事業概要

平瀨智樹氏:株式会社GENOVAの代表取締役社長の平瀨智樹です。本日はお忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。2025年3月期第1四半期の決算についてご説明します。

株式会社GENOVAの「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」というミッションの中で、2つの事業を行っています。

メディカルプラットフォーム事業では「Medical DOC」という医療情報メディアを中心に事業を進めています。スマートクリニック事業では、患者さまが快適に受診できるようクリニックの自動化を進めています。

スナップショット 2025年3月期第1四半期末時点

2025年3月期第1四半期のスナップショットです。連結売上高が25億3,000万円で着地しており、前期比33.1パーセント増、営業利益は5億9,000万円で、前期比32.5パーセント増となっています。第1四半期の契約件数は1,443件で、前期比23.9パーセント増となっています。

各事業についてはのちほどご説明しますが、売上高構成比はメディカルプラットフォーム事業が64.3パーセント、スマートクリニック事業が30.2パーセントとなっています。

メディカルプラットフォーム事業では、医療情報メディアとして日々医療情報記事を作成しています。第1四半期には過去最高の1,672万PVとなり、アクセス数が前年同期比144.7パーセントに伸びました。

スマートクリニック事業では、スライド右下に表示されているような自動受付精算機のハードウェアをクリニックに設置しています。第1四半期は導入台数が累計2,085台となっています。

メディカルプラットフォーム事業

メディカルプラットフォーム事業の「Medical DOC」では、一般利用者や患者さま向けに医療情報を配信しています。一般利用者は無料で情報を見ることができ、この中に設けている全国のクリニックを紹介するコーナーでは、当社がクリニックからお金をいただいて記事を作成しています。

第1四半期の売上高25億3,000万円のうち、メディカルプラットフォーム事業の売上高は16億3,000万円と64.3パーセントを占めています。売上総利益では18億8,000万円のうち15億円と79.7パーセントを占めていることになります。

当社がMedical DOCにて提供しているメインコンテンツ

スライドは医療メディア「Medical DOC」内のコンテンツの内訳です。病気や闘病体験、症状や治療に関する記事のほか、医療機関の紹介記事やクリニックの紹介動画なども展開しています。スライド右側に示しているものが、クリニックなどのお客さまからお金をいただいて作成しているコンテンツです。

スマートクリニック事業

スマートクリニック事業は、もともと受付・会計を自動化する自動受付精算機からスタートしています。昨年には問い合わせを自動化する、ChatGPTを使ったAI chatbotシステム「NOMOCa AI chat」をリリースしています。

本日8月9日には予約から決済、送薬までをアプリで完結できるサービス「SMART One」をリリースしました。在庫管理の自動化を目的とした「Pitto」というサービスも展開しています。

また、自動化するサービスではありませんが、患者さまの待ち時間ストレスの軽減を目的に、チームラボが作ったデジタルアトラクションを小児科などを中心とするクリニックの待合室に設置するサービスも提供しています。

スマートクリニック事業の第1四半期売上高は7億6,000万円で全体の30.2パーセント、売上総利益は3億4,000万円で全体の18.1パーセントを占めています。

2025年3月期第1四半期実績

業績についてもう少し詳しくお話しします。第1四半期は前期同様堅調な推移で、売上高・利益ともに、計画を少し上振れるようなかたちで着地しています。通期の計画については、スライドに記載しているとおりです。

3ヵ年サマリー 四半期事業別売上

四半期ごとの事業別売上です。スライドのグラフでは紺色がメディカルプラットフォーム事業、水色がスマートクリニック事業、灰色が「その他」の売上高を示しています。グラフが示すように、前年同期比133.1パーセントで着地しています。

利益構造及び利益率の推移

利益構造及び利益率の推移です。営業利益進捗率は約21パーセントで着地し、前年同期比でほぼ同水準で推移しています。また、今年4月に50名の新入社員を迎えた影響により、人件費が上昇しています。

四半期費用内訳の推移

四半期ごとの費用内訳の推移です。今年4月の新入社員50名の入社に伴い、販管費の中では人件費が少し増えています。第1四半期は人件費の割合が高くなる傾向にあります。

また、毎年研究開発費を確保していますが、今年も積極的に先行投資を行っています。

3ヵ年サマリー四半期事業別営業利益

2025年3月期の第1四半期では、メディカルプラットフォーム事業で過去最高の利益を更新し、前年同期比では約1億4,000万円増で着地しています。

また、全社費は前年同期比で1億1,000万円増加しています。この主な内訳は、新入社員の人件費と新しく開設した渋谷アクシュの分室の家賃です。

3ヵ年サマリー四半期新規既存比率

四半期ごとの顧客の新規既存比率です。クロスセルの成果で既存のお客さまからのお申し込みの割合が高くなっています。もちろん、引き続き新規のお客さまも開拓を行っていきます。

売上を構成する2つの要素

成長戦略についてです。我々は日本が抱える課題について解決すべく、2つの事業でサービスを展開しています。

メディカルプラットフォーム事業は、医療費の増大と一人ひとりに合った医療提供の観点から、これからも事業の成長が期待できます。

スマートクリニック事業では、少子高齢化に伴い労働人口が減少している中で、クリニックや診療所のスタッフ不足を解決するために自動化を進めていく必要性があります。

この領域には、我々が現在サービスを提供しているもの以外にも自動化できる余地がまだたくさんありますので、サービスのラインナップを増やすことによって事業を伸ばしていけると思っています。

営業人員一人当たりの売上高

先日の通期決算発表でもご説明しましたが、営業スタッフ1人当たりの1年間の売上高を生産性として示しています。毎年営業スタッフの数が増えていますが、生産性を落とさないよう維持しながら増員しています。引き続き研修等に力を入れ、新しく入社される方々が活躍できるように会社として体制を整えています。

既存深堀及び新規開拓による顧客数の増加

営業拠点の展開についてです。今年3月に広島営業所を開設し、中国地方のクリニックや診療所に向けた営業活動を行っています。

また、我々がパートナーシップを結んでいる会社は全国にあり、代理店や取次店としては約240社と契約を結んでいます。引き続きパートナーシップも強化していきます。

メディカルプラットフォーム事業の契約件数と契約単価

メディカルプラットフォーム事業における契約件数と1件当たりの契約単価の推移です。第1四半期は、メディカルプラットフォーム事業として過去最高の契約件数を達成し、契約単価も約141万円と過去最高額となっています。

スマートクリニック事業(ハードウェアサービス)の契約件数と契約単価

スマートクリニック事業にはハードウェアサービスとソフトウェアサービスがあるため、スライドを分けてご説明します。

ハードウェアサービスは自動受付精算機とセルフ精算レジの数値です。第1四半期の契約単価は2024年3月期第4四半期と同水準ですが、販売台数は前年同期比で伸びています。

スマートクリニック事業(ソフトウェアサービス)の契約件数と契約単価

続いてソフトウェアサービスについてです。2024年3月期はChatGPTを搭載した問い合わせ自動応答のサービス「NOMOCa AI chat」で非常に多くの受注がありました。営業スタッフをアサインし、既存のお客さまを中心に一通り販売を終えたことから、契約件数は2024年3月期第4四半期と比べて約半分に落ちています。

しかし、引き続きお問い合わせをいただいていますので販売を行いつつ、一方で今期もAIのサービス開発を行っていますので、どこかのタイミングでリリースし、AIを活用したサービスを伸ばしていきたいと考えています。

メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策

メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策についてです。

毎年契約単価が上がっていく理由の1つに、アクセス数が増えることで契約単価を上げられる点があります。メディカルプラットフォームの月間PV数が1,672万PVと過去最高を達成し、これが販売促進につながっています。

アクセス数は年々、そして月間でも徐々に増えており、今後も増えていくと予想しています。これからもさまざまなコンテンツを提供し、アクセス数を増やしていきたいと考えています。

メディカルプラットフォームにおける契約単価の向上施策

ネットワーク効果によりアクセス数が増え、契約単価が上がっていきますので、この好循環を回していくことで契約単価を上げていけると考えています。

株主還元政策について(2024年5月13日開示事項)

株主還元政策についてです。2024年5月13日に発表したように、2025年3月期に我々としては初めての配当を行います。基準日は来年3月31日ですので配当実施は来年となりますが、1株当たり普通配当金の10円に1株当たり記念配当金が20円を加えた総額30円の配当を行います。

新サービス

スマートクリニック事業の新サービスとして、昨年に発表していた「SMART One」があります。この1年間で合計10院のクリニックで試験的に導入いただき、PoC検証を回しながら拡販できるサービスにしてきました。今年8月から本格的に販売を開始しています。

また、歯科に特化したデジタルサイネージ広告配信サービスの提供も開始します。全国に店舗を持つ「chocoZAP」というジムに、我々の「Medical DOC」の動画配信をしていきます。

さらに、株式会社SABUと資本業務提携契約を締結しました。SABUはオンライン事務代行のBPOとして主に医療事務代行を行う会社です。中でも経理のアウトソーシングや、最近では求人サイトの更新といったところに大きなニーズがあります。

サービスの取り扱いはこれからですが、パッケージ化した歯科専用バックオフィスサービスとして、我々のお客さまにSABUのサービスを提供します。

専門的な事務以外の負担を軽減するサービスで、クリニックのスタッフが行っている求人サイトの管理などを当社が巻き取ることで、スタッフが医療事務に特化した業務に時間を割けるようにすることを目的としています。

営業体制強化によるオフィススペースの拡張

東京オフィスの拡張のため渋谷アクシュに新オフィスを構え、2024年9月から稼働する予定です。営業体制の強化として主に営業スタッフが使用します。引き続き生産性の向上を図っていきたいと思います。

本日の決算説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。