2023年6月期第2四半期決算説明会

細谷武俊氏:株式会社ジョイフル本田代表取締役社⻑CEOの細谷武俊でございます。本日はご多用のところ、ご出席いただき誠にありがとうございます。それでは、2023年6月期第2四半期の決算について説明いたします。

23/6期 上半期決算のポイント

上期決算のポイントです。「量より質」の経営を徹底した結果、おかげさまで前期の経常利益は、株式上場来の最高益を達成することができました。特に粗利率の向上が企業の基礎体力を高め、現在の高収益体質に結びついております。

トップラインについては、前年同期とほぼ同じです。高付加価値商材の訴求に成功したペット・レジャー関連や資材・プロ用品関連が、お客さまのご購入金額増加に寄与しました。

秋冬物の季節品、例えばお部屋の衣替えアイテムや家電などの消費行動は相当慎重で、残念ながら予想を下回ったものの、構想力と提案力で何とかカバーしています。加えて、RS導入によって、私たち経営陣のコミットメントをさらに高め、今後の企業価値拡大につなげてまいる所存です。

P/L

主要P/L項目について、こちらをご覧ください。厳しい経営環境の中、売上高は横ばいを維持できました。粗利益については増額で、粗利率は過去最高の32.5パーセントです。各段階利益の内容分析、ブレイクダウンは、この後の資料で個別にご報告申し上げます。

なお、今年度の通期予想については、すでに公表のとおりです。これからも、いたずらに規模だけを追うことなく、地域一番店を目指した「最強の個店経営」を軸に据えて、業界再編の時代をたくましく乗り切ってまいります。

売上総利益および販管費

粗利と販管費の動向です。左のグラフが粗利益の推移、右が販管費および総労働時間の推移です。前期の売上高構成比は、「住まい」が57パーセント、「生活」が43パーセントでした。詳細はAppendixをご確認ください。この左のグラフで示した粗利の前期構成比は、「住まい」63パーセント、「生活」37パーセントという結果です。

5ページでロングタームの構成比の推移を、今回初めてご報告いたします。ジョイフル本田の収益構造、すなわち「稼ぐ力の体質」が、経年で劇的に変わってきた主要因の1つは、この売上高と粗利の構成の変化である、と私は考えております。

右のグラフ、販管費は、光熱費が前年同期比でプラス50パーセントと大きく増加し、 全体でも約3.8パーセント増えております。今後は大型新店のコスト増も見込まれることから、オペレーション生産性をさらに向上させてまいります。

営業利益およびEBITDAマージン

こちらは営業利益と、中期経営計画のKPIであるEBITDAマージンについて表示してございます。先にお伝えした販管費の増加要因により、営業利益は、前年同期比横ばいでした。上場以降の歴年で見ますと、営業利益率は約1.9倍まで伸⻑いたしました。

中計目標において、新店効果込みで11.5パーセントとしているEBITDAマージンにつきましては、これも徐々に増加しており、12パーセント台を維持しております。不要不急の買い物が減少し、必需品以外の裁量的支出が抑えられる環境下で、小売業としての真の存在意義が試され続ける局面であると、非常に身が引き締まる思いです。

売上構成比および売上総利益のグループ別構成比

このグラフは、今回の説明会で初めてご提示する資料です。左のグラフは、2つの分野の売上構成比の推移を⻑期間で示したものです。ご覧のとおり、2019年6月期に「住まい」の分野と「生活」の分野で構成比の逆転が発生し、それ以降の期間における収益率増加につながる流れとなりました。

右のグラフは、2つの分野をさらに細分化した商品グループにおいて、粗利の構成比推移を展開したものです。「住まい」の分野の中では、売上構成比と粗利貢献度の高い「資材・プロ用品」グループ、それと売上的にはやや低調でしたが、「インテリア・リビング」の2つの商品群が粗利高を牽引してきたことがわかります。

一方、「生活」の分野では、「ペット・レジャー用品」でのプレミアム・ペットフードの継続的な販売促進や、EDLPに通年取り組んできた結果、粗利構成比に大きな伸びが見られます。今後も、投資家のみなさまが私たちの経営方針を具体的にご理解いただけるような情報の開示に努めてまいります。

株主還元

続いて、株主還元についてご説明いたします。先に公表のとおり、今年度は9期連続の増配を実施させていただく予定です。

今後の方針も従来のとおり、DOE(株主資本配当率)2.5パーセントを目安に、引き続き「累進配当」を実行してまいります。自己株式取得についても、こちらに記載のとおりでございますので、詳細は資料をご確認いただければ幸いです。

中期経営計画 企業ミッションの具現化事例

ここからは、中期経営計画初年度にあたる今期のさまざまな取り組みについてご案内いたします。私たちの企業ミッションは、「『必要必在』と『生活提案』で、地域社会の喜びと夢を共創する」です。このミッションに基づく実行施策が、中計期間中のアクションとなります。

まず、「必要必在」、必ず要るものが必ず在るという、いわばベーシックなライフラインの安定継続提供と、さらには「生活提案」、新たな潮流、エッジィなトレンドセッター的存在になるという、我々の2大テーマについての導入事例です。

ベーシック・ライフラインにおいては、こちらの超大容量不織布マスクが代表例です。ありそうでなかった360枚入りのオリジナル企画開発品として、各種法人向け、ご家庭向けにお買い上げいただいております。

生活に彩りをもたらすユニークな提案の事例は、右側のプレミアムフラワーです。育種家の方々が独自に品種改良された大切なお花の数々を、まさに現在、我々のガーデンコーナーで拡大展開しているところです。

中期経営計画 施策トピックス①

2大テーマの1つ目、「必要必在」を追求するための、これからの新しい取り組みについて、そのごく一部をご案内いたします。

まず左上から、限定的な販売チャネルでのみ取り扱われている、このような各種計量測定器を特化して品揃えすることにより、「究極のワンストップ・ショッピング」を推進していく方針です。

その下は、トイレットペーパーの2つの開発パターンです。バラやハーブの香りをほどこしたハイクオリティ商材と、もう一方は、やや対極的ですが、大容量で低価格の売れ筋プライベートブランドです。

そして右上は、これまでの除草剤の容量を大きく上回る20リットルという大容量パッケージの開発事例です。単位当たりの価格競争力や、ご来店頻度の減少傾向にも留意したのが、この「大容量戦略」です。

その下は、非常に成⻑著しいカテゴリーである、プレミアム・ペットフードの新規導入です。ジョイフル本田ならではのアプローチを強化しております。

中期経営計画 施策トピックス②

次に、「生活提案」に関する具体的導入事例のご紹介です。まず左上、ハンガリー発のドッグブランドから、すべての犬種に対応するハーネスの発売です。専門的なセレクトショップ感を打ち出していきます。

その下は、こちらも専門店限定販売であったロードバイクの新規取扱いを開始いたします。販売チャネル限定の商品を開拓し発掘できるような、バイヤーの目利き力を強化し、セレクト感のあるストア展開を目指します。

真ん中の列の、上のお花は、そのままご自宅に飾っていただけるタイプのスタンド・ブーケで、その下は観葉植物を吊るして飾る、プランツ・ハンギングのライフスタイル提案です。

そして右上は、新しいトレンドを取り入れたガーデンライトの提案となります。その下のロゴは、自治体や地元企業とのコラボで、これから実施するイベントの実例です。このような取り組みがさらに増えるように、地域と一体となって進めていきます。

中期経営計画 施策トピックス③

中計最終年度である2025年度までに、計3,000アイテムの導入を目指しているサステナブル商材については、昨年までに617アイテムまで導入が完了いたしました。

放置された竹林の竹を活用した新規商品の企画であったり、環境に優しい電動モビリティの販売や試乗なども今後予定しております。

また、社内プロジェクトとして、「女性活躍推進委員会」が、この度発足いたしました。女性活躍はもちろんのことですが、多くの社員に働く楽しさを実感してもらえるような職場づくり、企業づくりを実現できるよう進めてまいります。

未来に向けたフラッグシップ “ジョイホンパーク吉岡”

最後に、12年ぶりの大型新店舗のご案内です。「ジョイホンパーク吉岡」は、この画像のとおり、現在も着々と工事が進んでおりまして、ご覧いただくとおり、群馬県北群馬郡の風光明媚なロケーションです。

この新たなテーマですが、我々の社内では「エンターテインメント・リテイリング」、または昨今よく聞く表現で「リテイルテイメント」に軸足を置いています。

この新店舗では、機関投資家・アナリストのみなさまに向けて、視察見学ツアーを企画しております。スケジュール詳細の確定次第、あらためてご案内申し上げます。

以上で、私からの説明を終わります。⻑時間のご清聴、ありがとうございました。