はじめに
和田順児氏:株式会社アピリッツ代表取締役社長の和田です。本日は、2025年1月期通期決算についてご説明します。
はじめに、株主のみなさまには平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。決算説明資料および決算説明動画をIRページにて掲載しますので、ご視聴いただければと思います。
目次
本日は、コーポレートサマリ、2025年1月期通期業績ハイライト、2026年1月期業績及び配当予想、今後の成長戦略の順でご説明します。
会社概要
コーポレートサマリです。当社は、「セカイに愛されるインターネットサービスをつくり続ける」をミッションに掲げて事業を行っています。
会社概要
設立は2000年で、従業員は2005年1月末時点で805名です。
会社概要
株主構成です。上場来、大きな変更はありません。
会社概要
当社は、現在3つの事業を軸に事業展開しています。1つ目はWebソリューション事業、2つ目はデジタル人材育成派遣事業、3つ目がオンラインゲーム事業です。
成長の歴史
当社は学生ベンチャーとして創業し、大きくなってきた会社です。
会社概要(過去10年の全社売上高推移:連結)
過去10年間、売上高は安定的に右肩上がりで伸びてきています。
連結業績ハイライトサマリ
2025年1月期の業績についてご説明します。売上高は90億800万円、昨年比6.9パーセント増、営業利益は1億8,500万円で着地しています。売上高は昨年比で堅調に成長したものの、今期、Webソリューション事業で不採算の炎上案件を出してしまったため、営業利益以降は少しショートしている状況です。
連結業績ハイライトサマリ
事業ごとのハイライトです。Webソリューション事業は、第4四半期で炎上案件の傷みから回復基調となりました。売上高は四半期では過去最高を計上しています。
デジタル人材育成派遣事業も計画どおり推移しています。オンラインゲーム事業は運営移管タイトルの売上が好調で、過去最高の売上高で着地しています。
連結業績ハイライト
具体的な数値についてご説明します。中間期に発表した業績予想に対して、売上高は達成しました。営業利益以降は、第4四半期では回復基調となっているものの、第3四半期から第4四半期の初めにかけて不採算案件の影響が残り、未達成での着地となりました。
連結業績ハイライト(売上高四半期推移)
四半期ごとの売上高推移です。第4四半期の売上高は25億5,400万円で着地しています。最近の四半期の売上高は20億円から21億円で推移していましたが、ようやく少し上昇してきました。この結果に伴い、来期以降は通期で100億円の売上高を達成する体制ができてきたと考えています。
連結業績ハイライト(原価・販管費四半期推移)
原価および販管費のコストです。売上高増加に伴って増加しています。特に第4四半期は、オンラインゲーム事業で新運営移管案件を手掛けたことにより、外注費が一時的に増加している傾向が見られます。
連結業績ハイライト(営業利益四半期推移)
営業利益の推移です。第4四半期は、第1四半期から第3四半期にかかる不採算案件による影響から少し脱するかたちとなりました。第4四半期の営業利益は1億6,100万円、営業利益率は6.3パーセントとなり、去年の水準にまで回復してきました。
連結業績ハイライト(EBITDA推移)
EBITDAの推移です。こちらも収益改善に伴い回復傾向にあります。
連結業績ハイライト(貸借対照表)
貸借対照表です。前四半期から大きな増減はありません。
社員数推移
社員数の推移です。第4四半期終了時点で805名となり、順調に成長しています。
社員数推移
社員構成は、引き続き20代がおよそ6割を占めています。
Webソリューション事業・業績ハイライト(四半期売上推移)
セグメントごとの業績についてご説明します。まず、Webソリューションセグメントの四半期売上高推移です。第4四半期は、Webソリューションセグメントの売上高が10億円の大台に乗り、第3四半期から引き続き回復基調にあります。M&Aでジョインしたグループ会社も順調に成長しており、四半期ベースでは過去最高の売上高となりました。
Webソリューション事業・業績ハイライト(四半期原価推移)
Webソリューション事業の原価推移です。第3四半期まで継続的に発生していた炎上案件対応の外注費を、計画どおりに圧縮しました。一方で、本社移転による賃料増加等により人件費関連は上昇しています。
Webソリューション事業・業績ハイライト(セグメント利益率推移)
その結果、Webソリューションセグメントの営業利益率は回復過程にある状況です。昨年の水準にまでは回復していませんが、第4四半期は21.0パーセントで着地しています。引き続き、昨年の水準であるセグメント利益率30パーセントを目指していきます。
Webソリューション事業・業績ハイライト(平均単価推移)
顧客の平均単価の推移です。第2四半期を底に、堅調に回復基調にある状況です。
Webソリューション事業・業績ハイライト(問い合わせ数推移)
問い合わせの状況についてです。こちらも引き続き伸びてきています。当社では年間1億円以上の取引を大型案件と定義しており、そのような大型案件の引き合いが増えてきています。
25期トピックス
トピックスとしては、最近注目のキーワードである生成AIを含んだシステムの開発案件も増加しています。FAQ、文章の作成、クチコミ等の自動検閲などに生成AIを活用しています。
デジタル人材育成派遣事業・業績ハイライト(四半期売上推移)
デジタル人材育成派遣事業の業績についてご説明します。はじめに四半期売上高の推移です。右肩上がりで順調に成長しており、第4四半期は5億5,500万円での着地となりました。
アピリッツ本体では、ゲームセグメントの人員不足への対応として、セグメントをまたぎ、デジタル人材育成派遣事業からゲームセグメントへ人員を移しました。その結果、本体側の売上高は減少したものの、子会社であるY's社の売上高が伸長し、連結では右肩上がりの成長が続いています。
デジタル人材育成派遣事業・業績ハイライト(四半期原価推移)
原価の推移です。売上高の増加に伴い、原価も増加しています。特に第4四半期では、Y's社の福岡拠点を立ち上げました。そちらで新設メンバー約10名を採用し、初期投資としてのコストが増加しています。
デジタル人材育成派遣事業・業績ハイライト(セグメント利益)
セグメント利益です。拠点の立ち上げによる先行投資で利益は低減していますが、引き続き回復基調にあることから、上昇していくものと考えています。
オンラインゲーム事業・業績ハイライト(四半期売上推移)
オンラインゲーム事業の業績についてご説明します。まず、四半期ごとの売上高推移です。第4四半期は9億8,500万円で着地しています。特に、新規で始めた共同運営案件「乃木坂的フラクタル」が寄与し、大きく売上高が増加しました。
オンラインゲーム事業・業績ハイライト(四半期原価推移)
原価についても、「乃木坂的フラクタル」への対応により、新規で外注費が増加しています。従来の運営移管案件と同様、移管直後は外注費が増加し、進行に従い下がってくる傾向にあると考えています。
オンラインゲーム事業・業績ハイライト(セグメント利益)
利益の状況です。第4四半期については、共同運営案件が開示されたこともあり、外注費の増加など投資が走っている状況ではあるものの、それ以上に売上高が増加し、上場来最高益で着地しています。
25期トピックス
オンラインゲーム事業の現在のパイプラインについてご説明します。開発パイプラインでは、今まで自社開発のゲームを鋭意作成中でしたが、一時中断しています。他社との新作協業プロジェクトのほうがより堅実に売上が見込めると考え、新たな開発パイプラインに変更しています。
運営パイプラインについては、第4四半期から「乃木坂的フラクタル」が共同運営案件として始まっています。また、運営開発協力で2025年3月から1ラインがスタートしており、こちらは今第1四半期から売上に寄与してくるものと考えています。
2026年1月期 連結業績予想の考え方
2026年1月期の業績予想および配当予想です。2026年1月期の業績の考え方について、事業ごとにご説明します。
Webソリューション事業は、引き続きDXをキーワードとする市場環境は活況です。中でも、大型案件として年間1億円以上の取引先からの問い合わせが増えてきています。
現在、それらに対応する開発ラインが不足気味であることから、すべての営業案件を獲得できてはいませんが、営業は活況です。課題である開発ライン不足さえ解消すれば、十分に売上は伸びていくと考えています。引き続きしっかりした開発体制を作り、売上を伸ばしていこうと動いています。
デジタル人材育成派遣事業です。こちらもデジタル人材の不足が続いており、市場のニーズは引き続き旺盛であると考えています。
対応として、当社も未経験者を教育し、エンジニアに育成するために人員を増やしています。中でも、グループ会社、特にY's社におけるオンライン教育や、地方拠点の立ち上げ等で採用と教育に注力し、拡大していこうと考えています。
オンラインゲーム事業についてです。オンラインゲーム事業の市場環境は不透明です。特にスマホ向けゲーム市場は現在頭打ちになっており、規模は年々減少していると分析する市場データもあります。
そこで、現在我々は方針の転換を行っています。今考えているのは、我々も参入しつつある「推し活」事業です。中でもアイドルを中心とした推し活市場が非常に活況であるため、推し活に軸足を移行しています。
それに伴い、「乃木坂的フラクタル」の大型共同運営案件を開始しました。また、ファンクラブサイトの運営事業を行っているグループ会社もオンラインゲームセグメントに集約し、開発を開始していく方針です。
2026年1月期 連結業績予想の考え方
今ご説明した内容をスライドの図にまとめています。このようにセグメントの組み替えを行いつつ、2026年1月期は業績を着実に上げていきたいと考えています。
大きく、「Web」「人材育成派遣」「オンラインゲーム」と記載しています。Web市場は引き続き活況であることから、コンサル・SI、大型案件等に注力します。人材育成派遣事業はWeb領域の人材派遣に注力していきます。
オンラインゲーム事業は、「ファンダム」をキーワードに推し活領域を拡大し、ファンクラブサイトの運営・開発等も集約してセグメントの組み替えを行います。
2026年1月期 連結業績予想の考え方
セグメント組み替えの一環として、株式会社ムービングクルーを子会社として吸収合併予定です。
2026年1月期 連結業績予想
2026年1月期の業績予想です。売上高については、昨年比16パーセント増の100億円超えを予定しています。営業利益は、本社移転等のコストを少し吸収し、6億円強で着地すると考えています。第4四半期単体の営業利益が1億5,000万円を超えているため、4倍でおよそこのような数値になることを加味して定めています。
営業利益については今ご説明したとおりの計算ですが、特に2025年1月期においてWebソリューションセグメントの利益率が悪化したため、体制をしっかり作り、再度成長する土台作りをキーファクターとして取り組んでいきたいと考えています。
2026年1月期 連結業績予想
業績予想の上半期と下半期のバランスです。例年どおり下期偏重で計画しています。
2026年1月期 連結業績予想
当社の2030年に向けた中期経営計画「vision2030」と、業績予想との乖離についてご説明します。中期経営計画では売上高を106億円と定めています。対して業績予想では104億円としていますが、だいたい中期経営計画どおりに推移していくだろうと予想しています。
営業利益に関しては、中期経営計画では2026年1月期に8.0パーセントの目標を定めているのに対し、今回の業績予想では5.8パーセントとなっています。こちらについては、2025年1月期の課題により乖離が発生しています。引き続き体制を強化し、2026年、2027年と、最初の計画に近づけていく考えです。
配当予想
配当予想は、上期14円、下期14円の通期28円と大きく増配予想を立てています。今までは配当および自己株式取得などを含めた総還元性向30パーセントを目標としてきました。今回から、株主のみなさまにより直接的に還元していくために、配当を少し厚めにした配当性向30パーセントを目標に定めました。それにより大きく増配予想としています。
事業成長イメージ
今後の成長戦略です。当社は「vision2030」として、2030年1月期に売上高200億円、営業利益20億円を目指して活動中です。
事業成長イメージ
目標達成に向けては会社の文化も大切です。当社は、「人と事業」が継続して成長し、助け合える環境作りとして、「カンパニーの学園化」をキーワードに掲げて行動しています。
事業成長イメージ
「学園化」による「共に育ち、共につくり、共に生きる」コミュニティを通じ、育成された人材が価値あるサービスをつくり、豊かな社会の一員として実現していきたいと考えています。
事業成長イメージ
当社は人材が成長の源泉です。「学園化」により、従業員が「最適なラーニングゾーン」で学べ、しっかりと仕事ができる環境を作っていこうと考えています。
当社は、「1人当たり売上高×社員数=売上・利益成長」を成長モデルとする事業を行っています。1人当たりの売上高を上げるために従業員を育成し、より価値の高いサービスの提供と、社員数増加の両輪をしっかり回していきたいと考えています。
M&Aの方針
M&Aも引き続き行っていきます。特に当社は、プログラマティックなM&Aを確実に実行していくべく、年に1件から2件以上の中小規模の買収を実施し、それらの累計で会社を成長させていきたいと考えています。
M&A(事業譲受や運営移管・共同運営)の方向性(オンラインゲーム事業)
オンラインゲーム事業については、他とは少し異なる成長イメージです。タイトルを譲り受ける運営移管、または他社との共同運営を通じて売上を伸ばしていきます。
コーポレート
株主還元方針です。先ほどご説明したとおり、今回から株主還元を総還元性向から配当性向に切り替えています。
コーポレート
最後に、当社のIR情報のコンテンツと発信力の充実に関する取り組みをいくつか行っています。個人投資家さま向けのIRに関しても引き続き強化を図っていきます。
説明は以上となります。今後ともアピリッツをよろしくお願いします。