目次
後藤康進氏(以下、後藤):こんにちは。代表取締役社長の後藤です。本日はお忙しい中、ご視聴いただきありがとうございます。
本日のアジェンダです。我々をご存じでないみなさまもいらっしゃると思いますので、まずは会社概要と当社の事業について、創業者である取締役会長の田坂よりご説明します。
その後、当社が目指す方向性、直近の業績、株主還元についてご説明した後、質疑応答を行いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
株式会社ピーバンドットコム 2002年4月創業、少数精鋭運営のプリント基板EC商社
田坂正樹氏(以下、田坂):取締役会長の田坂です。会社の概要と当社の事業についてご説明します。
当社は2002年4月に創業しました。当初は、プリント基板のeコマースをメインに据えて事業を開始しました。現在では、プリント基板製造を中心として、半導体などの部品調達などその前後工程のサービスに取り組んでいます。
従業員数は2023年12月末時点で39名と、少数精鋭です。2017年3月に東証マザーズ市場に上場し、現在に至ります。
プリント基板とは
プリント基板は、あらゆる電子機器に使われています。IoT機器など、電子化、自動化していく世の中で、みなさまがどこでも必ず接点を持つところに使われている商材です。
プリント基板は、お客さまから設計図面をいただいて作り始めるため、オーダーメイドの通販である点が特徴です。
当社の原点であるECサイト「P板.com(ピーバンドットコム)」
当社の原点であるECサイト「P板.com(ピーバンドットコム)」は、2002年に国内で初めてプリント基板のeコマースサイトサービスとして立ち上げました。22年間の実績により、業界内で高い知名度を誇ります。2023年12月時点で2万8,000社以上の取引実績を持つ、国内シェアNo.1のサービスです。
P板.comが起こした破壊的イノベーション その1
当社がどのように既存のマーケットに参入したかについてお話しします。通常プリント基板製造には、左側の図のように、初期費用(イニシャルコスト)がかかります。それに対し、当社はイニシャルコスト無料の製造工法によって、従来に比べて値段を80パーセント以上下げてプリント基板を作ることができるサービスを提供しています。
P板.comが起こした破壊的イノベーション その2
さらに、見積から注文までをDX化しました。今までの購買方法では、工場の営業マンがプリント基板・電子部品を買うお客さまと、その都度打ち合わせをして見積を提示していました。その工程がすべてオンライン上で完結するようになっています。
利用実績の推移と、効率的なユーザー獲得
利用実績の推移です。22年間で2万8,000社以上の取引実績があります。
また、私どもは法人向けのサービスですので、広告を打ってお客さまを集めるというより、実際に利用したお客さまに満足していただき、またお客さまを紹介していただくかたちで、4割の方が知人からの紹介となっています。そのため、広告宣伝費が比較的かからないビジネスモデルとなっています。
幅広い産業に分散する顧客層
顧客層についてお話しします。左側の円グラフが既存のお客さまです。医療機器、自動車、FA機械と、特定の産業に依存することなく、幅広い事業領域からバランスよくご注文をいただいています。
右側は、IoT機器や宇宙開発などがこれから増えてくる顧客層となっています。
高効率経営による収益性の高いビジネスモデル
私どものビジネスモデルは、4つの高収益ポイントで、営業利益15パーセントをターゲットとしています。
1つ目は「高単価」です。電子部品のモジュールを販売しますが、通販の中では比較的単価が高いものです。2つ目は「設備投資ゼロ」です。ファブレスで国内外約30社の工場をつなげていますので、設備投資がかかりません。
3つ目は、「人件費少」です。自社でWebシステムを開発しており、受発注の効率化により少人数で運営しています。4つ目は、「広告宣伝費少」です。口コミが4割と広告宣伝費をそれほどかけずに認知層を拡大できています。
P板.comがつなぐ開発環境の課題解決と事業成長
開発環境についてです。中央の円が私どものサービスで、左側に国内外約30社のメーカーがつながっています。
右側の円グラフの2万8,000社のお客さまは、私どものサイトにアクセスすればメーカー各社とつながったかたちでサービスを受けることができる仕組みです。
2023年6月、「両利きの経営」による経営体制に変更 既存事業の成長と新規事業の発掘
2023年6月に「両利きの経営」として、私は創業より務めた代表取締役から取締役会長に移りました。役割を明確にしようと考え、このような経営体制に変更しました。
既存事業分野の成長に関しては、新しい代表である後藤が取り組みます。私は新規事業分野の探索とM&Aに注力し、責任を持って伸ばしていきます。
企業パーパスの策定
後藤:当社の目指す方向性についてです。我々の目線がどこに向かい、今後どのような成長戦略を掲げているのかについてご説明します。
我々の存在意義である企業パーパスは、「アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新する。」です。「P板.com」はいろいろな破壊的イノベーションを実現し、プリント基板業界における“あたりまえ”の革新を実現できました。
それはまさに、パーパスの言葉にあるように、アイデアと探究心で、“あたりまえ”を革新できたのだと思います。世の中に本当に必要なサービスを引き続き提供していくことにより、社会貢献していきます。
中長期ビジョンの見直し
目指すべきビジョンは、「ものづくりの“足りない”を満たす『ピーバン・オムニチャネル』の構築」です。
当社の主なお客さまは、ハードウェアエンジニアです。祖業である「P板.com」をプラットフォームとして、ものづくりに必要なヒト、モノ、カネ、時間、情報などのリソースの足りない部分を、あらゆる面からサポートしていきたいと考えています。このような事業構想で進んでいきます。
「2030年にありたい姿」を実現させる中期経営計画
「2030年にありたい姿」を、中期経営計画で大きく3段階のステップに分けて実現させていきます。
2024年3月期は、第1次の2ヶ年目にあたります。第1次のテーマは、「飛躍に向けての基盤整備」で、とにかく安定的な成長路線に乗せていきます。
中期経営計画のKPIは、売上高が年率10パーセント成長、営業利益率は10パーセント以上、ROEは12.5パーセント以上を目標として掲げています。まずはトップラインをしっかり安定的に作っていくことが現在のテーマとなっています。
エレクトロニクス産業の成長可能性
安定的な成長をどのように作るかについてお話しする前に、我々のお客さまとなる電子機器を作るセットメーカー、エレクトロニクス産業の成長可能性についてお話しします。
世の中の電子機器のほとんどすべてにプリント基板が組み込まれています。プリント基板は、電子製品の機能を動かすためのまさに基盤となる部品です。
電化製品は将来的になくなっていくものでは決してありません。技術革新によって生まれていくいろいろな新たな産業、例えば、IoTや自動車のEV化、労働力不足によるロボットやドローン、宇宙開発におけるロケットなどのすべてにプリント基板が含まれています。
したがって、エレクトロニクス産業自体が拡大していけば、プリント基板はおのずと継続的な成長が予想されます。
国内プリント基板市場の拡大余地
我々はすべての市場をターゲットとしているわけではありません。その中でも、試作・産業機器向け基板市場をターゲットとしています。
試作とは、製品に組み込まれるプリント基板に乗っている電子部品を採用するために、さまざまな評価をすることです。その際に用いる評価基板を作ります。また、1回のロットが10台から100台くらいの少量多品種や、産業機器向けの基板を市場ターゲットとしています。
我々の計算では、約4,740億円の市場です。市場規模から考えると、我々の現在の売上は20億円程度ですので、当社シェアは0.42パーセントとなり、まだまだ多くの受注拡大余地があります。スライドの円グラフの緑色の部分を、いかに取っていくかがポイントになります。
戦略をお話しする前に、何が起きているのかをお話しします。右側の棒グラフは、現在ご利用いただいている顧客の規模別に見た売上構成です。緑色の中堅・大手企業のお客さまが自然増で増えており、2022年度は約5割と増加傾向となっています。中堅・大手のお客さまへ、メインストリーム層の変化が自然と起きています。
左側の円グラフに戻ると、緑色の部分は、相対的に見ると規模の大きいポテンシャルを持った中堅・大手のお客さまが占めています。したがって、現在、増加傾向にある中堅・大手のお客さまをいかに獲得できるかが市場シェア拡大のポイントになってきます。
事業の成長戦略① プリント基板Eコマース事業の拡充
「仕組み×人」の戦略で、中堅・大手市場のシェア拡大を狙っていきます。「仕組み」の強化については、我々はもともとWebサービスの仕組みを強みとしています。こちらの使いやすさを継続的に改善・向上していきます。
1つ目は、中堅・大手企業の法人取引における要求事項への対応です。日本には、日本ならではの複雑な商流があります。例えば、「商社口座で支払いたい」「お客さまごとに専用の帳票を受け入れてほしい」などがあります。他にも、お客さまが持つ電子商取引システムであるEDIをつなぐ必要や、品質や環境証明書類の対応もあります。
これらは一般的な商社では対応すべきことですが、eコマースの世界においては、複雑な対応は行わないという判断が往々にして起こりえます。しかし、我々は本来の強みである「仕組み」を強化することで、あえてその矛盾点をついて取っていくことを考えています。
2つ目は、電子部品関連サービスの拡充です。プリント基板には必ず電子部品が搭載されます。電子部品の市場はプリント基板の市場よりもずっと大きいため、電子部品の販売にも注力していきます。プリント基板と一緒に電子部品を買っていただき、さらにそれを当社で保管し、お客さま同士で余剰となった部品を売買するといったサービスの展開も考えています。
部品調達サービスの自動化を今夏リリース予定
今年の夏に、電子部品サービスの完全自動化をリリースします。現在は、我々のサポート窓口がお客さまの部品リストをもとに、3日から5日ほどかけてお見積もりを準備しています。今年の夏には、ブラウザ上で瞬時にお見積もりができ、その場で買えるサービスをリリースする予定です。
「人(ヒト)」の強化については、「プル型からプッシュ型」へと移行しています。もともと「仕組み」という部分では、営業マンの工数がかからないことを強みにしていました。
しかし、中堅・大手のお客さま、いわゆるイノベーター理論でもメインストリーム市場におけるユーザーというのは、サービス利用に対してあくまで慎重で懐疑的な部分があるため、そこを人で後押しをかけていきます。
ターゲットのお客さまへのクライアント対応をしっかり強化し、サービス利用においてつまずいてしまう箇所をフォローしていきます。
お客さまがサービスを認知してから、ユーザー登録、見積もり、初回注文でつまずいてしまう部分において、人でしっかりフォローをかけていくといった「仕組み×人」の動きで、中堅市場でのシェアを拡大していきたいと考えています。
事業の成長戦略② ものづくりの上流から下流までを伴走型でフルサポート
さらに、プリント基板の上流にあるものづくりの開発から、量産、製品の組み立て、お客さまの市場に流通する下流までをフルサポートで展開していく開発・量産サービス「S-GOK(スゴック)」を展開しています。
第1次中期経営計画の事業展開図
こちらは事業マトリクスです。現在は、領域Aの緑色の丸のところを提供しています。
領域Bにおいては、既存のお客さま、中小企業のお客さまに対し、量産基板や部品関連サービス、「S-GOK」での開発や量産といった新製品・新サービスを提供していきます。
領域Cにおいては、顧客・市場の開拓を表しています。中堅・大手のお客さまに対して従来の試作基板を提供していくことで、しっかりと成長していきます。
そして、領域Bと領域Cの展開を掛け合わせた領域Dでは、両利きの経営で新しい市場分野のシナジーを検討に入れた展開を続けていくという事業展開を考えています。
2024年3月期 第3四半期サマリ
直近の業績のサマリです。結論として、売上高は前期と同水準となりました。中国経済の低迷などの外部環境の影響はありますが、我々としては、産業電子機器の中堅・大手企業からの需要が下支えとなり、前期並みを維持している状況です。
トピックとして、ハードウェアコンテスト「GUGEN」と生成AIの活用についても後ほどご説明します。
プリント基板EC P板.com事業
サービス別の売上推移です。グラフの緑色の部分は、我々の主軸サービスである製造サービスで、プリント基板の板の部分だけを作るサービスです。この板の上に電子部品をはんだ付けで乗せるサービスが青色の実装サービスとなっています。
オレンジの部分は、プリント基板を製造するための設計図を作成する設計サービスです。灰色の部分は実装サービスで使う部品を調達する部品調達サービス、水色の部分はプリント基板の周辺部材のその他の部分ということで、5つのサービスに分けています。
お客さまの傾向としては、最初に緑色の製造サービスを利用し、我々の基板の品質やサービスにご満足いただいた後、設計や実装のサービスをご利用いただくケースが増えています。
プリント基板EC P板.com事業
2017年と比較しても、顧客単価が1.22倍に増加しています。これは、複数のサービスをご利用いただく水平展開が進んでいる結果です。
開発・量産支援 S-GOK(スゴック)事業
「S-GOK」についても、主にIoT関連機器で開発から量産までの実績が着々と増えている状況です。
ハードウェアコンテスト GUGEN2023 開催
毛色が少し変わりますが、我々が主催しているオリジナルハードウェアコンテスト「GUGEN」についてです。
「世の中の課題を解決するモノのGUGEN化をする」をコンセプトとして実施しており、毎年、我々が気づいていないような非常に多くのアイデアの応募があります。これらを「P板.com」や「S-GOK」でしっかりと具現化していきたいと考えています。
生成AIの活用
最近はさまざまな場面で生成AIの活用が増えていますが、我々もハードウェアエンジニアの設計のサポートを行う便利なツールを複数展開しています。
2024年3月期 第3四半期 損益計算書
P/Lです。中期経営計画の第1次のテーマは、安定的な成長路線に乗せていくことです。そのための人材投資について、計画の3ヶ年分を1年に集約して実施しています。そのため、販売管理費が前年同期比で増えており、売上高が前年同期比と同等のため、営業利益が前年同期比マイナス38.1パーセントと、大幅に減少しています。
成長するにはもう少し時間がかかるかとは思いますが、「仕組み×人」の戦略でしっかりと売上拡大を目指していきたいと考えています。
2024年3月期 第3四半期 主要な販管費
販管費の内訳です。主に人件費となっています。
株主還元:配当方針
株主還元についてです。成長投資として主に人材投資を優先しながら進めていますが、並行して株主還元も継続的に実施する方針です。2024年3月期の配当予想は、例年どおり1株あたり8円の予定です。
IR情報配信
投資家のみなさまとコミュニケーションを円滑に行うため、我々はいろいろな「X」のアカウントを持っています。IR担当や私と田坂も持っていますので、フォローいただければ幸いです。
ご説明は以上です。
質疑応答:足元の状況と来期のトピックスについて
司会者:「第1四半期から第3四半期までの進捗から、足元の状況は厳しいでしょうか? また、来期に向けて考えているトピックスがあればお願いします」というご質問です。
後藤:成長戦略のところでお伝えしましたが、積極的な人材投資を行っているものの、「仕組み×人」の戦略が飛躍的なヒットにまで結びついていないかと思います。来期にかけて、部品調達の完全自動化のようなサービスを展開することで、しっかりと成長していきます。
質疑応答:キャッシュ、自己株式の活用について
司会者:「キャッシュ、自己株式の活用などは考えていますか?」というご質問です。
後藤:我々は無借金経営で、会社規模としては現金も潤沢にあり、非常にシンプルなB/Sになっています。両利きの経営で言いますと、田坂による新規領域の開拓は、M&Aの可能性も含め鋭意検討中です。
質疑応答:株価向上施策について
司会者:「配当による還元よりも、事業の成長性がもう少し明確になれば株価も見直されるのではないでしょうか?」というご質問です。
後藤:貴重なご意見をありがとうございます。本当におっしゃるとおりだと思っています。とにかく我々としては、事業を成長させて株価を上昇させることが株主のみなさまへの還元になると考えているため、引き続き事業成長に向けて邁進していきます。
質疑応答:半導体不足の影響について
司会者:「半導体不足の影響は、来期以降はないと見てよろしいでしょうか?」というご質問です。
後藤:市場全体のお話であるため確定的なことを言うのは難しいところですが、私がいろいろなお話を聞く限り、半導体不足と言っても余剰となっている半導体もあるなど、現在はまだいろいろな混乱が続いていると思っています。
一方で、半導体メーカーは積極的な設備投資を進めているため、今年の夏頃にはいろいろなところで回復してくるという話を聞いています。
質疑応答:売上高成長率について
司会者:「売上高10パーセント成長は、今の事業でできるのでしょうか? あるいは、新規事業やM&Aを加味した数字でしょうか?」というご質問です。
後藤:基本的には、既存事業である「P板.com」による売上高成長です。これは第1次中期経営計画に掲げている安定的な成長路線を続けていくことにもつながるため、まずはここでしっかりとした成長を目指していきます。そこにあらゆる新規事業やM&Aを加味していきたいと考えています。
質疑応答:売上向上のための施策について
司会者:「売上を上げるための施策や、商品・サービスを広める方法など、検討していることがあれば教えてください」というご質問です。
後藤:成長戦略のところでお伝えしたとおりですが、今、伸びゆく市場は、中堅・大手のお客さまです。したがって、こちらのお客さまに刺さるようなサービスを次々に展開していきたいと考えています。
質疑応答:収益性向上施策について
司会者:「収益性がまだまだのように感じますが、今後の収益性向上に向けた施策について詳しく教えてください」というご質問です。
後藤:販売管理費の内訳のところでお伝えしましたが、今年は特に人件費がかなり大きく見えています。これは成長戦略における先行投資であり、プリント基板のみならず、サービスの裾野を広げていくことでトップラインを増やしていくことが、全体の収益性向上につながると考えています。
質疑応答:成長投資の資金について
司会者:「自己資本比率がかなり高いですが、少し取り崩して成長のための資金にする計画はないのでしょうか?」というご質問です。
後藤:貴重なご意見をありがとうございます。ご意見を参考にして、いろいろと検討したいと思います。主にM&Aになると思いますが、いろいろなところで現在も検討を進めていますので、今後、良いニュースをお伝えできればと考えています。
質疑応答:大規模イベントへの出展予定について
司会者:「企業名があまり知られていないと思いますが、オンラインだけでなく、大規模なIRフェアへのブース出展の計画はないのでしょうか?」というご質問です。
後藤:良いご質問をありがとうございます。我々の商材は一般の方にあまり馴染みがなく、企業名が知られてないことは、まさに我々の課題だと思っています。積極的なIR発信が大事になりますので、おっしゃるとおり、フェイス・トゥ・フェイスでご説明ができる大規模なイベントへの出店も検討したいと考えています。
質疑応答:来期以降の業績見通しについて
司会者:「来期の2025年3月期および来期以降の業績の見通しをどのように考えていますか?」というご質問です。
後藤:中期経営計画に掲げているとおり、現在は安定的な成長路線に移っていく時期と捉えています。お伝えした戦略をしっかりと実行することで、着実に成長を果たしていきたいと考えています。
質疑応答:中国経済の影響について
司会者:「中国経済が持ち直した場合、アップサイドはかなりあるものと見ていいでしょうか?」というご質問です。
後藤:中国経済の持ち直しは、我々の産業電子機器のお客さまに対してもいろいろな面で良い影響があります。したがって、我々の売上も期待できると思います。
質疑応答:新規事業分野の探索について
司会者:「スライド25ページの『提携含め、新規事業分野の探索を行う』というのは、具体的にどのようなことを想定していますか?」というご質問です。
田坂:現在、新しい事業として準備しているのは、部品調達のサービスです。今まで、部品は商社から仕入れ、それに利益を乗せて販売するというモデルでしたが、我々はそれとはまた違うかたちのプラットフォームビジネスを作っていきます。
部品のプラットフォームビジネスになるような、新しい切り口のサービスに取り組んでいこうという考えです。お客さまの保有する部品をプラットフォーム上でうまく活用し、第3の調達手段になるようなサービスを提供できればと考え、計画しています。
質疑応答:クロスセルについて
司会者:「クロスセルについてもう少し詳しく教えてください」というご質問です。
後藤:サービス別のところでお話ししたとおり、我々の主軸となるのは、プリント基板の板の部分だけをお作りするサービスです。そこから電子部品と一緒に購入していただき、さらにそれをはんだ付けして納品するなどのクロスセルが現在増えており、ここをしっかり伸ばしていくことが成長戦略となっています。
質疑応答:5年後の展望について
司会者:「5年後にはどのような企業になっているのでしょうか?」というご質問です。
後藤:まずは、ビジョンとして掲げている我々のオムニチャネルの「P板.com」をプラットフォームとして、いろいろな分野でお役立ちしていきたいと考えています。
質疑応答:人材投資が収益にあらわれる時期について
司会者:「人材投資が収益としてあらわれるのはいつ頃と見ていますか?」というご質問です。
後藤:現在進めている戦略が飛躍的にヒットするタイミングについては、我々としても「なんとしても早く」という思いがあり、私としては「今期中にできれば」と回答したいと思います。
質疑応答:業績予想の達成について
司会者:「業績予想は堅めなのか、それともチャレンジングなものなのか、どちらでしょうか?」というご質問です。
後藤:現在、売上高は伸び悩んでいるように見えてしまうと思います。売上高10パーセント成長も、チャレンジングなものに見えてしまうのかもしれませんが、我々の分母である市場は非常に広いため、ここからの成長で考えるとチャレンジングなものではまったくなく、非常に堅いものだと考えています。
質疑応答:採用者の詳細について
司会者:「積極的に人材を採用していると感じますが、どのような人材で、どのような部署の方を採用しているのでしょうか?」というご質問です。
後藤:「仕組み×人」における「仕組み」という点では、システム開発、つまりSEです。また、「人」の部分は営業マンです。ですので、大きく分けてSEと営業マンの人材投資を進めています。
質疑応答:来期以降の人材採用について
司会者:「来期以降も人員を増やしていく予定はありますか?」というご質問です。
後藤:現在のところ人員を増やす予定はなく、今期追加した人員でしっかりと成長を軌道に乗せていきたいと考えています。
質疑応答:人材採用の進捗について
司会者:「人材採用はうまく進んでいますか?」というご質問です。
後藤:こちらも良い質問ですね。やはり今、SE人材の採用はかなり難しいと言えます。先ほどのご質問にもつながりますが、今期の人員計画の100パーセントまではまだ採用できていないところがあり、その部分については来期以降も引き続き採用を続けていきたいと考えています。
少数精鋭という方針は変わらないため、即戦力となるしっかりとした人材を確保していきます。
質疑応答:事業の独自性・優位性と売上について
司会者:「既存事業に独自性や優位性があるのなら、売上倍増ものぞめるのではないでしょうか?」というご質問です。
後藤:まさにおっしゃるとおりで、我々がメインストリーム市場へ顧客層が変化する流れをうまくつかんでいければ、売上倍増をのぞめると思います。そのための現在の戦略をしっかりとミートさせていきたいと考えています。
質疑応答:人員の部署別の割合について
司会者:「営業や事務などの人員の割合を教えてください」というご質問です。
後藤:現在、人員は40名ほどです。システム、サポート窓口、営業、事務と大きく4つに分けると、おおよそ4等分されるような人員割合となっています。
質疑応答:株価への所感について
司会者:会長と社長のお二方へ「フランクにお聞きしたいのですが、株価の低迷についてどのように感じていますか?」というご質問です。
後藤:私からお伝えしますと、おっしゃるとおり、株価は非常に低迷が続いている状況だと思います。ここはひとえに、事業の成長に加え、IRを積極的に発信していくことに尽きるのではないかと思っています。
田坂:代表の交代や東証の再編等が重なってしまい、それに業績がついてくれば良かったのですが、良いメッセージが出せなかったことが一因だと思います。体制はきちんと移行できましたので、これから新しいサービスや既存サービス、M&Aを含めて売上を増やすことで株価を増やしていくことが対策の1つだと考えています。
また、IR活動できちんと情報発信し、両利きの経営で数字を出していくことが、今後の株価を5倍、10倍にしていく方法だと思っていますので、がんばっていきたいと思います。