2024年8月期第2四半期 連結業績結果 サマリー
石井丈晴氏(以下、石井):みなさま、こんにちは。フューチャーリンクネットワーク代表取締役の石井です。本日はご参加いただきありがとうございます。それでは、2024年8月期第2四半期の決算説明を始めます。
まず、連結業績結果のサマリーからご報告します。売上高は8億1,800万円で、前年同期比13.5パーセント増、計画進捗率は46.6パーセントでした。売上総利益は5億400万円で、前年同期比13.5パーセント増、計画進捗率は45.5パーセントとなり、営業利益はマイナス700万円となりました。
ポイントは3点あります。1点目は地域情報流通事業について、プラットフォーム利用店舗数は伸び悩んだものの、平均単価は計画どおり上昇し、着実に成長しています。2点目は公共ソリューション事業のふるさと納税について、例年に比べて年末の寄付・売上の伸びは鈍化したものの、順調に増収増益を達成しました。
3点目は新規事業への取り組みです。投資増加により利益に影響を与えていますが、同時に非常に手応えを感じています。こちらに関しては、長期的な成長を見込んで非常に期待しており、後ほど詳しくご説明したいと思っています。
【目次】
本日の目次はスライドに記載のとおりです。事業内容についてあらためて簡単にご説明してから、連結業績の詳細なハイライトをご説明します。その後、2024年8月期第2四半期のトピックス、今後の成長戦略という順番でお話しします。
ビジネスモデルの概要
当社の事業内容とビジネスモデルの概要です。当社は、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」事業を展開していますが、この事業にはスライド左の図のとおり、2つのセグメントがあります。1つは地域事業者の情報発信・経営支援を行う事業のセグメントで、もう1つが、公共の課題解決を進めるセグメントです。
この事業を、当社が直営地域で培った、フランチャイズに準じたビジネスモデルに基づき、各地で集めた運営パートナーによって各地域にインストールしていき、全国展開を図っています。
右の図は事業成長のロードマップです。まずは当社の直営地域で、ビジネスモデルのフィジビリティを行います。その後、一部の先行パートナーに事業導入しつつ、ノウハウの蓄積およびシステム化を図り、スケーラビリティの検証を経て、全国展開につなげます。このような循環を繰り返しながら、地域活性化に資するようなビジネスモデルを全国に拡大しています。
事業セグメントと収益構造
事業セグメントと収益構造についてご説明します。スライド中央に「まいぷれ」というロゴがありますが、そこから地域事業者などに、下向きに矢印が伸びています。地域事業者には、主に店舗が多いです。
当社の直営地域では、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を利用した対価として、サブスクリプション型の利用料をいただいています。これが当社の「まいぷれ」事業の原型です。
右側に運営パートナーとありますが、先ほどご紹介したように、当社は直営地域で培った運営や営業のノウハウ、システム、サービスを運営パートナーに提供します。運営パートナーは、それぞれ契約した各地域において営業活動を行い、この「まいぷれ」の利用案内を各地域で行います。
そして、地域の事業者から利用料をいただき、そのうち一部を当社にロイヤリティとして払っていただきます。これが直営地域ならびに運営パートナーの地域における「まいぷれ」のサービス展開方法です。
左側にマーケティング支援とありますが、「まいぷれ」ではサブスクリプション型で地域の個々の店舗からお金をいただくほかに、自治体ないしはナショナルクライアントから販促、PR、マーケティング、プロモーションの費用をいただく部分もあります。これも含めて、地域情報流通事業というセグメントで整理しています。
これに対し、上側に示した青色の部分が、公共ソリューション事業というもう1つのセグメントです。地域情報流通事業を通してできた体制やノウハウを使って、国や自治体の課題を解決する、公共ソリューション事業を行っています。売上が比較的多いふるさと納税事業のBPOを含めて、各ソリューションを国や自治体に提供し、その対価を委託費、手数料としていただく事業です。
事業セグメントと収益構造
このスライドでは、それぞれのセグメントで上がってくる収益構造について整理しています。地域情報流通事業の売上項目は3点あります。1つ目はまいぷれ関連売上で、これは主に当社の直営地域でいただく「まいぷれ」の利用料です。
2点目のパートナー関連売上は、パートナーが当社に加盟する時にいただくパートナー加盟料と、月々上がってくるロイヤリティ売上に分けられます。ロイヤリティ売上はいわゆるストック収益(MRR)で、当社ではこちらの売上を重視する戦略をとっています。
そして、3点目が先ほどご紹介したマーケティング支援売上です。これらが地域情報流通事業に含まれます。
公共ソリューション事業についても売上項目は3点あります。1点目は公共案件売上で、主に自治体のコンサルティング等の個別受託案件の売上を計上しています。2点目はふるさと納税売上で、直近の売上が多くなっている項目です。3点目には、展開していく過程にあるまいぷれポイント売上が入っています。
当社では、現在、月額で上がってくるストック収益を重視しています。具体的には、直営地域で上がってくる「まいぷれ」の利用料と、パートナー地域で上がってくるロイヤリティ売上があり、この部分をスライドの表では黒丸で示しています。こちらを認識していただけると、事業構造がわかりやすいかと思います。
事業成長モデルの基本方針
事業成長モデルの基本方針について、スライドに図解しました。「成長の軸」でわかるように、プラットフォームの価値を上げ、上げた価値とともにプラットフォームを広げて、その広げた上に公共ソリューションを乗せていくような成長の絵を描いています。
プラットフォームの価値を何で測るのかといいますと、その地域でご利用いただいている店舗から、当社がいただく収益です。分解すると、「まいぷれ」をご利用いただく店舗数×平均単価がプラットフォームの価値を表していると考えています。
地域情報流通事業では、この価値が上がった部分を主にパートナーに展開することによって、エリアを広げていきます。
あわせて公共ソリューション事業では、「まいぷれ」運営地域だからこそできる官民協業を軸として事業展開します。そのため、「まいぷれ」の展開エリアが広がっていくと、公共ソリューションの営業を進める部分も広がるというのが、当社の成長モデルの基本方針です。
さらに、2023年から新規事業をさらに積極的に展開しています。スライドの図のとおり、すべてを掛け合わせるかたちで、当社の体制、ノウハウ、強みを生かす新規事業を展開していくのが成長モデルの全体像です。
2024年8月期第2四半期 連結業績結果 サマリー【再掲】
2024年8月期第2四半期の連結業績ハイライトです。冒頭でご紹介したとおり、売上高は8億1,800万円で、前年同期比13.5パーセント増、計画進捗率46.6パーセントとなりました。売上総利益は5億400万円で、前年同期比13.5パーセント増、計画進捗率45.5パーセントとなり、営業利益はマイナス700万円となっています。
P/L
スライドには、詳細なP/Lを記載しています。2024年8月期第2四半期の売上高は、地域情報流通事業が3億9,300万円、公共ソリューション事業が4億2,500万円です。ご覧のとおり、マーケティング支援売上および、まいぷれポイント売上の一部を除いて、おおむね前年同期比でプラスとなっています。
地域情報流通事業セグメント 業績概況
業績概況を個別のセグメントで見ていきます。地域情報流通事業は、前年同期比で増収となりました。ただし、新規事業が投資フェーズであることが利益に影響を与えており、利益率は悪化しています。
先ほどお伝えしたように、マーケティング支援売上のみ前年同期比で減収となりましたが、2024年8月期第1四半期に比べて回復傾向にあります。
地域情報流通事業セグメント KPI進捗(プラットフォームの広がり)
地域情報流通事業のKPIです。運営パートナー数は173社で、前年同期比17社増、計画達成率97.2パーセントとなりました。展開エリア数は918市区町村で、前年同期比90エリア増、計画達成率99.1パーセントと順調に増えています。
運営パートナー数に関しては、2024年8月第2四半期での新規契約は7件で、契約終了が3社あったため純増となっています。
地域情報流通事業セグメント KPI進捗(プラットフォームの価値)
プラットフォームの価値における、KPIの進捗についてです。スライドには、「まいぷれ」プラットフォームの利用店舗数と平均単価を挙げています。
「まいぷれ」プラットフォーム利用店舗数は1万7,933店舗と、前年同期比199店舗減となりました。一方、平均単価は7,648円で、前年同期比2,258円増となっています。平均単価は順調に伸ばせたものの、プラットフォーム利用店舗数がなかなか増やせずにいるのが現状です。
プラットフォーム利用店舗数について
ここで、プラットフォーム利用店舗数について補足します。2023年8月期の途中から、件数より単価を重視する戦略にいったん振らせてほしいとお話ししてきました。そのため、利用店舗の新規獲得よりも、「まるまるおまかせプラン」などの高単価商品を既存顧客に販売する動きに注力しています。
これは、2割のお客さまで8割の売上があるという「2:8の法則」に基づき、上位のお客さまにどこまで高単価なサービスを提供できるのかを重視し、その実力を上げるところに注力したいと判断したためです。
今まで特にご説明していませんでしたが、「まいぷれ」利用店舗数の解約率は1.43パーセントで推移しています。これは2023年3月から2024年2月までの1年間の中央値ではありますが、創業以来、おおむね1.43パーセント前後で推移しています。したがって、これは戦略変更にかかわらず、閉店・廃業等の自然解約として一定数発生する水準です。
スライドには「単価向上を優先した結果、自然減を上回る新規獲得ができなかった」と記載しましたが、単価向上を優先しても、ある程度の件数は獲得できるという目論見の甘さが多少あったのは事実です。新規加盟パートナーの運営開始時など、利用店舗の新規獲得が増えるタイミングはあるのですが、先ほどご説明した自然解約の数を上回るほどの獲得には至りませんでした。
そのような背景から、現時点では自然減が続いていますが、単価を追う戦略をもうしばらく継続したいと思っています。決して、永久に件数拡大に舵を取らないというわけではなく、まずは確実に単価を取れる状態になれば、いつでも件数拡大フェーズに転換できると考えています。
そのため、まずは現方針を継続できればと思います。その意味でも、2024年8月期末の利用店舗数に関するKPIについては、再構築する考えです。
地域情報流通事業 MRR領域の成長ポテンシャル(市場規模とターゲット)
では、なぜ単価を重視する戦略に固執するのかも含めて、当社が目指す全体像を共有したいと思います。スライドには、当社が見ているMRR領域のポテンシャルとターゲット市場規模について記載しました。
当社のターゲットとなる第3次産業の事業所数は、日本国内に421万社あります。この421万社のうち、現実的に当社がシェアを取れるのは6パーセント程度と設定しています。
この6パーセントは、上限ではありません。当社が運営パートナーに「まいぷれ」事業を提案する際に、前提として「6パーセントは取れますよ」とシミュレーションしている数字です。そもそも、なぜ6パーセントなのかといいますと、先行パートナーをはじめとする今までの動きから、十分現実的な数字であると考えているためです。
この数字を当てはめると、421万社のターゲットのうち、6パーセントにあたる25万社は「まいぷれ」のサービスをご利用いただける店舗になりうると考えられます。こちらについては営々と事業展開を進めていきます。
さらに、2023年8月期から始めた「まるまるおまかせプラン」をどれくらいの方が利用するかについては、「まいぷれ」のターゲットになる25万社のうち、10パーセントから20パーセントという曖昧な言い方をこれまでしてきました。現在は、ここをある程度、明確に検証したいと考えています。
「まいぷれ」利用店舗のうち10パーセントなのか、20パーセントなのかによって、我々の目指すべきMRRも変わってきますし、当然、営業戦略も変わってきます。まずはここを確定させたいというのが当社の現状です。
これらの獲得シェア率をもとに、我々のターゲットをどこにするべきか検証するために、MRRを試算した結果がスライド右側の数値です。計算を簡略化するために、「まいぷれアナライザー」などの一部商品は除いて計算しています。
「まいぷれ」に関しては、ショップページ、ニュースページの月額利用料金は7,000円で、パートナーからいただくレベニューシェアは20パーセントを基本にしています。「まるまるおまかせプラン」はエントリープランで算出しており、月額利用料金は3万8,000円、レベニューシェアは70パーセントをパートナーからいただいています。
全事業者数のうち6パーセントが、「まいぷれ」のターゲットになり、そのうちの10パーセントないしは20パーセントが「まるまるおまかせプラン」のターゲットになると想定した場合の理論値を、さらにその下に記載しています。当社がいただけるレベニューシェアと直営でいただく収益を考えると、月額のMRRは「まるまるおまかせプラン」の利用率が10パーセントであれば10億4,000万円、20パーセントであれば17億1,000万円という試算です。
我々としては、「まいぷれ」利用店舗のうち、「まるまるおまかせプラン」利用率10パーセント以上は獲得できるという感覚を持っていますが、20パーセントなのか、あるいは20パーセントを下回るのか、上回るのかをきちんと検証したいタイミングにあります。このような状況から、まずは「まいぷれ」のシェア率を上げ、単価を重視する戦略を取っています。
公共ソリューション事業セグメント 業績概況
公共ソリューション事業の業績概況です。2024年8月期第2四半期の実績は、売上高4億2,500万円、前年同期比113.7パーセントとなりました。
ふるさと納税事業は、市場も安定成長しているものの、競争関係が非常に激化している状況です。そのような中で、1年前に設立した子会社の株式会社公共BPOによる原価削減策もようやく奏功し始めており、おかげで増収増益となっています。寄付の増加時期が前倒しになったことから、第2四半期だけ見ると例年に比べて伸び悩んだものの、累計期間では2023年8月期を上回る結果となりました。
公共ソリューション事業セグメント KPI進捗
公共ソリューション事業のKPIです。ふるさと納税寄付額は48.8億円と、前年同期比10.2億円増となりました。
販売管理費の推移
販売管理費の推移です。通期での増加ペース抑制に向けて、調整を進めています。スライドのグラフを見ていただくと、抑え気味に推移しているのが数字から見てとれると思います。
サマリー
2024年8月期第2四半期のトピックスをご紹介します。
2024年1月に、株式会社LITAと協業しました。スライドには「SNS×PRスキルを活かしたマーケティング支援開始」と書いてありますが、「まるまるおまかせプラン」のディレクター業務の一部を株式会社LITAが行っている「PR塾」の卒業生と連携させていただく事業です。また、新規事業である「まちスパチャプロジェクト」に、岡山県新見市に参画いただきました。
2024年2月には、地域ポイント「つげさんポイント」の運用を大阪府貝塚市で開始しています。
2024年3月には、熊本県玉名市にオフィス兼コワーキングスペース「HOME」をオープンしました。こちらは玉名市との共同事業です。また、こちらも新規事業ですが、埼玉県川口市のカタログギフト制作に向けたクラウドファンディングを開始しています。さらに、「まちスパチャプロジェクト」に、茨城県鉾田市に参画いただきました。
加えて、同月には執行役員制度を導入しました。より経営力を高め、スピードを上げて、事業を進めていくために、このようなかたちを取っています。
まるまるおまかせプラン【進捗状況】
「まるまるおまかせプラン」の進捗状況です。利用店舗数は順調に増加し、2024年2月末時点で160件となっています。既存プランのパッケージ価格を超えた、より高単価な受注も発生してきています。
そのような状況を受け、顧客ニーズに即した商品へとブラッシュアップし、リニューアルした新プランでの販売も開始しました。プランリニューアルの概要はスライドの右側にあるとおり、「エントリープラン」「スタンダードプラン」「プレミアムプラン」となっています。高機能の価格改定を進めるとともに、1つの地域で複数店舗を展開している、ある程度規模が大きめの事業者に対する「エンタープライズプラン」も新設しました。
まちスパチャプロジェクト【進捗状況】
新規事業の「まちスパチャプロジェクト」の進捗状況です。これはサマリーでお伝えしたとおり、先行投資が若干膨らんでおり、利益に影響を与えているものの、一方で、参画した自治体の満足度も非常に高く、ユーザーの反応も良いため、非常に手応えを感じています。これからまだまだ大きく成長させていける事業領域だと思っているため、このまま投資を継続したいと考えています。
地域ポイントの新規エリア展開(大阪府貝塚市)
これまで公共ソリューション事業として展開していた地域ポイントですが、2024年3月から大阪府貝塚市で「つげさんポイント」が始まりました。これにより、地域ポイント事業の展開地域は全国で12エリアとなり、自治体との共同事業は4件目となります。
昨今、自治体からの引き合いやニーズも多いため、スケーラビリティの検証に入っていき、全国展開に進めるべく、事業として順調に成長していると考えています。なお、この「つげさんポイント」に関しては、2024年8月期第3四半期以降の売上・利益に寄与する見込みです。
玉名市にオフィス兼コワーキング(HOME)の開設
同じく公共ソリューション事業として、熊本県玉名市にオフィス兼コワーキングスペースを開設しました。これは、「玉名市サテライトオフィス等拠点整備支援補助金事業者」の選定に伴い、玉名市内でにぎわいをもたらす公共施設の利活用モデルとして採択されたものです。
玉名市での事業を成功させると同時に、横展開できるノウハウもしっかり蓄積したいと考えています。こちらに関しても、計上の仕方や経費科目は検討中ですが、2024年3月以降の業績に影響する見込みです。
事業成長モデルの基本方針【再掲】
今後の成長戦略についてご説明します。繰り返しになりますが、まずはプラットフォームの価値を上げ、その価値を上げたプラットフォームを広げ、広がった先に公共ソリューションを展開していくことが当社の成長モデルの基本軸です。
その基盤に対し、体制・ノウハウ・強みを活かした新規事業を乗せていくのが当社の事業です。プラットフォームの価値と広がりで得られるMRRを積み上げていくことは、現在の非常に重要なテーマになっています。
事業成長ロードマップにおける各取り組みのステータス
冒頭にお伝えしたロードマップにおける、それぞれのステータスをご紹介します。スライドの図をご覧ください。
まず、直営のところに書いてある公共施設利活用が、まさにフィジビリティの段階に入りました。そして、以前までフィジビリティの段階にあった「まちスパチャプロジェクト」が、現在はノウハウ蓄積・システム化の段階に進んでいると考えています。このまま順調に事業を育てていくことで、スケーラビリティの検証が進み、全国展開に広げていくステージになる見込みです。
今後の成長イメージ
スライドの図は、今後の成長イメージです。当社は既存事業を確実に成長させながら、その上に新規事業を乗せていくという戦略を取っており、既存事業の領域の中でも地域情報流通事業と公共ソリューション事業に分かれています。
地域情報流通事業の大部分を占めているのが、「まいぷれ」の利用料による月次のストック収益です。先ほどご説明したとおり、MRRで10億円から17億円規模をターゲットに成長を見込んでいます。
地域情報流通事業 MRR領域の成長ポテンシャル(市場規模とターゲット)【再掲】
MRRで10億円から17億円という数字は、スライド右側の試算によるものです。私からのご説明は以上となります。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:「まるまるおまかせプラン」利用店舗数の伸びについて
司会者:「『まるまるおまかせプラン』の利用店舗数は、第2四半期が月20店舗増のペースですと、1,000店舗に至るには3年以上かかりますが、どのように伸ばしていく予定でしょうか?」というご質問です。
石井:確かにここまでを見ると、月に20店舗増のペースに見えますが、もちろん逓増させる前提で各施策を打っています。「まいぷれ」事業は当社の社員のみならず、パートナーが全国におり、各社が毎月1社ずつ売っていくだけでも月に160店舗増えていきます。
そのため、十分伸ばしていけるモデルだと考えています。いつまでに、どれくらいのペースで推進するかを明言するのは差し控えますが、逓増させていくつもりで事業を行っているのが現状です。
質疑応答:手応えを感じている新規事業の内容について
司会者:「手応えを感じている新規事業とは、公共施設利活用のことでしょうか? どのくらいの想定で考えていますか?」というご質問です。
石井:もちろん公共施設利活用も十分価値があるとは思っていますが、まだフィジビリティの段階にすぎないと考えています。
先ほどお伝えした手応えの対象は「まちスパチャプロジェクト」という、VTuberのみなさまの力を借りて、地域の魅力を発信する事業です。VTuberの活躍が自治体のみなさまにご理解いただけるか、あるいは結果が出るかどうかについては少し懸念点もありましたが、自治体からの評価も非常に高く、これから展開していける可能性をかなり秘めているのではないかと考えています。
質疑応答:「まちスパチャプロジェクト」の全国展開の時期について
司会者:「『まちスパチャプロジェクト』は、いつごろ全国展開する予定でしょうか? 2025年8月期第1四半期くらいからでしょうか?」というご質問です。
石井:今すでに茨城県鉾田市、新見市を含めて直営地域では展開していますが、ご質問の趣旨は「いつごろアクセルを踏み込んで、スピードを出していくのか?」ということかと思います。
現在は、全国展開の準備の最終段階として、ビジネスモデルのチューニングを行っているところです。今回、予想以上に投資・経費が先行し、「まちスパチャプロジェクト」が利益に影響を与えてしまいましたが、この部分を早期にチューニングして、アップデートしてから全国展開に踏み切ります。
そのため、こちらについても具体的にいつかは明言できません。ただし、なるべく早い段階でスケーラビリティの検証を経て、全国展開のステージまで持っていければと考えています。
質疑応答:公共案件売上とまいぷれポイント売上の進捗について
司会者:「公共案件売上とまいぷれポイント売上の進捗が悪い理由を教えてください」というご質問です。
石井:これには決算期の問題があります。2024年8月期は、1地域ないしは複数地域でまいぷれポイントの受託に至るのではないかと計画していました。実際に、大阪府貝塚市の案件を獲得することができましたが、こちらの計上が3月以降になっているため、現段階では進捗が悪く見えます。
公共案件も同様に、自治体の仕様上、3月末に計上するものが大きくあるため、進捗がすごく遅いように見えていますが、そのようなことはありません。最終的な進捗についての具体的な言明は差し控えますが、現状でも十分キャッチアップしていると思っています。
質疑応答:ふるさと納税の費用計上の改正の影響について
司会者:「ふるさと納税の費用計上の改正の影響で、前期比マイナスでもおかしくないところ、なぜ影響を受けていないのでしょうか?」というご質問です。
石井:「マーケットが厳しいにもかかわらず、なんとかなったのはなぜか?」というご質問かと思います。確かに手数料や条件交渉において非常に厳しい状況でしたが、当社の公共ソリューションチームが尽力し、そのような中でも商品・サービスの魅力や地域の魅力を伝え、多くの寄付をいただけたことが1つ大きな要因だと思います。
もう1つは、先ほどご説明しましたが、コストが厳しくなるのはある程度見込めていたため、オペレーションの効率化を図るべく、2023年8月期の期初に子会社の株式会社公共BPOを設立しました。これが徐々に奏功してきて、原価の圧縮に貢献していることもあり、おかげさまで売上を伸ばし、利益も順調に進捗したと考えています。
質疑応答:まいぷれポイントの詳細について
司会者:「スライド28ページの全国展開の箇所にまいぷれポイントとありますが、これは『つげさんポイント』をはじめとする地域ポイントの新規エリア展開のことを指しているのでしょうか?」というご質問です。
石井:そのとおりです。以前から、一定の地域でしか使えない地域共通ポイントには可能性とポテンシャルがあると思っていました。大阪府枚方市をはじめ、我々は成功経験を有しているため、そこに興味を持つ自治体が年々増えていることにも手応えを感じています。
ビジネスモデルを昇華しつつ、地域共通ポイントはこれからの地域の課題解決に大きく力を発揮すると思っています。そのため、これからエリアを広げていけるソリューションの1つとして期待しています。
質疑応答:地域ポイントの取り組みが事業に与える効果について
司会者:「御社の事業において、地域ポイントの取り組みがどのようにつながるのか教えてください」というご質問です。
石井:まずは地域の付加価値情報を発掘し、地域の活性化を図ること、これがプラットフォームの軸として機能していきますが、さらにこのプラットフォームの体制を使って、国や自治体の課題を解決していくのが当社の事業の考え方です。
では、地域共通ポイントとはいったい何で、どんなリソースが必要とされるのかという話になります。なぜ自治体に地域共通ポイントが望まれるかといいますと、まさに自治体が単独で施策を行っても解決できない課題を解決できるソリューションとして期待されているからです。
健康ポイントやボランティアポイントなどいろいろな地域でのポイントの使い方があります。例えば、歩数に応じてポイントがもらえれば、健康を促進することができます。歩いた距離によって地域の医療費が下がるということが完全に証明されているため、地域の自治体は医療費を削減するために市民に歩いてもらいたいと考えます。そして、歩いてもらう動機づけのために、地域ポイントを発行するというインセンティブを行うことは非常に意味があると思っています。
これが全国で使えるポイントや、インターネットショッピングに使えるポイントであれば、地域にあまりリターンしません。地域でしか使えないポイントを税源から出すことによって、もらった方々も地域の消費活動で利活用し、結果として地域の商工振興にひも付きます。これが地域ポイントの魅力の本質です。
この事業は、自治体の課題解決だけではなく、地域の店舗の方々とのコミュニケーションも非常に重要です。まさに地域とface to faceの、ラストワンマイルを持っている「まいぷれ」の事業展開の強みそのものを活かせる部分だと考えています。
ポイント収益が上がるだけでなく、「まいぷれ」としてラストワンマイルでつながっている地域の店舗との関係をより深め、さらなる価値向上を目指せるのが地域ポイント事業です。現状は、まいぷれポイントの仕組みとプラットフォームのシステムはつながっている部分とつながっていない部分があるのですが、いずれ融合するような開発も計画に入っています。
中川拓哉氏(以下、中川):取締役の中川拓哉です。少し補足します。
自治体が財源を出す場合以外でも、地域の店舗等で使うことによってポイントは流通していきます。そして、地域ポイントの発行に伴って手数料が当社に入ってきます。つまり、ポイントの流通が増えることによって、当社の売上にも貢献してくるのです。
一方、大阪府貝塚市の例のように自治体と共同で施策を展開する場合は、スタートダッシュが図れることに加え、制度設計費用やポイントの開発費用なども自治体の財源で負担していただけます。そのようなところも収益につながっています。
質疑応答:株式分割について
司会者:「なぜ株式分割をしないのでしょうか?」というご質問です。
石井:株式分割については、するともしないとも決めていません。
質疑応答:2025年8月期の上場維持基準達成について
司会者:「利益を出さなければ、2025年8月期に上場維持基準を満たせないと思っています。このあたりはどのようにお考えでしょうか?」というご質問です。
石井:当社が目指している業績および時価総額から考えると、2025年8月期に流通時価総額の目標値を達成することはハードだとは思っておらず、十分達成されるものだと考えています。これから力を入れていくIRによって、より当社の事業をご理解いただき、業績も大きく成長していくところをお見せすることで、十分に解決できる部分だと考えます。そのため、上場維持基準の達成が間に合わないとは思っていません。
質疑応答:2024年8月期の業績の進捗について
司会者:「2024年8月期の業績目標に関して、達成の確度を教えてください。予定どおり達成可能か、あるいはかなりハードルが高いと思っているのでしょうか?」というご質問です。
石井:一部の件数が想定を下回っているため、すべてが予定どおりとは言いにくいです。ただし、ふるさと納税の寄付額については予想以上に伸びています。現時点では計画を修正する段階ではなく、達成に向けて動き続けられると考えています。
質疑応答:「まるまるおまかせプラン」の店舗数について
司会者:「『まるまるおまかせプラン』の利用店舗数が、投資家が株を購入するかどうかの一番のポイントとなっています。店舗数の想定推移を詳しく教えてください」というご質問です。
石井:なかなかご説明しにくい部分もあるのですが、直営地域においては、現状でもコンスタントに受託できています。これをどれだけパートナーにインストールしていくかがポイントだと思っています。パートナーの中には、当社の直営地域と同水準で獲得できる体制になり始めたパートナーもいれば、まだトレーニング中のパートナーもいるのが現状です。
具体的な推移のご説明は差し控えますが、今までのような1次関数的な伸び率というよりは、指数関数的に伸ばしていくイメージです。それをいつお見せできるかがポイントだと思っており、そう遠くない時期に見ていただけるのではないかと思います。
質疑応答:「まるまるおまかせプラン」の利益率について
司会者:「『まるまるおまかせプラン』の利益率を教えてください」というご質問です。
石井:こちらはあまり業界に開示したくない部分ですので、現時点の利益率に関しては明言を差し控えます。ただし、現時点の利益率をもって長期的なシミュレーションをするのも違うと考えているところです。
そもそも「まるまるおまかせプラン」は、生成AIと非常に相性が良いと思っており、これをどう活かしていくかも争点になります。店舗をサポートするのは人間であることに変わりはありませんが、生成AIの活用により、その後の工程は劇的に変わってくると思っています。
質疑応答:従業員の不正への対策について
司会者:「従業員の不正融資や使い込みなどの不祥事について、対策はきちんとしていますか?」というご質問です。
石井:当然しているつもりです。当社の従業員、スタッフ一同、倫理観をしっかりと持った仲間を集めています。そのようなことは起こり得ないと思っていますが、その状況に頼るだけでなく、事故の起こらないような運営体制を敷いているつもりです。
中川:費用の使い道に関しては、事前の承認フローをきちんと経由したものだけが使えることになっていますし、使った結果と経緯も含めて内容を確認しています。
質疑応答:地域ポイント事業のビジネスモデルについて
司会者:「地域ポイント事業は、利用ポイントの何パーセントが売上になるビジネスモデルなのでしょうか?」というご質問です。
石井:地域ポイント事業にはいくつかのキャッシュポイントがあります。まず、地域のお店がポイントを発行した場合にいただくフィー、そして国や自治体からいただくフィーです。そして、国や自治体からいただくフィーには、自治体が行政の課題解決に拠出するポイントとしていただくものと、業務の設計費・運営費としていただくものがあります。
地域のお店からいただく部分は、基本的に100円使われると手数料として1ポイント=1円をいただきます。地域によっては2円や3円のところもあるのですが、100円の利用に対していくらかをもらうのが前提です。一方、国や自治体からいただく手数料は地域によってさまざまで、一律に利益率を出せるかたちではありません。
質疑応答:玉名市のオフィス兼コワーキングスペースについて
司会者:「玉名市のオフィス兼コワーキングスペースの展開は、御社の事業にどのような効果、影響があるのでしょうか?」というご質問です。
石井:遊休公共不動産の活用は全国的に非常にニーズがあり、当社はたくさんのお声がけをいただいています。実際に今、千葉県富津市の旧金谷小学校を当社の事務所として使わせていただいています。
熊本県玉名市の場合は、きちんとお金をいただいて運営しています。まだサービスや投資といえる段階ではないのですが、横展開できる事業モデルになるのかどうか、また、そうなったとしても当社が手がけるべきなのかどうかを、これから検証していく段階です。玉名市の活動はまさにフィジビリティの段階だと考えています。
質疑応答:「まるまるおまかせプラン」の契約内訳について
司会者:「『まるまるおまかせプラン』利用店舗のうち、エントリー、スタンダード、プレミアム、エンタープライズは、それぞれどのくらいの割合で契約されると考えていますか?」というご質問です。
石井:具体的な回答は差し控えますが、先ほど「件数は自然減しているが、このまま単価重視の戦略を走らせてほしい」というお話をしました。まさにこのあたりの検証もしていくべきだと考え、今、単価アップの施策に取り組んでいるところです。
試算ではすべてがエントリープランの想定ですが、その何割がプレミアムないしはエンタープライズかによって、販促および営業活動に投資できる金額もずいぶん変わってくると考えています。このあたりの検証も含めて、今は単価に軸足を置く戦略を取っています。
質疑応答:ふるさと納税の売上について
司会者:「ふるさと納税受託自治体数が39自治体と第1四半期より1自治体減っていますが、ふるさと納税売上が増えているのは、金額が低い自治体が減って高い自治体が増えたのでしょうか?」というご質問です。
石井:2023年8月期から、ふるさと納税の自治体数をKPIから外すとお話ししました。これは、地域の店舗に対する「まず単価に軸足を置きたい」というお話と同様、自治体に対しても、受託自治体数にこだわるのではなく、各自治体の寄付を大きく増やす取り組みに注力しているものです。
自治体数が1減っているのにふるさと納税売上が増えたのは、ご質問のような言い方もありますし、当社を選択し続けていただいた自治体が結果的に金額を増やすことができたと言うこともできるかと思います。
質疑応答:説明会の司会について
司会者:「第1四半期の説明会ではVTuberが司会をしていましたが、なぜ今回は以前の形態に戻したのでしょうか?」というご質問です。
石井:前回は、当社の新規事業の1つであるVTuberがどのような方々で、どのような才能を持っているかをみなさまに知っていただきたく、VTuberのお力を借りました。今回、VTuberを使わなかった理由は特になく、次回以降どうするかはまだ検討していません。
質疑応答:「まいぷれ」の利用店舗数について
司会者:「『まいぷれ』について、第1四半期が終わった時に『新規パートナーが増えた分、利用店舗は増える』と発言していましたが、どうして増えていないのでしょうか?」というご質問です。
石井:新規パートナーが増えた分、利用店舗は増えています。ただし、1.43パーセントの自然減を超えるには至りませんでした。
質疑応答:「まちスパチャプロジェクト」の業績への影響について
司会者:「売上高と比較して、売上原価と販管費の計画進捗率が高いのは、『まちスパチャプロジェクト』の投資額が増えたことが主な要因でしょうか?」というご質問です。
石井:「まちスパチャプロジェクト」が影響しているのは間違いないのですが、それのみではありません。その他にもカタログギフトの新規事業を行っており、こちらもまだ投資フェーズです。
また、「まるまるおまかせプラン」を展開していく中で、今、バックサポート機能の構築段階にあります。そのため、利益率に関しては最高のパフォーマンスに至っていないことも影響していると考えています。
中川:事業が伸びた分、売上総利益は出てきていると思うのですが、2023年8月期第3四半期以降に増やしていた人件費などが、2024年8月にも影響していると思っています。売上の増加以上に販管費の抑制を進め、利益を回復していきたいと考えています。
質疑応答:「まちスパチャプロジェクト」の案件について
司会者:「『まちスパチャプロジェクト』は毎回、単発案件なのでしょうか?」というご質問です。
石井:実証段階では、比較的単発性に近い受託の仕方をしています。これは、当社がお金のいただき方を細かくチューニングした上で打診の仕方を変えているため、単発にしたいという意味合いもあります。
ただし、一度受託いただいた自治体からは「ぜひもう1回、うちの地域で行いたい」というお話もいただいています。これは、当社が今後どのようなかたちでお金をいただくのがよいかという検証次第かと思っています。
自治体からお金をいただく以上、年度に1回、見直しの更新時期が訪れます。単発にするのが必ずしも悪手だとは思っていないため、このあたりも含めてトータルで判断していきたいです。
石井氏からのご挨拶
いつも説明会にご参加いただき、ありがとうございます。投資家のみなさまからいただいたご質問やご意見は非常に参考にしており、おかげで成長させていただいていると実感しています。
今後もIR活動に力を入れていくのは当然ですが、それだけでなく、精度を上げて当社の事業および可能性をより知っていただきたいです。そして、事業を成長させることはもちろんのこと、1日でも早く当社が考えるポテンシャルに見合った株価をつけていただけるようになりたいと思っています。今後もご支援のほど、よろしくお願いします。