2023年12月期第1四半期決算説明
小池敏弘氏:株式会社サイバーセキュリティクラウド代表取締役社長兼CEOの小池でございます。私から、2023年12月期第1四半期の決算概要およびトピックスについてご説明いたします。
業績の概況
まずは決算概要についてです。すべてのプロダクトが順調に成長したことにより、売上高、各段階利益ともに大幅な成長を遂げています。
特に、AWSユーザー向けの販売活動を強化した結果、「WafCharm」ならびに「AWS WAF Managed Rules」の2つのプロダクトが大きく成長しています。
ARRの推移
ARRの推移についてです。昨年比でプラス37.7パーセントの増加となり、順調な成長を見せています。当社は2023年12月期第1四半期より、米国法人の子会社を連結対象としました。これに伴い、「AWS WAF Managed Rules」のARRが大幅に増加しています。
ユーザー数の推移
ユーザー数の推移です。こちらも昨年比でプラス25.8パーセントと順調に増加しています。特に「WafCharm」のユーザー数が1,000ユーザーを突破しました。
攻撃遮断くんとWafCharmの低い解約率
「攻撃遮断くん」と「WafCharm」の解約率のグラフです。こちらは毎四半期に開示していますが、引き続き低い位置で推移しています。
主な解約理由は、当社プロダクトを利用されているユーザーさま自身のサイト閉鎖や、パートナーとエンドユーザー間の契約終了に伴うものです。当社プロダクトへの不満による解約については、極めて少ない状況が続いています。
売上高の推移
売上高の推移です。昨年比でプラス37.3パーセントと、順調に成長しています。2022年の第4四半期には、四半期における新規受注金額が過去最高を記録しました。これが2023年の第1四半期に売上高として貢献し、結果として非常に良い成長を遂げています。
営業費用(売上原価・販売費及び一般管理費)の推移
営業費用です。第1四半期で順調に人員数が増加したことに加え、米国法人の連結子会社化により、人件費がやや大きく増えています。
当社が最も重要視している2025年の成長戦略達成に向け、第2四半期以降も新規採用および顧客獲得に向けた広告宣伝を着実に実行する予定です。
サイバーセキュリティクラウドの成長を支える従業員
当社の従業員数は、当四半期で100名を超えました。第2四半期以降もさらに人員を増加させていく予定です。
国内唯一のAWS WAF Ready Programのローンチパートナーに認定
続いて、当第1四半期のトピックスについてご報告します。AWSが発表する「AWS WAF Ready Program」のローンチパートナーに国内で唯一、認定されました。
AWS社が公式でリリースしている「AWS WAF」という製品があります。「AWS WAF Ready Program」は、公式製品と非常に親和性が高いとAWS社自身が認めたパートナーに与えられるものです。
スライド左側のホームページ画像を見てもわかるとおり、世界に名だたる企業と肩を並べ、当社は日本で最初に「AWS WAF Ready Program」のローンチパートナーとして認定されました。
AWSのWebサイトや「AWS WAF Ready Program」に認定されたことを紹介するAPNブログなどは、世界中のAWSユーザーの目に留まるため、認知拡大の効果が極めて大きいと考えています。
また、「AWS WAF Ready Program」に認定されたことにより、認知拡大はもちろん、当社が今後AWS自身の開発ロードマップを早期に知ることができたり、AWS社の営業の方が当社製品を全世界のユーザーへ案内してくれるようになったりと、非常にメリットの大きなプログラムです。これをきっかけとして、当社のグローバル展開をさらに推し進めていきたいと考えています。
過去最高となるAWSイベントへの登壇が実現し、着実に認知度が向上
今年に入ってからAWS社が主催するイベントやエキスポがいくつか行われており、これまでは多くても年間2件程度の登壇だったところが今年はすでに5件と、露出機会が大きく増えています。
もともと、AWSのコミュニティにおいて存在感を上げる、露出を増やしていくことを目標に掲げて、昨年からさまざまな施策を講じてきました。この第1四半期の結果は、まさにそのような積み重ねが着実に成果として表れてきている証になっているかと思います。
当然、このような露出から新たな潜在顧客との出会いも非常に増えてきていますので、第2四半期以降も継続して行っていきたいと考えています。
Ordinary Experts社とインプリメンテーションパートナーシップを締結
アメリカのサンディエゴにあるOrdinary Experts社とインプリメンテーションパートナーシップを締結しました。当社は昨年よりグローバル展開、特にアメリカでの市場開拓に力を入れています。
当社はいくつかの販売ルートを使って「WafCharm」をエンドユーザーへ届けている訳ですが、お客さまの中には「AWSそのものの設定がなかなか得意ではない」、あるいは「セキュリティに関する知見がない」「『WafCharm』を導入したいがなかなか技術的、人的な理由で難しい」といった方も少なからずいます。
そのようなお客さまに対して、当社では「WafCharm」というサービスを提供しつつ、Ordinary Experts社が導入や構築の支援を行います。2社がタッグを組むことにより、先ほどお伝えしたような課題によって「WafCharm」を導入できないお客さまを限りなく減らしていけるのではないかと考えています。
当社が発起人となり「一般社団法人サイバーセキュリティ連盟」を設立
当社が発起人となり、一般社団法人サイバーセキュリティ連盟を設立しました。こちらは昨年から前身の任意団体として、日本のサイバーセキュリティの水準を引き上げる、サイバーセキュリティ対策の重要性を啓発する取り組みを行ってきました。その取り組みを昇華して、一般社団法人化したという流れになります。
この団体は、みなさまが集まれる場、コミュニティ作り、プラットフォームの構築に寄与していきたいと考えています。
特徴としては、当社のような民間のサイバーセキュリティの会社だけではなく、産官学連携で運営していきます。いわゆる業界団体のように、サイバーセキュリティの関連企業が多数集まって話すという場ではなく、実際にサイバー攻撃の対象となりうる民間企業や事業会社が集まるコミュニティの形成を目指しています。
「実はこのような被害に遭って、このような対策をした」「被害には遭っていないが、今後これぐらいの予算を使って対策をしていこうと思うが、一般的な金額なのか? 高すぎるのか?」といったリアルな声を共有して、それぞれの事業会社間で協議しながら学びを得ていくといったことを目指しています。
2023年3月に社団法人の設立発表をした際には、関連する中央省庁のみなさまからも激励のお言葉をいただきました。第2四半期からは、非常に興味深いイベントの実施、あるいはコミュニティのオープンなどを早速スタートする予定です。こちらの活動についても、併せてご期待いただければと思っています。
グローバルセキュリティカンパニーに向けた経営体制の強化
今期からグローバルセキュリティカンパニーに向けた、非常に心強い仲間を迎え入れることができました。まずは、現在の富士フィルムビジネスイノベーション株式会社(旧社名富士ゼロックス)の元代表取締役社長の栗原氏に、今期より社外取締役に就任いただきました。
なんといっても、グローバルIT企業の経営に携わってきた深い知見と経験をお持ちの栗原氏には、当社がその道をなぞっていくために、グローバルに活躍していくための助言や、当社の大きなテーマであるガバナンス強化を期待しています。中長期的な当社の成長に寄与していただきたいと考えています。
また、篠田佳奈氏には、アドバイザーとして就任いただきました。日本発の情報セキュリティ国際会議「CODE BLUE」という、サイバーセキュリティの業界で非常に有名なイベントがあります。その創立者であり、かつ世界中の技術者と研究者をつなぐ各種イベントや大会の主催、協力、運営をされている、日本の業界でも稀有な存在の方です。
篠田氏は、日本ではもちろん、世界中にサイバーセキュリティ業界のネットワークを有しており、そのネットワークを通したトレンドのキャッチアップを強みとしていらっしゃいます。当社がグローバル規模へ拡大していくにあたり、篠田氏のネットワークを通じて、技術者や研究者との交流や、交流を通じた情報のインプット・アウトプットをはかっていきます。
さらに、そのような活動を経て、当社の知名度や魅力も向上させていきながら、優秀なエンジニアを採用していくという一連の流れをご支援いただきたいということで、アドバイザーに就任いただきました。
まだまだ成長過程の組織ではありますが、大きくグローバルに成長していくという目標に向けて、新しい仲間とともに、引き続き駆け抜けていきたいと思っています。
以上で、2023年12月期第1四半期の決算説明を終了いたします。引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。