logmi Finance
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GMOフィナンシャルホールディングス株式会社7177

東証スタンダード

証券、商品先物取引業

はじめに

石村富隆氏:代表執行役社長COOの石村です。本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。2025年12月期第3四半期の決算について、私からご説明します。それでは、さっそく始めます。

まず「はじめに」ということで、第3四半期のサマリーです。

業績については、店頭FX・CFDの減収により、営業収益が前年同期比5パーセント減となりました。一方で、各段階利益については、9ヶ月累計で過去最高を更新しました。

事業については、主力のFXは取引人数と預り証拠金残高が堅調に推移しています。また、暗号資産事業においては、ストックサービスの継続強化を進めています。

株主還元については、2025年12月期より株主還元を強化しており、目標配当性向を65パーセント以上とすることを目指しています。この第3四半期では、1株当たり14.87円の配当としました。

Q3’25(1-9月)|決算サマリー(前年同期比)

第3四半期(2025年1月から9月)の決算サマリーです。前年同期比はご覧のとおりですが、9ヶ月累計の各段階利益は過去最高を更新しました。

Q3’25(1-9月)|セグメント別の状況(前年同期比)

こちらのスライドは、セグメント別の状況を示しています。スライド左側は、証券・FX事業、暗号資産事業、その他の事業の営業収益の構成比率について記載しています。

スライド右側には、営業収益と営業利益を前年同期比で示しています。証券・FX事業に関しては減収となっていますが、営業利益は増益となりました。暗号資産事業は、前年同期比で増収増益というかたちで着地しています。

Q3’25(1-9月)|営業利益増減(前年同期比)

営業利益のブレイクダウンです。前年同期比では、第2四半期まで好調だったFXがボラティリティの低下に伴い減収となりましたが、販売費及び一般管理費の減少に加えて暗号資産の収益寄与もあり、大幅な増益を達成しました。

また、前年同期にはタイ証券事業における貸倒引当金繰入額が67億円ありましたが、当期はその負担がなく、このような着地となっています。

タイ証券事業|約定弁済契約に基づく債権残高の状況

タイ証券事業に関する定点報告です。こちらは約定弁済契約に基づく債権残高の状況についてのご説明となります。

約定弁済契約に基づく債権残高は、返済により2025年1月時点、今期最初の時点での110億円から約75億円へと減少しています。これは、債務者の方々から約定弁済契約に基づいて返済を受けた結果です。

スライドの右側に示されている約定弁済契約債権の保全率ごとの残高は表のとおりでして、十分な保全がなされており、早急な貸倒引当金繰入額の計上が必要となるような状況ではないと認識しています。

スライドの右下に記載されている約定弁済契約債権の回収計画について、現在、契約を締結している相手方は15名です。約定弁済契約に基づき回収を進め、2026年中に債権元本全体の9割以上を回収する計画となっています。この内容については、各四半期で同じフォーマットでアップデートさせていただく予定です。

株主還元|配当

株主還元に関して、配当について示しています。棒グラフのとおり、2025年は第1四半期から第3四半期で49.10円となっています。これは配当性向を強めた影響もあり、現時点で過去3年の合計額を超えています。

Q3’25(7-9月)|マーケット環境

第3四半期(7月から9月)のマーケット環境です。株式市場は活況であった一方で、外国為替市場はドル/円を中心にボラティリティが低下していました。

スライドの一番左に記載の株式市場については、売買代金が前年同期比で25.3パーセント増加しています。

国内の店頭FXについては、前年同期比で27パーセント強減少し、取引高は約4分の3の水準となっています。

暗号資産に関しては、数字の取り込みが7月と8月で、9月についてはまだ協会から数字が発表されていないため、ここでは7月と8月の分だけを示しています。前年同期の3ヶ月とここで計上した2ヶ月を比較しても1.3パーセントの減少であり、9月の数字が加われば、売買代金は前年同期比で増加となります。

四半期業績推移|営業収益(セグメント別/商品別)

四半期の業績推移のうち、営業収益の部分を示しています。先ほどもご説明したとおり、FXとCFDのボラティリティがなく、取引量が少なかったため、営業収益は19.3パーセント減少しました。

業界全体で店頭FXの取引高が大幅に減少している影響があると考えられます。そのため、ボリュームどおりに収益を獲得できているものの、ボリュームの減少に応じて収益も少なくなっています。

四半期業績推移|営業利益

営業利益の推移です。前年同期比では増加していますが、前四半期比ではFX・CFDの収益が減少し、減益で着地しています。

四半期業績推移|販売費及び一般管理費

こちらのスライドはコストに関するものです。四半期の販売費および一般管理費は、前年同期比で30.3パーセント減少しています。前年同期には貸倒引当金繰入額があり、それにより販管費が大きく増加していました。今年はその計上がなかったため、実質的には75億円前後で推移しています。

第4四半期においては、証券・FX事業で手数料を無料化する施策や、同事業に注力する取り組みを行っており、多少マーケティングコストを積んでいます。そのため、第4四半期の販売費および一般管理費の見通しは、約82億円としました。

持続的成長に向けて

事業の状況についてです。こちらは毎回示していますが、GMOフィナンシャルホールディングスでは、「GMOクリック証券」「GMO外貨」「GMOコイン」といった主力事業を最大化しつつ、事業ポートフォリオの多角化を図るために、「GMOオフィスサポート」「GMOヘルステック」など、新規事業への投資を進めています。

2025年12月期の方針・取り組み

2025年12月期の方針についても従来と変わらず、「強いものをより強くする」という方針で進めていきます。スライドの記載のとおり、今期はこの内容で対応したいと考えています。

店頭FX|国内取引高シェアの推移

店頭FXの、こちらは国内取引高シェアの推移を示しています。現在「GMOクリック証券」「GMO外貨」「GMOコイン」でFXを提供しています。オレンジ色の部分が国内店頭FXのシェアで、合計で21.5パーセントを有しています。

店頭FX|取引人数(QAU)シェアの推移

店頭FXの取引人数(QAU)、すなわちこの四半期のアクティブユーザーのシェアの推移です。当社は現在、アクティブユーザーと預り証拠金残高をKPIとして注力しています。スライドのとおり、アクティブユーザーは右肩上がりで増加しており、約15パーセントのシェアを有しています。

ボラティリティは低下しているものの、お客さまの数自体は増加しており、取引が戻ればしっかりと収益を獲得できる態勢が整っていると考えています。

店頭FX|預り証拠金残高の推移

店頭FXの預り証拠金残高の推移です。堅調に推移し、前年同期比で9.2パーセント、1割弱の増加となり、この四半期は2四半期連続で過去最高を更新しています。預り証拠金残高も着実に伸びてきています。

CFD|売買代金・収益の推移

CFDの売買代金と収益の推移です。取引高が減少していることもあって収益が減少しています。また、顧客還元として、スプレッドの縮小などを、競合他社の状況を見ながらプライシングしていることも影響して、収益率が多少低下している部分もあります。これらの要因により、全体として収益が減少しています。

CFD|預り証拠金残高の推移

こちらのスライドは、CFDの預り証拠金残高の推移を示しています。店頭FXほどの大きな伸びではありませんが、徐々に伸ばしていくかたちで、店頭FX程度にまで伸ばしていくことを課題として、施策を進めています。

また、10月27日より手数料ゼロ&設立20周年ということで、GMOクリック証券が設立20周年を迎えましたので、大規模キャンペーンを開始しました。これにより、外部からの新規口座の獲得や社内でのクロスセルに注力しつつ、CFDについても顧客層を厚くし、残高を増やしていきたいと考えています。

株式|株式委託手数料・委託手数料率の推移

株式の委託手数料と手数料率の推移です。9月1日から株式手数料を無料化し、手数料をいただかないことになったため、当然ながら株式の委託手数料は減少しています。

第3四半期の売買代金は前年同期比で2.5パーセント増加し、売買代金のシェアは1.4パーセントとなっています。手数料自体は35.9パーセント減少しました。手数料無料化の影響で減少した分を他の部分で確保するというかたちで、これから進めていく予定です。

株式|金融収支の推移

金融収支の推移に関して、こちらのスライドはGMOクリック証券のデータです。前年同期比では65.3パーセント増加しており、大きく伸びていることがわかります。これは前四半期でもご説明したとおり、金利の上昇に伴い、顧客分別金信託の運用益が増加したことが主な要因です。

下部に参考として記載されているように、運用益の増加による金融収支の増加額は、前四半期比では6,000万円、前年同期比では約5億円の増加となっています。

また、先ほどもKPIに関連する部分で説明したように、アクティブユーザー数や残高を増やすことが重要です。お客さまからの残高が増えると金融収支も増加するため、そこにも注力していきたいと考えています。

株式|不正取引への対応

株式に関するトピックスです。不正利用が昨今社会問題となっており、証券業界でも話題に上がっていますが、GMOクリック証券の不正取引への対応をスライドに示しています。

ログインの追加認証の必須化前に確認された不正取引については、前四半期に続き、特例として原状回復の観点から全額補償します。これに伴い、2025年第3四半期も特別損失1億600万円を計上しました。不正取引に対する補償総額は1億4,300万円となっています。

当社の不正取引への対応は、補償方針としてログイン認証の必須化前は、特例として原状回復の観点で全額を補償します。一方で、ログイン認証必須化後は、お客さまのユーザーIDやパスワードの管理状況、取引時の状況などを、GMOクリック証券による調査結果を踏まえて、一定の補償を行います。

現在は、ログイン認証の必須化後というステータスです。今後の対応として、2025年10月8日よりログイン追加認証を必須化しており、未設定の場合には取引を規制し、お客さまにログイン追加認証を対応していただいています。

また、2026年12月期の第1四半期を目途に、ログイン追加認証方法を「FIDO2」に変更し、セキュリティを強化する予定です。

株式|強化施策

強化施策として、先ほども少し話題に上がりましたが、設立20周年を迎えるにあたり、これまで支えていただいたみなさまに感謝申し上げます。「原点回帰」をテーマに、20年前にGMOクリック証券を立ち上げた際の理念に立ち返り、手数料をゼロにし、市場にインパクトを与える証券会社を目指していきたいと考えています。

2025年9月1日より株式手数料を無料化し、投資信託の販売手数料も無料化しています。9月の証券口座増加数は、過去1年間の平均の1.8倍になっており、一定の効果が出ていると考えています。また、10月から新CMやプロモーションを通じて、手数料ゼロを軸に顧客基盤の拡大を図る予定です。

株式のお客さまはもちろん、そこからFXやCFD、暗号資産の分野でもクロスセルを強化し、全体的な成長を目指していきたいと考えています。

暗号資産|売買代金の推移

暗号資産の売買代金の推移です。2025年12月期第3四半期における売買代金は、ビットコインやイーサリアムの史上最高値更新などを背景に、前四半期比および前年同期比で増加しました。

暗号資産|口座数と顧客預り資産の推移

口座数と顧客預りの推移です。オレンジで示された口座数は右肩上がりに増加しており、前年同期比では10万口座の増加となっています。

預り資産は約5,200億円で、前年同期比111.2パーセントの増加となっています。この中には暗号資産も多く含まれており、ビットコインやイーサリアムの最高値更新の影響も大きいです。これにより顧客資産の時価が大きく増加し、このような預り資産の状況となっています。

暗号資産|セグメント収益・利益の推移

暗号資産セグメントの収益・利益の推移です。左側のグラフは収益の推移を示しています。基本的に売買代金にリンクするかたちとなっており、当社が目指しているとおりの運営ができていると考えています。

右側のグラフは利益の推移を示しています。取引高に応じてオレンジの点線と同じような形状で収益を獲得できている状況であり、特に問題なく運営できていると理解しています。

暗号資産|ステーキング収益

ステーキング収益について説明します。当社では、暗号資産のボラティリティが高い環境において、ストック型商品の強化を進めています。ステーキングをお客さまに提供し、その収益の一部を当社の運営手数料としていただいています。

この取り組みは2021年3月から開始しました。当初は収益額が非常に少なかったものの、全体としてのインパクトは大きくありませんが、収益は着実に伸びています。今後もお客さまからの預りを増やしつつ、この収益をさらに拡大していきたいと考えています。

主な取り組み|証券・FX事業

この四半期の主な取り組みとして、証券・FX事業では投資信託において新たな施策を実施しました。これまでは毎月の特定の日しか選べなかった「投信積立」について、毎週・毎日コースの導入により、お客さまがより柔軟に積立の日にちを設定できるよう改修を行いました。

また、レバレッジを活用したブル型・ベア型ファンド8銘柄を追加しました。もともとレバレッジ商品を好むFXやCFDのお客さまが選好される商品を投資信託でも提供し、このようなファンドを投資の選択肢として活用していただきたいという思いで取り組んでいます。

主な取り組み|暗号資産事業

暗号資産については、先ほどのステーキングと関連していますが、暗号資産には毎日積立、毎週積立、毎月積立といった商品があります。積み立てた暗号資産をGMOコインに預けていただくだけで、利回り、つまりステーキング報酬が毎月受け取れる仕組みです。このステーキングを重視したプロモーションを強化し、推進しています。

主な取り組み|バーチャルオフィス事業

新規事業として、バーチャルオフィス事業についてご紹介します。GMOオフィスサポートは、現在全国で19ヶ所のオフィス拠点を設けて、着実に規模を拡大中です。直近では上野オフィスの提供を開始し、累計で3万ユーザーを突破しました。顧客基盤も順調に拡大している状況です。

主な取り組み|バーチャルオフィス事業

GMOオフィスサポートは、単にバーチャルオフィスの提供にとどまらず、利用者のニーズに応じたサービスを展開しています。例えば、「商談やセミナーの際に会議室を使いたい」という声や、「自宅では仕事がしにくい」といった声を受けて、同社が提供する「空箱(からばこ) byGMO」において、全国のワークスペースを予約なしで一時利用できるドロップインサービスに加えて、レンタルスペースの予約サービスの提供を開始しました。このサービスでは、必要な時に必要なだけ会議室やスペースをご利用いただけます。

このように、新たにサービスをローンチし、バーチャルオフィスをご利用のお客さまに対してさらに利便性を提供することを目指しています。

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