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株式会社ナレルグループ9163

東証グロース

サービス業

目次

柴田直樹氏(以下、柴田):株式会社ナレルグループ代表取締役の柴田です。みなさま、本日はお忙しい中、ナレルグループの個人投資家向けIRセミナーにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、ナレルグループが描く成長戦略をテーマに、当社がどのような事業を行っている会社なのか、今後どのような成長を目指しているのかについて、わかりやすくご説明したいと思います。

本日は、大きく4つのポイントに絞ってご説明します。1つ目はナレルグループがどのような会社か、2つ目はナレルグループの強み、3つ目は「人材×DX」による成長戦略、4つ目は直近の業績と今後の見通しです。

会社概要・組織体制・グループ構成

柴田:ナレルグループについてご説明します。当社は、建設業界向けの人材サービスを中心に事業を展開しており、建設業界の慢性的な人材不足という課題を、人材という切り口から解決するビジネスモデルで成長してきました。

当社は、2023年7月に東証グロース市場に上場しました。事業内容としては、建設業界向けの人材サービスを核として事業を展開しています。

当初は、建設業界の人手不足という社会課題を背景に、施工管理技術者の人材派遣事業からスタートしました。そこから現在では、IT人材派遣、職人紹介、建設DXといった新たな領域へ事業を拡張しています。

現時点での従業員数は、連結で約4,000名です。

グループ事業全体像

柴田:当社の事業は、大きく2つに分かれています。

1つ目は、建設ソリューション事業です。施工管理技術者を建設現場へ派遣、現場で使用する施工図を作図する方やCADオペレーターといった人材を建設会社へ提供する事業です。全体の売上の約9割を占める中核事業となっています。

2つ目は、ITソリューション事業です。当社は人材を起点に、企業の課題をしっかり解決する会社として運営しています。

ナレルグループの優位性

1UP投資部屋Ken氏(以下、Ken):同業他社との差別化や優位性について教えていただけますか?

柴田:同業との差別化についてご質問いただきましたので、ここからは当社グループの強みについてご説明します。

スライドでは、コア事業についてご説明しています。当社の特徴は、単なる人材派遣会社ではない点だと思っています。

当社は、これまで未経験者人材の採用・育成モデルを起点に、施工管理人材を中心とした人材基盤を築いてきました。そして、人材基盤を背景に、ゼネコンを中心とした顧客基盤を着実に構築してきました。

当社グループの連結子会社である全国建設人材協会は、全国で3団体のみが許可されている、建設業務有料職業紹介事業の許可を取得しています。

協会を通じて、ゼネコン・サブコン・専門工事会社、また職人という物を作る方々のデータベースに加え、一人親方に関しては、当社が保険管理の代行を行っているため、4,000人から5,000人といった会員が在籍しています。

業界の上部から下部まで、点ではなく面で押さえるようなかたちで、業界のプレイヤーを横断的につなぐことができます。これが、当社の差別化のポイントになると感じています。

ナレルグループの優位性:職人紹介事業

Ken:職人紹介事業についてはあまり聞いたことがありません。その意義や収益構造、またどの程度のポテンシャルがあるのかについて教えていただけますか?

柴田:建設業界では、施工管理者だけでなく職人不足も深刻な課題です。現在の建設業界では、現場監督と呼ばれる施工管理者がおよそ30万人から40万人、職人がおよそ330万人から340万人従事していると言われています。

しかし、5年後の2030年には、施工管理者がおよそ8万人から10万人不足すると推測されています。職人不足はさらに深刻で、およそ80万人から100万人程度の大きな不足が生じるとされています。これは、非常に深刻な業界内の課題だと考えています。

当社は、ゼネコンとの顧客基盤を持ち、特に主業としてきた施工管理者の人材基盤もすでに有しています。加えて、全国建設人材協会を保有していることで、ゼネコンから専門工事会社、そして職人をつなぎ、さらに強いシナジーを生み出せると感じています。

専門工事会社は、ゼネコンから発注を受けて工事を請け負っています。そこで働く職人については、経験者だけでなく、新しい職人の担い手をしっかりと業界内に輩出していきたいと考えています。業界への貢献が、当社にとって大きな意義を持つ部分です。

今後は、施工管理人材に加え、職人領域、および後ほどご説明する建設DXツールを現場に浸透させていけるような人材を組み合わせながら、当社独自のポジションを構築していきたいと考えています。

当社は、建設業界の人材をつなぐプラットフォーマーになることが最大の目標です。

Ken:施工管理者が少ないという印象を強く持っていましたが、実は職人のほうが長期的に見ると圧倒的に不足してくるということですね。

柴田:おそらく現在は、どちらも不足しているというのが正確な状況だと思います。

現在、職人の平均年齢はおよそ47歳から48歳と言われています。現場監督だけが増えても、実際に作業を行う職人がいないと、工事現場で工程の遅れやコストの増加といった問題が発生してしまいます。

また、一番懸念される事態は発注の抑制です。発注者側が発注を抑えたり、元請けが受注を控えたりすることにつながります。

いくら施工管理者を増やしても、職人不足という構造的な大きな課題をしっかり解決しない限り、業界全体が立ち行かなくなるおそれがあります。今後のインフラ整備の増加を考慮すると、非常に大きな課題であり、解決すべき重要なポイントだと考えています。

業界トップクラスの成長性・収益性

柴田:スライドは、建設技術者派遣企業との比較です。当社は、売上高成長率と営業利益率の両面で、業界トップクラスの水準に位置しています。

市場環境と成長機会

柴田:成長戦略についてご説明します。

当社は、これまで建設人材派遣を中心に成長してきました。今後は、人材基盤を活かし、建設DXの強化、受託業務であるBPO、職人の人材紹介やダイレクトリクルーティングといった新たな事業領域へ事業を拡張していきたいと考えています。

現在の建設人材派遣に特化した会社から、新たに建設ソリューション企業へと進化することを目指しています。将来的には、建設人材、建設HRに特化したプラットフォームとなれるような企業を目指していきたいと考えています。

市場環境と成長機会についてです。建設業界では、建設投資額が約80兆円規模まで拡大しています。一方で、現在の課題として人手不足やDX化の遅れといった構造的な問題が生じています。

業界内において、当社は「人材×DX」というかたちで、これらの課題を解決できるポジションにあると考えています。

成長戦略を構成する4つの重点領域

柴田:先ほどご説明した市場環境を踏まえ、当社の優位性を活かした成長戦略として、昨年12月に中期経営計画「Change and Growth 2030」を公表しました。その中で、4つの重点領域および強化領域を掲げています。

1つ目は、コア事業である建設の施工管理人材派遣における競争力の強化です。2つ目は建設DX事業の推進、3つ目は職人紹介事業の拡大、4つ目は生産性の向上です。特に今後の成長の鍵として、人とテクノロジーの融合が重要になると考えています。

Ken:マーケットを見られている方は、御社に建設の人材派遣というイメージを持たれていると思います。建設DXについて、具体的にどのような課題を解決していくのか、その点を教えていただけますでしょうか?

柴田:現在、最も大きな課題は、業界内で新たな担い手が入り込みづらいという構造的な問題です。この点は、生産性向上の観点からも解決すべき重要な課題だと考えています。

例えば、建設会社の本部で許可が下りた事案に対し、実行予算を管理する現場の代理人や所長などが、依然としてアナログな方法で作業を進めている場合が多く見受けられます。具体的には、エクセルや従来の手法を用いて運営されるケースが散見されます。

このようにDXが十分に浸透しない領域において、当社の建設の派遣人材が現場のオペレーションを通じて参画することが、当社ならではの最大の強みになると感じています。

Ken:所長さんたちは目の前の案件が多く、非常に忙しいため、なかなかDX化が進みませんでした。そこで御社に依頼することで、現場自体を変えてもらえるサービスということですね。

柴田:おっしゃるとおりです。もともと施工管理の人材を強みとしているため、これに建設DXや、職人との連携を組み合わせて、人材のデータベースを適切に作り上げる必要があります。

現場監督と職人をしっかりと押さえることで、非常にポジティブに捉えるならば、ゼネコン各社が「ナレルグループを選ばなければ仕事が取れない」といった理想的なポジションを築くことが可能です。

このような状況を目指すことが、今後狙うべき、大きな成長余地がある領域だと考えています。

Ken:両者を押さえれば、「御社に頼めば安心」といった信頼感を築けるということですね。

柴田:おっしゃるとおりです。

売上・営業利益の成長イメージ

柴田:売上高と営業利益の成長イメージについてご説明します。スライドは、中期経営計画期間の5年間における成長イメージです。2030年に売上高500億円、営業利益50億円を目標としています。

Ken:中期経営計画の中で、中核事業以外の売上高と利益はどの程度織り込まれているのでしょうか?

柴田:中核事業である建設人材派遣は、引き続き当社の収益の中心であり続けます。

中期経営計画の期間中には、建設DX事業を着実に拡大させるとともに、新たにBPO事業を構築すること、さらに職人紹介事業領域などの周辺領域を拡張することで、当社の事業ポートフォリオの多様化を進めていきたいと考えています。

数値目標については、新たなゼロイチの領域を含むためご説明が難しい部分もありますが、連結売上目標500億円のうち、約20パーセント以上を新規事業領域でしっかりと成長させることを目指します。

残りの80パーセントについては、既存のコア事業で着実に成長を目指します。ただし、現在はまだ成長の初期段階にあります。これから当社の人材基盤や顧客基盤を十分に活用し、段階的に事業を拡大していくことが重要だと考えています。

そのため、今後の実行状況や成果を綿密にモニタリングしつつ、柔軟にビジネスモデルを含めたアップデートを進め、確実に成功への筋道を作ることが大切なポイントになると考えています。

付加価値型ソリューション企業への進化

柴田:付加価値型ソリューション企業への進化についてご説明します。当社のビジネスモデルは、従来は労働集約型モデルでした。今後は、伴走型建設DX人材やBPOの受託機能を組み合わせることで、従来にはない付加価値型モデルへの進化を目指していきます。

単に人数拡大に過度に依存する成長ではなく、一人ひとりの技術者の付加価値やスキルを高めることで高単価を実現し、成長の起爆剤とすることを見据えています。

Ken:DXについては、やはりゼネコンやサブコンの課題を解決するというお話ですね。

柴田:おっしゃるとおりです。

建設DX領域における戦略提携の推進と収益力の強化

柴田:建設DXやICTツールの導入が非常に増えてきています。しかし、実際の建設現場では浸透しきらず、使われず、定着しきれないケースがあります。その結果、解約につながる事例が出てきているのが現状だと、当社の調査から感じています。

そのため、当社グループでは「現場人材×建設DXツール」というかたちで、導入だけでなく定着、つまり現場での運用までを支援していきたいと考えています。

Ken:なかなか定着できていない理由として、使い方がわからず、使わないまま自然と解約されることが多いのでしょうか?

柴田:おそらく、最初の導入時期が非常に重要です。ガラケーからスマートフォンに変わった際の状況と似ており、最も大変に感じるのが導入段階だと考えています。

建設現場でスマートフォンの使い方を理解した方が、アナログを使っている方に教えるような仕組みを作ることが重要だと思います。

現場に、マスターのように教えられる役目の方がいるだけで、「なるほど、便利だな」というような気づきを得ることができます。当然ながら、教えられる人が現場に配属されていないと、広がりにくい部分があると考えています。

Ken:おっしゃるとおりですね。私も高校生の頃、少し遅れてスマートフォンを購入しましたが、当時「LINE」の使用方法などをすでに使っている人から教えてもらっていました。まさに、そうした状況が今回の話と重なるかと思います。

柴田:ダウンロードやインストールまではできても、その後どう使いこなすかがわからない状態だと思います。もっと便利な使い方があると思いますが、それを実感するには、使いこなせる方が実際に使用例を見せて広めていかないと難しいところがあります。

同じことが建設業界でも起きています。現在、非常に優れた建設ICTツールが多く存在しているにもかかわらず、浸透しきれていないのが現状です。

現場監督や元請けの社員の方々は多岐にわたる仕事を抱えており、ツールの定着を図るのは大変なことだと思います。一方で、若手社員はスキルが足りず、ICTツールをどう応用するかがわからないという課題があります。このようにさまざまな課題が混在している状況です。

人材派遣モデルを起点とした付加価値収益モデルの拡張

柴田:人材派遣モデルを起点とした付加価値収益モデルの拡張についてご説明します。現在、人材派遣を起点に、建設DX人材、DXの導入支援、受託BPOへと拡張していきたいと考えています。

人材派遣・人材紹介に続き、DXの分野や、経験を積んだ方々がBPOの道に進めるような付加価値型ビジネスをしっかりと積み上げることで、収益構造の質を高めていきたいと考えています。

建設DXを収益化するBPO収益比率の段階的引上げ

Ken:建設関連において、BPOの需要が強いというお話を耳にしました。利益率がどの程度になるか、また将来的な見通しについて教えていただけますか?

柴田:おそらく、BPO、ツールに限らないと思いますが、導入するだけでなく、根本的に業務プロセスの見直しが必要になると感じています。

当社では、業務プロセスごとに受託するBPOモデルを展開しており、すでにお客さまからの受注が始まっています。今期から立ち上げてスケールさせていく予定の部門ですが、案件によって異なるものの、人材派遣に比べて明らかに高い利益率が見込めると考えています。

Ken:業務プロセスの見直しから進めていくかたちは、ある意味コンサルティングに近い動きになるということでしょうか?

柴田:おっしゃるとおりです。

建設DX収益化ロードマップ

柴田:建設DXの収益化に向けたロードマップについてご説明します。建設DXは、業界全体としても導入の初期段階にあると考えています。つまり、今後大きな成長余地がある分野です。

当社は2030年において、建設におけるDX・BPO関連の売上を、連結売上目標500億円のうち20パーセント以上を占める規模まで拡大することを目指しています。すでに、当社内でもDX人材の配属や導入支援事業を開始しています。

新たな取り組みであるため、PDCAをしっかり回しながら戦略を柔軟に見直しつつ、着実に事業化を進めていきます。

人材基盤を活かした「実装型建設DXモデル」始動 -スカイマティクス社との戦略的業務提携-

柴田:前期にスタートした実装型建設DXモデルについてご説明します。

「人材×DX」の具体的な取り組みは、すでに始まっています。2025年9月に、スカイマティクス社と略的業務提携を締結しました。この提携を通じて当社が推進するDX領域の具体的な展開についてご紹介します。

スカイマティクス社は、累計5万現場での活用実績を持つ空間データ統合プラットフォーム「くみき」を提供しています。これに対して当社は、その導入支援を担っています。

当社の強みである人材基盤と顧客基盤を活かし、「くみき」の導入から運用・定着までを強力に支援し、さらには横展開まで対応可能な実装型建設DXモデルの構築を進めています。

具体的には、当社がこれまで構築してきた各建設会社との強固な顧客基盤を活かし、今期から専属の営業部隊による「くみき」の導入提案を推進しています。実績も着実に上がってきており、見込みも含めて好調です。

また、当社の中核子会社であるワールドコーポレーションが保有する建設DX人材を現場に派遣することで、実装から運用・定着までを一体型で支援していきたいと考えています。

このように、営業面と人材面の両側からサービスを提供することで、従来当社が得意としてきた人材派遣モデルにとどまらず、建設現場にDXをさらに浸透させることが重要だと考えています。

実装だけでなく定着に至るまでを構築することが重要なため、実装型建設DXモデルの確立を確実に目指していきます。

Arent社との戦略的業務提携 -実装型建設DXモデルの戦略的拡張-

柴田:3月13日に当社IRでリリースした内容です。戦略的業務提携を締結したArent社との取り組みについてご説明します。

Arent社との提携においては、同社が提供するAIを活用した工程管理システム「PROCOLLA」を、当社の中核子会社であるワールドコーポレーションの伴走型建設DX人材が現場での導入支援および定着支援を行います。

具体的には、従来の施工管理の人材に加え、オンボーディングを担当する伴走型建設DX人材を現場に配属することで、建設現場の生産性向上を目指したDX活用のコンサルティングが可能となります。それにより、お客さまに新たな価値提供ができると考えています。

導入と定着にとどまらず、実装現場から得られる知見やナレッジをArent社の開発チームにフィードバックします。それにより、現場起点でプロダクトがさらに進化する、実装型DXの循環型モデルを構築していきたいと考えています。

これらの取り組みは業務提携の一環として進めており、現在進行形で検討を進めている案件も含まれています。当社としては、人材を適切に活用した実装型の建設DXモデルの戦略的な拡張を着実に進めていきたいと考えています。

株主還元方針

柴田:株主還元についてご説明します。安定配当を基本方針としており、2026年10月期の今期配当予想は年間115円です。中期経営計画の期間中は、成長戦略に基づいた投資を進めるため、この期間中は減配を行わない方針としています。

1Q連結業績ハイライト

柴田:直近の業績と今後の見通しについてご説明します。先週の金曜日に公表しましたが、2026年10月期第1四半期の決算についてあらためてお伝えします。

売上収益は62億7,600万円、営業利益は7億2,400万円です。先ほどもお伝えしたとおり、今期を成長フェーズと位置づけており、成長投資をしっかり行うための費用が先行しています。そのため、第1四半期は前年同期比で増収減益となりました。一方、計画比では減収増益という結果になりました。

1Q連結業績ハイライト

柴田:第1四半期の連結業績のハイライトです。現状、売上はやや弱含みですが、利益は計画を大幅に上回る進捗となっています。

主要KPI:在籍人数・稼働人数・稼働率

柴田:重要なKPIである在籍人数、稼働人数、稼働率についてです。当社のビジネスモデルにおいて最も重要なのはKPIの指標です。人材派遣ビジネスでは、稼働率と退職率の2つが非常に重要です。

建設ソリューション事業における第1四半期の在籍人数は3,650名に達しました。稼働人数は3,334名、稼働率は91.3パーセントとなっています。需給調整によるコントロールを実施していますが、現在のところ改善傾向にあります。

ITソリューション事業については、在籍人数が426名、稼働人数が376名、稼働率は90パーセントとなりました。

稼働率向上への取り組み

柴田:稼働率向上への取り組みについてご説明します。前期第3四半期以降、稼働率は低下傾向にありました。当第1四半期では営業活動の強化、各種施策の実施、需給調整などにより、徐々に改善傾向に転じ始めています。下期には、92パーセント台への回復を見込んでいます。

主要KPI:採用人数・退職人数・退職率

柴田:採用および退職率についてご説明します。需給調整の影響を受けていますが、建設ソリューション事業における第1四半期の採用人数は429名、退職人数は428名、退職率は32.8パーセントです。

ITソリューション事業の採用人数は21名、退職人数は28名、退職率は22.2パーセントです。

当社の派遣ビジネスモデルにおいて、稼働率と人材の定着率の向上が最重要課題となります。

定着率向上への取り組み

Ken:今後、退職率をどのように下げていくのか、また現状の課題についても教えてください。

柴田:退職率の改善は稼働率の安定につながり、当社の収益基盤を支える重要な指標だと考えています。足元では、営業体制の強化や需給調整の過程で一時的に退職率が上昇しているものの、これを強化することが重要なポイントだと捉えています。

退職率をきちんと下げていくことが重要なテーマです。シンプルに言えば、キャリア形成を支援するフォロー体制の強化は非常に重要です。異業種から未経験で入社する方が多いため、配属後のイメージギャップやミスマッチをいかに低減させるかが重要なポイントだと考えています。

成長を支える人材定着・エンゲージメント強化策

柴田:当社の成長を支えるため、人材の定着やエンゲージメントの強化策にも今期から注力しています。福利厚生については、「giftee Benefit」の導入、テーマ別交流会の実施を行っています。

社内のサークル制度では、eスポーツや野球などのスポーツ系に加え、先週の土曜日にはボードゲームサークルが集まり、組織や役職を超えて社員が一緒に交流できる場を作る取り組みを行っています。

「ワールド通信」では、私を含めた経営陣が自ら社員に対し、経営方針、会社が目指す今後の方向性、そして働く方々のキャリアパスをどのように描きサポートしていくのかを、経営陣の言葉で技術社員に伝える場をオンラインで設けています。

当社の人材基盤を強化し、建設業界の人材不足という課題を解決する企業として事業拡張を進めていく中で、従業員を守りつつ、退職率を下げていくことを重要なポイントと捉えています。

主要KPI:契約単価

柴田:契約単価の推移についてです。両事業とも、2024年から2026年第1四半期にかけて、51万円から52万円台で推移しています。

Ken:契約単価の今後の見通しについて教えてください。

柴田:建設業は、慢性的な人材不足が続いており、深刻な状況です。施工管理人材の需要自体は引き続き旺盛で、高い状況にあります。

当社としても、人材のスキル向上に取り組むとともに、施工管理だけに特化するのではなく、Arent社との協業における工程管理などのデジタルスキルを持った人材を採用することで、差別化や選ばれるポイントを作れると考えています。

従来の施工管理の人材派遣に加え、新たな付加価値型のサービスが創出される可能性があります。これを通じて高付加価値化や高単価化など、単価の向上の余地も十分にあるのではないかと思います。

Ken:先ほど、実装型の建設DXモデルのお話をされていたと思います。通常の人材派遣と比べると、利益率や単価は高くなりそうでしょうか? 

柴田:現在は、PoCも含めて実施検討中の部分があり、具体的にお話ししづらいところもあります。ただし、建設人材の派遣よりも単価を上げやすい点が明らかです。

これまで私たちが築いた未経験者の育成内容に加えて、新たなデジタルツールを活用する武器を使い、現場に浸透させるモデルです。このモデルにはコンサルティングに近い要素も含まれており、お客さまから納得いただける価値の評価を得られるように構築しています。

質疑応答:中期経営計画における成長基盤構築と投資効果について

荒井沙織氏(以下、荒井):「中期経営計画では前半を

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