2023年2月期 第3四半期決算

古川保典氏(以下、古川):CEOの古川でございます。本日は2023年2月期第3四半期決算補足説明資料に基づいてご説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

はじめに、第3四半期累計期間の決算についてご説明します。続いて、今期これまでのトピックス、事業別説明、今期計画に対する進捗をご報告します。

3Q 業績および進捗率(前回予想(10/14公表)比)

第3四半期決算と、前回10月14日に開示した通期業績予想に対する進捗率についてご説明します。

売上高は前年同期比123.7パーセントとなりました。前回予想に対する進捗率は69.7パーセントです。営業利益は前年同期比100.6パーセントとなりました。前回予想に対する進捗率は55.4パーセントです。経常利益は前年同期比108.2パーセントとなりました。前回予想に対する進捗率は58.1パーセントです。

第3四半期は残念ながら計画した売上高を達成することができず、また損益については、四半期ベースでは2021年2月期第2四半期以来の赤字となりました。そのため、昨年10月発表の通期業績予想を達成することが困難な状況となりました。

業績動向に影響を及ぼした要因

第3四半期の業績未達の主要因は、半導体事業において海外から調達している最先端の一部部材に不具合が多発したことです。具体的には、一部部材の合格率が一時点において大幅に低下しました。これにより、レーザ装置の生産量が一時的に落ち込みました。

その結果、第3四半期における半導体事業の売上高は、計画を約4億円下回りました。現時点では、調達部材の合格率は回復基調にありますが、残念ながら一時的な不具合多発の原因を解明するまでには至っていません。

このため、暫定対策として、部材の発注数量を増やすことで、第4四半期計画分の部材確保を見込んでいます。恒久対策としては、部品製造元と共同で原因究明と再発防止に向けて取り組むとともに、調達体制を強化しています。

その結果、レーザ装置の生産は計画並みの水準に復帰しつつありますが、第3四半期計画の未達分のすべてを第4四半期計画に上積みすることは困難な状況にあります。このため、今期計画していた売上高の一部は来期に持ち越す見通しです。以上のことから、大変遺憾ではありますが、10月14日に公表した通期業績予想を下方修正することとしました。

2023年2月期 通期業績予想の下方修正

今回公表した通期業績予想についてご説明します。売上高は、半導体事業の一部売上を来期に持ち越すことにより、前回予想63億3,900万円から58億7,000万円へ、7.4パーセントの減少を見込んでいます。

また、第4四半期においては、レーザ装置出荷台数の計画達成を最優先とし、開発人員の一部を製造にシフトすることで、生産投入数を増加させています。これにより、レーザ関連の研究開発の一部が来期に持ち越されますので、研究開発費は前回予想7億1,500万円から6億8,200万円へ、4.6パーセントの減額となる見通しです。

営業利益は、前回予想の9億円を42.7パーセント下回る5億1,600万円を見込んでいます。これは売上高の減少に伴う利益減の約3億3,000万円、部材不良による良品選別などの製造費用増の約1億円、研究開発費の来期持ち越し分の3,300万円を総合的に勘案したものです。

経常利益については、前回予想9億3,000万円を40.9パーセント下回る5億5,000万円を見込んでいます。

3Q 業績および進捗率(今回予想(1/13公表)比)

あらためて、第3四半期の決算をご説明します。第3四半期累計期間の売上高は44億2,100万円です。これは前年同期比123.7パーセント、今回予想に対する進捗率は75.3パーセントとなります。

営業利益は4億9,800万円で、前年同期比100.6パーセント、今回予想に対する進捗率は96.7パーセントです。経常利益は5億4,000万円で、前年同期比108.2パーセント、今回予想に対する進捗率は98.2パーセントとなります。

今回予想に対する営業利益と経常利益の進捗率が高水準であるのは、第4四半期の利益が第3四半期の赤字から黒字転換する見通しではあるものの、低水準と見込んでいるためです。

その一番の要因は半導体事業での部材コストの増加です。第3四半期は半導体事業においてレーザ装置の出荷が遅れ、当社のお客さまには多大なるご迷惑をおかけしています。また、通期業績予想が下方修正となりましたことを深くお詫び申し上げます。

今期これまでのトピックス

山本正幸氏:ここからは山本からご説明します。まず、これまでのトピックスについてです。

9月にLQUOM株式会社および横浜国立大学とともに「大学発ベンチャー表彰」を受賞しました。10月には「量子コンピューティングEXPO」に出展し、11月には日本結晶成長学会から技術賞をいただきました。

12月からはインフレに対応した従業員の賃上げを実施しました。また、同じく12月に取締役会で株式分割を決議し、開示しました。1月13日にはRaicol Crystals社の子会社化について開示していますが、こちらは、「Raicol Crystals社の株式取得(子会社化)に関する説明」にて、別途ご説明します。

第3回 量子コンピューティングEXPOに出展

量子技術関連の展示会への出展についてです。10月末に幕張メッセにて開催された「量子コンピューティングEXPO」に出展しました。

当社はこの展示会を、量子分野に興味を持つ国内の多くの研究者やエンジニアが集結する重要な展示会と位置づけています。量子暗号通信や量子コンピューティングなど、研究開発に関わる多くの方々からお問い合わせをいただきました。

日本結晶成長学会技術賞 受賞

日本結晶成長学会技術賞の受賞についてです。今回の受賞は当社ヘルスケア事業で製造しているシンチレータ単結晶に関するものです。受賞題目は「最先端PET用LGSO単結晶の量産技術の確立」です。2015年に日立化成から事業を譲り受けたLGSOシンチレータ単結晶事業において、製造歩留まりの改善と大幅な性能向上を実現したことが高く評価されました。

事業別売上高構成 3Q累計

ここから事業別の売上高および進捗率についてご説明します。事業別売上高の構成比率は、光計測・新領域事業が12パーセント、半導体事業が53パーセント、ヘルスケア事業が35パーセントとなりました。

事業別説明【光計測・新領域】

光計測・新領域事業の第3四半期累計期間における売上高は5億1,200万円で、前年同期比117.4パーセント、今回予想に対する進捗率は69.4パーセントとなります。

事業別説明【半導体】

半導体事業の第3四半期累計期間における売上高は23億5,200万円で、前年同期比132.9パーセント、今回予想に対する進捗率は74.0パーセントとなります。

事業別説明【半導体】-レーザ装置の今期受注高と受注残高

レーザ製品の今期受注高と受注残高をご説明します。昨今、半導体業界の市況が悪化していると一部報道されていますが、世界的な先端半導体の工場建設の動きと半導体回路線幅の微細化に伴い、先端半導体の製造で使用される当社レーザ装置の受注は引き続き好調です。

第3四半期の受注高は12億2,400万円となり、第1四半期、第2四半期を上回る受注高となりました。第3四半期末における受注残高は36億1,800万円です。この積み上がった新規レーザ装置の受注残に早急に対処すべく、横浜事業所にも急遽クリーンルームを拡張するなど、社内生産能力の増強を進めています。

事業別説明【ヘルスケア】

ヘルスケア事業の第3四半期累計期間における売上高は15億5,500万円で、前年同期比113.9パーセント、今回予想に対する進捗率は79.8パーセントとなります。ヘルスケア事業においては、通期予想を前回の19億1,000万円から19億5,000万円に引き上げました。

事業別説明【ヘルスケア】-頭部専用PETの動向

ヘルスケア事業のトピックスとして、アルツハイマー型認知症の検査に用いられる頭部専用PET装置の動向についてご説明します。1月6日にFDAがエーザイとバイオジェンが共同開発するアルツハイマー型認知症の治療薬「レカネマブ」を迅速承認したと発表しました。

「レカネマブ」は早期のアルツハイマー型認知症患者に対し、認知機能の低下を抑制できる薬です。エーザイは、日本およびヨーロッパにおいても承認申請する方針を表明しています。

PET装置は、アルツハイマーの原因となるアミロイドβの蓄積を高精度で検査・画像化することができ、症状が現れる前にアルツハイマー型認知症を捉えることができます。

アルツハイマーの患者数は2019年時点で5,500万人と発表されています。がんの患者数は約1,400万人ですので、アルツハイマーの患者数のほうが多く、その患者数は年々増加すると予測されています。

頭部専用PET装置は、一部市販が始まっています。当社のシンチレータ単結晶は、その高い性能からすでに複数の研究開発機関やメーカーから注文をいただいています。今後のヘルスケア事業の売上拡大に大きく貢献するものと期待しています。

今期計画に対する進捗【人員】

業績以外の項目における今期計画に対する進捗についてご説明します。まず、人員計画に対する進捗についてです。第3四半期においては12名の増員となり、通期計画に対する進捗率は75パーセントです。

今期計画に対する進捗【研究開発費】

研究開発計画に対する進捗についてです。第3四半期における研究開発費は2億200 万円でした。通期計画はすでにご説明したとおり、研究開発費予算を3,300万円減額し、6億8,200万円に修正しています。そのため、第3四半期累計期間における通期計画に対する進捗率は76.2パーセントです。

今期計画に対する進捗【設備投資費】

設備投資に対する進捗についてです。業績予想の修正に伴う設備投資費の通期計画に変更はありません。第3四半期における設備投資費は6億3,000万円で、第3四半期累計期間における通期計画に対する進捗率は67.7パーセントです。

レーザ装置のメンテナンス需要の増加に対応した第4工場の建設、およびSiC単結晶の量産技術開発に向けた第5工場の建設は順調に進んでいます。両工場とも今年3月に竣工する見込みです。

以上、第3四半期の決算状況についてご説明しました。第3四半期は半導体事業においてレーザ装置の出荷が遅れ、当社のお客さまには多大なるご迷惑をおかけしています。また、通期予想が下方修正となりましたことを深くお詫び申し上げます。

今回のレーザ製造における一部部材の不具合問題を当社サプライチェーン見直しの契機とし、部材調達体制の強化に全力で取り組んでいきますので、引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。ありがとうございました。

質疑応答:海外調達部材の不具合について

質問者:半導体事業の海外調達部材の合格率の大幅低下についてです。差し支えない範囲で、どのようなことが起こったのかをもう少し詳しく教えてください。

また、原因解明には至っていないとのお話でしたが、現時点でどのようなことが起こった可能性があり、どのように改善していく可能性があるのか、この事態を把握したのがいつ頃だったのかについてもお願いします。

藤浦和夫氏(以下、藤浦):今回発生した部材の不具合についてご説明します。弊社は最先端の部材を集め、最先端のレーザ性能を出すということに取り組んでおります。そのため一部の部材においては、購入後に弊社内で選別を行って組み込んでいくというプロセスを行っています。

その複数の部材の中で、ある1つの重要な部材の合格率が一時期大幅に低下しました。現在は合格率がある程度戻ってきており、直近では従来の平均的な合格率を上回るような状態まで戻ってきています。

具体的な原因究明の方法として、調達元の企業と共同でそれぞれのプロセスの記録と当社で実施した合否判定の結果を突合し、プロセスに問題がなかったかを詳細に調べています。

プロセスの管理項目の中で不具合の原因となる可能性が高いものから検証を進めていますが、現状はまだその原因を完全に特定できていません。

第3四半期に入って、そのような状況が起こり始めている兆候はありましたが、生産プロセスの中でレーザ製品の性能を確認して初めて不具合の発生を見極めることになります。そのため、結果的に業績やレーザの生産プロセスへの影響が明確になったのは現時点となりました。

質疑応答:現状の良品率について

質問者:補足資料に「5割ほどあった良品率が1割以下に低下した」と記載がありました。現状では再び5割以上に戻ってきたという理解でよろしいでしょうか。

藤浦:短期的に見ると、現状においては以前の合格率と同等か若干超える状況まで復帰しています。

質疑応答:不具合のある部品の詳細について

質問者:半導体用の生産の問題についてです。回答できる範囲でけっこうですが、問題になった部材はどのようなものでしょうか? 部材そのものの回答が難しければ、例えば生産している国が欧米なのか、アジアなのか、中国なのか、あるいは光学部品なのか、電子部品なのか、金属部品なのかだけでも教えてください。

古川:不具合が生じた部品は、光学部品の1つです。大変申し訳ないのですが、詳細な回答は控えさせていただきます。

質疑応答:古川社長の株式の保有率について

司会者:「大量保有報告書によると、古川社長の当社株式の保有率が低下しています。売却したのでしょうか?」というご質問を事前にいただいています。こちらについて回答いたします。

内田誠二氏:当社代表取締役古川が保有している当社株式数についてですが、上場後、保有株式の売却は行っていません。昨年2022年12月28日に古川の名義で変更報告書を提出しています。その前の初回の大量保有報告書の提出が2021年4月9日時点です。

この変更報告書において、持株比率が低下しているように見える要因に関しては、発行済株式総数が初回提出時より42万5,400株増加していることが原因になっています。この増加の原因は、当社役職員によるストックオプションの行使によるものです。

実際の古川の持株数に関しては、2021年度と2022年度でそれぞれ1万500株ずつストックオプションを行使していますので、2万1,000株ほど増加しています。

質疑応答:サプライチェーンの見直しについて

質問者:「今回の部材の不良品率上昇にともない、これを契機としてサプライチェーンの見直し等々を行う」というお話があったと思いますが、具体的に今回の問題となった部材に関しては、サプライチェーンの見直しで対応できる余地があるものなのでしょうか? それにより今回のようなことが起こる頻度を減らせるものなのかを教えてください。

藤浦:今の部材については世界最先端のものであり、製造できる技術を持っている企業は数社に限定されます。現時点ではその中の1社から部材を調達し、お客さまの認定をいただいてレーザを製造、販売している状況にあります。

サプライチェーンの強靱化を考えると、この部品に関しては、例えば複数購買を行う、あるいは内製化するなどで対応すべきものと考えています。

複数購買については、以前より候補を検討している状況です。現在購入している会社の部材を使用したレーザでお客さまの認定が取れたためその会社からの1社購買になっておりますが、生産の安定化を図るため複数社からの調達を引き続き検討しています。

また、内製化についても現在検討を進めています。将来的に内製化が実現できれば、部材の問題が解消できると考えています。

質問者:長期にわたって影響が継続することはなく、多少の費用はかかると思われるものの、このような事態に対する改善はある程度目途が立っていると理解してよいでしょうか?

藤浦:そのとおりです。