はじめに:JDR(日本型預託証券)とは
石田裕樹氏:YCPホールディングス(グローバル)リミテッド取締役兼グループCEOの石田裕樹です。みなさま、本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
本日は第2四半期の決算説明会ということで、すでに弊社の概要をご理解いただいているみなさまも多いかと思いますが、あらためて弊社が取り組んでいるビジネスの内容と、第2四半期の決算説明、通期の見通しについてご説明したいと思います。
我々はシンガポール法人でありながらも東京証券取引所に上場しており、その枠組みとしてJDR(日本型預託証券)といわれる制度を活用しています。
日本においても、トヨタやソニーがADRというスキームを活用し、日本企業でありながらニューヨーク証券取引所に上場しています。
実は、ニューヨーク証券取引所ではADR制度を活用し上場するアメリカ以外の国の企業が約4割を占めます。
ADRの日本版ということでJDRと名前がついていますが、日本の証券取引所においても、JDR制度を活用することによって、さまざまな外国企業、特に日本と近しいアジア企業が日本の証券取引所に上場していくための枠組みを設置しようということで、最近になって制度設計が進んだスキームです。現在、我々を含めて3社がJDR上場しています。
ニューヨーク証券取引所全体の4割がADR制度を活用しているのに比べると、日本は4,000社弱の上場企業がある中でまだ3社ということで、浸透が進んでいない制度ではありますが、コロナ禍もあり、なかなか浸透が進まなかったと理解しています。
今後、我々と同様にJDR制度を活用したアジア企業が東京証券取引所に上場していくことがどんどん増えるだろうと期待しながら、我々がファーストペンギンとなり先陣を切りました。
弊社は日本企業ではありませんがJDR銘柄として東京証券取引所に上場しているため、投資家のみなさまは日本企業の株と同様にJDRという証券を取引することができるというのが一番の利点です。
みなさまの議決権に関しては、三菱UFJ信託銀行がみなさまからの指図を受けて、みなさまに代わって間接的に議決権行使を行うということで、こちらも日本株と同様に議決権行使をすることができます。
投資参考指標のご案内
一方で、JDRは非常に新しい制度であり、活用している会社が現在3社しかないこともあり、特に個人投資家のみなさまが弊社の株式を売買しようと思っても、証券会社の取引プラットフォームで我々の財務諸表や業績、PERやPBRといった指標、場合によっては時価総額も正確に出ていないというようなご指摘をいただいています。
毎四半期の説明資料の中で、現在の状況や発行済株式総数、時価総額、PER、PBRなどについては、積極的に開示しています。しかし四半期ごとの開示のみならず、みなさまのプラットフォームでも我々の会社の情報がしっかりと開示されるように、JDR制度を推進する日本証券取引所のみなさまと歩調を合わせて取り組んでいるところです。年内にはそのような問題が解決するのではないかと期待しています。
来年、再来年には、JDRの銘柄が増えると同時に、日本株と同じような表現で、みなさまの証券会社の取引プラットフォームでも、他の会社と同様に我々の業績やPER、PBR、もちろん時価総額が適切に開示できるようになっていくと期待します。
そのために我々も証券取引所のみなさまと歩調を合わせながら、最大限努力しているということをお伝えします。
会社概要
第2四半期の業績についてご説明します。我々YCPホールディングス(グローバル)リミテッドは、先ほどからお伝えしているとおり、シンガポール企業です。私は今シンガポールオフィスからこの説明会に参加しています。
もともとは13年前に私が前職を辞めて独立し、ヤマトキャピタルパートナーズという会社を日本で興したのが弊社グループの創業となっています。
後ほどご説明しますが、さまざまなコンサルティングサービスを展開する中で、やはり経済成長著しいアジアにおいて、日本企業の支援をすることが非常に重要ではないかと考え、上海やシンガポール、あるいはバンコクにオフィスを展開しています。
そのような中で、やはり日本に本社を置いたまま、また上層部経営陣が全員日本人のままで海外展開を進めていくと、非常に優秀な中国人やシンガポール人、タイ人、インド人といった仲間がなかなか我々のグループに定着しないという課題に直面しました。
この課題を解決するために、本社機能をいったん香港に、そして直近ではシンガポールに移転するとともに、経営陣の顔ぶれも、日本人もいれば中国人、インド人もいるという国際色豊かな企業経営を実現していくことで、本社を置くシンガポールから22のグローバル拠点を管掌するかたちをとっています。
本社をシンガポールに設置し、グローバルファームを目指すことを強く意識して行ってきた結果として、スライド右側に記載の地域別のプロフェッショナル数のとおり、海外での仲間が非常にたくさん増えています。
特にインドでは200名、東南アジア100名と、人数でいうと日本地域よりも大きなビジネスに拡大するまでに至っています。
グループ全体では約500名のコンサルタントが在籍しており、我々はシンガポールに拠点を持つ、アジアに特化したコンサルティングファームとなっています。
事業概要及び当社グループの報告セグメント
コンサルティングを行うマネジメントサービス事業の周辺領域において、新たにプロフェッショナルソリューション事業という専門領域を立ち上げています。
また、我々は現在500名体制でマネジメントサービスやプロフェッショナルソリューション事業を展開する中で、一部のコンサルタントの力を借りて、我々自身で新たな事業を作ったり、我々自身で何か事業に投資をしたりしながら、投資先の事業拡大に努めるプリンシパル投資事業も手掛けています。
ここからは我々のビジネスを、マネジメントサービス、プロフェッショナルソリューション、プリンシパル投資という3つの事業セグメントに分けてご説明します。
過年度の業績推移と今期業績予想
全体では2023年度は121.8百万米ドル、200億円弱の売上を作ることができています。昨年の為替レートでは1ドル140円程度だったため、約180億円というのが実態になるかと思います。
今期は131.4百万米ドルの売上を想定しており、約200億円の売上を作ることができるのではないかと期待しています。
利益についても、しっかりと利益を出しながらビジネスを伸ばすということを目指しており、現状でいうと、2023年度で9.1百万米ドル、今年に入って10.7百万米ですので、約15億円の営業利益を達成するべく今期の経営に当たっているところです。
FY2024 Q2 累計 業績ハイライト
第2四半期の業績です。第1四半期はかなり苦戦したのですが、第2四半期でかなり盛り返すことができました。売上に関しては先ほど申し上げた約200億円の売上を見通すことができるぐらいまで回復しているのがこの第2四半期となっています。
一方、プリンシパル投資事業の投資先がそこまで大きく伸びませんでした。我々は日本が祖業の地ということで、日本におけるビジネスも大きいわけですが、去年の第2四半期に比べると、円の価値が約13パーセント下がっていることもあり、ドルベースでいうとなかなか苦戦しています。
円安の影響は特に営業利益で大きく出ており、2023年に比べると利益を大幅に落としています。しかし今期の通期については、ほぼ業績開示している予想どおりの見通しになっているというのが全体像です。
マネジメントサービス事業のご紹介
各事業の詳細についてご説明します。
まず、創業来取り組んでいるマネジメントサービス事業です。我々のコンサルティングサービスの特長としては、お客さまの現場に常駐しながら、数週間ではなく数年間にわたって長期的にお仕事をいただくということが挙げられます。
お客さまの企業に常駐するということを、プロジェクトマネジメントオフィスやPMO型あるいはインプリ(インプリメンテーション)型といった表現をされることがあります。
調査レポートのようなもので「御社の会社の今後の経営戦略はこのようにしたほうがいいのではないですか」という提案に終わるのではなく、そこから戦略を実現するためのお手伝いをすることに重きを置いた経営をとっています。
例えばM&Aにおいては、買い手の会社と売り手の会社が一緒になることで成立します。我々はM&Aが実現する1ヶ月か2ヶ月前に、「この会社を一緒にした時にはどのようなことをしないといけないか」というプランニングフェーズから入ります。
我々は100日プランと呼んだりしますが、実際にM&Aが実行されてから、だいたい3ヶ月、約100日間にわたり、M&Aの現場に常駐しながらかなり深く経営の統合をお手伝いしています。
100日間ですべての企業結合が終わるということではないため、M&Aを実行し、100日間で垂直的に経営の一体化を進めた上で、3年から5年ぐらいかけて大きな価値を生むような複数の経営テーマの実行に伴走します。
これがM&AにおけるPMOのイメージで、このようなサービスを日本のみならずアジア全域で提供しています。こうしたPMOを1個、2個の案件ではなく何十個という案件をグループで並行して手掛けることにより、サービスのノウハウを蓄積してきたのが創業以来の13年間のことです。
マネジメントサービス事業の業績
結果として、2024年度の第2四半期の業績については、9.0百万米ドル、15億円弱の売上を作ることができています。
第1四半期だけで見ると、2023年に比べて2024年がかなり落ち込んでしまったのですが、第2四半期にかけて2023年を超過するかたちで売上を作ることができています。
例年、第1四半期が非常に好調になるのは日本企業とインド企業の決算が3月末が多いためです。決算に合わせてさまざまなコンサルニーズが増えることもあり、だいたい例年、第1四半期が一番忙しいということになります。
今期はその第1四半期のニーズを大きく取ることができなかったものの、第2四半期に入って、2023年に比べて業績を超過するようなかたちで推移することができています。
一方で、地域ごとに見るとやはり良い地域もあれば悪い地域もあります。一番影響が大きいのはやはり日本地域です。
今年の第2四半期は1ドル152円で業績を計上していますが、昨年は130円台だったと記憶しています。昨年から今年に比べてだいたい13パーセントぐらい円安が進んでいることで、日本地域は大きな影響を受けています。
現在は1ドル145円ぐらいまで下がってきていますので、第3四半期以降は少し為替の影響は軽減していくのではないかと期待していますが、第2四半期に関しては152円ということで、非常に大きな為替の影響を受けたというのが1点です。
また、日本と東南アジア、中国に関連しますが、2021年に年間を通して500万米ドル、5億円から6億円ぐらいの規模のお仕事をいただいたM&A支援の案件があったのですが、そのお客さまが内製化を進めていく中で、我々とのコンサルティング契約の多くが満了となりました。もちろん一部のスコープを残していますが、大部分にわたって満了しています。
現在、この案件を担当してきたチームのうち、半分は他のプロジェクトで埋めることができていますが、もう半分はまだ埋めきれていないところもあり、日本、東南アジア、中国においては現在、2021年から2023年の終わりくらいまで2年間にわたって頂戴していたプロジェクトの打ち返しがまだできていないというのが2つ目です。
東南アジアなどはその影響が大きかったのですが、一方でそれを上回る売上拡大を見せることができています。東南アジア、日本企業、また欧米の企業からも引き合いがたくさん来ている中で、堅調に業績を伸ばすことができている地域もあります。
中国や一部日本で見られているような状況には細かく対応しながら、全地域において売上拡大を図っていきたいと考えています。
セグメント損益に関しては、従来、マネジメントサービス事業における日本の利益貢献が我々グループ全体の利益の6割ぐらいを占めてきたものの、円安によってその価値が大きく下がってしまいました。これをグループ全体で巻き返すことができず、減益となりました。
対策の1つは海外事業をしっかり伸ばしていくことにより、海外における利益貢献を大きくしていくことです。またこれは我々が貢献していることではありませんが、足元、円安の状況が一段落している状況において、日本地域全体の利益への貢献も少し戻ってくるのではないかと考えています。
シェンクオ社の完全子会社化(2024年4月)
足元では香港に本社を置くシェンクオ社(以下、Shenkuo)の買収完了を発表しています。Shenkuoは小さなファームであるため、全体のビジネスに大きな影響があるわけではありませんが、香港やパリに大きなオフィスがあります。例えばヨーグルトなど乳製品のダノン社や、スポーツウェアなどのアディダス社などが彼らの主なクライアントです。
ダノン社はフランス企業、アディダス社はドイツ企業ですが、このようなヨーロッパ企業を多く顧客に持ち、ヨーロッパ企業に対してアジアのビジネス戦略を売るコンサルティングファームであるShenkuoに仲間になってもらいました。
引き続き、このようなプロフェッショナルファーム、コンサルティングファームのM&Aには積極的に取り組んでいきます。
プロフェッショナルソリューション事業のご紹介
2つ目がプロフェッショナルソリューション事業です。
先ほどもご紹介したとおり、我々は祖業のマネジメントサービス事業を2011年から13年間かけて大きくしてきました。マネジメントサービス事業は、M&Aがあれば業容が一気に大きくなることはありますが、どうしても一人ひとり採用し、教育して、お客さまに高い付加価値を出すという意味では、大きく成長させることがなかなか難しいと日々感じています。
一方で、例えばDXに特化したコンサルティングやデジタルマーケティングに特化したコンサルティングのように、領域を狭めた専門チームを立ち上げることによって、非常に高い成長性を実現することができます。そのような発想で、一昨年からプロフェッショナルソリューション事業に着手しているところです。
スライド左側にスケーラビリティと記載しているとおり、マネジメントサービス事業よりも大きな成長を実現できるような専門領域に入っていきながら、我々がマネジメントサービス事業を通じて培った日々の企業の経営陣のお客さまのデータベースが現在7万件を超えるくらいまで育っていますので、この7万件のみなさまに「我々はこのようなDXのビジネスができます」「このようなマーケティングのお手伝いができます」ということを打ち出すことによって、クロスセルあるいはアップセルを実現するべく、このプロフェッショナルソリューション事業に一昨年から取り組んでいます。
現在は、DX領域と、マーケティングを支援するインタラクティブソリューションのチームを、弊社の中でゼロから立ち上げています。また昨年の8月には、サプライチェーンに関連したソリューションを提供するConsus Global社を買収し、3つの領域でサービスの展開を進めています。
プロフェッショナルソリューション事業の業績
プロフェッショナルソリューション事業部全体では、昨年130万米ドルだったものが、この第2四半期は270万米ドルということで、このセグメントにおけるサービスを大きくすることができています。一番大きいのは、8月に買収したサプライチェーン領域のConsus Global社の貢献で、これによってソリューション事業全体の底上げができています。
あわせて、DX領域やインタラクティブ領域は、今ほぼすべて日本でサービスを提供しているため、円安の影響が大きく向かい風の厳しいところですが、しっかりとビジネスの拡大を図っています。
プロフェッショナルソリューション事業は、昨年よりもビジネスを拡大することができていますし、第3四半期、第4四半期も加速度的に大きくなっているところですので、マネジメントサービス事業の拡大に合わせて、非常に高い成長率で大きくしていくことをぜひ実現していきたいと考えています。
1点ご注意いただきたいのは、昨年度はサプライチェーン領域のみをプロフェッショナルソリューション事業として開示しており、DX領域とインタラクティブ領域に関してはマネジメントサービス事業の一部としてご説明していました。
本日の説明で使っているスライドは、昨年の数値を改めて細かく分析し、実態としてDXのものはDXとして、マネジメントサービス事業のものはマネジメントサービス事業としてご説明していますので、昨年の説明とはやや異なっているということだけご理解いただければと思います。
したがって、過去の決算短信や有価証券報告書では、スライドのグラフの赤で囲んだ部分だけをプロフェッショナルソリューションとして開示していましたが、2024年度からは、この3領域をすべて合わせてプロフェッショナルソリューション事業ということで開示しています。
プリンシパル投資事業の概要
最後に、プリンシパル投資事業です。1つ目はパーソナルケア領域と言われるものです。こちらは赤ちゃん向けの日焼け止めや、男性向けの商材などを手掛けています。いわゆるD2Cということで、お客さまに直接サービスや商品を届けるものです。
2つ目は、主として動物病院を展開するペットケア領域です。3つ目は戦略投資領域で、飲食関連ビジネスなどに投資しています。
現在はパーソナルケアとペットケアの2つの領域に重点的に投資を行っています。
①パーソナルケア領域のご紹介
パーソナルケア領域の一番大きな投資先は株式会社SOLIAです。こちらは日本の会社で、弊社が90パーセントの株を保有しています。「ALOBABY」という赤ちゃん向けのスキンケアや、「AMBiQUE」という男性向けのパーソナルケア商材を扱う会社です。
D2C、つまり消費者のみなさまに直接商品を届けるようなデジタル系の新規のビジネスを行っており、かつそれを中国や台湾で売るということで、クロスボーダー取引もいち早く展開しています。
①パーソナルケア領域の業績
SOLIAの業績です。ドルベースで見ると売上がほとんど変わらなかったのですが、円ベースで見ると昨年15億円だった売上が17億円になったということで、しっかりとビジネス拡大を実現することができていますが、円の価値が下がっているため、ドルベースではフラットになっています。
一方で、引き続き年間3億円から4億円ほどの広告宣伝費を投下しながら、ビジネスの拡大に努めています。それだけの広告宣伝費の投下や、将来のための投資を行いながらも、毎四半期で利益をしっかりと上げることができています。
この四半期においても2億3,000万円ということで、営業利益をしっかりと出すことができていますので、引き続きこの会社の成長あるいは経営の拡大に貢献していきたいと考えています。
②ペットケア領域のご紹介
ペットケア領域についてです。今、11施設の動物病院を弊社グループの中で所有・運営していますが、そのすべてをM&Aで承継しています。事業承継にお悩みの動物病院の獣医師の先生方から、その病院の将来を我々に安心して託していただくということで、11病院すべてをM&Aで取得しグループ化しています。
あわせて、やはり事業承継でお悩みの病院では、病院のオペレーションが若干アナログであるケースが多いため、我々が得意とするDX化を進めることでより高い効率でビジネスを進められるよう、弊社グループとして貢献しています。
②ペットケア領域の業績
ペットケア領域では、この1年間は特にM&Aを行っていません。一昨年から去年にかけては、多くのM&Aを実行したため、ビジネスを大きく伸ばすことができましたが、去年からはM&Aで数を増やしていないため、業績はほぼフラットです。ただし、業務効率の改善やマーケティングの強化を通じて、売上を3パーセント上げることができました。
一方、東京都練馬区で大型病院を5月に移転させたため、この病院移転に関する一時費用の影響で減益となっていますが、全体感としては非常に大きく利益をあげられる構造になりつつあります。
③戦略投資領域のご紹介
戦略投資領域についてです。それぞれの投資先は小さいため、全体の業績に影響を与えることはありませんが、例えば香港でつけ麺屋のフランチャイズを行ったり、シンガポールで「哲平食堂」という海鮮丼屋を自分たちで立ち上げてビジネスを拡大したりしています。
また、最近、香港や、シンガポールなどの東南アジアに、明治屋やドン・キホーテなどの日系小売チェーンの出店が増えています。我々はそこで販売するお惣菜の一部を作ってご提供するセントラルキッチンの会社を持っています。
加えて国内では、北海道札幌市に「海味はちきょう」といういくら丼のかけ放題などを提供する居酒屋を持っています。さらに、シニア向けのサービスということで、武蔵野御廟という会社にも投資しています。
このように新しく将来の重点領域になるようなところで、足元で投資している投資先を戦略投資領域ということで一体として開示しています。
③戦略投資領域の業績
戦略投資領域は売上も利益もまだ大きくないため全体への影響は大きくありませんが、細かく一つひとつの投資先を経営しながら、将来大きなビジネスのテーマが見つからないか、グループの中で検討しているところです。
グループ全体の成長戦略
今期の見通しの前に、中長期で取り組んでいるグループの成長戦略をご説明します。
祖業であるマネジメントサービス事業については、今300名ぐらいの体制で展開していますが、ここをいち早く500名体制、売上でも100億円ぐらいにしたいと考えています。現在の売上は60億円ぐらいですが、300名で60億円売っているものを、500名で100億円ぐらいのビジネスに育て上げることが、我々のグループ全体の一丁目一番地の事業戦略だと考え、経営陣で取り組んでいます。
加えて、60億円を100億円にがんばって伸ばしていくことに加え、上場企業のより魅力的な成長性としてみなさまに打ち出していくため、プロフェッショナルソリューション事業へビジネスを拡大させています。
ここに関しては、一昨年からビジネスを展開していく中で、すでに相応の結果を出すことができていますので、向こう3年間、5年間で、プロフェッショナルソリューション事業の中で数千名の社員を擁するようになるまで、ビジネスの拡大に投資していきたいと考えています。
さらに、プリンシパル投資です。我々は第三者の資本やベンチャーキャピタルのお金を迎えることなく、すべて自分たちのお金で上場に至っていますが、それができた一番大きな理由は、プリンシパル投資をいくつか成功させてきたことが挙げられます。
投資をして投資先の経営支援をして、良いかたちで投資の売却をすることができたため、グループの中に常に潤沢な資金があって、IPOをするまでその資金を活用しながらビジネスを大きくすることができました。
今回ご説明したいくつかの投資先は、非常に大きな規模になってきています。今後もそのような投資先の経営支援を継続的に行いながら、より良いかたちでの売却を模索し、売却で得た資金をグループの中で最大回収して、売却で得た資金を例えばプロフェッショナルソリューション領域における何か新しいM&Aに活用することで、非連続にビジネスを大きくしたいと考えています。
2024年12月期 グループ連結業績予想
中期経営計画です。今期に関しては冒頭で申し上げたとおり、200億円ぐらいの売上と営業利益で15億円ぐらいまでは実現可能だと考え、期首で開示した計画を維持しながら経営にあたっています。
将来的には、中期経営計画の中で、250億円から300億円ぐらいの絵姿を開示していますが、この中には追加的なM&Aは織り込んでいません。
我々がIPOした時は円で80億円ぐらいの業態でしたが、昨年度の売上は180億円ぐらいの売上になりました。IPOで得た35億円ぐらいの資金を活用しながら、業容を2倍程度に拡大することができています。
同様に、今プリンシパル投資の投資先のいくつかの売却が見えてきているため、そのような投資先の売却で得た資金をグループの中で最大活用させながら、この250億円から300億円という絵姿ではなく、より良い大きな数字感、例えば300億円から500億円に達するような事業成長を実現できるように資金を最大活用したいと思っており、我々経営陣一同、そのために努力しているところです。
質疑応答:中国事業について
「中国の景気低迷が続いていますが、売上や利益に占める中国事業の割合はどの程度でしょうか? また、中国事業の今後の見通しを教えてください」というご質問です。
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