2025年3月期 第2四半期決算説明

前垣内洋行氏(以下、前垣内):みなさま、こんにちは。カクヤスグループ社長の前垣内です。本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。それでは、カクヤスグループ、2025年3月期第2四半期決算についてご説明します。

今回の構成は目次のとおりです。ハイライトに始まり、決算概要、セグメント別業績、重点施策、業績予想の進捗、今後の方針、株式分割と配当予想となっています。

また、APPENDIXもありますので、こちらの資料も併せてご覧ください。

1.2025年3月期 第2四半期(中間期) ハイライト

ハイライトです。中間時点での総括については、前年同期比で増収減益となりました。増収の要因は、主力の飲食店向けが好調であったこと、反対に減益の要因は、物流強化のための人員増と、前期実施したベースアップによる人件費の増加です。

詳細は後述しますが、今後の方針は次の3点をあげています。

1つ目は、8月に買収した大和急送の他人物配達機能と、当社グループが保有するクイックデリバリー機能を融合させるため、物流の事業再編を行います。2つ目は、酒類以外の商品カテゴリを拡充するために、事業再編を行います。そして3つ目は、仕入れ価格や各種コストの高騰に対して、適切な価格転嫁を行います。

特に1つ目と2つ目の方針について、これらの取り組みが、最終的に他社さまにもご参画いただく必要がある内容だとの判断から、今回お示しをしています。

2.2025年3月期 第2四半期 (中間期)決算概要ー連結損益計算書

2025年3月期第2四半期の決算概要です。まずは連結損益計算書についてです。売上高は前年同期比プラス3.6パーセントの659億5,900万円、売上総利益は前年同期比プラス6.8パーセントの151億8,900万円、売上総利益率は23パーセントと、前期に比べて0.7ポイント改善しています。販売費および一般管理費は前年同期比プラス10.3パーセントの144億3,700万円となっています。

また、営業利益は前年同期比マイナス33.6パーセントの7億5,100万円、経常利益は前年同期比マイナス37.3パーセントの7億1,300万円です。また、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比マイナス35.3パーセントの2億8,200万円となっています。

2.2025年3月期 第2四半期 (中間期)決算概要ー販売費及び一般管理費

販売費および一般管理費についてです。販管費全体で前期と比べ、13億5,200万円増加しています。その増加分の大半は人件費の12億3,900万円で、その要因は、前期10月のベースアップや物流強化のための人員増加です。

人件費以外では、前期放送したテレビCMを、今期は放送せず、広告宣伝費は2億1,100万円減少しています。また、配達人員の内製化により、業務委託費が1億5,900万円減少しました。

2.2025年3月期 第2四半期 (中間期)決算概要ー営業利益以下

営業利益以下について、ここでの特記事項としては、特別損失において固定資産の減損損失が前期よりも少なく計上されていることです。

2.2025年3月期 第2四半期 (中間期)決算概要ー連結貸借対照表

連結の貸借対照表についてです。資産合計は340億7,700万円で、前期末よりも1億2,300万円増加し、負債合計は298億7,400万円となり、前期末より3,600万円増加しています。また、純資産合計は42億300万円で、前期末より8,700万円の増加となりました。

期首との動きで見ていくと、大きな動き、特記事項はありません。また、自己資本比率について、期首で12.1パーセントでしたが、中間では12.3パーセントとなり、0.2ポイント改善しています。

2.2025年3月期 第2四半期 (中間期)決算概要ー連結キャッシュフロー計算書

連結キャッシュフロー計算書です。営業活動によるキャッシュフローが11億9,000万円、投資活動によるキャッシュフローがマイナス13億5,400万円、財務活動によるキャッシュフローはマイナス5,300万円となっています。

主なキャッシュの動きですが、投資活動によるキャッシュフローにおいて、店舗などの出店や、アプリ開発などのシステム投資による8億円の支出増加が影響して、前年同期に対して8億円のキャッシュの減少となりました。

3.セグメント別業績

セグメント別の業績です。売上高は、時間帯配達事業では前年同期比プラス6.2パーセントの385億7,800万円、ルート配達事業は前年同期比プラス6.5パーセントの188億1,400万円、店頭販売事業は前年同期比マイナス6.8パーセントの77億6,400万円となっています。

営業利益は、時間帯配達事業は前年同期比プラス12.2パーセントの11億100万円、ルート配達事業は前年同期比プラス4.2パーセントの3億7,000万円、店頭販売事業は前年同期比マイナス87.8パーセントの3,800万円です。

3.セグメント別業績ー時間帯配達事業

セグメント別に、状況を客数と客単価でご説明をします。右のグラフは、青い線が客数で、赤い線が客単価を示しています。

最初に、時間帯配達事業についてです。客単価は、値上げを行ったことと、客単価の高い個人飲食店の取引先を順調に開拓できているため、客単価は堅調に推移しています。

客数については、個人飲食店への配達件数が増加したため、宅配のための配達枠を設定し切れず、客数は減少しています。

宅配向けの配達枠を追加するために、大和急送に対し、配達の業務委託を順次行うことで対応しています。

3.セグメント別業績 ー ルート配達事業

ルート配達事業についてです。客単価は、値上げの影響などにより堅調に推移しています。スライド右側のグラフでもおわかりいただけるように、7月の落ち込みについては、前期7月に一部取引先のフェアなどによる売上の増加があり、今期7月はその反動減となっています。

客数は、飲食チェーン店の売上が順調に伸びており、取引先の店舗数は安定的に推移しています。

3.セグメント別業績 ー 店頭販売事業

店頭販売事業についてです。前期の7月から9月に実施された自治体による消費喚起のためのキャンペーンの反動影響により、今期の客数・客単価が前期に比べ減少しています。

3.セグメント別業績

セグメント別の売上構成と、売上高と営業利益の推移についてです。売上構成は、時間帯配達事業が約60パーセント、ルート配達事業が約30パーセント、店頭販売事業が約10パーセントです。

売上高と営業利益の推移は、時間帯配達事業とルート配達事業では、前期を超えて推移しているものの、店頭販売事業では、前期を下回る結果となっています。

4. 重点施策と進捗 ー 個人飲食店の強化

重点施策と進捗として、個人飲食店の強化についてご説明します。個人飲食店のお客さまは、もともとコロナ禍からの回復も早く、足元ではインバウンドの需要などもあり、酒類を中心とした配達の需要が高い状況が続いています。

これに対し、我々は営業部隊を増強し、物流機能を前面に出した営業を行うとともに、酒類以外の商品の提案も行い、個人飲食店への販売強化を進めています。

4. 重点施策と進捗 ー 物流体制強化

物流体制の強化についてです。いくつかの項目で取り組みをしています。繁華街を中心により多くの注文を頂戴するために、飲食店向けの出荷拠点を増設しています。また、DXを活用し、最適なルートで配達できるナビゲーションの導入を行っています。

人員については、免許がなくても配達できるリアカー付き自転車や台車による配達を充実させています。さらに、大和急送によるグループ内での配達業務委託を始めるなどの取り組みを行っています。

4. 重点施策と進捗 ー PB商品拡大

PB(プライベートブランド)商品の拡大についてです。PB商品の売上高は、前年同期比約20パーセントの増加をしています。この施策は、お客さまに対し、高品質で低価格な商品をご提供するためのもので、我々にとっては、利益率の改善につながる施策となっています。

PB商品として、さまざまな商品があります。スライドの画像で示したとおり、左側の「飛鳥山」というウイスキーや、真ん中の「プレミアムプロースト」というビール、右側の「おつまみチョイスシリーズ」というおつまみ類などが特に好評をいただいています。

4. 重点施策と進捗 ー DXの推進

DX推進についてです。物流強化の部分でも一部ご説明しましたが、それ以外の点でお伝えすると、カクヤス公式アプリを10月7日にリニューアルしました。

アプリの使用感の向上と、会員情報の一元管理により、最適な販促を行い、お客さまの購買体験の改善につなげていきます。また、DXの専門部署を立ち上げており、今後も継続的にこのような取り組みを行っていきます。

4. 重点施策と進捗 ー サステナビリティ

サステナビリティについてです。現在強化している我々の2way型サービスは、商品のお届けを行い、空容器を回収するといったサービスのことです。これによる資源循環、サーキュラーエコノミーの取り組みについてご説明します。

1つは、廃食用油の回収です。飲食店や一般のご家庭から生じた廃食用油を一斗缶であれば100円、ペットボトルであれば3円で資源として買い取りします。これは最終的にSAF(再生航空燃料)等に再資源化するものです。実績として、6月から10月までの5ヶ月間で、約20トンの廃食用油を回収し再資源化しています。

また、リターナブル容器としてすでに定着している瓶ビールの販売を訴求しています。瓶ビールは、消費量としては減少傾向であるものの、容器の資源循環としては商流が確立しています。昔懐かしい瓶ビールの宅飲みスタイルを提案することで、資源循環につながる瓶ビールの消費量を向上させたいと考えています。

BSテレ東で、「晩酌放浪歌」という1社提供の番組を、土曜日の22時から30分番組として放送しています。過去分は、TVerやAmazon Prime Videoなどでも見ることができますので、ご興味があればご視聴いただけたらと思います。

5.業績予想の進捗

業績予想の進捗についてです。中間時点での進捗は、9月の修正後の予想に対し、売上高はほぼ予想どおりです。営業利益と経常利益は、予想を下回るものとなりました。中間純利益は、予想を超える結果となっています。

予想を下回る部分の要因については、店頭販売事業において、前年の自治体キャンペーンに代わる施策の効果が想定を下回る結果であったことが挙げられます。通期の予想については、中間時点の差分も含め、据え置きとしています。

6. 今後の方針

事業運営上の今後の方針については、次の3点を考えています。1つ目は、物流機能の強化と多様化のための事業再編です。8月に取得した大和急送の他人物配達機能と、東京23区内で展開するクイックデリバリー機能を融合させることで、自社のものでも他社のものでもクイックに配達できる物流の実現を目指していきます。この部分においては、他社さまとのさまざまな連携についても検討していきます。

2つ目は、取扱商品カテゴリを拡充するために事業再編を行っていきます。現在は酒類の取扱が中心となっています。しかし、将来的に酒類以外の商品カテゴリを、酒類に準ずる規模まで拡充を目指していきます。

3つ目は、適正な価格転嫁を実行していきます。仕入れ価格やさまざまなコストの上昇があるので、これに対して適正範囲で販売価格への転嫁を行っていきます。

これらの方針を掲げ、自社のみならず、他社さまとの連携を行っていけたらと考えています。

7. 株式分割と配当予想

株式分割と配当についてです。9月30日を基準日として1株につき3株の割合で分割を行いました。また、従来予想には変更なく、株式分割後の基準で、中間配当では1株あたり10円の配当を実施しており、期末配当も同様の配当を予想しています。

質疑応答:人件費について

司会者:「中間時点で、前期より人件費が増加した要因と、下期で想定される人件費の推移はどのようになりますか?」というご質問です。

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