会社概要

榮章博氏:株式会社ランドネット代表取締役の榮章博と申します。本日は、2023年7月期第2四半期決算説明を行います。よろしくお願いいたします。

まず、当社の会社概要です。1999年に不動産DATAを中心に活動する不動産流通事業・不動産DXの会社として当社を設立しました。

現在は、中古区分マンションの売買事業や賃貸事業、リフォーム・リノヴェーション事業を中心に展開しています。また、戸建とアパートの取り扱いを少しずつ拡大してきており、新規クラウドファンディングの開発にも注力しています。

スライド左下の表をご覧ください。1999年9月に創業し、本社は東京都豊島区南池袋にあります。事業拠点は、本社(東京)、横浜支店、大阪支店、福岡支店です。資本金は約7億円で、従業員数は正社員のみで486名となっています。

事業セグメントは、不動産売買事業と不動産賃貸管理事業になります。グループ会社として、株式会社ランドインシュア、株式会社ランドネット九州、日昇房屋有限公司、日商朗透房屋股份有限公司があります。

私は、1987年にライオンズマンションを展開する株式会社大京に入社し、1999年にランドネットを設立しました。

スライド右下の図のとおり、事業構成は不動産売買事業がメインとなり、98.6パーセントを占めています。不動産賃貸管理事業は1.4パーセントです。

2023年7月期第2四半期業績① 連結損益計算書概要(P/L)

第2四半期の決算内容に関してご説明します。第2四半期は前年同期比で売上高が30.9パーセント増、経常利益が63.8パーセント増となりました。第1四半期は売上高が23.0パーセント増、経常利益が0.6パーセント減のため、大幅に伸びてきています。

上期時点で通年の予算に対し、売上高・経常利益等は進捗率50パーセントを超えました。下期の数字が強い当社の傾向としては、かなりの好成績だと考えています。

第1四半期の粗利率は14.2パーセント、売上高経常利益率は1.5パーセントに対し、第2四半期累計では、粗利率は14.6パーセント、売上高経常利益率は2.9パーセントとなり、よい数字を上げることができています。

2023年7月期第2四半期業績② 売上⾼と経常利益の過去4期の推移と今期予算

今期予算について、売上高600億9,900万円、経常利益17億400万円は十分に達成できると予想しています。

2023年7月期第2四半期業績③ 連結貸借対照表(BS)

貸借対照表です。販売用不動産は75億600万円であったものが、今は77億8,300万円となっています。こちらは仕入れをもう少し強化していきたいと考えています。

有形固定資産は、20億2,000万円から25億6,000万円と増えてきています。また、ソフトの開発を一生懸命に行っているため、無形固定資産は5億2,400万円から6億円になりました。自己資本比率は、40.4パーセントから41.0パーセントに伸びています。

2023年7月期第2四半期業績④ キャッシュフロー計算書

キャッシュフローです。営業で稼いだお金をソフトの開発と有形固定資産に投資しています。

事業内容/特徴① DX→システム開発のスピードと拡がり

当社の事業内容です。こちらは何度もご説明しているスライドになりますが、最初にDXありきだということを、もう一度簡単にご説明したいと思います。

私自身が当社のシステムを開発してきています。最初にWindows95のOfficeの「Access」で作り、それをどんどん広げてきました。

どのような作り方をしてきたかといいますと、ノートPCをサーバ代わりにすると、2台から3台で動かなくなります。そのため、DELLの10万円のサーバや、「Windows 2000 Server」と「SQL Server」のソフトを購入しました。

私はコードが書けるわけではないため、マニュアルどおりに組んでも、なかなかそのように動かず悪戦苦闘しました。

実際に「Windows 2000 Server」と「SQL Server」を入れて動かそうとするのですが、動かなくなると、初期化することをずっと繰り返しました。1ヶ月くらい経ってから「Access」をフロントにし、「SQL Server」をデータベースにすることにより、動くようになりました。

その後、「Salesforce」のCRMを参考にしたり、クラウドファンディングのシステムを自分で作ってみたりしてきました。今はマイページと電子契約のシステムを作成している最中です。このようなことをすべて含めた上で不動産業に取り組んでおり、このようなものがあるがゆえに会社は伸び続けています。

事業内容/特徴② DXにより人・物・金・情報の経営の4要素全てを再構築

当社が行っていることをご説明します。今、取り組んでいることをまとめると、DXにより「人・物・金・情報」の経営の4要素をすべて再構築しているのだと考えています。このスライドは総論で、各論はこの後でご説明します。

1番目は、「モノの革命」として「ダイレクト不動産」があります。これは、実は一番伝えたいことになります。例えば、私が5,000万円の不動産を持っていたとして、それを売りたいと思った時、今は仲介会社を通しても、不動産の買主は不動産会社になる場合が多いです。

なぜかと言いますと、当社の中では「ホワイト革命」と呼んでいますが、築15年を超えてくると、フルリフォームしたり、リノヴェーションしないと、なかなか次の買い手が見つかりません。要するに買主は、くすんだお風呂やキッチンではなく、新品の設備が入った清潔できれいなものを欲しているということです。

私が5,000万円の物件を売りたいと思った場合、買主は不動産会社のため、不動産会社が1,000万円でリフォームし、1,000万円の利益を乗せて7,000万円で売ったとします。そこに仲介会社が入るよりも、不動産会社が直接売却したほうがうまくいくと考えています。

後ほどご説明しますが、当社は不動産の売主に直接アプローチして、物件を当社で買い取り、リフォーム・リノヴェーションしたり、付加価値をつけて売却しています。

当社では「ダイレクト不動産」と呼んでいますが、仲介会社を入れず、直接売ることが増えています。イメージとしては、アメリカのOpendoorという不動産会社と同じようなかたちで進んできていると思っており、一生懸命に取り組んでいるところです。

2番目は、「お金の革命」です。先ほど「当社でクラウドファンディングを作っている」というお話をしました。当社がみなさまから直接お金を集め、投資するという時代にきていると思っています。後ほど、どのようなものを作っているかをご説明します。

3番目は、「情報の革命」です。今は役所や自治体の出す統計データがリアルタイムで手に入ります。統計データを作った前提条件などもなるべく早く出すという記事が日経新聞にも載っていました。

当社としては、このような統計データに直接アプローチすることにより、不動産の価格について、特に家賃が上がるのか下がるのかを押さえられると思っています。このようなことも再構築していると思っています。

4番目の「人の採用の革命」に関してはチャレンジしている最中のため、まだ明確にはお伝えできません。以上の1番目から4番目までを念頭におきながら、事業に取り組んでいます。

事業内容/特徴③ 基幹システム「RCP」による業務の効率化

では、1番目の「モノの革命」について、具体的にご説明します。当社は、基幹システム「RCP」を直接作っています。ベンダーに作ってもらうのではなく、当社でシステムの規格を考え、要求定義と要件定義を作り、システム開発しています。

それにより、営業業務および管理業務の営業支援システムや顧客管理システム、契約管理システム、賃貸管理システムなどをすべて作っています。社内で作るため非常にスピーディーで、当社の業態に合ったかたちで作ることができていると思っています。

これを作るにあたっては、先ほどお伝えしたように不動産の情報を根幹にしているため、市販のソフトとはまったく違うものが出来上がってきていると考えています。

事業内容/特徴④ 即時の情報共有と体制による早期戦力化

「RCP」を通じて情報共有し、いろいろな情報を見たり分析したりできるため、新入社員の成長が早いのが特徴です。一番早くて、約3年で課長になった者もいます。

スライドの棒グラフのとおり、成長が早いことに伴い、営業社員1人当たりの売上高も伸びてきています。

事業内容/特徴⑤ ダイレクト不動産

「モノの革命」のところで「ダイレクト不動産」のお話をしました。スライド左側の円グラフのとおり、不動産の所有者から直接仕入れる割合は73パーセントで、不動産会社を通して仕入れる割合は27パーセントです。データベースを使い、ダイレクト不動産を実現しています。

スライド右側の販売について、一般のお客さまに直接販売する割合は58パーセントです。これは、価格の変動に強いという特徴があります。今の不安要因としてアメリカの銀行が2行倒産したという話も聞こえていますが、環境がどのように変化しても、当社は直接物件を仕入れているため、その変化に応じて仕入を調整でき、環境の変化に強いと思っています。

例えば、不動産会社を通して物件を仕入れることになれば、他社と競合するかたちになってくるため、厳しい部分もあります。しかし、当社は直接物件を仕入れているため、余計な仲介手数料がかかりません。ダイレクト不動産により、得意な直接仕入と直接販売を伸ばしています。

ただし、販売に関してはいろいろなシチュエーションがあるため、業者を通して売ることも必要と考えており、業者卸は42パーセントとなっています。業者の割合をある程度維持しながら、ダイレクトを増やしていきたいと考えています。

KPI/各種指標① 営業人員推移

上場後は人の採用がかなり楽になり、システムの担当者がどんどん増えてきています。営業も採用がかなり楽になっています。しっかり予実対応し、JASDAQに上場後、福岡支店を新規開設し、本社と大阪支店の増床に加え、今期は横浜支店も増床しました。順調に増員している分、売上も伸びてきていると考えています。

KPI/各種指標② 取扱不動産種別/取引件数

スライドの左側、取扱不動産についてです。もともとはワンルームがメインでしたが、今は区分マンションのすべてを取り扱おうと動いており、徐々にワンルームの割合が減り、ファミリータイプの割合が増えてきています。

取扱不動産種別はファミリータイプが4割超となりましたが、粗利では逆転し、ファミリータイプが取扱不動産の中で約6割となっています。ランドネットの理念であるダイレクト不動産を使った直接的な不動産の売買により、このように増えてきています。

スライドの右側、取引件数は、先期は5,295件だったところ、今期は6,612件を見込んでいます。進捗率は50パーセントを切っていますが、その分ファミリータイプが増えているため、粗利としては目標に十分届くと考えています。

KPI/各種指標③ 棚卸資産推移・在庫回転日数

先ほどより、物件の仕入を増やしているとお話ししていますが、現在、当社の販売用不動産は77億8,000万円ほどとなります。一方で、在庫回転日数は54.23日と、これまでと変わらず2ヶ月を切っています。つまり、物件の仕入数が増えていますが、販売も順調であると考えています。

KPI/各種指標④ 管理戸数推移

このような中で、ワンルームマンションの売買を行いつつ、有形固定資産として賃貸中のファミリータイプの物件を積極的に購入し、管理戸数が順調に増えています。そのため、通期予算の7,268戸には届くと考えています。

KPI/各種指標⑤ 入居率推移

賃貸管理している物件の入居率は、98パーセント以上の水準を維持しています。入居者は台湾や香港、中国、英語圏の方も多く、多言語で対応できるのが当社の強みだと考えています。

KPI/各種指標⑥ 従業員数推移

現在、従業員数は599名です。内訳は、システム部門が21パーセント、事務部門が22パーセント、事業部門が57パーセントとなっています。システム部門では社内のいろいろなシステムを作っていますが、今後は外販も考えたいと思っています。

KPI/各種指標⑦ 地域別取引件数の割合

地域別取引件数の推移です。首都圏がメインですが、近畿圏や中部圏、九州も徐々に増えてきています。日本全国の不動産を扱うことが当社の目標になっています。

当社では、北は札幌から南は石垣島まで扱っていますが、なぜそれが可能なのかといいますと、多くの不動産の情報や成約・売り出しの事例があるため、販売額の査定がすぐに行えるということと、賃貸関連の情報も多く把握しているためです。

それに加え、今は当たり前となっていますが、登記の情報がネットで取得できることと、ストリートビューによって物件の外観や地域の状況がわかるため、当社では現地に行かずにできる営業活動を行ってきています。そのため、首都圏以外の地方の物件もどんどん増えてきているということです。

全都道府県に支店がなくても、不動産DXのおかげで日本全国の不動産を扱うことができると考えています。

KPI/各種指標⑧ 拠点の拡大

先ほどお話ししましたが、拠点拡大のため、2022年4月に東京本社を増床しました。もともとは5階と7階だけでしたが、今は10階の一部も借りています。横浜支店も増床し、上階の広い部屋に引っ越しました。大阪支店は移転により増床し、福岡支店も新設しました。

成長戦略① 取扱種別の拡大

当社はこれまで区分マンションをメインに扱ってきました。これについては、今年6月くらいまでにはすべての情報が入手できると考えています。スライドには、「これから」に「ファミリー(築浅)、アパート、戸建て」と記載していますが、区分マンションでも築年数の新しい物件や、80平米から90平米くらいの物件の情報をどんどん拡充しています。

先ほど「5,000万円で不動産を売ろうと思った場合、買主はフルリフォーム・リノヴェーションが必要になるため、不動産会社に販売することが多い」というお話をしました。直接物件を買い取って、それを加工(リフォーム・リノヴェーション)して売る会社が増えてくると、価格の競争が生まれます。

ダイレクト不動産により価格の競争力はありますので、当社はこれからも一生懸命に取り組んでいきます。区分マンションに関しては競合する大手不動産会社がたくさんいらっしゃいますが、今お話しした理由から、問題なく増やせていると思っています。

それに加え、今はアパートと戸建に関しても情報を集め、そこに対してアプローチしています。少しずつ成果が出てきていますが、1棟マンションとビル、土地に関しては、まだ少し先になるかと思っています。現時点では、築浅物件も含めて区分マンションを徹底することです。その後、アパートと戸建に広げていくことになると思います。

成長戦略② 個人投資家向け販売を強化

個人投資家向け販売の強化についてです。先ほどお伝えしましたが、官公庁のデータがリアルタイムに手に入るため、そのデータをしっかり追いかけていき、「Redia」というメディアを通じて、当社の判断や見解をダイレクトにお伝えできるのではないかと考えています。

成長戦略③ ファミリータイプの販売を強化

ファミリータイプの販売では、リフォーム・リノヴェーションも非常に重要だと思っています。当社で買い取った物件をフルリフォームして販売する事業もどんどん伸ばしていく予定です。

スライドの写真は、リビングやダイニングの写真です。このように、センスの良いリフォーム・リノヴェーションを一生懸命に勉強し、それをお客さまに提供していくことで、当社で物件を買い取って、フルリフォームして販売するという事業を一層強化していきたいと考えています。

成長戦略④ 中⻑期成⻑イメージ

中長期の成長イメージです。今は戸建とアパートを拡大しているところで、1棟マンション・オフィスビル・土地へ取り扱いを拡大するのはまだ少し先だと思っています。

個人投資家向けの販売強化と、リフォームブランドの確立による築古不動産の競争力向上は取り組んでいる最中です。不動産DXによる高収益化は、クラウドファンディングなどについて考えて取り組んでいます。

実は1棟マンション・オフィスビル・土地への取扱いを拡大する中で、REITについての話もあり、今後検討していきます。

当社は、住むための不動産に強くなってきています。もともと強かった投資用不動産も、アパート、1棟ビル、1棟のマンションに拡大する中で、REITも見えるかと思っていますので、今回はあまりお伝えできませんが、それも念頭におきたいと思っています。

スライドに「グローバル不動産テックカンパニーへ」と記載しています。クラウドファンディングが育ってきたら、アメリカの不動産をクラウドファンディングで日本に住む投資家に販売することにも取り組もうと考えています。こちらは今準備に入っている段階で、まだ具体的には動いていませんが、情報を収集しているところです。

他サービス/保証① クラウドファンディング

クラウドファンディングの概要です。今お話しできる範囲で、資料を作成しました。

年予想配当利回りは3パーセントくらいを確保しながら、1,000万円以上の大きな金額を投資でき、投資期間を10年以上に設定できるクラウドファンディングを検討しています。必要であれば、資金回収もできることを前提とします。

これから当社のホームページやクラウドファンディングの専用サイトも作っていきたいと思っていますので、出来上がりましたら、さまざまなかたちで告知していきたいと思っています。

配当利回りについては、家賃収入が概ね4パーセント以上の物件のファンドを想定していますので、利回り3パーセントは確保できるのではないかと思っています。部屋が空いたら売却することを考えていますので、家賃収入が入らなくなることはあまり考える必要はないかと思っています。

出資金の回収については、事業者が優先出資者の地位を買い取る形式で実現できると考えています。

出資額は1,000万円を超える金額で、できれば1億円くらいまで上げたいと思っていますが、状況をみながら検討する予定です。出資期間は10年以上で、20年くらいも可能な投資として考えています。

大きな金額を長く投資できるファンドになるため、複利で資金を増やすのに適しています。このようなプランを打ち合わせしながら、システムの開発も行っている最中です。

他サービス/保証② お客様満足度向上への取り組み

先ほどOpendoorという名前を出しましたが、Opendoorの瑕疵担保責任、今でいう契約不適合責任を参考にしながら、当社ではスライドのような保証サービスを行っています。

独自の「あんしん保証」サービスでお客さまの心配を安心に変えるため、保証期間を3年に拡充しました。契約不適合責任は通常2年ですが、当社は3年の保証期間としました。

お風呂や給湯器、エアコンなどが壊れた時の設備保証も考えています。浴室の設備に60万円くらいかかりますので、そのうちの30万円を当社が負担するという内容です。

家賃滞納保証は、引渡日から1年以内に家賃の滞納が発生した場合、最大6ヶ月分を当社が立て替えるというサービスとなります。

日本の不動産の流通は、やはり新築が強いと思っています。しかし、新耐震基準以降の不動産をより流通しやすくしたいというのが当社の目的であり、いずれその方向に動いていくのではないかと考えています。

SDGsなどの概念的な話よりも、「もったいない」「まだ使えるものは使いたい」という視点で見ると、新耐震基準以降の物件を大事にし、リフォーム・リノヴェーションした上で使っていくためには、契約不適合責任・設備保証・家賃滞納保証があると便利で安心だと考え、他社に先駆けて実施しています。

私からのご説明は以上になります。

質疑応答:創業当時からDXシステムに注目していた理由について

「なぜ御社は創業当時からDXシステムに注目していたのですか?」というご質問です。

ここは私が一番お話ししたいところです。もともとはWindows3.1やWindows3.2を使う部署にいました。私はコードを書けなかったため、書いている人を見て「すごいな」と思いながら、業務フローや出来上がったシステムのマニュアルを作る仕事をしていました。

その中でWindows95が発売になり、Officeの「Access」というソフトを見た時に、売買契約書や重要事項説明書、不動産契約書、販売図面などを作成するシステムを、すべて私1人で作れるのではないかと思ったのです。

大きな会社と小さな会社での一番の大きな差は、情報をスムーズに扱えるか否かだと思っており、それまでは億単位のお金がないとそのようなシステムは開発できないと思っていました。しかし、「Access」でそれができるのであれば、大手と競合して勝てるのではないかと考えました。

私が作ることができたら、私は使う人と作る人の両方になれます。簡単に言いますと、設計している人が作らなくても私がすべて作っていけばよいと思いました。そして実際に、前の会社で作っていた業務システムのようなものを、私の知見で作り出すことができました。

作りながら、さらなる利便性を模索しました。不動産を扱うにあたり、契約書を的確に作るとともに、対象となる不動産がどのような不動産なのか、その不動産がいくらで売れるのかを、新入社員でもすぐにわかる仕組みが必要だと思いました。

そのようなものをすべて、一営業の私が作れることに将来性を非常に感じ、DXを1人で始めました。先ほどもお話ししたとおり、「Windows 2000 Server」と「Windows SQL Server」を買ってきて、マニュアル本を読んで1ヶ月ほどかけて独学で取り組みました。

「動かなくなったら初期化した」というお話もしましたが、朝9時に出社して気づくと夜中の11時という1ヶ月間は楽しくてしょうがなく、そこにDXがあったと今も思っています。

質疑応答:人的資本について

「採用は想定どおり順調ですか? 人的資本についてどのようにお考えですか? 退職率はどのようになっていますか?」というご質問です。

採用に関しては順調です。予算どおりに進んでいます。例えば、システム人員に関しては上場するまでは採用が大変でしたが、今はある程度集まってきています。

システム人員の最終面接は私が担当しており、いろいろと夢を語っています。手前味噌かもしれませんが、システムの最終面接まできた方のうち、5割くらいの勝率で入ってくれているのではないかと思っています。

実際に入った人とお話しすると、新しいアイデアが非常に多くて大変感謝しています。ソニーの「自由闊達にして愉快なる理想工場」のようなシステム開発の場所を作れないかということを日夜、彼らと一緒にいろいろと打ち合わせしながら考えています。そのため、システム採用に関しては私自身もワクワクしながら取り組んでいます。

営業の採用においても、以前は大変な部分がありましたが、今は集まってきています。営業の質も、いわゆる体育会系の方ももちろん欲しいのですが、少し頭を使った仕事のできる人材も増えていると思っています。

先ほどからDXのお話をしていますが、実は当社は、「仕組みがあり、不動産の営業ががんばることで数字が上がる」という発想を持っています。企画やシステムなど、事務方が作る機構、仕組みを使い、事務と営業の両方でお金を稼ぐという視点を持っています。

もちろん、体育会系の情熱や熱意も重要ですが、頭を使うことの視点にも注力していきたいと考えています。頭を使う営業の一例として、賃貸中の物件を仕入れた場合に少しでも家賃が高くなると販売価格が上がるため、その交渉ができないかということを独自に考える社員もいます。これには大変驚きました。

もちろんそれを応援する賃貸事業の人員もいます。そのような頭を使った人材が営業に入ってきていると思っています。

退職率について、私としてはそれほど多くはないと思っています。

質疑応答:業績が好調な理由と懸念事項について

「今期第2四半期の業績について好調である理由を教えてください。また、足元での不安要素や懸念事項があればお願いします」というご質問です。

業績が好調なのは、仕入がうまくいったためだと考えています。上場後、資金が集まって物件の仕入が楽になりました。そして、金融機関からの情報、貸出も増えて物件が豊富になり、それが順調に売れていったことが好調の要因だと考えています。

足元での不安要素や懸念事項については、現在、商品の金額の伸びが少し弱くなっていることです。これを伸ばしていくことを考えており、いろいろな準備をしながらチャレンジしている最中です。ただし、物件を仕入れる能力と販売する能力が徐々に高まってきているため、問題ないと考えています。

質疑応答:アメリカの銀行の倒産による影響について

「アメリカの銀行の倒産により、今後御社に影響はありますか?」というご質問です。

正直に言いますと、今のところ影響は何もないと考えています。現在、アメリカの銀行の倒産の情報を集めていますが、債権の投資の中での話と聞いています。今後、どこまで影響があるのかについて見極めていきたいと思っています。

特に円安・円高のどちらに振れるのかは見たいと思っていますが、それが直ちに日本の不動産に影響を与えるとは考えていません。

質疑応答:クラウドファンディングの詳細について

「クラウドファンディングについて、投資の利回り、投資期間、投資金額の上限等、詳細を教えてください」というご質問です。

先ほどお話ししたとおり、投資の利回りに関して現時点では3パーセントくらいを考えています。ポイントとしては、資金を回収しようと思った時に回収できるかたちのものを考えています。

投資期間に関しては、10年ないし20年くらいの長期で投資し、利回り3パーセントで資金を増やしていける商品を考えています。以前は3ヶ月程度の期間でしたが、それを長期で投資し、複利で増やすことを考えています。

投資金額の上限に関しては、実際にクラウドファンディングを募集して、その状況で判断していきたいと思っています。現在は1,000万円くらいかと思っています。

クラウドファンディングは開発途中のため、詳細に関してはもう少し明確になってきた段階で、ホームページなどのサイトを通じてお客さまにお伝えしていきたいと考えています。

質疑応答:株式の流動性を上げる施策について

「今後、株式の流動性を上げる施策などを考えていますか? お答えできる範囲でかまいませんので教えてください」というご質問です。

配当の割合を増やす等は今のところ考えていません。鋭意取り組み、内部留保して、より大きく成長していきたいと思っています。売上高、経常利益、株価を上げていく中で、株式分割等のいろいろな施策の情報を集めて実施していきたいと考えています。

真っ正面から売上高と経常利益を上げることが当社の方法だと思っています。その中で流動性は上がってくると考えており、実際に2回の株式分割によって、以前に比べて流動性は上がってきています。もちろんさらに上げる施策も考えたいと思っています。

質疑応答:商品の伸びが弱まっている背景について

「商品の伸びが前年をやや弱まっている背景は一過性要因ですか?」というご質問です。

十分に分析する必要があると思いますが、金融機関とのお話の中で、商品をどのように増やしていくかについて考えています。クラウドファンディングもその一種ですが、それらを総合した上で、どのような商品にしていくかを考えている最中です。

どちらにしても商品を仕入れる能力があり、状況の変化に応じて商品価格を変動させて市場にまわす能力もあるとも思っているため、問題はないのではないかと考えています。

榮氏からのご挨拶

本日は当社の2023年7月期第2四半期決算説明をお聞きいただき、本当にありがとうございました。ランドネットは不動産DXの中でまだ先陣を切ってはいませんが、業務をより拡大し、みなさまにいろいろな商品を提供できるような会社になりたいと思っています。

また、よりワクワクするような会社にしたいとも思っていますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。