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中原徹也氏:こんにちは。株式会社豆蔵デジタルホールディングスの2025年3月期第2四半期決算説明会を開催します。代表取締役社長の中原徹也です。よろしくお願いします。

本日の目次です。会社概要、2025年3月期第2四半期決算概要および通期見通し、各サービス領域の業績と状況についてご説明します。

SIer/DXコンサルを超越するデジタルシフト・サービスカンパニー

会社概要です。当社は、株式会社豆蔵を中心に、AIソフトウェアおよびロボット工学といったアカデミアな要素技術を持っていることが大きな強みです。このような要素技術を、お客さまの持っているコアな技術や先端的な技術と組み合わせることで、お客さまの企業体質のデジタル化を支援していきます。

そして、お客さまのコア技術とこれらの技術を結びつけることで、新規事業および新規サービスを構築する取り組みを図り、デジタルシフトを牽引していきます。

DX推進に向けた豊富なサービス領域

私どものサービスについてご説明します。1つ目のクラウドコンサルティングは、日本特有の課題である内製化の推進やソフトウェアモダナイゼーション、クラウドERP導入などの取り組みを図っています。

2つ目のAIコンサルティングは、若いコンピューターサイエンスをしっかりと持った事業部です。生成AIを導入したプロジェクトやデータドリブン経営を追求しているお客さまのもとで、データ利活用やデータ連携基盤の構築を行っています。

3つ目はAIロボティクス・エンジニアリングです。私どもは、10年前に産業ロボットを構築した経験を持っています。そこにAIを駆使して、新しいサービスや取り組みを行っています。具体的には、食品業界を含めたサービス産業へのインテグレーション、ロボットメーカーが次世代の製品を作る支援などを行っています。

4つ目はモビリティ・オートメーションです。こちらは名古屋地区にある会社で、製造デバイスのCASE化、ADAS化対応の構築・開発を行っています。豆蔵同等のコンサルティング事業を立ち上げ、IoT・AIを使いながら、ファクトリーオートメーションおよび製造現場の品質改善を支援しています。

4つのサービス領域を有する意義

こちらのスライドは、4つのサービスがお客さまから見てどのような価値があるかをご説明した図です。

まず、日本企業特有の課題が2つあります。1つ目は基幹システム刷新が避けて通れない状況であること、2つ目は内製化が進んでいないことです。この2つの課題は、クラウドコンサルティングセグメントで解決を図っています。この課題解決を図った後、もしくは図りながら、お客さまは2つのDXに取り組みます。

1つはエンタープライズDXです。お客さまの企業体質を変える、および新しいサービスを開発するDXの取り組みを行います。AIコンサルティングセグメントでは、AIを活用した高度DX化の課題解決をしていくためのご支援を行っています。

また、AIロボティクス・エンジニアリングセグメントでは、お客さまが持っているコア技術と、私どもが持っているAIロボティクス技術の組み合わせを図りながら、新規事業や新サービスに取り組んでいます。

もう1つは、モノづくりDXです。モビリティ・オートメーションでは、車のモノづくりDXに取り組んでいます。このようなかたちで、お客さまから見て非常に価値のあるサービスを提供することができています。

MBOから2024年6月新規上場までの軌跡と事業変革

私どもはMBOを実施し、構造改革と事業改革を経て今の状況に至っています。実際に行った構造改革と事業変革の内容について簡単にご説明します。

1つ目のクラウドコンサルティングでは、クラウドビジネスを強化できており、AWSを中心としたプロジェクト案件が拡大しています。

2つ目のAIコンサルティングでは、この5年で博士課程、大学院卒の若い人材を多く採用することができています。また、先進的な生成AIプロジェクト等にしっかりと取り組み、収益を高められています。

3つ目のAIロボティクス・エンジニアリングでは、従来持っているロボティクス技術にAIを融合させて新しいサービスを図ることで、マーケットを非常に広げることができています。

4つ目のモビリティ・オートメーションでは、車載ECUの開発を行っていましたが、CASE化・ADAS化という新しい領域にしっかりと進むことができています。また、豆蔵と同等のコンサルティング事業を立ち上げ、ファクトリーオートメーションを中心とした収益性の高い事業に転換することができています。

事業変革の結果 ー MBO前後で大幅に経営効率を改善

これらの取り組みの結果が、数字としてどのように表れているかをご説明します。スライドには、2019年3月期と2025年3月期を比較した数字を示しました。

もともと約2,000名いた社員数が約800名になったため、売上高は約240億円から約100億円へ減っています。一方で、営業利益は約24億円から約20億円、営業利益率は10パーセントに満たない状態から19.6パーセントとなりました。

1人当たりの生産性を非常に高めることができ、経営効率化が大変順調に進んだ結果が数字に表れています。

事業変革の結果 ー MBO後、業績は順調に推移

連結売上高と連結営業利益についてご説明します。連結売上高の年間平均増加率は9.2パーセント、営業利益の年間平均増加率は21.8パーセントとなっています。

営業利益率は2021年3月期の12.7パーセントから、今期は19.6パーセントを目指しています。年々増加を図ることができており、MBOの成果は如実にしっかり表れています。

事業変革の結果 ー 優秀な人材確保と高い定着を実現

事業変革の結果である、優秀な人材確保と離職率の低下についてご説明します。

2022年3月期の離職率は7.9パーセントでしたが、今期は7.1パーセントを目標に掲げています。上期が終わったタイミングでも離職率は減っている状況のため、十分に目標達成できると考えています。

トピックスとしては採用が好調です。当初は760名と考えていましたが、上期が終わったタイミングで766名となり、数字をアップデートできています。優秀な人材をしっかりと確保していきたいと考えています。

2025年3月期第2四半期累計連結業績と通期予想

2025年3月期第2四半期の決算概要および通期見通しについてご説明します。売上高は前期比9.3パーセント増、営業利益は前期比6.3パーセント増となり、増収増益を図ることができました。

2025年3月期第2四半期累計経常利益 前期比較 ー 特殊要因(一過性コスト)

特殊要因として、大きく分けて3つの一過性コストが発生しているためご説明します。新人教育の教材改訂費で4,400万円、本社移転関連費で2,000万円、上場関連費で2,500万円、合わせて8,900万円の一過性コストが生じています。

スライド右側に数字を記載していますが、こちらを考慮すると、営業利益は前期比で13.4パーセント増の10億3,500万円、経常利益は前期比11.7パーセント増の10億3,700万円となり、しっかりと成長を図ることができています。

この一過性コストは、予算に反映した上で取り組んでいるとご理解いただければと思います。

連結業績推移

連結業績推移、特に通期に対する進捗率についてご説明します。売上高進捗率は49.9パーセント、営業利益進捗率は46.9パーセントです。いずれも、予算値をしっかりと超えて推移できています。

社員の採用が順調に進み、社員の退職率が減っていることが、大きな寄与のポイントとなっています。

サービス区分別の業績推移

サービス区分別の業績推移です。売上高は前年同期比9.3パーセント増です。そのうち、クラウドコンサルティングは前年同期比2.9パーセント増と少し伸び悩んでいる状況ですが、ほかの事業は順調に推移しています。

売上総利益は、クラウドコンサルティングおよびAIコンサルティングが若干伸び悩んだものの、AIロボティクス・エンジニアリングとモビリティ・オートメーションは順調に伸ばすことができました。

クラウドコンサルティング

クラウドコンサルティングについてです。マーケット感としては、昨年から基幹系システムにおけるレガシーシステムからの刷新需要が非常に高く、今年も維持されていると考えています。また、内製化の遅れによる人材育成への提案も進んでいます。

そのような状況の中、私どもの予期せぬところでERPプロジェクトが2件ほど凍結となってしまいました。こちらが業績に影響を与えています。ただし、第3四半期以降にしっかりとリカバリーできていますので、潤沢なマーケット内で営業強化を図っていこうと考えています。

重点施策としては、人材がきちんと採用できているため量的成長の強化を継続していきます。質的成長に関しては、生成AIのサービスを発表しているため、そこで業績を伸ばしていきたいと考えています。

AIコンサルティング

AIコンサルティングについてです。AIということもあり、マーケットはもちろん非常に順調に伸びています。その中で、第2四半期において2つほどの案件開始時期が第3四半期にずれ込むという事象が発生しています。

その影響で、売上総利益が前期と比べて若干マイナスになっています。ただし、上期の間に営業強化を図ることができたため、第3四半期以降は好調だと予測できています。

今後の重点施策については、採用が非常に好調であるため、量的成長はしっかり行えると考えています。質的成長に関しても、マルチモーダルAIに対応した新規サービスの開発を図っており、今後はそのサービスを中心とした事業強化を図ることを見通しています。

AIロボティクス・エンジニアリング

AIロボティクス・エンジニアリングについてです。ロボティクス業界は、今年度に入ってから特に少量多品種のサービス産業からのロボットの引き合いが増えており、売上高が非常に伸びています。オートモーティブ業界も、OEMメーカーからのソフトウェアを中心とする強化支援依頼が非常に増えており、売上高に寄与しています。

その結果、売上総利益は前年同期比9.2パーセント増と伸ばすことができています。社員が増えたことで労務費も増えている影響もあり若干伸び悩んでいますが、その分下期にしっかりと伸ばすことを見通しています。

重点施策としては、AIとロボティクスが融合する新しい取り組みを、ロボットメーカーおよびサービス産業に提案していきたいと考えています。

モビリティ・オートメーション

モビリティ・オートメーションについてです。ハイブリッド自動車の生産ライン数が非常に増えていることもあり、案件が活況です。特にOEMメーカーや部品メーカーを中心としたDX投資が活況で、そちらに対して本事業でアドレスを図ることができていると思います。

また、単価アップが大変順調です。それが確実に寄与した結果として、売上高が前年同期比8.9パーセント増、売上総利益が前年同期比17.3パーセント増と強く伸びています。下期においても、この成長を図ることができると考えています。

ご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。