2025年3月期第2四半期決算説明

阿部光男氏:TREホールディングス株式会社代表取締役社長COOの阿部です。平素より、TREホールディングス及びグループ各社をご支援いただき、誠にありがとうございます。

まず、本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震、及び9月に発生した奥能登豪雨において被害に遭われたみなさまに、あらためてお見舞い申し上げます。一日も早く復興し、元の生活を取り戻せるよう、当社グループも全力を挙げて貢献していく所存です。

株主や投資家のみなさまのおかげをもちまして、2021年10月1日に設立されたTREホールディングスは設立から3年が経過し、4年目を迎えることができました。

2024年5月には、第2次中期経営計画「『WX環境企業』への挑戦」を発表しました。私どもの業種は多くの事業で国や自治体の許可を必要とし、その手続きには数年単位の長い時間がかかります。

中期経営計画であらためて打ち出した、千葉県市原市における「TRE環境複合事業構想」、福島県相馬市における「相馬サーキュラーパーク構想」、2024年4月1日付で新設した公民連携推進部が主導する民設、民営による自治体への提案、動脈企業との連携などは、今期や来期にすぐ事業化できるものではありませんが、着実に手続きを進めています。

即効性のあるM&Aも加速させることで、長期的には売上高3,000億円を目指し、わが国に必要不可欠な企業集団となるため、株主、投資家のみなさまにおかれましては、ぜひ長い目線で株式を保有していただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

決算の概況【連結】 <当中間期決算の概況>

決算についてご説明します。連結決算の概況です。前年同期比で、売上高は20.6パーセント増の536億7,100万円、営業利益は117.7パーセント増の68億9,600万円、経常利益は112.3パーセント増の67億2,200万円、親会社株主に帰属する中間純利益は117.1パーセント増の43億5,700万円と、いずれも中間期としては過去最高となりました。

廃棄物処理・再資源化事業では、令和6年能登半島地震の復旧・復興支援事業が進展したこと、資源リサイクル事業では第1四半期において廃家電等の入荷が好調だったこと、再資源化の徹底、非鉄相場の高値推移等の要因により、増収増益となりました。

当中間期が好調に推移したことから、10月15日に業績予想を修正しています。修正後の通期予想に対する進捗率は売上高で52パーセント、営業利益と経常利益で57パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益で63パーセントとなっています。

業績予想修正の発表後、「下期の見通しが保守的ではないのか」とのご意見、ご質問をいただいています。能登半島地震の復旧・復興支援事業においては、冬場の降雪による影響が見込まれることや、足元の事業環境等を勘案しています。

通期業績予想の修正及び株主配当について

通期業績予想の修正についてご説明します。期初や第1四半期の開示時点で、見通しが難しかった能登半島地震にかかわる復旧・復興支援事業がある程度進展したこと等を踏まえ、修正しました。これが達成できれば、TREとして過去最高の業績になる見通しです。

配当については、本年度からスタートした第2次中期経営計画期間中は総還元性向35パーセントから40パーセントを目安としていることから、期初予想の年間40円配当を据え置きました。なお、9月には80万株、金額にして13億2,900万円の自己株式を取得しました。

建設廃棄物に関わる市場環境

物価高の影響で新設住宅着工戸数は低迷する一方、建設工事受注高は堅調に推移しています。ただし、足元での建設資材高騰や働き方改革に伴う建設工事が休みになる日の増加、作業員不足による工期の延期等には注意が必要と認識しています。

資源リサイクルに関わる市場環境

鉄スクラップ市況についてご説明します。第1四半期においては、トン当たり5万円を上回って推移していました。第2四半期には、急激な円高の進行や、安価な中国製の鉄鋼半製品がアジア圏への流入などの影響により需要が減退し、4万円を割る水準まで下落しました。足元では為替が円安に戻ったこともあり、4万円台を回復しています。

セグメント別売上高及び営業利益、営業利益率

セグメント別の売上高及び営業利益、営業利益率です。廃棄物処理・再資源化事業では、前期比52パーセント増加し、営業利益は前期比208パーセントの増益となりました。資源リサイクル事業では、売上高が前期比3.3パーセント増加し、営業利益は前期比19.8パーセントの増益となりました。

再生可能エネルギー事業では、売上高が前期比0.5パーセント減少し、第2四半期単独では黒字を確保したものの、第1四半期の赤字を補いきれませんでした。中間期としては、1億5,100万円の営業損失となりました。

その他については、前期比54.5パーセント増加し、営業利益は前期比で約8.7倍となる3億1,600万円を確保しました。

セグメント別売上高増減分析(対前年同期比)

セグメント別営業利益増減分析(対前年同期比)

セグメント別の売上高、営業利益の増減要因についてです。廃棄物処理・再資源化事業では、タケエイにおける4月からの単価改定は順調に進捗しています。令和6年能登半島地震において被害が大きかった輪島市や珠洲市では、仮置場の管理運営を担っています。

前期第4四半期から災害廃棄物を受け入れている、北陸環境サービスの管理型最終処分場に加え、8月には門前クリーンパーク管理型最終処分場が開業しました。石膏ボードを扱う3社は低迷したものの、前期に子会社化した廃ペットボトルを扱うタッグが加わったこともあり、セグメント全体では増収増益となりました。

資源リサイクル事業では、第2四半期に鉄スクラップ価格の急落や建設解体屑、使用済自動車の取扱量減少がありました。しかし、第1四半期に資源相場が高位であったことや、廃家電の取扱増加により、選別後の鉄・非鉄金属類の売上及び売却益が増加しました。その結果、中間期全体では増収増益となりました。

再生可能エネルギー事業では、大仙バイオマスエナジーと津軽バイオマスエナジーにおいて、発電所の法定点検や定期修繕により稼働時間が前期比で減少しました。電力小売では販売電力量が増加したものの、前期高採算だった卸売先との取引条件改定の影響等を受け、減収減益となりました。

その他については、富士車輌が大型受注を継続していることに加え、環境コンサルティングの2社も大型プロジェクトやアスベスト調査事業が堅調に推移し、増収増益となりました。

売上高実績・営業利益実績推移

四半期ごとのセグメント別売上と営業利益の推移は、スライドのとおりです。

通期業績予想の修正(セグメント別)

修正後の通期業績予想におけるセグメント別のブレークダウンは、スライドのとおりです。

キャッシュ・フロー(CF)の状況

キャッシュ・フローの状況です。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益や減価償却費等の収入があった一方で、売上債権及び契約資産額の増加が影響しました。この増加は、能登関連事業の拡大に加え、債権の入金までに時間を要することが要因です。加えて、災害損失の支払額等により3億8,100万円の収入にとどまりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、新たな事業拠点や既存設備の更新などに伴い、58億5,800万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れ等による収入が長期借入金の返済や自己株式の取得等の支出を上回り、60億700万円の収入となりました。

以上より、当中間期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ5億3,100万円増加し、211億9,400万円となりました。

設備投資・減価償却費・のれん償却

当中間期の設備投資は、前年同期比で7億4,100万円増加し、61億3,600万円となりました。減価償却費は6億9,900万円増加し、34億7,000万円となりました。第2次中期経営計画を牽引するTRE環境複合事業や、リバー壬生事業所等への投資を進めていきます。

TOPICS 令和6年能登半島地震への対応状況について

TREグループのトピックスについてご説明します。能登の復旧・復興支援事業については、輪島市と珠洲市の仮置場の運営のため、400人以上のグループの社員、協力会社、現地採用者が関与し、復興事業を支えています。

9月21日に発生した令和6年奥能登豪雨により、一部の仮置場で冠水や搬入路が寸断される被害がありましたが、現状は通常業務を行っています。輪島市と珠洲市においては、震災に伴う廃棄物に加え、豪雨災害による廃棄物も受け入れています。

「能登の復旧・復興支援事業はいつまで続くのか?」というご質問を大変多くいただいています。石川県では、公費解体の完了目標は2025年10月末、災害廃棄物の処理完了は2026年3月末と期限を設定されています。我々は、その期限までに災害廃棄物の処理を完了させるべく取り組んでいます。

TOPICS 門前クリーンパーク管理型最終処分場・北陸環境サービスの状況

門前クリーンパークは8月に開業しました。軽微な修復・補修工事を行いつつ、当面は能登半島の復旧・復興のため、災害廃棄物のみを受け入れています。

門前クリーンパーク開業までは、北陸環境サービスも、災害廃棄物のうち管理型最終処分場で受け入れる廃棄物を一手に担ってきました。門前クリーンパーク開業後もそれぞれ連携し、復旧・復興支援事業を推進していきます。

TOPICS 再生可能エネルギー事業の最新情報

再生可能エネルギー事業における取り組みです。第2次中期経営計画でも電力小売の強化を掲げていますが、タケエイでんきでは、グループの発電所にて、建設廃棄物を燃料として発電した電気を当該建設現場に供給するといったモデルを強化しています。既存事業とのシナジーを発揮すべく、営業体制を拡充しています。

花巻バイオチップが「令和6年度ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」を受賞しました。林業者の雇用創出、花巻市のカーボンニュートラル達成への貢献、林業の再生と活性化に寄与し、高度循環型社会・脱炭素社会の実現への貢献等が評価されたものです。

各発電所の修繕等の計画です。期初計画から変更もありますが、安定稼働に資するよう、現場の状況等を勘案し、機動的に運営しています。

TOPICS リバー壬生事業所(仮称)の最新情報と資源相場の影響について

リバー壬生事業所の工事の進捗状況です。壬生事業所は、大型シュレッダーにより破砕されたダストから、金属やプラスチック等の有価物を選別するための新工場です。

年間4万8,000トンのダストから、その50パーセントにあたる2万4,000トンを再資源化する計画です。ダスト処理費の削減には、大きな利益効果があります。現在は工場の棟上げが完了し、2025年8月の稼働に向けて準備を進めています。

資源リサイクル事業における資源相場の影響についてです。第1四半期は資源相場高騰の影響もあり、資源リサイクル事業は増収増益となりましたが、第2四半期は資源相場が下落基調となりました。そこで、資源相場が当社の資源リサイクル事業に与える影響についてご説明します。

スプレッド事業では、建設解体業者等から鉄筋、鉄骨等を仕入れ、加工を加えて、電炉メーカーへ売却します。電炉メーカーの買取価格の変動に合わせて仕入価格も変動させるため、売上は相場変動の影響を受けますが、粗利は一定となります。

非スプレッド事業は、搬出者から処理料をいただいて廃棄物を受け入れ、中間処理をして鉄や銅、アルミ等を選別し、電炉メーカーや非鉄製錬メーカーに売却するビジネスモデルです。したがって、選別品の仕入価格はゼロであるため、売上が粗利となります。売上・粗利の部分は、相場変動の影響を一定程度受けますが、処理料は相場の影響を受けません。

株主・投資家のみなさまにおかれましては、高度循環型社会・脱炭素社会の実現に貢献するTREグループを引き続きご支援いただきますよう、あらためてお願い申し上げます。