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アドソル日進株式会社3837

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篠﨑俊明氏(以下、篠﨑):アドソル日進株式会社代表取締役社長の篠﨑俊明です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。本日は、スライドに記載の項目についてご説明します。

初めに業績ハイライトとありますが、業績を総括する前に、10月22日に発表した通期業績予想の上方修正についてご説明します。

2026年3月期 通期業績予想 上方修正

今期は、エネルギー分野の電力領域やサービス分野の決済・カード領域を中心に、システム刷新やDX案件が非常に好調に推移しています。これらの事業環境を踏まえ、通期の売上高を171億円に上方修正しました。

営業利益については、AI対応や人材育成など、来期以降の持続的な成長につながる戦略投資を積極的に行いながら、期初予想をさらに更新することが可能だと判断し、21億円としました。手綱を緩めることなく、経営に取り組んでいきます。

2026年3月期 第2四半期(中間期) 業績ポイント :エネルギー(電力領域) 成長のポイント

当社の今期の成長を象徴するのが、主力事業である電力領域です。

スライドに記載のとおり、数年前と比べて売上が大きく伸びただけでなく、ビジネスの主体においても、中期経営計画でベースロードビジネスと位置付けて取り組みを強化してきたDX/モダナイゼーション案件となりました。

この3年、メーカーとの共同で進める大型案件に加え、電力各社との直接取引を拡大し、DXを中心とした多様な案件でワンストップサービスを拡大させてきました。その成果が実を結びつつあると考えています。

さらに、成長事業である次世代エネルギーでは、エネルギーマネジメントや再生エネルギー関連で少しずつ芽が出てきました。すでに、来期以降の大型案件獲得に向けたコンサルティングを通じた提案も進めています。来期以降の成長にもご期待ください。

さらなる飛躍へ : 注力領域の進捗

さらなる成長と発展を実現するため、今期は次世代SIビジネスモデルの確立を目指し、スライドに記載の取り組みを進めました。

詳細については後ほどあらためてご説明しますが、コンサルティング、システム開発の新サービスである「LeapX(リープクロス)」、AIコンサルティングとエンジニアリングの新サービスである「+AIdea(プラスアイディア)」、それぞれで着実に成果が出てきています。

従来の受託開発にとどまらず、新たな次世代SIビジネスモデルが着実に形になってきていると感じています。

さらなる飛躍へ : 人的資本の強化

次世代SIビジネスモデル、ひいては企業の成長を支えるのは人的資本です。新卒採用では、当初の採用予定人数70名を上回る72名が内定しています。

すでに内定者の教育研修がスタートしており、アジャイル開発やAI、データマネジメントなどのより高度な技術を早期に習得できるよう、基礎固めに取り組んでいます。

また、社員のエンゲージメント向上施策として子育て支援施策を充実させたことが評価され、先日、厚生労働省の「くるみん」の認定も取得しました。

2026年3月期 期末配当予想 修正 (増配)

なお、株主還元については、業績予想の上方修正に合わせ、今期の期末配当の増配を発表しました。年間配当金は期初予想から4円増配、前期比11円増配となる41円を予定しており、これにより16期連続増配を達成する見込みです。

2026年3月期 第2四半期(中間期) 損益計算書

次に、2026年3月期第2四半期の連結業績についてご説明します。損益計算書は、スライドのとおりです。売上高は85億600万円、前年同期比11.2パーセントの増収となり、第2四半期として過去最高を更新しました。

利益については、増収効果に加え、契約条件の見直しやコンサルティングへのシフトが進展したことで、売上総利益率が前年比1.0ポイント良化しました。

こちらが販売管理費の増加を吸収した結果、営業利益は11億300万円と、前年同期比25.4パーセントの増益を達成しました。営業利益率は13.0パーセントとなり、いずれも過去最高を更新しています。

2026年3月期 第2四半期(中間期) セグメント別業績 (売上高)

セグメント別の業績についてです。社会インフラ事業の売上高は、前年同期比13.4パーセント増の54億9,000万円となりました。こちらは、電力を中心としたエネルギー、交通・運輸、公共分野の売上増加が貢献しました。

先進インダストリー事業の売上高は、前年同期比7.3パーセント増収の30億1,600万円となりました。これは、サービス分野の決済・カード領域において、DX・データマネジメント案件が引き続き拡大したことによるものです。

2026年3月期 第2四半期(中間期) セグメント別業績 (受注高・受注残高)

先行指標となる受注高・受注残高の状況です。好調なDX案件にビジネスを集中した結果、受注高は前年同期比20.2パーセント増の86億3,100万円、受注残高は前年同期比17.7パーセント増の33億7,300万円となり、いずれも第2四半期として過去最高を更新しました。

四半期推移(売上高・受注高・受注残高)

四半期業績では、売上高がすべての四半期を通じて過去最高を記録し、受注高・受注残高も第2四半期として過去最高となりました。

特に受注高においては、この3年間で成長戦略やビジネスシフトを進める中で、いわゆる受託開発にとどまらず、直接取引を増やしながら自ら提案するスタイルへと変化させてきました。また、DXやデジタル案件、コンサル案件など、技術力を十分に発揮できる難易度の高い案件にも取り組んできました。

その結果、規模・内容ともに多種多様な案件を複数同時に対応しながら、収益性を向上させることができ、それが確実に数字にも表れています。今回の過去最高は、これまでとは一味違い、当社の強さが示されていると思います。

2026年3月期 第2四半期(中間期) 経常利益増減分析

次に、経常利益の分析です。増収効果や原価率の改善が販売管理費の増加を上回り、前年同期比25.4パーセント増の11億3,600万円となりました。

2026年3月期 第2四半期(中間期) 貸借対照表

貸借対照表はスライドのとおりです。

2026年3月期 第2四半期(中間期) キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フローはスライドのとおりです。

2026年3月期 注力ポイント

続いて、成長戦略の進捗についてご説明します。冒頭でも触れましたが、次世代SIビジネスモデルの確立に向け、今期はスライドの5つのポイントに注力しています。今回はこのうち、コンサルティング、アジャイル開発、AIについてご説明します。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : コンサルティング

まず、コンサルティング強化に向けた取り組みについてです。昨年からコンサルタント候補者を選抜し、本格的な育成を進めています。

現在、58名のコンサルタントのリソースをGIS(地理情報システム)、「LeapX(リープクロス)」、AIの3つに集中させ、顧客課題の分析に基づくオファリング提案によって受注に結びつけています。

今期中にコンサルタント100名以上の体制を確立し、コンサルビジネスの拡大と収益性の強化を目指していきます。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : GIS(地理情報システム) - データ利活用 × AI -

コンサルティング強化の成果が現れている領域の1つに、今後のスマートシティやまち作りに欠かせないGIS(地理情報システム)があります。

GISは、電力領域を中心に、社会インフラ企業におけるニーズが高まっており、設備保全やレガシーシステムのDXにおいて複数のコンサルティング案件が進行中です。

また、オリジナルの証券分析ソリューション「DOCOYA(ドコヤ)」は、新聞や雑誌で紹介されるなど注目を集めています。「提案に来てほしい」という声も増えており、企業からのリクエスト件数は100件を突破しました。ビジネス拡大の大きなチャンスと捉え、引き続き注力していきます。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : LeapX - アジャイル開発・データ利活用 -

システム開発のナレッジをサービス化して提供する「LeapX(リープクロス)」についても、アジャイル、クラウド、データマネジメントの3つの分野でお客さまへの提案活動を進め、上期は9件を受注しました。

特に、ベトナムのダナンを活用したアジャイル開発という独自の強みが評価され、「AgileLeap(アジャイルリープ)」の受注を多く獲得できました。

また、昨今業績が急拡大している決済・カード領域でも、クレジット会社向け案件でデータマネジメントの「D×DLeap(ディーディーリープ)」を受注するなど、幅広い分野で実績を上げています。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : LeapX - アジャイル開発 -

今期のお客さまの動向から見ても、アジャイル開発のニーズはさらに高まると考えています。実際に、アメリカではアジャイル開発の導入率が8割を超えているという調査結果もあります。

今後は日本にも到来すると予測されるアジャイル導入の波を確実に捉えるため、当社は「AgileLeap(アジャイルリープ)」の強化に取り組んでいます。

その1つが、ハイブリッドアジャイル開発の提供です。ウォーターフォールとアジャイルのメリットを組み合わせることで、アジャイル開発を検討する際に課題となりがちな予算管理や品質管理のハードルを解消し、市場の拡大に挑戦していきます。

この取り組みを支えるアジャイル技術者についても、2027年3月期に100名体制を目標と掲げ、育成に取り組み始めています。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : AI - アドソル日進のあゆみ -

また、急速に市場拡大が進むAIへの取り組みも進めています。当社はこれまで、産業技術総合研究所のAI活動への参画や、東京大学との共同研究などを通じ、AIに関する知見と技術を磨いてきました。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : AI - AI活用の現況と予想 -

みなさまもご存じのとおり、生成AIはすでに日常生活に深く入り込んでいます。企業においても、その活用は個人の作業からシステム開発への適用、業務プロセス全体の最適化というように、組織やプロジェクトでの活用へと急速に進化しています。

一方、組織やプロジェクトでAIを活用するには、AI品質の向上やAIガバナンスが非常に重要なポイントとなります。

当社は長年の研究活動に裏付けられた確かな技術を基に、今後の組織やプロジェクトへのAI活用に注力していく方針です。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : AI - AIのアドソルへ -

組織やプロジェクトへのAI適用については、すでにお客さまから多くのご相談をいただき、複数の受注も獲得しています。

こちらのスライドで紹介しているのは一例ですが、業務効率化や高度化に貢献するAIシステムの構築や、AI品質に関するコンサルティングにおいて実績が出てきています。

システム開発の現場におけるAI活用については、開発業務の効率化に向けて、当社独自の生成AI「AdsolChat(アドソルチャット)」が行動を自動生成し、処理する機能の組み込みを進めています。

次世代SIビジネスモデルの確立へ : AI - コンサルティング&エンジニアリングサービス 「+AIdea」 -

これらの研究成果やAIビジネスの実績を集約し、10月からAIコンサルティングおよびAIエンジニアリングの新サービス「+AIdea(プラスアイディア)」の提供を開始しました。

導入フェーズに合わせて最適なアイデアを提案し、システムの設計、開発、導入後の効果測定までトータルでサポートします。

サービス開始に先駆け、期初からAIエキスパート100名体制を目指した育成強化も進めてきました。今後は「+AIdea」を中心とした提案活動を強化し、AIビジネスのさらなる拡大に取り組んでいきます。

通期業績予想を上方修正 / 期末配当を増配

最後に、これらの成長戦略に基づく2026年3月期の業績予想および配当予想についてご説明します。

冒頭にお話ししたとおり、先日、通期業績予想を上方修正しました。繰り返しの説明となりますが、売上高は171億円、営業利益は、来期以降のさらなる成長につなげるために、本日ご説明したコンサルタント人材やAI対応といった戦略投資を積極的に行いながら、期初予想を上回る21億円を目指します。

年間配当予想は、41円としています。株主のみなさまへの還元強化にも、引き続き取り組んでいきます。

以上で、2026年3月期第2四半期の説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:期初予想修正において上振れた領域について

司会者:「2025年10月22日に通期業績予想を上方修正し、売上高を期初予想から7億円増となる171億円とされましたが、期初の想定と比べ、上振れた領域を教

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