業績推移
森遼太氏:pluszero代表取締役社長の森でございます。2022年10月期通期決算についてご説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
資料右上に「成長可能性資料P14を更新」という記載がございますが、この表記があるものは、上場日に公表した成長可能性資料の内容をアップデートしたものです。一方で、なにも記載のないものに関しては、投資家さまや株主さまからの要望や質問等があった個所につき、当社として開示すべきと判断し、新たに追加をしたものになります。
まず、通期の業績推移についてご説明します。創業以来、売上高は右肩上がりで成長しています。営業利益についても今期は黒字化を達成しました。売上高は2021年10月期から43パーセント成長し、営業利益は18パーセント計上することができました。
さらに、第4世代AIと考えているAEIの研究開発について、少しずつ成果が出始めています。そのため、2022年10月期からAEI関連の売上が本格的に計上されました。
2022年10月期業績予想達成状況の詳細
各段階利益についても、業績予想どおりの数値に着地しています。前年対比で売上高は大幅に成長しており、営業利益、経常利益、当期純利益に関しては黒字転換しました。表の一番右の列は対業績予想比ですが、いずれも100パーセント程度となっています。
ソリューション提供事業の単一セグメントの会社
当社の事業内容について簡単にご紹介します。当社はソリューション提供事業のみの単一セグメントの会社です。AEI等に係る研究開発をベースとしながら 、受託あるいは共同研究などを行うプロジェクト型ソリューションと、AEIを活用したSaaSを中心にソリューションを行うサービス型ソリューションという2つのソリューションを提供しています。
プロジェクト型からサービス型&AEI関連研究へ戦略的投資
今期のハイライトとしては、サービス型ソリューションの売上が出始めたことです。AEIの研究開発を5年間続けていましたが、それが売上高というかたちになり始めました。
多様なソリューション提供による収益の継続的成長
プロジェクト型ソリューションについてご説明します。スライド左側のグラフは、全社売上に占める継続的な顧客への売上の割合を表しています。直近四半期会計期間までに4四半期会計期間以上連続で売上を計上している顧客を「継続的な顧客への売上」と定義しており、その顧客への売上を表したものになります。
グラフは2020年10月期からの数字ですが、右肩上がりで成長しており、今期の「継続的な顧客への売上」は2021年10月期に対して43パーセント増加しました。リカーリングレベニューというほどではありませんが、一度取引を開始したお客さまに対してきちんと価値を提供し続けることが、継続的な売上計上につながると考えています。
この中で、アップセル、もしくは売上を維持しているお客さまの比率は90パーセントになります。残りは開発が一段落した保守運用などになりますが、ほとんどのお客さまに対して売上が維持・向上している状況です。
売上高全体に対する「継続的な顧客への売上」の割合は71パーセントです。新規のお客さまを開拓することと、既存のお客さまとの関係性をより強くするという両側面があるため、この数字は高すぎても低すぎても良くないと思います。現在は70パーセント程度で良いと考えていますが、適切な数値がどのようなものか今後もモニタリングしていきます。
多様な顧客に対するソリューション提供
スライドのグラフは、取引社数とプロジェクト数の推移です。いずれも堅調に増加しています。また1社当たりの売上高も増加しています。特に前期から営業の人員を拡張し、これまでより能動的に仕事の開拓を行っています。そのため、今後も取引社数や売上高については伸ばしていけると考えています。
多様な顧客に対するソリューション提供
スライドのグラフは売上高に占める顧客の構成比を表しています。顧客の構成としては特定の1社や2社に依存している状況ではありません。また、業種に関しても、かなり幅広いお客さまに対してさまざまなソリューションを提供できていると考えています。
また、一番右の顧客種類別のグラフが表すように、規模の大小にかかわらず多様なお客さまに対して価値の創出ができています。
人月・人月単価推移
人月・人月単価の推移です。人月単価は売上高を人員で割ったものになります。現在、66人月が稼働しており、人月単価は100万円から150万円の間で推移しています。
優秀な若手が数多く在籍する会社
人月稼働量は増えていますが、人材のポートフォリオについては大きく変化していません。第4世代AIの実現のために、AEI関連の人材や、文系的素養と理系的素養の両方を持つ文理融合型人材の採用を引き続き行っていきます。
2022年10月期営業利益と2021年10期営業利益の比較
スライドのグラフは2021年10月期と2022年10月期の営業利益を比較したものです。今期は売上総利益が大幅に増加していることに加え、N4・PSFデータ等に関する資産計上を開始しました。
一方、営業強化を行ったことで労務費が増加しています。労務費増加の背景としては、プロジェクト数や顧客数の増加があります。さらに小規模の営業があり、このような数字となっています。
2022年10月期 貸借対照表
バランスシートについてご説明します。2022年10月末時点で8億500万円の現預金を保有しています。また、無借金経営を行っているため、財務基盤は強固だと考えています。今後の主な投資としては人材投資、あるいは研究開発投資を想定しています。
2023年10月期業績予想
続いて、今後の経営計画についてご説明します。2023年10月期の業績予想としては、売上高成長率が25パーセント、売上総利益率が55パーセント、営業利益率は現在の水準維持を最低水準の目標として事業運営を行っていきたいと考えています。
その意図としては2つあります。1つ目は、当社は創業以来、事業計画を100パーセント達成してきました。計画に対する達成確度を保つことで信頼を獲得していきたい、という考えから、まずは確実に達成できる数字を提示する方針をとっています。
2つ目は、2023年1月末の株主総会のタイミングで開示予定の中期経営目標に関係します。中期経営目標は2026年10月期の数値を最適化するための研究開発や、人員体制などを最重視した計画になります。その達成確度を最大化するため、途中段階としてこのような業績予想としました。
2023年10月期業績予想
スライドの表は2023年10月期の業績予想における段階利益を表しています。営業利益率は2022年10月期と同水準を維持した上で、売上高は25.1パーセント増、営業利益は25.2パーセント増としています。経常利益率は営業利益率と同じと考えているため、経常利益の増減率が少し高い数字となっています。
一方、当期純利益の増減率がマイナスとなっています。これは2022年10月期に特別利益として投資有価証券の売却益を2,000万円計上したことと、過去の累積赤字に対する繰越欠損金があったことによるものです。そのため、前期の特殊要因を除けば、本来の数値としてはマイナスではなく上昇しています。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と考え方
KPIの設定についてご説明します。重要指標と参考指標として直近1年の数字をもとにKPIを設定しています。
重要指標の1つ目は売上高成長率、2つ目は売上総利益率です。研究開発にきちんと投資を行っていくために、付加価値創出能力である売上総利益率についてはしっかりモニタリングしていきたいと思っています。
最終的な営業利益などは指標のモニタリング対象にとどめて、中長期的な成長カーブの最適化を目標としています。2026年10月期を目指して一番良いかたちの成長曲線を描けるよう、研究開発に投資していきたいと考えているためです。
参考指標に関しては、3つの視点を置いています。1つ目は継続的な顧客への売上比率、2つ目はAEI関連売上比率、3つ目はサービス型売上比率です。
中長期的な成長イメージ
中長期的な成長イメージについてご説明します。現在は売上高の約90パーセントをプロジェクト型が占めていますが、AEI関連売上高も向上しています。今後はAEI関連売上と連動して、サービス型についても売上高の比率をより高めていきたいと考えています。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標と考え方
先ほどご説明した指標について、これまでの数値と今後の予想になります。2023年10月期では売上高成長率を25.1パーセントにしていることに加えて、AEI関連売上比率とサービス型売上比率についても高めていきたいと考えています。
特にサービス型に関しては、プロジェクトのほとんどが「0から1にするフェーズ」です。今期の間にそれらのプロジェクトを1にすることができるのか、もしくは10にすることができるのかは予想が難しいため、あまり強気な数字は織り込んでいません。
採用見通し
採用の見通しですが、稼働人月に関しても堅調に増加させていける見込みであると考えています。具体的には、82人月程度の稼働人月を確保できるような採用活動を行っています。
前期からの実績数値を見ても、現在の採用チャネルで十分確保できる数字だと考えています。
2023年10月期営業利益と2022年10月期営業利益の比較
2022年10月期と2023年10月期の営業利益の比較です。売上総利益の増加に対し、売上が立ち始めているプロジェクトに対する研究開発の資産計上、労務費の増加、採用・本社増床等に関する投資増があります。営業・育成・採用・本社増床と、人に対する投資を先期よりも深めていきたいと考えています。