エグゼクティブ・サマリー
段卓氏:本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。株式会社アクシージア代表取締役の段卓です。
福井康人氏:管理管掌取締役の福井です。第3四半期の決算をご説明します。売上高は前年同期比15.5パーセント増の91億1,000万円、営業利益は前年同期比28.8パーセント減の9億5,000万円という結果になりました。また、後ほどご説明しますが、今回の決算に伴い業績予想の修正をしています。
ポイントとしては3点あります。
1点目に、2023年8月からの東京電力福島第一原発の処理水放出に基づく日本の化粧品製品の回避動向は徐々に回復傾向にあります。
2点目に、インナーケア製品である「AGドリンクX」のライブ販売が功を奏し、第3四半期累計で前年同期比15.5パーセントの増収を達成することができました。
3点目に、第3四半期時点で、売上・利益ともに第2四半期発表時の想定を上回ったため、業績予想を修正しました。
トピックスは4点あります。1点目に、中国ECサイト「Douyin」における「AGドリンクX」の発売1周年記念イベントでライブ販売を実施し、当社史上最高の単日売上を達成することができました。
2点目に、2024年2月1日にエムアンドディ社を子会社化し、これにより日本ECの売上が前年同期比約4倍に伸びました。
3点目に、インバウンド需要の取り込みにより、「GINZA SIX」における売上高が前年同期比約3倍に拡大しています。
4点目に、株主還元の一環として株主優待制度の拡充を実施しました。こちらは個人株主の長期保有を促す目的で制度を改善したものです。
売上・利益の状況 (2024年7月期 3Q 連結)
売上・利益の状況です。数字は先ほどご説明したとおりです。第2四半期発表時と比較した進捗率は、売上高が79.9パーセント、営業利益が128.9パーセント、経常利益が144.4パーセント、当期純利益が153.1パーセントという結果になっています。
地域別・チャネル別 売上高 (2024年7月期 3Q 連結)
売上のチャネルごとの状況です。中国のECにおいて、前年同期比21.8パーセントの増収を記録することができました。日本においては、2月に買収したエムアンドディ社の子会社化も功を奏し、日本EC売上高は前期比約4倍を達成しています。当社の意図どおりに、中国偏重から少しずつ事業ポートフォリオの改善を図ることができています。
中国売上高は78億円、日本・その他地域売上高は12億円です。当社事業ポートフォリオにおいては、構成比として日本・その他地域の売上高が前期12.1パーセントに対し、今期は13.5パーセントまで上げることができました。
中国EC売上高推移 (2024年7月期 3Q 連結)
中国ECの売上高推移です。シェア拡大中の「Douyin」において、KOL(Key Opinion Leader)を起用したライブ販売が功を奏し、売上高も大きく伸長させることができました。
ブランド別 売上構成 (2024年7月期 3Q)
ブランド別売上構成です。中国市場における日本の化粧品回避の動きに対策を打ち、好調な「AGドリンクX」の販売を優先して注力しました。また、「AGドリンクX」の好調さに付随して「AGTHEORY(エイジーセオリー)」ブランドにおいて、化粧品の発売を先行させています。
その結果、ブランドポートフォリオにおいて「AGTHEORY」ブランドを非常に大きく伸ばすことができ、構成比は57.7パーセントまで拡大しています。
売上原価・販管費の状況 (2024年7月期 3Q 連結)
売上原価・販管費の状況です。売上原価については、Eコマース売上の増加に伴い売上原価率が前年同期比で3.3ポイント低減しています。販管費については、KOLを活用したライブ販売回数を増やし、中国のEコマース売上を伸ばしたことに伴い、広告宣伝費・支払手数料が増加しています。
広告宣伝費は売上比25.4パーセント、支払手数料は売上比18.9パーセントという結果です。
バランスシートの状況 (2024年7月期 3Q 連結)
バランスシートの状況です。物流センター「富士山麓PLC」の設立により、固定資産が5億1,600万円増加しています。また、2023年12月から2024年3月にかけて自社株買いを実施し、12月に75万株の自社株の消却をしたことで、B/Sが変動しています。
通期業績予想の修正 (2024年7月期)
通期業績予想の修正です。第3四半期以降、中国市場に対する処理水による影響は徐々に薄まり、消費回復の動きが見られました。
その中で当社は戦略的にAGドリンク販売を先行して強化しており、ライブ販売が功を奏したこともあり、売上高は予想よりも伸びています。これを受けて、通期業績を上方修正しました。
【中国】 処理水影響下における当社の伸長
第2四半期決算で処理水の影響についていろいろとご説明したため、今回はその後の状況について少しフォローしてご説明します。
処理水の影響は徐々に脱し、消費は緩やかに回復しているという認識です。中国のマクロ経済の動向は回復傾向と見ていますが、依然としてやや見えづらいところがあります。そのような環境の中、第3四半期決算では、中国ECにおいて前年同期比21.8パーセントの増収を達成することができました。
外部環境と当社の状況についてです。中国の環境は昨年の状況に完全に戻ったとはいえません。ただし、徐々に回復しているという手応えを感じています。当社は戦略的にインナーケア製品を優先していますが、化粧品についても少しずつ回復しているところです。
プラットフォームについては、KOLを起用したライブ販売の展開が功を奏し、Eコマースにおいて売上を大きく伸ばすことができました。インナーケア製品については、「AGドリンクX」や「ザ ホワイト ドリンク」が好調な売上を継続しています。
一方、スキンケア製品について、「AXXZIA(アクシージア)」ブランドであるエッセンスシートは、処理水の影響は収束しつつあり少しずつ回復してきている状況です。こちらはAppendixの、ブランドごとの売上高グラフもご参照ください。
【中国】 Douyinにおけるライブ販売実施状況
「Douyin」におけるライブ販売についてです。こちらは3月末に「AGドリンクX」発売1周年のイベントを企画し、実施しました。結果として「Douyin」のサプリメントカテゴリの中で業界ランキング1位を獲得することができ、1日での売上としては、当社における過去最高額を出すことができました。
【日本】 売上推移 (直営店、EC)
中国の状況に対し、事業ポートフォリオの改善に努めています。日本および第3市場の展開も着実に進めています。
日本については、インバウンド需要の取り込みを直営店で図っており、特に「GINZA SIX」の売上高は前年同期比約3倍と大幅に増加しています。また、国内のECについてはM&Aも活用し、エムアンドディ社の子会社化により前年同期比約4倍に伸ばすことができています。
【日本】 国内における事業拡大の軌跡
国内における事業展開の強化について、バリューチェーンのかたちでご説明します。上場以来、公募で集めた資金を活用して設備投資やM&Aを行い、日本国内のバリューチェーンの強化を図ってきました。具体的には、バリューチェーンを企画開発、製造、物流、マーケティング、販売に区分しています。
スライドの赤枠の「START」と記載した部分において、2021年3月に「GINZA SIX」に直営店を開設しました。そちらに続き、大丸心斎橋店、京王百貨店新宿店等、主要都市にも順次直営店を開設しています。
その後、2022年4月に株式会社ユイット・ラボラトリーズを買収し、工場設備および工場の稼動人員を獲得しました。2022年11月には、ユイット・ラボラトリーズの1機能を活用して研究開発設備のR&Dセンターを開設しました。
マーケティング面では、2023年6月に株式会社アクシージアバリュークリエイターを設立しました。こちらも少しずつ稼働し、成果を上げ始めています。2024年2月には、株式会社エムアンドディを買収して国内ECを強化しました。そして、2024年5月に「富士山麓PLC」を設立し、物流機能を自前で用意しています。
【第3市場】 売上推移 (アメリカ、東南アジア)
第3市場の展開状況についてご報告します。特に力を入れ始めているのは、アメリカと東南アジアエリアです。
アメリカではエッセンスシートなどの主力化粧品をECメインで販売しており、FDA登録も順次進行中です。シンガポールでは子会社を設立し、その後、隔月の頻度でライブ配信による販売を実施しています。
これらの取り組みによる成果を、スライドの棒グラフに表しています。アメリカは前年同期比169パーセント増、シンガポールは前年同期比142パーセント増と、大きく伸ばすことができています。
【製品】 『エイジーセオリー』 ブランドの拡充
ブランドについてご説明します。処理水による化粧品販売へのマイナス影響を踏まえ、ブランド戦略を少し修正しています。具体的には、「AGTHEORY」ブランドの優先順位を上げて注力することとし、「AGドリンクX」の売上好調を踏まえ、その製品とリンクした基礎化粧品をリリースしました。現在は「AGTHEORY」ブランドのデザインも一新し、中国や日本で販売を強化しています。
【株主還元】 株主優待制度の拡充
株主優待制度の拡充についてです。株主還元の強化を図るため、利益還元を強化するほか、継続的に長く保有いただける株主さまを増やすべく制度設計を変更しました。
変更のポイントは2点です。1点目は対象株式数で、従来の100株から200株に変更しています。2点目は、長期保有のインセンティブがつくよう、保有期間が長くなればなるほどインセンティブが高くなる設計にしました。
【主力ブランド1】 AXXZIA(アクシージア) (2024年7月期 3Q)
このスライド以降はAppendixです。まず「AXXZIA」ブランドについてです。処理水の影響により売上の伸びが若干止まったように見えるかと思いますが、少しずつ回復してきています。
【主力ブランド2】 AGtheory(エイジーセオリー) (2024年7月期 3Q)
「AGTHEORY」ブランドについてです。こちらは、化粧品まで含めて展開を強化しています。
【育成分野(美白訴求)】 ザ ホワイト ドリンク / UVクリーム (2024年7月期 3Q)
育成分野のブランドについてです。「ザ ホワイト ドリンク」とUVクリームを順調に伸ばすことができています。