2025年12月期第2四半期(中間期)決算説明
中村研氏:株式会社シンシア、代表取締役社長の中村です。これより株式会社シンシア、2025年12月期第2四半期(中間期)の決算概要、2025年12月期業績予想についてご説明します。
Agenda
本日ご説明の内容は、ご覧のAgendaに沿って進めます。
まず、シンシアの会社概要と、シンシアの推進する事業領域拡大に向けた考え方についてお話しします。続いて、8月14日に発表した、2025年12月期第2四半期の決算および2025年12月期の業績予想についてご説明します。
会社概要
はじめに、当社の事業概要をご説明します。
当社は2008年に設立されたコンタクトレンズメーカーです。安心安全、高品質な製品をお求めやすい価格でお客さまにお届けしています。
会社概要(品質と安全への取組み)
シンシアの製品は海外の提携工場に製造を委託し、主に日本国内において製品を販売する、ファブレスメーカーです。 シンシアは、外部への委託生産を行うにあたって、独自の厳しい品質方針を定め、お客さまの立場に立ち、誠実に製品とサービスをお届けすることに努めています。
会社概要(コンタクトレンズ主要製品)
加えて、お求めやすい価格設定と、眼科処方施設、ECサイトのみならず、最寄りのドラッグストアでもお買い求めいただけるなど、お客さまが使い続けていただくことに負担とならない製品をご提供しています。
会社概要(事業領域の拡大の方向性)
さて、シンシアはコンタクトレンズ単一の事業形態から事業の多角化を目指しており、積極的なM&A、新事業の展開を推進しています。
当社が、コンタクトレンズ事業で培った、「品質管理」「WEBマーケティング」「営業ネットワーク」でのシナジーを見込み、2022年12月にクリニックのコンサルティング事業、さらに2023年11月にはリユース業界向けPOSシステム事業をM&Aにて取得しています。
主軸のコンタクトレンズ事業についても、フリュー株式会社よりECサイト「Mewコンタクト」をはじめとしたカラーコンタクトレンズ販売事業をこの3月に譲受しています。
会社概要(薬事コンサルティング関係)
さらにシンシアは、高度医療機器であるコンタクトレンズメーカーとしてのノウハウ、強みを活かし、日本進出を検討する海外企業さまからの要請を受け、医療機器、医薬部外品、化粧品などの国内における製造販売の承認申請および許可取得に対応する薬事申請支援サービスを提供しています。
海外からの日本進出は参入障壁が高く、そのニーズから引き合いも増えており、シンシアにとって今後の成長分野になっていくものと認識しています。
今後もM&Aを含め、事業領域拡大については積極的に推進し、さらなる収益基盤の強化を進めていきます。
決算サマリー・トピックス
それでは、本題となる2025年12月期第2四半期(中間期)の決算についてご説明します。
まずサマリーですが、ポイントとしては3点です。1つ目はシンシアの主力製品であるシリコーンハイドロゲルレンズ「シンシアS」シリーズの販売が好調に推移し、主軸事業のコンタクトレンズ事業を牽引しました。
2点目は、当年3月にフリュー株式会社より譲受したカラーコンタクトレンズ販売事業が、売上規模拡大に寄与しました。現時点で利益創出には至っていませんが、従来の当社コンタクトレンズ事業とのシナジーおよび、コストの見直し等を推進し、利益を創出していきます。
さらに3点目として、為替動向が不透明な中、主要製品の円建て仕入の実施、また為替環境が、円高傾向で推移したことにより原価が抑制され、利益伸長につながりました。
決算ハイライト
決算ハイライトです。売上高は前年比14.9パーセント増の35億5,100万円、売上総利益は同じく21.3パーセント増の11億7,800万円、営業利益は同じく52.3パーセント増の2億7,500万円、経常利益は同じく45.1パーセント増の2億5,900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年比76.1パーセント増の1億6,900万円と、売上、各段階利益ともに大幅な増収増益という結果になりました。
売上高・営業利益率 推移
次に、売上高と営業利益率の推移について、3ヶ年の通期比較をご覧いただいています。事業成長施策が奏功し、売上の伸びと共に、利益についても着実に伸ばしています。
この利益拡大の要因としては、着実な為替対策の実施と、高付加価値のシリコーンハイドロゲルレンズの伸長、さらには、M&Aによる新規事業の取り込みが貢献しています。
コンタクトレンズの商品別売上高
コンタクトレンズ事業の売上の内容についてご説明します。
シンシアブランドで販売している「シンシアS」シリーズを中心に、その装用感が引き続き多くのユーザーさまに支持されました。また、当年2月に待望の「シンシアワンデーS乱視用」がラインナップに加わったことで製品力も向上し、売上増につながりました。
さらに、新たに事業譲受したカラーコンタクトレンズ販売事業により、シンシアブランド、プライベートブランド共にカラーコンタクトレンズの売上が拡大しました。
以上により、成長する市場需要を着実に捉えた結果コンタクトレンズ事業全体は前年比15.3パーセントの増加となりました。
参考:新素材レンズ 「シンシアS」シリーズのご紹介
ここで、当社の主力商品である「シンシアS」シリーズについてご紹介します。
シリコーンハイドロゲル素材のレンズは、酸素透過率が高く、眼に優しいレンズとして眼科医からも推奨されています。眼は血管のない組織のため直接外気、涙から酸素を取り入れています。コンタクトレンズを装用しながらも充分な酸素を供給することは眼の負担軽減、健康にも大変重要なことなのです。
このシリコーンハイドロゲルのレンズは、その優れた装用感からユーザー評価も高く、近年、従来素材のレンズからのシフトが進んでいます。
「シンシアS」シリーズは同素材製のレンズであり、眼科医・ユーザーの方から高い評価をいただいています。スライド左下に酸素透過率のグラフを示していますが、当社のシリコーンハイドロゲルを使用したレンズの優位性がおわかりになるかと思います。
処方施設取扱店件数の推移
あらためて、この「シンシアS」シリーズの足もとの状況をお話しします。「シンシアS」シリーズの取扱店舗数は、その評判と共に年々増加傾向です。ここ2年間で約1.2倍の取扱店舗数の増加がありました。
シンシアSシリーズ 売上高推移
それに伴い、「シンシアS」シリーズの売上も非常に好調で、2年前の1.2倍を販売しています。この「シンシアS」シリーズのカラーレンズ、「クレシェ」も好評を得て順調な売上となっています。
また、後ほどご説明しますが、2月に「シンシアワンデーS乱視用」も発売され、引き続き、当社の営業力で取扱店舗の拡大と売上向上を図っていきます。
営業利益分析
さて、営業利益増減内容についてですが、決算ハイライトでご説明したとおり、前年比52.3パーセント増の2億7,500万円となりました。
営業利益の増減内容をご説明しますと、売上拡大と為替の影響により、売上総利益が2億600万円増加しました。この売上拡大に伴い、変動費も増加していますが、営業利益は前年同期1億8,100万円から2億7,500万円へと大幅に増加しました。
セグメント別業績
続いて、セグメント別の業績ですが、コンタクトレンズ事業の売上高は33億300万円、セグメント利益は3億5,300万円、コンサルティング事業の売上高は1,900万円、セグメント利益は1,000万円となりました。
システム事業の売上高は2億2,800万円、セグメント利益は5,400万円となりました。なお、調整額の1億4,200万円は、管理部門費用などの共通費です。
以上が2025年12月期第2四半期(中間期)の決算説明です
2025年12月期 業績予想のポイント
続いて、2025年12月期の業績予想についてご説明します。
当予想については、5月15日において、2月14日に発表した期初の通期業績予想から、上方修正しています。修正内容については、2025年5月15日公表の、「業績予想の修正(上方修正)および配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」をご覧ください。
この修正による業績予想のポイント、重点施策に変更はありませんが、あらためてご説明します。
売上高については、自社ブランド製品は新製品発売と共にさらなる販売強化に重点的に取り組み、前年比10.2パーセント増の約72億円の売上高を目指します。
前年度よりさらに厳しい為替環境下であり、引き続き、為替施策にも注力していきます。より一層の積極的なマーケティング活動や、各種販促活動を実施するものの、DX等を活用しながら効率的な施策実施に努めていきます。また、M&Aで取得した事業、子会社のPMIにも注力し、シンシアグループとしての収益向上、シナジーを創出していきます。
さらなる事業領域の拡大を目指し、立ち止まることなく新規M&Aについても推進していく所存です。
トピック1:新発売 『シンシアワンデー S 乱視用』
ここで中間期におけるトピックス2点をご紹介します。1点目として、2月に「シンシアS」シリーズ待望の「シンシアワンデーS乱視用」が発売されたことについてご紹介します。
この「シンシアワンデーS乱視用」は、酸素透過率の高さに加え、同タイプの乱視用レンズの中でも業界最薄のレンズ設計を実現しました。当社既存製品の近視用レンズ「シンシアワンデーS」で好評な着け心地の良さと裸眼に近い自然な装用感を乱視用レンズでも目指して、長時間でも目が疲れにくい商品を開発しました。
初めてお使いになる方、片目乱視の方、軽度乱視の方、運動される方、さまざまな乱視患者さまに寄り添った、「はずす時まで、初めてのつけたて、つづく」、新しい乱視用コンタクトレンズです。
トピック2:カラーコンタクトレンズ販売事業を譲受
2点目のトピックスとして、今年3月にフリュー株式会社より事業譲受された、ECサイトの「Mewコンタクト」をはじめとしたカラーコンタクトレンズ販売事業についてご紹介します。
シンシアは、成長を続けるカラーコンタクトレンズ市場における着実な需要の取り込みを目的として、本事業を譲受しました。これにより、シンシアが主力とするコンタクトレンズ事業の競争力を一層強化し、持続的な成長を実現していきます。
重点施策
次に、2025年12月期の重点施策についてご説明します。
1点目は製品品揃えの拡充です。好評な「シンシアS」シリーズの新製品、「シンシアワンデーS乱視用」をこの2月に市場投入、昨年はドラッグストア販売の「アイウェル」についてお求めしやすい10個入を販売する等、お客さまのニーズに合った品揃えを充実させ、売上拡大を目指します。
2点目は、自社ブランド商品の売上拡大です。処方施設ルートの強化、ドラッグストアルートの認知度向上施策、さらに増加するインバウンド需要の取り込みにも着目し売上の拡大を目指します。
最後の3点目は、M&Aの推進です。M&Aの推進と並行し、買収した事業、子会社の体制強化、収益性向上、さらにはシンシアグループとしてのシナジー創出に注力していきます。
以上3点が2025年12月期の重点施策です。
2025年12月期 業績予想
これら施策を背景に、2025年12月期の業績予想は、売上高は前年比10.2パーセント増の72億600万円、売上総利益は前年比9.0パーセント増の22億8,500万円、営業利益は前年比29.3パーセント減の3億4,200万円、経常利益は前年比33.0パーセント減の3億1,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年比34.2パーセント減の1億9,800万円と予想しています。
売上高・営業利益推移
売上高および営業利益の推移については、ご覧のとおりとなっています。2025年12月期は増収減益となる見込みです。
売上高については、先ほどご説明した重点施策などを確実に実行し、全社一丸となって売上高約72億円の達成に向け取り組んでいきます。
営業利益については、円安環境の状況下、一部製品の円建て仕入により利益悪化は軽減されているものの、現時点においては為替状況により原価率の上昇が否めないものと想定しており、前年度比で減少するものと見込んでいます。
コンタクトレンズ 製品区分別売上高推移
コンタクトレンズ事業の商品区分別の売上予想については、シンシアブランドのクリアレンズは、新発売の「シンシアワンデーS乱視用」の積極展開と、販売が好調に推移している「シンシアS」シリーズと「アイウェル」シリーズを中心にマーケティング活動をさらに強化することにより売上、シェア拡大を見込んでいます。
また、カラーレンズについても、クリアレンズ同様、マーケティング活動の強化などにより売上高は増加していくものと考えています。
他社への供給商品については、価格競争が激化していることなどから厳しい状況が継続するものと考えています。
2025年12月期は「シンシアワンデーS乱視用」をはじめとしてシンシアブランドレンズのさらなる売上高の拡大、加えて、事業譲受した「Mewコンタクト」を始めとしたカラーコンタクトレンズ事業により当社主軸のコンタクトレンズ事業の底上げを図っていきます。
業績予想に対する進捗
通期業績予想に対する第2四半期までの進捗については、経過期間においての円高傾向で推移した為替の影響、および経費の削減効果を受け、ご覧のとおり各段階利益において対通期予想で80パーセント以上と好調な進捗となりました。売上高については、計画どおり順調に推移しています。
配当金・配当性向推移
次に、株主還元についてご説明します。シンシアの配当政策については、今後の業績予想、経営体質強化のために必要な内部留保の確保、配当性向などを総合的に勘案し、安定的な配当を行うことを基本方針としています。
なお、昨年度、当社の利益成長を通じ、より株主還元を充実させていくことが重要と考え連結配当性向40パーセントを目途としています。
2025年12月期については、5月に業績予想の修正に伴い、期初の予想1株当たり10円からプラス3円の増配修正を発表し、1株当たり13円の期末配当を予定しています。
株主優待制度-1
続いて、株主優待制度の内容についてご説明します。シンシアは、株主のみなさまの日頃からのご支援に感謝すると共に、当社製品のご利用を通じて当社の事業をより一層ご理解いただきたいとの思いから株主優待制度を導入しています。
シンシアの株主優待制度では、シンシアブランド商品の公式販売サイトにて30パーセントから60パーセント割引でご利用いただける特別ご優待券を、優待制度の対象となる株主のみなさまに、保有される株式数および保有期間に応じて贈呈します。
参考に、本優待のご利用例となりますが、200株を1年以上保有されている株主さまについては、当社指定のECサイトで4万円分の商品が50パーセント割引価格の2万円で購入することが可能となり、大変お得な優待内容となっています。
株主優待制度-2
また、当社株式への投資の魅力をさらに高め、より多くの株主さまに中長期的に保有していただくことを目的に保有株数、保有期間に応じて「QUOカード」を贈呈します。
Appendix 商品紹介|「シンシア S」
27ページ以降で当社商品を紹介しています。ぜひご覧いただけたらと思います。
ひとみに、誠実に。
以上、株式会社シンシアの決算説明を終了します。
質疑応答(要旨)① 通期業績予想について
Q:上期実績を当期通期予想に当て込むと、下期は前年同期比で大幅減益となる見込みに見えます。上期の状況からそこまでの落ち込みは考えにくいのでは? 通期上振れの可能性は?
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