開について
関本:「チョコレート事業の今後の展開について、どのようにお考えでしょうか? 特に注力していくブランドや強化していく取り組みなどがあれば教えていただきたいです」というご質問です。
岡本:本日カカオの話題に何度か触れましたが、原料の高騰により、チョコレート事業は収益面で大きな課題があります。そのような中でも、取り組みを通じて着実に改善を進めており、手応えも感じています。ただし、より大きな視点ではさらなる改善が必要だと考えています。そのため、一昔前と比べると非常に踏み込んだ改善策についても社内で検討しています。
ご質問に「注力していくブランド」というお話がありましたので、短期的な視点でお答えします。当面の課題として、当社の代表的な商品である「チョコボール」に注力していくことが挙げられています。その他にも「ダース」や「カレ・ド・ショコラ」など、さまざまなブランドがあります。
本日はこれらすべてのプランをご紹介することはできませんが、それぞれのブランドを大切にしながら収益にも貢献できるよう、改善や改革を進めていきたいと考えています。
関本:個別のブランド名も含め、詳細にご紹介いただきありがとうございます。
岡本氏からのご挨拶
岡本:本日は、森永製菓の説明会をご視聴いただき、ありがとうございました。たくさんのご質問をいただきましたが、主にグローバル戦略についてお話ししました。
主軸となる「HI-CHEW」は、現在米国市場にしっかりと定着し、米国での売上が日本国内の売上を上回っています。それでもなお、「HI-CHEW」にはさらなる伸びしろがあると確信しています。また、「6 CORES」でご紹介したように、「HI-CHEW」以外にも伸びしろがあります。
今後も個人投資家のみなさまへの情報発信を継続していきます。挑戦を続ける森永製菓に、引き続きご注目いただければ幸いです。本日はありがとうございました。
当日に寄せられたその他の質問と回答
当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。
<質問1>
質問:販売価格をできる限り抑えるための取り組みとして、何かされているのでしょうか?
回答:各種コストアップへの対応という観点では、原料置換の取り組みも進めており、品質価値を棄損しないよう検討を重ねた成果をコストダウンにつなげています。
<質問2>
質問:2030年に向けて「ウェルネスカンパニーへ変わる」と説明されていますが、投資家の立場から見ると、森永製菓の何がどう変われば「変革が進んでいる」と判断できるのでしょうか? 売上や利益以外で重視している指標があれば教えてください。
回答:当社グループの志向するウェルネスとは、「いきいきとした心・体・環境を基盤として、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」を指します。
価値創造プロセスにおけるアウトカムとしては、「健康価値を提供する割合」「企業イメージへの肯定回答率」「従業員エンゲージメント」「持続可能な原材料調達比率」などを非財務目標として設定しています。
詳しくは、統合報告書をご覧ください。
<質問3>
質問:事業ポートフォリオを転換していく中で、「伸ばす事業」と「守る事業」の線引きを経営としてどんな基準で行っているのか、もう少し具体的にお聞きしたいです。
回答:2030経営計画においては、成長性と収益性が見込める事業を「重点領域」と定めており、中長期視点でのポテンシャルを軸に評価・判断をしています。
また、「基盤領域」に位置づけられる菓子食品事業のなかでも、キャンディカテゴリーは成長性と収益性が十分に見込まれることから、積極的に伸ばすべき対象としています。
<質問4>
質問:基盤領域の中で特に注力していく事業は何になりますでしょうか?
回答:菓子食品事業の中でも、特にキャンディカテゴリーへ注力する方針です。収益性が高く、市場としての成長性も見込まれるため積極的な取り組みを進めていきます。
<質問5>
質問:2025年3月期から2026年3月期に向けての海外売上高の見通しは、過去と比べると強くないのはなぜでしょうか? 製造キャパシティが限界に近づいてきていることと、カカオの価格高騰などから転じてキャンディ市場の競争が激しくなっていることが原因でしょうか? 加えて、インフレなども懸念材料ではあるのでしょうか?
回答:背景に、環境要因と内的要因があります。
環境要因としては、長引くインフレによる消費マインドの悪化等、米国の市場環境が良くないことに加えて、カカオの高騰影響を受けて、米国の大手菓子メーカーがチョコレート商品からキャンディ商品へ注力し、競争環境が激化していることが挙げられます。
内的要因としては、供給能力の制約です。説明の中でも少し触れましたが、「HI-CHEW」は急速に売り上げを伸ばしたことで供給能力の上限を常に意識しながら、その中で打てる手を打っている状況になりました。
そこで米国第2工場の建設を決定し、2027年1月稼働開始の計画で現在建設を進めています。実際はもう少し前倒せる可能性も出てきていますが、それまでは供給能力の制約が続きます。そのような事情でこの2年は踊り場的な状況となっています。
<質問6>
質問:「HI-CHEW」は海外展開の核ですが、今後は「キャンディの会社」として伸びるのか、それとも複数カテゴリーを持つ「グローバル食品ブランド」へ事業を広げていくのか、長期のビジョンをどのように描いているのでしょうか?
回答:「HI-CHEW」が核であることは間違いありませんが、「6 CORES」として戦略を示したとおり、ゼリー飲料やアイスなども含めてグローバル展開を加速させていきたいと考えています。
<質問7>
質問:欧州・オセアニアを「第2極」と位置づけていますが、今はまだ「期待先行」にも見えます。どの時点で「手応えあり」と判断できるのか、現地のKPIをどう見ているのか教えてください。
回答:さまざまな観点から評価をしていますが、例えば消費者調査による認知率や購入意向、店頭での取扱率や回転状況など、継続的な分析を通じて、よりアクセルを踏むべきタイミングなどを見極めています。
<質問8>
質問:「HI-CHEW」にマンゴー味やスイカ味があると嬉しいです。
回答:いずれのフレーバーも海外では実際に販売しており、イギリスでは「Sweet & Sour Watermelon」という商品が人気です。今後も販売エリアごとのニーズを見極めながら魅力的な商品展開を進めていきます。
<質問9>
質問:中国・米国・日本共に同じ衛生管理方法で工場が稼働しているのでしょうか?
回答:日本だけでなく海外を含む全製造拠点において、品質保証レベルの向上と商品の安全管理体制の強化を行っています。国内においては「FSSC 22000」または「JFS-B規格」、海外では「FSSC 22000」または「SQF Code Edition 9」という国際的な規格の認証を取得しています。
<質問10>
質問:PBRやROEを意識した経営を打ち出していますが、御社としては、今の株価評価をどう見ていて、どの指標が改善すれば市場の見方が変わると考えていますか?
回答:前期末のPBRは約1.6倍で、現在も概ね同水準で推移しています。PBRはROEとPERで構成されますが、効率性を示すROEは高い水準で推移している一方、未来への期待値を示すPERが低下傾向にあり、課題と認識しています。
現在の海外売上高比率は約13パーセントであり、2030年目標の25パーセントに向けて大きく引き上げていく必要があります。
投資家のみなさまの期待は米国事業をはじめとした海外成長にあると感じていますので、ご説明したグローバル戦略を着実に遂行し、PERの向上につなげていきます。
<質問11>
質問:5年以上の長期優待の新設はないのでしょうか?
回答:貴重なご意見をありがとうございます。今後の参考とします。
<質問12>
質問:株主優待の商品内容は毎年固定されているのでしょうか?
回答:商品内容については、一部について毎年入れ替えをしています。当社を代表する商品を選定した上で、比較的新しい商品から長年にわたりご支持をいただいている商品まで、できる限り幅広いカテゴリーをカバーできる構成としています。
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