オープンワーク、営業収益・営業利益が4年連続上場来最高を更新 初M&Aの狙い、中期成長計画についても解説
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大澤陽樹氏(以下、大澤):代表取締役社長の大澤です。本日は、執行役員の広瀬とともに登壇します。主に質疑応答の場面で一緒に回答していく予定ですので、どうぞよろしくお願いします。
2025年12月期の決算を発表しましたので、本日はその内容をみなさまに共有します。
アジェンダとして、1つ目はエグゼクティブサマリー、2つ目は会社概要です。会社概要については、本日初めてご覧いただく方や久しぶりに当社をのぞいてみた方向けに、オープンワークという会社がどのような会社で、どのような事業を進めているのかをご説明します。
3つ目は2025年12月期の決算概要、4つ目は2026年12月期の業績予想に関するガイダンス、そして5つ目には今回初めてとなるトピックスとして、2030年までの成長計画についてみなさまに共有していきます。
2025年12月期 本決算 決算トピックス

エグゼクティブサマリーです。2025年12月期の決算トピックスとして、全社の営業収益および営業利益が上場来最高を4年連続で更新しました。営業収益は期初予想である前期比プラス27.0パーセントを上回り、前期比プラス31.4パーセントで着地しました。また、営業利益は11億9,000万円を記録し、大きく成長しました。
オープンワークの主力事業OpenWorkリクルーティングは、第4四半期単独で前年同期比プラス41.2パーセントの成長を遂げました。通期の営業収益は、OpenWorkリクルーティングセグメントにおいても過去最高を記録し、32億4,000万円に到達しました。
また、2025年12月に株式会社PM Clubの全株式取得を決議しました。こちらについては後半でご説明しますが、当社にとって初のM&Aとなります。これから新しい取り組みに挑戦していきたいと考えています。
さらに、2030年に向けての最後のトピックスとして、ワーキングデータを活用した事業拡大およびM&A推進により、営業収益150億円以上、営業利益30億円以上を目指す計画を発表しました。
2025年12月期 業績サマリー

業績サマリーです。すでにお話ししたとおりとなっています。KPIについては後ほど触れます。すべてが順調に推移していると捉えていただければ幸いです。
ガイダンスしていた内容を大きく達成できただけでなく、さまざまな準備も進めることができた非常によい1年だったと思います。
会社概要

当社の会社概要をご紹介します。オープンワークは2007年に創業し、2022年12月に東証グロース市場へ上場しました。社員数は150名弱の小さな会社ですが、非常に多くのユーザーさまに愛されている転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」を運営しています。
Slogan / Mission

当社ではコーポレートスローガンとミッションを掲げています。すべてを覚えるのは難しいと思いますので、一言だけ覚えていただきたいのは「働きがい」です。
日本の「働きがい」は実は世界でも最低水準に位置しており、ここに非常に大きな改善余地があると当社は考えています。日本の労働人口は減少局面に入っていますが、その中でも労働参加率を高めるための取り組みがなされており、実際に労働参加率は大きく向上しました。
しかし、労働参加率を高めるだけでは、日本全体のGDPを改善することは難しく、一人ひとりの労働生産性を向上させる必要があります。この労働生産性の向上に寄与する1つの要素が「働きがい」や「やる気」です。
「働きがい」が世界最低水準となっている現状については、まだ大きな伸びしろがあるのではないかと考えています。当社は、この課題をテーマに事業やサービスを展開しています。
オープンワークが目指す世界

オープンワークの目指す世界観についてです。これまでは新卒一括採用、終身雇用、年功序列が一般的でした。これは悪いことではありません。「自分のキャリアを会社に預けておけば安心だ」「年収も上がり、解雇される心配もなく、退職金も十分もらえる」といった時代でした。
現在では、職種別採用が進み、人材が流動化・活性化しています。加えて早期退職制度が普及し、会社にキャリアを預けていても安心できない社会が到来しました。自分のキャリアは自分でデザインしていかなければならない時代になり、「働く」の主役が会社から個人へと変化しています。
しかし「では、みなさん、自分のキャリアを自分でデザインしてください」と言っても、それを実行するための環境が十分に整っていないのが、日本の労働市場の実態だと考えます。転職や就職を試みる際にも、実態とかけ離れた広告や採用サイトが多く、入社後に大きなミスマッチが発生しています。
そのような労働市場において、自分のキャリアを自分でデザインするのは困難です。こうした状況の中で「情報の透明性」が労働市場には必要であると感じ、当社は「OpenWork」というサービスを開始しました。
「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」の関係

当社の主力サービスである「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」との関係について、ご説明します。「OpenWork」は、日本最大級の社員クチコミ情報サービスです。入社前にその会社の実態を知ることができます。
つまり、転職や就職をする際に、「人事や社長はこう言っているけれど、本当のところはどんな会社なのだろうか」「子育てや介護をしながら働きやすい環境なのだろうか」「AI活用はどのくらい進んでいるのか」「年収1,000万円を超えるのはいつなのだろうか」といった、入社しないとわからない情報を知ることができるのが「OpenWork」というサービスです。
ユーザー数は775万人です。そのうち転職や就職を希望する方がWeb履歴書を登録しており、そちらの登録者数は165万人です。
「OpenWorkリクルーティング」は「多様な優秀人材に出会える採用サービス」です。現在、日本の労働市場は売り手市場となっているため、企業側は人が集まるところに採用に行きたいという背景があります。
このニーズを満たす、法人向けのサービスが「OpenWorkリクルーティング」です。「OpenWork」のユーザーにスカウトや求人を提供し、優秀な人材を採用できます。契約企業数は4,400社に達しています。
「OpenWorkリクルーティング」にご契約いただくと、企業情報を掲載でき、その中には求人も含まれます。現在、求人の掲載数は9万9,000件です。「クチコミと企業の情報を組み合わせて見たいユーザーが増えることで履歴書の登録数が増え、登録履歴書が増加すれば契約する企業も増え、結果として企業の情報がさらに拡充していく」という循環が生まれています。
双方がポジティブに影響を及ぼし合いながら成長していくのが、「OpenWork」と「OpenWorkリクルーティング」というサービスの関係です。
日本最大級の社員クチコミサイト「OpenWork」

「OpenWork」は、日本最大級の社員クチコミサイトです。特徴として、「8・8・3」と呼ばれる8つの評価スコア、8つの定性的な社員クチコミ、3つの実情報で構成されているデータがあります。
特に人間の主観から発信される「働く」に関する自然言語データを大量に保有していることが、AIがこれから発展していく中で、非常に大きな競争優位性になると確信しています。こちらについては、後ほどご説明します。
8つの評価スコアは、待遇面の満足度、風通しの良さ、20代の成長環境、法令順守意識といったものを、1から5の段階で評価していただいています。
8つの社員クチコミに関しては、ワークライフバランス、組織体制、企業文化、経営者への提言、女性の働きやすさなど、8つの項目に対して500文字以上で投稿していただくものです。
3つの実情報として、月間残業時間、有給休暇消化率、年収データを確認することができます。
これらのクチコミは無料では閲覧できませんが、4つの方法のうち1つを選択いただくと閲覧可能となります。Web履歴書を登録する、実体験をクチコミとして投稿する、「OpenWork」以外の人材サービスなどに登録する、有料会員登録する、の4つの方法があります。
提携サービスに登録すると「OpenWork」のクチコミを1ヶ月閲覧できるようになり、その代わりに当社は紹介料や広告料を得る仕組みです。有料会員登録は月額1,800円(税別)をお支払いいただきます。これらの方法が当社の収益に寄与しています。
以上の4つの方法から1つを選んでいただくことで、クチコミを閲覧できるモデルとなっています。
企業向けダイレクトリクルーティングサービス「OpenWorkリクルーティング」

「OpenWorkリクルーティング」は、「OpenWork」上で非常に評価されている企業が、集まったユーザーのみなさまにスカウトや求人情報を送ることができるサービスです。
サービス利用費用については、基本利用料(年間120万円から)に加え、採用成功報酬が中途採用では1人当たり70万円、新卒採用では1人当たり30万円となっています。
スライドでは割愛しましたが、「OpenWork」の学生ユーザーについて、2026年2月17日にプレスリリースを公開しました。2026年卒業予定の大学生のうち約32万人が「OpenWork」を利用しており、就職活動生の「3人に2人」以上が活用しているサービスです。そのため、学生採用にもキャリア採用にもご利用いただけるモデルとなっています。
「OpenWorkリクルーティング」は「広告費を投入すれば検索順位が上がり採用が増える」という従来のモデルを採用せず、ユーザーのみなさまに最大限の価値を届けることに重点を置いています。
具体的には、お金を払えば上に掲載されるという仕組みではなく、「OpenWork」上でスコアが高い企業や、ユーザーのみなさまが最も出会うべき企業や求人が表示されるモデルを採用しています。
「お金をもらっているからいい会社を載せよう」という考えではなく、ユーザーのみなさまが自分に合った、「働きがい」が向上するような会社を探せるサイトであることが重要だと考えています。これからの売り手市場において、ユーザーに価値を届けられる採用プラットフォームは必ず勝ち残っていくと考えています。
クチコミデータを新たな社会課題解決に活用する「オルタナティブデータサービス」

まだ売上の2パーセントから3パーセント程度ですが、新たな事業である「オルタナティブデータサービス」も非常に順調に伸びています。
スライド左側に示されているのは、FIS(Financial Indicator Service)です。AIなどを活用し当社のクチコミデータを仮名加工して、金融機関向けに提供しています。
「OpenWork」のクチコミデータが企業の業績や株価と相関があることが査読付きの論文で発表されており、それを見た国内外の資産運用会社のクオンツファンドやヘッジファンドが当社のデータを購入しています。
また、スライド右側のDAP(Data Analytics Platform)も非常に伸びています。これは「各企業のクチコミをAIで分析し、企業風土・働きがい等の組織課題をレポート化」したものです。
最近では、組織を良くし、採用を促進しないと会社が成長しないという課題があり、そのためにどのような組織改善を行うべきかが問われています。従業員エンゲージメントサービスを提供している中で、「本当の課題がわからない」「辞めた人の声が聞けない」といった課題があります。
当社では、投稿されたクチコミからそうした人々の声を拾い、AIを活用して分析し、組織課題をレポートするサービスを行っています。このサービスは現在、特に上場企業を中心とした大手企業からご好評をいただいており、人的資本経営に取り組む必要のある企業に支持されています。
キャリア情報の交換・収集のためのコミュニティサービス「OpenWorkキャリア」

新しく立ち上げているサービスのうち、以前からお伝えしているものに「OpenWorkキャリア」があります。こちらは、キャリアに特化したSNSです。
キャリアは非常にブラックボックス化しているのですが、「OpenWork」が会社におけるブラックボックスを解消するサービスであるのに対し、「OpenWorkキャリア」は個人のキャリアにおけるブラックボックスを解消することを目的としています。
例えば「どの職種がどの程度の年収に到達し、何歳でどのようなキャリアを描けるのか」「どのようなスキルを持っていると年収が上がりやすいのか」等の情報を提供します。キャリアに悩んだ際に自分と似たような人に気軽に相談できる、キャリア検討のプラットフォームサービスを展開しています。
こちらはまだマネタイズをしておらず、ユーザーのみなさまに価値あるサービスを届けられないかという点を実証実験中です。以上がオープンワークの全体像です。
事業系統図

事業系統図です。大きく3つのセグメントに分かれています。1つ目は「OpenWork」です。提携サービスに登録すると「OpenWork」のクチコミが見られるようになり、その広告料としていただく紹介料や、有料会員として個人から支払っていただく会費が収益となります。
2つ目が「OpenWorkリクルーティング」です。Web履歴書を登録したユーザーに対し、企業やエージェントがスカウトや求人を送ることができる採用領域です。
3つ目が「オルタナティブデータサービス(FIS・DAP)」です。当社の仮名加工データの利用料や、クチコミレポートの購入費用が「オルタナティブデータサービス」領域の収益となっています。
P/Lハイライト

ここからは、2025年12月期の決算概要をお伝えします。まずはP/Lハイライトです。冒頭のエグゼクティブサマリーでもご説明しましたが、過去最高の営業収益および過去最高の営業利益を更新し、非常に良い結果となりました。また、期初予想も達成しています。
業績推移(四半期ごとのサービス別営業収益の推移)

四半期ごとのサービス別営業収益の推移についてです。先ほどの事業系統図に基づくものです。「OpenWork」「OpenWorkリクルーティング」「オルタナティブデータサービス」いずれも順調に成長した1年となりました。
スライドからも読み取れるように、他社の提携や会員課金を主とする「OpenWork」のストック型ではなくフロー型のビジネスであり、「OpenWork」の中でデータが蓄積されにくい構造となっています。できるだけ「OpenWorkリクルーティング」に寄与できるよう、当社内にクチコミデータを蓄積していく方向へ振る方針としています。
「OpenWork」については、実際には微減もしくは現状維持で長らく維持してきました。しかし、2025年12月期においては、人材業界全体で広告費が非常に高騰している状況の中、当社でも送客部分においてクライアント企業に値上げをお願いし、単価向上の交渉を行いました。その結果、交渉が成功し、1年間でおよそ15パーセント成長することができました。
ただし、2026年12月期以降は再び現状維持もしくは微減程度の状況になる見通しであり、2025年12月期の成長は、一時的な特需として捉えていただければ幸いです。
営業費用の推移

営業費用の推移です。第2四半期や第3四半期の決算発表時にもお話ししましたが、第4四半期では予定どおり広告投資やプロダクト開発など将来の成長のための投資をしっかりと進めました。
人件費については、AI関連の開発が一時的に増加している影響で、その分が上乗せされるかたちとなっています。
各種KPI / OpenWorkリクルーティング

「OpenWorkリクルーティング」の各種KPIについて、お伝えします。こちらは順調に成長しており、Web履歴書登録者数も契約社数も増加しています。
第2四半期や第3四半期の決算発表時にもご説明しましたが、2025年12月期第1四半期から「OpenWorkリクルーティング」を導入する際にイニシャルフィーをいただくようになりました。その影響で、契約社数の伸び悩みが予想されていました。
しかし、セールスマーケティングチームの努力により、契約社数が順調に増加したことは非常に評価できるポイントです。
各種KPI / OpenWork

「OpenWork」の各種KPIです。ユーザー数とクチコミ数のいずれも順調に伸びており、プラットフォーム価値の向上が順調に進んでいます。
2026年12月期 通期業績予想

2026年12月期の業績予想について、ご説明します。
2026年12月期の業績予想は、営業収益57億円で、前期比22.5パーセント増を見込んでいます。一見すると伸び悩んでいるように見えるかもしれませんが、そのようなことはありません。先ほどお伝えしたとおり、「OpenWork」は2025年12月期に、単価向上の影響で大きく伸びました。
今年は例年どおり、「OpenWork」セグメントのフロー型ビジネスは現状維持を見込んでいます。一方で、「OpenWorkリクルーティング」や「オルタナティブデータサービス」に貢献するデータの蓄積にしっかり投資する予定です。
「OpenWorkリクルーティング」は引き続き30パーセントを超える成長トレンドが継続しており、「オルタナティブデータサービス」も、非常に小さな割合ではありますが、順調に成長する見込みです。
営業利益については、2025年12月期の伸びをさらに上回り、14億5,000万円を目指す計画です。
2026年12月期 各サービスの営業収益見通し

2026年12月期の各サービスの営業収益見通しは、先ほどお伝えしたとおりです。特に「OpenWorkリクルーティング」「オルタナティブデータサービス」に関しては、さらなる成長が見込めると考えています。
2026年12月期の営業費用の見通し

2026年12月期の営業費用の見通しです。全体的に増加する予定です。人件費については、顧客数やクライアント数の増加に加え、AI開発の強化に伴い、プロダクト開発に携わる人材の採用を強化します。
広告宣伝費は、2025年12月期ほどは伸ばさない予定ですが、関西・関東エリアでのプロモーションを継続するため、前期比11パーセント増を見込んでいます。
その他費用の増加については、今年新しいリリースをいくつか予定しており、「クチコミ×AI」に関する新機能を積極的に開発していることが主な要因です。また、一部では外部のパートナー企業と共同開発を行っており、費用が増加しています。さらに、セキュリティ関連の投資も強化しています。
株主優待制度に関するご案内

株主優待制度のご案内です。こちらは2025年12月期から開始され、継続していくものです。以前から「オープンワークを応援したいけど、社員クチコミ閲覧権限が欲しい」というご意見があったため、社員クチコミ閲覧権限も含めて、交換可能なデジタルギフトを優待として設定しています。
株主優待制度に関するご案内

保有株式数と継続保有期間に応じて優待内容が異なりますので、ご興味のある方はぜひご確認いただければ幸いです。
長期的な成長に向けた当社の人的資本開示方針

当社では人的資本の状況についても公表しています。
取締役会で日常的に議論している2つの指標として、「OpenWork」上の当社のスコアと、「モチベーションクラウド」という従業員エンゲージメントを測る指標があります。こちらの2つの指標を当社の人的資本や無形資産として、しっかりとモニタリングしています。
こちらの2つを指標としている理由は、いずれも業績や株価との相関が証明されているためです。良い会社、良い組織を作ることで、最終的に売上や利益、企業価値が向上すると考え、この指標を追跡しています。
当社の人的資本情報とその課題

毎年聞いていただいている方には未達が続いている項目であり、「今年も同様なのではないか」と懸念されていたかもしれませんが、ついに念願のスコアを達成しました。「OpenWork」では2026年2月現在3.73ポイントとなり、今もなおスコアが上がっています。上位2パーセントに入るまで組織改善が進んでいます。
「モチベーションクラウド」のエンゲージメントスコアに関しても、AAAという最高ランクを獲得することができました。従業員数は増加していますが、それを言い訳にせず、組織状態を良好に保つことができた1年でした。
特に、人員が増えていく中でのチームビルディングや、2日間にわたるマネージャー陣の経営合宿などに取り組みました。これらの取り組みが、従業員の高いエンゲージメントにつながっています。
また、AIを活用した開発やプロダクトのロードマップを全社員で共有していることも、エンゲージメントスコアの向上に大きく寄与していると考えています。
2030年までの成長計画

最後に、今年初めて開示した2030年までの成長計画について、お話しします。
まずは、数字面での計画についてです。2030年までに、営業収益は150億円以上、営業利益は30億円以上を目標としています。なお、これは少なくとも達成すべき最低ラインを示しています。
もちろん、先々の状況は不透明な部分もあります。しかし、M&Aにおいてどのような大きな企業とご縁があるかによっては、さらに成長の可能性が広がると見ています。現在の事業のオーガニックな成長や、すでに把握しているM&Aの機会を踏まえて計画を立てています。
間違いなくここまでは到達できると考え、開示しています。
2030年プロダクト全体戦略:WDP(Working Data Platform)

どのように成長させていくかについて、ご説明します。まず核心となるのは、「AIがオープンワークにとって非常に追い風である」という点です。当社は「ワーキングデータプラットフォーム」という戦略を以前から掲げており、これを2030年までさらに延長することを決定しています。
「OpenWork」には少なくとも日本では最大級の「働く」に関連する定量データおよび定性データが集まっています。企業の求人データに限っていえば、他社の方が多く保有しているかもしれませんが、それ以外の多くのデータを保有している点が特徴です。
具体的には、一人ひとりの主観的なデータとして、どのような職種で働いているのか、年齢やスキルセット、どの企業に所属しているか、そこでの年収や、その人がポジティブに感じているのかネガティブに感じているのか、「働きがい」や成長、さらにワークライフバランスがどのようなものなのかといったデータがそろっています。
また、それだけではなく、レジュメデータや、後ほど説明するM&Aを通じてPM Club社と共同で作成しているスキルタグやスキルインテリジェンスに関するデータがあります。さらに、企業側から見て従業員の生の声といえるデータをどんどん集めています。これらを総称して「ワーキングデータプラットフォーム」と呼びます。
これらのデータは、ベクトルデータベース化などを行い、使いやすいように加工しています。データをそのまま保存しておくだけでは活用が難しいため、利用しやすいかたちでプラットフォームに蓄積しています。こうしたデータが増えることで、次のような取り組みが可能になります。
当社としては「求職者のみなさまが最適なキャリアをデザインできる社会を実現したい」と考えています。そのため、ユーザーのみなさまには「OpenWork」にレジュメだけでなく、現在の職場で感じていることや日々の仕事内容などを積極的に投稿し、預けていただいています。
当社には2,000万件以上の社員クチコミなどのワーキングデータが蓄積されています。これらのデータを活用し、AIやM&Aで提携したエージェント企業などとの協業を通じて、その人にとって本当に最適なキャリアをいくつか提案できるよう取り組んでいます。
「クライアントからたくさんお金をもらっているから、ここに押し込もう」というような社会ではなく、データ上から「こういうキャリアを歩むとこういう年収になる可能性がありますよ」「こんなスキルを獲得すると、今後こういうキャリアオポチュニティがあるかもしれないですよ」といった情報を提供できるようなプラットフォームにしていきたいと考えています。
また、企業側においても、「働きがい」がある企業が報われる社会を目指しています。そのため当社に集まったクチコミだけでなく、「OpenWorkリクルーティング」を活用いただいている企業には、仕事や方針に関する最新データをどんどん預けていただくことで、さまざまなご提案が可能になります。
例えば「この職種を採用するなら、もう少し年収を上げていかないと採用可能性は低いですよ」「御社のこの職種でこのような人が活躍しているのであれば、当社のプラットフォームのこの人を採用すると御社でも活躍する可能性がありますよ」といったものです。
また、「御社はクチコミとしてこのような傾向があり、このようなカルチャータグがあるので、ユーザーの中でこのようなクチコミを書いている人やこういうカルチャータグを持っている人とマッチする可能性が高いのではないですか?」といった企業マッチングや組織改善のサポートは、自然言語データを保有しているオープンワークだからこそ提供できるものです。
このように、他社ではおそらく到達できない「働く」に関する定量データや定性データを最大限に活用することで、真に価値あるマッチングや組織改善を実現できるプラットフォームを目指します。それがワーキングデータプラットフォームです。
さらに、その価値を感じていただければ、当社のユーザーやクライアントが増え、それに伴ってデータも増えていきます。そのデータを求職者や企業に還元することで、当社にも収益が還元される仕組みとなっています。
収益をAIの開発やマーケティングに投資することで、日本で「働く」に関するデータが最も集まり続けるポジションをさらに確立していくことが、2030年のプロダクト全体戦略である「ワーキングデータプラットフォーム」の目指す方向性です。
求職者サイドへの新たな価値提供方針

求職者サイドと企業向けに分けて、ご説明します。求職者サイドの最大の課題は、ユーザー数が800万人弱いるにもかかわらず、Web履歴書を登録している人が165万人にとどまっていることです。この課題を解決するために、3つの注力テーマを設定しています。
1つ目は「データ拡充によるレコメンド精度の向上」です。AIを活用してレコメンドの精度を高めることで、「OpenWork」に履歴書を登録するインセンティブを生み出します。
2つ目は「AIを活用したキャリア支援」です。当社では、転職時だけではなく、キャリアアドバイスも提供しています。例えば「現在の会社に残るべきかどうか」「残る場合でもどのような仕事にチャンスがあるのか」といったアドバイスです。当社に蓄積されている多くのキャリアデータを活用し、これらの情報を提供します。
3つ目は「人材エージェント事業の強化」です。不都合な真実として、「OpenWork」のクチコミは意外にも文章が長いため、あまり読まれていません。多くの方がスコアだけを見ている傾向があります。
一方で、そのような長い文章の中からAIが見逃しがちな個別事情を汲み取って「こういう情報がありますよ」と届けていく点では、まだ人の介在に価値があると考えています。
そのため、M&Aなどを通じて人材エージェント事業者と協力し、「OpenWork」のデータを活用してユーザーのみなさまに価値を届けられるような、新しい人材紹介のかたちを模索していきたいと考えています。
企業サイドへの新たな価値提供方針

企業サイドへの新たな価値提供方針についてです。「OpenWork」のデータを活用することで、単に採用を支援するだけでなく、企業のブランディング、つまり求人票には表れない企業の魅力を伝えるお手伝いが可能になります。
マッチングについては、AIを用いることで見極めや動機づけをサポートし、採用工数を削減します。さらに採用後に離職者が出にくくなるよう、ワーキングデータを活用した組織改善の支援まで行えます。
「『OpenWork』を使っておけば、自社の魅力が正確に伝わり、効果的な採用活動ができ、採用後も人材が定着しやすい組織を作ることができる」と思っていただけるような、ワンストップのサービスを目指していきます。
M&Aの方針

M&Aの方針について、ご説明します。当社は大規模なユーザー数やワーキングデータ、さらに70億円以上の豊富なキャッシュを保有しており、これらを有効活用したいと考えています。
先ほどからご説明している人材紹介・マッチング関連で協業できる企業や、今回のPM Club社の買収のようにデータ資産、AI開発、データサイエンスを活用できるM&Aを推進し、オープンワーク独自の価値をさらに磨いていきたいと考えています。
M&A実施事例:株式会社PM Clubのグループイン

2025年12月に実施したPM Club社のM&Aについて、ご紹介します。当社にとって初のM&Aとなります。PM Club社はプロダクト開発人材に特化した「PM Career」というサイトに加えて、プロダクトマネージャー人材向けのオンラインスクール「PM School」を運営している会社です。
これらはもちろんすばらしいサービスですが、実はその裏側にある「スキルインテリジェンス」に着目しています。
例えば、個人の職務経歴書やダイレクトリクルーティングサイトに登録する情報として「プロダクトマネージャー経験3年」と書かれ、どのような業務を行ったのかが文章で述べられている場合を考えます。
「プロダクトマネージャーとして3年の経験がある」と言っても、非常に能力が高い方もいれば、実務経験やスキルがほとんどない方もおり、実際のところ、能力には大きな差があります。
PM Club社の知見を活かせば、これらの求職者が持つ能力を「スキルタグ」に分解することができます。例えば、ABテストの実施能力、ユーザーインタビューの能力、プロダクトマネジメントの能力といった項目ごとにスキルタグ化し、さらにそのレベルを分類することもできます。
このようなスキルの在庫は「スキルズインベントリー」と呼ばれ、そのスキルズインベントリーを作成するためのデータベースは「スキルディクショナリー」といいます。
PM Club社は、求職者のスキルや能力をプロダクト上で可視化し、実装する知見を有しています。また、すでにいくつかの職種において、このような「スキルインテリジェント」を保有しており、オープンワークとの相性が非常に良いのではないかと考えました。つまり、オープンワークが保有する膨大なデータから、スキルタグを生成することが可能です。
このスキルタグに、オープンワーク側のクチコミ情報、個人と企業のカルチャータグという要素、さらに仕事内容、年収、勤務地などのルールベースでマッチングできる要素を組み合わせることで、オープンワーク独自の新しい次世代マッチング「スキルベースドハイヤリング」やキャリア支援を実現できる体制が整います。
このような背景から、PM Club社にジョインいただきました。こちらは収益に貢献するまでに少し時間がかかる開発になるかと思いますが、ぜひご期待いただければ幸いです。
質疑応答:「2030年までの成長計画」における営業利益率低下の織り込みについて
司会者:「今回発表された2030年までの成長計画について、教えてください。2030年に営業収益150億円以上、営業利益30億円以上という目標は、営業利益率の低下を織り込んだ数字に見えます。しかし、今後『OpenWorkリクルーティング』が伸びることで固定費の割合が低下し、利益率はむしろ長期的に向上するとの想定を持っていました。
以上を踏まえて、2030年に営業収益150億円以上、営業利益30億円以上と設定された背景について教えていただけま
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