サマリー:3Q累計実績

IR担当:株式会社グリッドのIR担当です。2024年6月期第3四半期の決算についてご説明します。

まずはサマリーです。第3四半期累計の売上高は、引き続き電力会社案件が牽引して10億5,000万円、前年同期比プラス3.1パーセントで着地しました。

営業利益は1億300万円となりました。着実なプロジェクト進行に伴う売上計上により、第2四半期累計からは黒字幅を1億円拡大させています。

当期純利益は6,600万円となりました。2四半期連続の営業黒字により、第1四半期の当期純損失1億2,000万円からの黒字化を達成しています。

前年同期比較

前年同期との比較です。第2四半期に引き続き、第3四半期会計期間も前年同期比で増収の着地です。エンジニアの増加で第3四半期累計は見通しどおりの減益となるものの、第4四半期に売上が偏重している影響で、通期では増収増益の見込みです。

四半期累計業績見通し

四半期累計の業績見通しです。電力会社案件の契約締結の期ズレや当期における開発のスコープ縮小等により、売上は最大で16億円程度、営業利益は3億円程度まで下振れる可能性があります。

営業利益については、売上の下振れリスクに備えた当初からのコスト計画により、売上に比して下振れ幅は限定的となる予定です。

産業ドメイン別の売上構成

産業ドメイン別の売上構成です。電力会社案件が最も生産性が高く、当期の売上を牽引しているため、第3四半期累計の売上構成比率は43.0パーセントと、前年同期と比較して大幅に増加しました。

今後も電力会社の新規顧客開拓やアップセル・クロスセルを中心に、引き続き3分野での市場拡大を目指します。

フロー型売上とストック型売上

売上高について、フロー型とストック型に分けてご説明します。物流・サプライチェーンにおける大型案件の本番導入完了の影響により、第3四半期累計でフロー型売上が減少する一方、ストック型売上は着実に増加しています。

第4四半期の売上増大はフロー型が中心となるため、通期ではフロー型とストック型いずれも増加する見通しです。

受注高と受注残高

受注高と受注残高です。受注高は前期水準を維持するものの、売上拡大に伴い受注残高が減少しました。第3四半期は顧客の来期予算の開始直前時期のため、契約締結が後倒しになりやすく、一時的な受注高の減少となっています。

四半期業績推移

四半期業績推移です。売上は第2四半期からの勢いを維持しています。営業利益を着実に創出し、利益率も高水準を維持しています。第4四半期も、引き続き高い利益率を維持しつつ、売上が増大する見通しです。

営業利益増減要因

営業利益の増減要因です。売上とエンジニア人件費が営業利益に大きく影響しており、売上の増加をエンジニア人件費の増加が上回っているため、営業利益は、第3四半期累計では減益となりました。第4四半期の売上増大により、通期で固定費を上回る売上を実現し、利益達成を見込んでいます。

エンジニア一人当たり売上高

エンジニア1人当たり売上高は、第2四半期の水準を維持しています。当期も第4四半期に採用が集中し、継続してエンジニアが増加する見通しです。

主要な経営指標

主要な経営指標です。主なサービス区分であるAI開発、プラットフォーム開発、運用・サポートにおいて取引先数を増やしつつも、既存顧客へのアップセル・クロスセルで、顧客平均売上は横ばいを維持しています。

既存ビジネスの成長サイクル

来期予算の方向性についてご説明します。

既存のビジネスについて、これまでは営業利益率を維持向上させる成長モデルでしたが、利益がしっかりと出るビジネスとして成長した今後は、人員や売上を積極的に拡大させる成長モデルにシフトしていきたいと考えています。

具体的には採用、育成、受注、開発、収入サイクルの規模を拡大し、回転速度を維持するモデルへのシフトであり、2025年6月期をサイクル構築の端境期とし、2026年6月期からの本格展開を予定しています。

予算策定の考え方

予算策定の考え方です。既存のビジネスの売上積極拡大に向けて、売上の増加分だけ先行投資費用を増加し採用を加速させていくため、売上は増加させつつも、営業利益は一定となることを想定しています。

調整後営業利益の考え方

調整後営業利益の考え方です。採用等の先行投資は将来の売上拡大のための費用ですので、当該期間の利益獲得力を表現する指標として、営業利益に採用費、入社6ヶ月以内の従業員の人件費、研究開発費を足し戻した調整後営業利益を使用します。

この調整後営業利益率を維持した上で売上を積極拡大することで、実質的な収益性を低下させることなく成長していくモデルを構築します。

「ReNom SCM」の追加機能開発開始

近況報告です。生産計画最適化システム「ReNom SCM」において、プロセス製造業の多品種少量生産に対応する追加機能の開発を開始しました。

今回の機能追加では、⽣産品種別のロットサイズ、⽣産順序を最適化する「⽣産量・⽣産順位計画最適化」と、複数機械による⼯程の順序を最適化する「⼯程計画最適化」の2種類の機能の実装を予定しています。

「⽣産量・⽣産順位計画最適化」では、品質、納期を満たした上で、段取り替えを最⼩化した計画の出⼒を可能とします。

「⼯程計画最適化」では、製造コストを抑えながらライン稼働率を最⼤化し、全体の処理時間を短縮した計画の出⼒を実現します。 これにより、在庫を適切に管理しつつ、需要の変化に対応した⽣産計画の⽴案を可能とします。