エグゼクティブサマリ -2024.3 2Q累計業績

髙島宏平氏(以下、髙島):みなさま、こんにちは。本日はお時間をいただきありがとうございます。2024年3月期第2四半期決算とシダックスとの提携についてお話しした後、質疑応答に移ります。よろしくお願いします。

まずはエグゼクティブサマリです。売上高は「Oisix」が牽引し、前年同期比でやや伸びました。利益は、原材料の高騰や人件費などの問題があったものの、収益力向上の取り組みを継続的に実施し前年同期から2桁増となりました。会員数については後ほど詳しくお話しします。

本日、シダックスとの共同経営に向けた取引について発表しました。通期業績予想は詳細が不明な点もありますので、2024年3月期第3四半期の決算発表時に明確に開示する予定です。

2024.3 2Q累計連結業績サマリ

連結業績サマリです。売上高は574.3億円、EBITDAは32.3億円での着地となりました。

EBITDA・営業利益:前年同期2Q累計業績との比較

利益の増加要因については、いくつかの取り組みで収益力が向上したことが一番大きなポイントです。今期はプロモーションコストを相当使いましたが、それでも前期に比べて利益を伸ばすことができました。

2024.3 2Q累計セグメント別業績

こちらのスライドは詳細情報のため、割愛します。

国内宅配3事業 会員数推移

会員数の推移です。上半期累計では「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の3ブランドを合わせて、50万6,949人で着地しました。

Oisix会員数の推移

「Oisix」の会員数について詳細をご説明します。前回の決算発表で「第4四半期は大規模にプロモーションした結果、会員数が前期比で約5万人増加し今までにないほど伸長した。ただし、すぐに解約された方もいるため実質的には約39万人である」とお伝えしました。

正直にお伝えしますと、その後も半年にわたって解約される方が出続けたという反省点があります。一方で、その販促手法をこの上半期までずっと継続してきたこともあり、今もそのような方々が残っています。

このことから、前期第4四半期の実質的な会員数は39万3,829人とお伝えしましたが、その後の解約動向もふまえて改めて試算すると実態としてはおそらく約37万人ほどであったと考えています。第2四半期の実績は39万8,958人ですが、実質的には約37万5,000人から38万人ほどの状況であると考えています。平均すると比較的なだらかに純増している状態です。

今後の会員数の推移について、下半期に関しては、前期第4四半期から上半期にわたって行ってきたプロモーションを停止しましたので、上澄みの部分は年度末にはなくなっていると見込んでいます。そのため、年度末のOisix会員数は期初予想では45万人としていましたが、この状況をふまえて年度末に40万人を目指すことが妥当な状況であると考えています。

国内宅配3事業 ARPU推移

ARPUについてです。今お伝えしたとおり、「Oisix」は非常にライトな会員数が増えました。その方々を分母に含んでいることもあり、ARPUはやや下がっています。ただし、第1四半期と第2四半期を見る限りでは、コロナ禍の影響は落ち着き、下げ止まったのではないかと捉えています。

その他事業

その他事業です。「とくし丸」の稼働台数は1,000台を超え、1,150台近くとなりました。流通総額も、今年度はおそらく300億円に届くのではないかと考えています。

また、保育園への業務用のミールキットの提供などをしているB2Bも順調に伸びており、取引園数は800園近くとなってきています。

以上が、業績についてのご説明となります。

シダックス社との共同経営

本日発表したシダックスとの提携についてお話しします。シダックスを創業した志太ホールディングスとオイシックス・ラ・大地が共同で公開買付を行います。

当社の持ち分はいったん応募するかたちとなりますが、最終的には当社が66パーセント、創業家が34パーセントの株を保有し、両社でシダックスを共同経営していく予定です。加えて、シダックスと当社のシナジーを最大化していくことを考えています。

シダックス社との共同経営

当社とシダックスはともに食のサブスクリプションを提供する企業ですが、シダックスはB2B、当社はB2Cとなります。両社を合わせた売上高は約2,400億円です。当社がご自宅にお届けしているものや、シダックスが給食として提供している食事を合わせると、年間提供食事数は約5億食となります。従業員数は、スタッフや社員を合わせて約3万7,000人です。

B2BとB2Cの両方で食のサブスクリプションに取り組むことも非常にユニークだと思っていますし、食のサブスクリプション事業で売上が2,400億円ということも、国内では最大規模と言って良いのではないかと思います。今後はこのようなグループを形成し、事業を進めていきたいと思います。

シダックス社との連携 ①フードサービス事業(給食):マーケットの概況

当社が「B2Bのサブスクリプション」と呼んでいる給食事業について、具体的にご説明します。まずは給食事業の現状についてです。簡単に言うと、ピンチとチャンスが同時に訪れている状況です。

ピンチの部分では、原料費の高騰に加え、価格がなかなか転嫁しにくい業態であることが挙げられます。最近も、給食事業者が事業を継続できずに学校給食を提供し続けられないというニュースがかなり大きく取り上げられました。このように、事業環境は非常に難しくなってきています。

一方で、チャンスはピンチの裏返しにもなりますが、多くのクライアントの業界で人手不足が起きています。今まで自社で給食施設を運営していた社員食堂や病院給食、高齢者施設などで、自力で給食を運営し続けるだけの人手が確保できず、少しずつ給食のニーズが増えています。

そのため今は、マーケットは大きくなっていくものの、生き残るプレイヤーが限られてくるという業界変革のタイミングであると捉えています。

シダックス社との連携 ①フードサービス事業(給食):生産性向上

これらの環境を踏まえた当社の戦略についてご説明します。1つ目は「Oisix」で個人向けに作ってきたミールキットの業務用への展開です。

個人用では「時短」という概念で、忙しい方々の家庭にお届けしてきました。給食現場でも、人手不足により時短に非常に近しいニーズが発生していますので、ミールキットを使うことで調理時間を短縮でき、人件費の削減にもつながります。

現在、保育園でいくつかの実験を行っています。食材費と人件費を足したFLコストは、ミールキットを使うことで約15パーセントから20パーセント削減できることがわかってきました。

ミールキットですので、もちろん食材費はやや上がります。しかし、人件費をかなり減らせるため、結果的に少ない人数で今よりも安く給食事業を展開できるという大きな仮説が見えてきているところです。

シダックス社との連携 ①フードサービス事業(給食):満足度向上

2つ目は、満足度の向上です。当社はB2C企業ですので、エンドユーザーに提供する価値の最大化にコミットすることが得意です。保育園の給食において、食材を普通の野菜から「Oisix」の野菜に変える実験を行ったところ、園児の給食完食率が10パーセントほど上がったという事例が出ています。

こちらはなかなか見える化されていなかった指標ですが、保育園に限らず病院や高齢者施設などさまざまなところで、完食率やそれによる健康効果を見える化し、エンドユーザーへの価値が上がる給食をシダックスと一緒に提供していきたいと考えています。

シダックス社との連携 ①フードサービス事業(給食):付加価値向上の事例

その他の、すでに見えているシナジーについてお話しします。まずは大規模社員食堂についてです。こちらは、ミールキット等で当社が築いてきたコラボメニューを、そのまま社員食堂に提供する取り組みです。固有名詞はまだお伝えできませんが、コラボの開始がすでに決まっている案件があります。

もう1つは、高齢者向け施設についてです。こちらも当社のミールキットや食材を使い、シダックスのオペレーションのもとで導入していきます。ベネッセホールディングスに採用が決まっており、「Oisix」の食材を使うことを1つの売りとして使っていただけると聞いています。今後、そのような取り組みもどんどん増やせるのではないかという感触を得ています。

シダックス社との連携 ②社会サービス事業:付加価値向上の事例

さらに、給食事業とは少し異なりますが、シダックスは全国1,570ヶ所の学童保育施設の運営を受託しており、受託実績では最大手の会社です。しかし、学童ではなかなか食事が出ないため、多くの家庭で「夏休みや冬休みに子どもを学童に預ける際に、お弁当を作らなければいけない」という非常に大きな悩みを抱えています。

そこで、当社のお弁当を提供し、おいしく安全な食事を子どもたちに提供すると同時に、ご家庭の負担を減らしたいと考えました。すでに10施設で実験を開始することが決まっています。

シダックス社との連携 ③B2B2Cモデルの構築

今後考えられるシナジーとしては、B2Bの現場からB2Cのお客さまへの誘導があります。例えば、入院中の患者は病院給食によって栄養を管理します。その後、退院して在宅治療となったフェーズで当社の宅配サービスを使っていただく流れが、いろいろな施設で考えられると思います。そのため、B2B2Cモデルの構築も拡大していきたいと考えています。

シダックス社と共通する未来志向の企業理念

当社は2022年10月頃からシダックスに出資しています。今年1月からは私が取締役になり、いろいろな会話を交わす中で、企業カルチャーの近さを感じています。スライドにあるように、両社ともに未来志向の会社です。

シダックスでは「未来の子供たちのために」、オイシックス・ラ・大地では「これからの食卓、これからの畑」と表現していますが、いずれも「良い未来を作る」ことを企業理念に捉えています。

また、両社の経営会議等の場では、社会課題をビジネスにしていくことが頻繁に議論されます。そのような意味でも、両社の文化的相性は非常に良いと感じています。

シダックス社との共同経営 業績影響とスケジュール

今後のスケジュールについてご説明します。11月10日に発表し、11月13日から12月25日までがTOB期間となります。この期間は、今までと同じように28パーセントの株を保有する関連会社となります。第4四半期以降は、当社が66パーセントの株を保有する子会社となり、2024年3月末にはシダックスを非公開化していく考えです。

シダックスの非公開化は、大きな狙いの1つです。今までご説明してきたシナジーは、理論的にいろいろと考えられるものの、やはり両社が上場した状態では手続きに時間がかかります。

激変する環境の中で、PDCAサイクルをスピーディに回して対応しなければならないと考えた時に、シダックスを非公開化して両社のリソースを投入し、試行錯誤できる体制を作りたいと思い、このような決断に至りました。

今期業績予想 修正予定

今期の業績予想についてです。現段階では期初計画からの修正はありませんが、今回のディールを含めた影響があるため、第3四半期決算において修正する予定です。

サステナビリティトピックス -フードロス削減:Upcycle by Oisix

トピックスを2つご紹介します。まずは、そのままでは食べられないものを食品化する「Upcycle by Oisix」という取り組みがグッドデザイン賞を受賞しました。

サステナビリティトピックス -食支援:WeSupport Family

これまで、当社が幹事会社となって食品企業から食品を集め、シングルマザーの子どもたちを始めとした経済的に恵まれていない方々に提供する取り組みを行ってきました。提供する世帯数は徐々に増えており、累計寄付物資数は156万個、寄付物資金額は5億5,000万円を超えました。

私からのご説明は以上です。ありがとうございました。

質疑応答:「Oisix」の会員獲得と離脱の状況について

質問者:「Oisix」の会員数についてです。プロモーションコストを多く使ったとご説明がありましたが、離脱と新規獲得のバランスを教えてください。一時的なプロモーションで増えた会員の離脱が続いているとのことでしたが、新規獲得は想定どおり行われているのでしょうか? これまで御社が掲げていた1人あたりの顧客獲得コストへ何か影響があるのか教えてください。

髙島:ご指摘のとおり、前期第4四半期に獲得した会員が一気に離脱している状態の中で、コストをかけて会員数を獲得しています。

上半期は、前期第4四半期に行った手法を改善したかたちで取り組んできました。そのため、獲得コストが急激に上がったわけではありませんが、正直にお伝えすると、この手法では獲得した会員が長期にわたって抜け続けることがわかりました。

獲得手法の改善を続けてきましたが、半年経過した数字を見て、狙ったところまでは改善しきれなかったと判断しています。新規顧客の獲得コストが急激に上がったのではなく、今までと同様のライフタイムバリューをもたらさないお客さまの獲得にもコストをかけてしまったということです。

今後は、このような獲得手法は行わない方針です。前期第4四半期に獲得した会員が離脱し続けているだけではなく、上半期に獲得した会員の一部も今後はおそらく離脱していきます。獲得した方の4割から5割程度は離脱すると見込んでいます。

質疑応答:シダックスとの協業による変化について

質問者:シダックスとの協業によって変化する点や、期待する点についてうかがいたいです。経営に入り込むことによる関わり方の変化や、シナジー創出スピードの改善について、髙島社長はどのような点を期待しているのか教えてください。

髙島:今までは両社が上場していたため、協議をするたびに取締役会を通したり利益相反取引に当たらないか確認したりと、手続きに時間がかかっていました。したがって、手続き面はかなり改善すると思っています。

今までは、ごく一部の人で特殊プロジェクトチームを作って連携し、いくつかの仮説を作り実験する方法をとってきました。しかし現在は仮説がいくつか見えてきたので、こちらを全体に広げていくフェーズに入っています。

このような状態のもと、私自身が両社に対して直接指示ができ、実行を担保する体制が整ったことは非常に大きな意味があると期待しています。私自身もがんばりたいと思っています。

質疑応答:シダックスのフード事業以外とのシナジーについて

質問者:シダックスはフード以外の事業も行っていると思いますが、それらへのシナジーは感じていますか? 今後は切り売りするまではいかなくとも、どのように取り扱っていくかを教えてください。

髙島:フード事業以外とのシナジーの検討自体は少し遅れています。フードから先に始めていますが、それ以外の事業にもいろいろなシナジーがあると思っています。

実は、先ほどお話しした学童保育施設は給食事業ではありません。シダックスでは「社会サービス」と呼ばれており、地方自治体からの運営受託をしている事業になります。図書館や道の駅と同じように学童保育施設の受託をしていますので、これらとのシナジーが見つかりそうだと考えています。

当社子会社であるとくし丸も、自治体と一緒に取り組んでいる企業ですので、シダックスとも連携できるのではないかと思っています。実際に、シダックスが運営を受託している道の駅から「とくし丸」を走らせる議論もスタートしています。

そのため、スタンスとしては「他の事業がくっついてきた」という感じではなく、かなり貪欲にシナジーを追求しようと考えています。

質疑応答:今後の給食事業への取り組み方について

質問者:御社は高単価な商材を提供しているイメージですが、給食はリーズナブルな商品だと思います。今後は高単価な給食を提供するのか、それともシダックスに低単価な製造ノウハウがあるのか、今後の給食事業の取り組み方について教えてください。

髙島:食材の価格については、仕入れ価格と販売価格の違いがあります。スライドには、食材費と人件費を合わせて約18パーセント削減できたと示しています。

左側の棒グラフで示している「従来」の方法は、一般的な食材を使用しているケースです。一方で、右側の棒グラフで示している「業務用のミールキット」を導入したケースでは、当社の基準に合う食材すなわちプレミアムな食材を使用しますが、半調理済みの食材を使用できるため人件費が大幅に削減でき、トータルのコストを大きく抑えることができます。

当社は高付加価値の給食だけに取り組むことは考えていません。当社の業務用ミールキットを使えば、おそらく普通の価格帯の施設にも対応できると考えています。

また、当社は野菜を農家から直接調達していますが、シダックスの場合は市場からの調達が中心となり、仕入れ元が大きく違います。したがって、野菜の仕入れ価格については「有機野菜だけどオイシックスの仕入れのほうが安い」ということがあると思っています。

質疑応答:給食市場の状況と業界全体への考えについて

質問者:プレミアムな食材を使ってもFLコストで競争優位性を出せるということは、従来の給食市場にはかなり非効率な部分があり、御社がさらに切り込む余地があるという認識でよいのでしょうか? 業界全体について、髙島社長の考えを教えてください。

髙島:給食のタイプと規模によって、当社が戦えるところとそうでないところがあると思っています。そもそも「学校給食」は当社から見ると特殊で、シダックスにおいても学校給食はフード事業として捉えていません。

なぜかと言うと、学校給食事業は給食施設内に人材を派遣する仕事が多く、フード事業というよりは人材派遣業に近いからです。食材の仕入れを伴わないことが多い一般的な学校給食に取り組むことは、当社には難しいと思っています。

それ以外では、当社の業務用のミールキットを使う方法が1つのソリューションになると思っています。今は、給食事業者が受託している場合でも、病院や保育園が自ら給食施設を運営している場合でも、きちんと食材を仕入れてゼロベースで調理する方法と、「完全調理品」と呼ばれる出来合いのものを仕入れて提供する方法の2つに大きく分かれます。

家庭料理でも同じことが言えますが、食材から作るのは非常に大変な一方で、すべて出来合いのものを使うのは味のレパートリーやクオリティが十分ではないことがあります。「その中間ぐらいのものは何かないか」ということで、当社が家庭向けに取り組んだのがミールキットだったのですが、給食の領域においても同じような部分があります。

「とにかく安ければ安いほどいい」という方には完全調理品、手作りにこだわっている施設はゼロベースで食材を仕入れるなど、それぞれの考え方によると思っています。しかし、その両方取り、すなわち「安ければ安いほどいいのではなく、少人数だけどきちんと付加価値も付けて、最終的にお客さまに喜んでいただけるものがいい」というニーズには、当社の方法でお応えできるのではないかと感じています。

質問者:食材は基本的にミールキット用のものを使い、給食事業用に安い食材を仕入れるという考えは今のところないという理解でよいでしょうか?

髙島:絶対に「ない」とは言えませんが、当社の仕入れ方は、農薬の使用量にかかわらず、農家から直接調達している点でコストメリットがすでにありますので、極力安全性に配慮した当社基準の食材を使いたいと思っています。

質疑応答:シダックス子会社化の一番の理由について

司会者:「今回のシダックス子会社化の一番の理由を教えてください」というご質問です。

髙島:シダックスの子会社化とは関係なく、もともと当社の事業計画にはB2B事業に進出したいという構想がありました。そちらについては、自社のみもしくはどこかと一緒に行うという両方の選択肢を考えて進めてきました。

自社でも約800箇所の保育園と取引できるようになり、規模は小さいものの、いろいろなことがわかり非常に良かったのですが、事業を加速するためにもどこかと一緒に取り組みたいと思っていました。

ネットバブル崩壊直後の2000年に当社を立ち上げた時、どこにも振り向いてもらえなかった当社に最初に出資してくれたのがシダックスであり、生まれてすぐに死んでしまいそうだった当社を救っていただいたという経緯もあります。

そこから長い関係性が続き、さまざまな事業提携や複数レイヤーでの人的交流を行ってきました。そのような背景のもと、B2B事業を行うにあたってはまずシダックスに相談してみようということでスタートし、昨年の部分的な出資や私の社外取締役就任につながっています。

スタートはこのようなかたちでしたが、進めていくうちに「もっと本気で進めたほうがオポチュニティがありそうなので、スピードを上げたほうがいい」と考え始めました。さらに、先ほどご説明したように事業環境の変化が非常に激しいため、スピーディに体制を作らなければ変革の時代の後に生き残ることはできないと考え、このタイミングでの子会社化に至りました。

したがって、私の判断というよりは、シダックスの経営陣との会話の中で必然的にそのようなコンセンサスが生まれたと言えます。

質疑応答:通期計画に対する上半期の手応えと「Oisix」の会員数について

質問者:通期の営業利益60億円という計画に対し、上半期の営業利益20億7,000万円、EBITDA32億3,000円はどのような手応えでしょうか?

また、「Oisix」の会員数について、45万人という計画は変わりませんが、先ほどのご説明のとおり今後は2万人ほどの離脱を見込んでいると思います。こちらを踏まえた通期見通しや、純増ペースなどについて教えてください。

髙島:まとめてお答えします。本当はきちんとお話しするべきですが見通しにくいところもある状況と捉えています。

まず、第2四半期末の会員数は39万8,958人ですが、実態としては37万5,000人ほどだと思っています。また、11月に送料の改定を控えており、売上にはそこまで影響しないものの、一部の休眠に近いお客さまの離脱も予想しています。そのようなことを踏まえると、当社の年度末のターゲットは、上積みのない状態で40万人前後になると考えています。

売上サイドが予想人数に到達していないことに伴い、利益に関しても見通しが難しいと思っています。加えて、当社は第3四半期が一番の収益期間になりますので、年末商戦を経なければ見えてこない部分もあります。上期時点では約1.2倍の営業利益とEBITDAですので、60億円には少し届かないと思いますが、前年比で1.3倍から1.5倍の間にはなるだろうと見込んでいます。

さらに、シダックスの子会社化による影響や、今年の年末商戦でどのくらい利用されるかを踏まえ、第3四半期決算のタイミングで業績予想を出したいと考えています。