2022年3月期通期決算説明会

三嶋隆氏(以下、三嶋):2022年3月期の決算説明を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。本日は、2022年3月期決算概要、続いて2023年3月期の施策と業績予想、今後の株主還元と財務方針の3点にフォーカスしてご説明します。

2022年3月期 P/L

2022年3月期のP/Lです。前期の成果は大きく2点ありました。

1点目は、キャラクタMDがフリューの第2の収益の柱として育ったことです。従来はプリントシール事業の一本足打法でしたが、第2の柱として収益が確立したことが大きな成果となりました。

2点目は、プリントシール紙の値上げが実施できたことです。少子化に伴い、対象となるお客さまの人数が減る中で、1枚あたりのプリントシール紙の値上げが実現できたことは今後の大きな成長につながると考えています。

全体的には増収増益が実現されており、特に売上に関しては設立以来過去最高となりました。利益も過去2番目ということで、非常に好調な業績となりました。

セグメント別業績 概要

セグメント別の業績概要です。4セグメントのうち、3セグメントで増収増益ということで、非常に順調な業績となりました。1つだけ、コンテンツ・メディアが減収減益となっていますが、新規事業の開発投資も含めているためですので、計画的な新規事業開発投資が順調に行われています。

セグメント別業績 プリントシール事業

セグメント別業績のプリントシール事業からご説明します。大きな成果としては、最初にお伝えしたとおり、プリントシール紙の値上げがあります。この値上げが実現できたことにより、今後大きな収益が見込まれるセグメントになります。

資料の補足情報の総プレイ回数をご覧ください。第4四半期にフォーカスしてご説明しますと、実績が867万回、前年比で97.8パーセントと、ほぼ戻ってきています。

営業利益をご覧ください。前年は黒字のところが、今期は第4四半期で1億900万円の赤字となっています。これは戦略的な値上げの実施に伴うものです。シール紙を値上げするためには、筐体の魅力を上げなければいけません。そのために、筐体のコストを追加でかけており、この筐体の売上が発生したことで、前年に比べて大きな赤字になっています。

その結果、大きな客離れもなく、戦略的な値上げは完了しています。営業利益の年間累計をご覧いただくと赤字が半減しており、大きく改善した1年でした。

セグメント別業績 コンテンツ・メディア事業

セグメント別業績のコンテンツ・メディア事業です。成果は、新規事業投資の継続および新規事業の順調な立ち上がりです。

今回から補足情報の一番下に、オルドットについて記載しています。D2Cアパレル完全子会社のオルドットが10月にスタートし、この半年で順調な立ち上がりを見せています。

営業利益をご覧いただくと、前年9億600万円から7億100万円まで大きく落ちています。これはプレイ回数の減少に伴い、会員水準が下降したことによるものです。9月に底打ちしてからは順調に戻っているものの、その回復が途上であることによって利益を落としています。

さらにはピクトリンクのクラウド化などを実施しており、安定したシステム設計のための初期費用や、二重稼働費用などが発生したため、この第4四半期は利益を少し落としています。

セグメント別業績 キャラクタMD事業

セグメント別業績のキャラクタMD事業です。成果は最初にお伝えしたとおり、フリューの第2の収益の柱になったことです。

第4四半期の利益にフォーカスしてご説明します。営業利益は前年に比べ4億5,000万円ほど落としています。

スライドに記載のとおり、大きな原因の1つ目は、ロイヤリティの引当が発生したためです。売上が倍増するのに伴い、ロイヤリティのミニマムギャランティを多額に契約しています。ミニマムギャランティの残額分を、ここで一気に引き当てており、それが1億6,000万円ほどになります。

2つ目の理由としては、中国のロックダウンにより商品の供給状況が非常に不安定になりました。そのため、最も売れている世界的人気ゲームIPの商品の発売を4月以降に延期しました。最も売れている商品ということは大量に発注が集まるため、利益率が非常に高くなります。その商品を4月以降に移したということで、商品セールスミックスによって利益が落ちています。

3番目の理由が為替になります。足元での急激な円安の影響が、この第4四半期に発生しています。

セグメント別業績 ゲーム事業

セグメント別業績のゲーム事業です。成果は黒字化の実現です。以前は大きな赤字を出していたこのセグメントですが、営業利益は黒字で終わっており、業績が安定してきました。家庭用ゲームソフト、ゲームアプリ、アニメなど、非常に安定した成長を続けています。

セグメント別の施策 プリントシール事業

2023年3月期の施策と業績予想についてご説明します。24ページはプリントシール事業についてです。値上げの実施ができており、今後は新型コロナの回復によりプレイ回数増が見込まれます。単純に待ちの姿勢ではなく、プレイ回数を急速に立ち上げるために、中高生を中心に手を打っていきます。

ユニークユーザー数の増加、その後に撮影回数の増加という順番でプレイ回数を増やしていきます。結果として、シール紙の値上げとプレイ回数の増加が掛け算で影響し、大きな利益となるよう期待しているセグメントです。

セグメント別の施策 コンテンツ・メディア事業

コンテンツ・メディア事業です。主にプリントシールのピクトリンク有料会員の売上が大きな収益源になります。有料会員は入会を増やし、退会を減らすという2つが打ち手です。

短期的には入会を増やすところから実施していきます。目の前では中学生無料キャンペーンを実施しており、今後の入会増につなげていきます。

一方で、20歳以降の会員さまの退会減にも注力します。具体的にはまだお伝えできませんが、退会抑制の施策を行うことにより、入会増と合わせて会員の増加を狙っていきます。

セグメント別の施策 キャラクタMD事業

キャラクタMD事業です。国内のクレーンゲーム市場は非常に拡大しています。ラウンドワンが実施しているメガクレーンに代表されるクレーンゲームの設置台数の増加により、市場が拡大しています。

目の前では、世界的人気ゲームIPの商品が大きな売上のベースになっていきます。その他IPの獲得も順調です。環境変化により、ジャンプ版権が当社にも取れるようになってきました。今人気のジャンプIPも獲得できています。前年に続き、クレーンゲーム景品はヒットのキャラクターを狙っていきます。

一方で、高価格帯ホビーや海外物販といった2倍、3倍に伸びるマーケットにも進出しています。国内クレーンゲーム市場の拡大とともに海外市場、高価格帯ホビー市場の3つで大きく伸ばしていきます。

セグメント別の施策 ゲーム事業

セグメント別の施策のゲーム事業についてです。今年は映画『ゆるキャン△』が公開されます。こちらは大きな期待を寄せているタイトルです。

一方で、『ゆるキャン△』のマーチャンダイジング収入は来期に持ち越しています。それでも、今期はプラスマイナスゼロを目指しています。

連結業績予想について

連結業績予想についてのガイダンスです。売上高370億円、経常利益37億5,000万円を目指します。

セグメント別にお伝えすると、プリントシールは今期3,200万回のプレイ回数から来期4,100万回のプレイ回数を予想しています。ピーク時の回数は4,600万回ほどでしたが、まだコロナ禍の回復途上ということを前提に置いています。

コンテンツ・メディア事業では、ピクトリンクの有料会員数が今期末は146万人まで回復しましたが、こちらも緩やかに回復することを前提に、3月末の有料会員数を約150万人と予想しています。

キャラクタMD事業です。売上高では高価格帯ホビーや海外物販の成長によって増収を目指します。一方で、生産工場がある中国へは米ドルでの支払により仕入しているため、利益に関しては円安の影響を大きく受け、ここでは為替を125円の前提で計算しています。参考として2022年3月期の実効為替レートが約113円程度ですので、12円ほどの大きなインパクトをここで受ける予想です。

最後にゲーム事業です。こちらは先ほどもお伝えしましたが、マーチャンダイジングを来期に持ち越しているため、利益としてはプラスマイナスゼロで予想しています。

当期のプレイ回数とピクトリンク有料会員数の見通し

こちらは、お伝えしたプレイ回数と有料会員数の推移を記載したものです。有料会員数は緩やかに回復し、プレイ回数についても一気にではなく、コロナ禍後の回復が緩やかに来ることを前提に置いています。

株主還元と財務方針

株主還元と財務方針についてです。ROE15.0パーセント以上が目標です。機動的な自己株取得を通じて、今後株主還元の充実を目指していきます。

株主還元策と経営指標

株主還元策と経営指標です。従来はROE15.0パーセントだけを開示していましたが、配当性向40パーセントまたはDOE(株主資本配当率)5パーセントを参考指標として、今後の配当を実施していきます。

私からの説明は以上です。どうもありがとうございました。

質疑応答:プリントシールの値上げについて

質問者:プリントシールの値上げについて、前期の実績で売上と利益に対してどのようなインパクトがあったのか、今期の見通しにどのように織り込まれているのかを教えてください。

三嶋:プリントシールの値上げについて、前期のインパクトと今期の前提条件をご説明します。前期は冬商戦、11月の新商品から値上げを実施しています。世の中にはだいたい3年分、9台ほどの商品が並んでいますが、その商品の1機種だけが変更されたのが前年でした。

期末の3月には、2つ目として春商戦の新機種も値上げしていますので、前期の後半からは9商品中2商品が新商品で、シール紙を値上げした機種に変わったという状況です。そのため、前年の利益に与える影響としては軽微です。

一方で、今期は春商戦、その次の夏商戦と、その後の商戦のすべてでシール紙を値上げしていきます。ガイダンスの設定条件としては、プレイ数の50パーセントほどがシール紙値上げ後の機種になることを前提に置いています。

足元の状況を簡単にご説明すると、3月末ですでにプレイ数の50パーセント程度がシール紙を値上げした機種でのプレイとなっています。したがって、ガイダンスの前提とした50パーセントという数字は、今後少しずつ上回っていくのではないかと予想しています。

質疑応答:ゴールデンウィークのプリントシールのお客さまの推移について

質問者:プリントシールのお客さまの推移が、特にゴールデンウィークにおいてどのような状況だったのか教えてください。

三嶋:市場にはお客さまがたくさん戻っているようですが、残念ながらプリントシールに限定すると、それほど戻りがよくありません。コロナ禍前のピーク時と比べて約70パーセントが戻ってきましたが、特に学校帰りの女子高生は、制服姿でプリントシールを遊びにくい状況が続いているようです。一方で、週末には女子大生や私服のお客さまが非常に多くなっています。やはりメインユーザーである女子高生が一気に戻ってこなければ、約70パーセントという数字がしばらく続くのではないかと予想しています。

質問者:女子高生が戻ってきていないということは、学校が終わったあとの行動が依然として制限されているということでしょうか?

三嶋:制限されているかどうかについて具体的には存じ上げませんが、店舗の状況を観察する限りでは、制服姿の女子高生が少ないということで、制限されているのではないか、もしくは気持ち的に制限しているのではないかと予想しています。

質疑応答:上海のロックダウンによる高価格帯ホビーへの影響について

質問者:高価格帯ホビーについておうかがいします。上海のロックダウンにより、足元ではどのような影響がありますか? また、いつ頃まで影響が続くと想定しているかを教えてください。

三嶋:上海のロックダウンの影響を少し受けていますが、業績に対する大きな影響は今のところないと考えています。ニュースなどを見ると、上海の街中には人が非常に少ない状況ですが、工場の中の寮に寝泊まりして、工場の稼働は続いている状況です。

100パーセントの稼働ではありませんが、そのようにして高価格帯ホビー商品の供給は続けています。まったく影響はないとは言いませんが、納入が止まっている状況ではありません。

質問者:どちらかと言いますと、商品のスライドの影響のほうが大きいのでしょうか? どれくらいの影響を見込んでいるのかを教えてください。

三嶋:年度を通しての影響は見込んでいません。ただし、先ほどお伝えしたとおり、2月、3月の商品を4月以降にスライドするといった状況が続いているため、目の前では納期が少しずつ遅れています。

質疑応答:高価格帯ホビーの値上げについて

質問者:高価格帯ホビーは、値段が少しずつ上がってきていると思います。円安の影響や原材料の高騰を考えると、今後もこの傾向は続くと考えてよいでしょうか?

三嶋:おっしゃるとおり、円安の影響や原材料の高騰などで今後も値上げを実施していきます。希少価値の高い商品ですので、値上げの余力はまだあると考えています。

質疑応答:高価格帯ホビーの売上目標について

質問者:高価格帯ホビーの今期と来期の売上目標を教えてください。

宇治淳平氏:高価格帯ホビーの今期の売上は30億円弱を予想しています。2022年3月期が21億円ですので、プラス10億円ほどで計画しています。

質疑応答:今年度の商材について

質問者:今年度の下期にかけてどのような商材があるのかについて教えてください。

三嶋:今取得できているキャラクター版権は、人気ゲームやジャンプ版権、さらにサンリオ系のかわいいキャラクターなどを取りそろえています。具体的にはお伝えできませんが、3ヶ月前受注の状況は好調に推移しています。

質疑応答:自己株式取得について

質問者:30ページに、資本政策において「機動的な自己株式取得」と記載がありますが、前回は発表されていません。こちらについて、どのような条件で自己株買いを実施するかについて教えてください。

三嶋:現在のバランスシートをご覧いただくと、非常に現金が積み上がってきています。この現金を活用したいと思っていますので、まず1つ目の条件はクリアしています。

2つ目は、現状の株価についてですが、私見では非常に安いと見ています。それを見据えて、個人的にはなるべく早い段階で自己株買いを実施したいと考えていますが、今後の手続きなどもありますので、そちらをすべて完了次第、実施したいと考えています。

質問者:借金をされていませんが、そちらに関してはどのように考えていますか?

三嶋:今後はインフレが見込まれる中で、現金の積み上げは逆にリスクになってくるとは思います。一方で、新型コロナウイルスの影響を受けずに経営できたのも、この現金のおかげだと考えています。現金の適正な水準は社内できちんと設定しながら、その水準に合った現金を維持するように、自己株買いや配当、投資などを繰り返していきたいと思っています。

今、現金は140億円ほどありますが、例えば今後は仕入れ先への支払いサイトをやや短くし、それによってコストダウン交渉につなげたり、また、リースが非常に大きくなっていますので、P/Lに効くような活用を実施していきたいと思っています。

質疑応答:配当性向40パーセントについて

質問者:配当政策について、DOEと配当性向の開示がありました。今期は過去最高利益との記載はありませんが、お話をうかがうと、来期以降はさらに期待できそうな部分があります。

増益になった場合、これまで1円増配というかたちがよくあったと思いますが、配当性向40パーセントで素直に純利益から配当していただけると思ってよいのでしょうか?

三嶋:詳細をお伝えすることはできませんが、過去最高益になった時の1つの目安として、配当性向40パーセントもしくはDOE5パーセントを考えたいと思っています。歯切れが悪く申し訳ありません。

質問者:配当性向40パーセントと言いますか、DOEで選ばれる感じでしょうか? つまり、予想配当金が安いほうが選ばれるという理解でよろしいですか?

三嶋:そこでもう一度考えたいと思っています。あくまで目安として考えています。

質疑応答:中価格帯ホビーについて

質問者:「中価格帯ホビー」という言葉は今回初めて開示されたと認識しています。今まで高価格帯に取り組んでいたところに中価格帯というものが出てきましたので、それに関してお話をうかがいたいです。

三嶋:ホビー商品の物販に関しては、先行されるセガやバンダイが数千円から1万円くらいの中価格帯ホビーと言われるものを発売しています。バンダイに関しては、クレーンゲーム景品からの発展型として、中価格帯ホビーに進出されています。物販としては低価格帯・中価格帯・高価格帯のどれもマーケットがあり、売れていくと思っています。

当社の戦略としては、まず高価格帯ホビーでのブランディングを確立した上で、高価格帯ホビーから中価格帯ホビーに落としていくことで、値段を高く設定しながら中価格帯にも進出できるだろうと考えています。すでにバンダイやセガが隆々として営業している中価格帯のホビー市場に、後発ではありますが、高価格帯方面から進出していこうと考えています。

質疑応答:中価格帯ホビーの海外物販について

質問者:今の部分の追加質問です。海外物販だけで国内は行わないと理解していますが、売り先である中国やアメリカ、ヨーロッパでそれぞれどのように展開していくか教えてください。

三嶋:海外物販の売上は、当面は中価格帯ホビーに関しては、アメリカと中国を狙っていきます。まずはアメリカから進めていきます。また、中国には「bilibili」という流通サイトがありますので、そのあたりから拡大していこうと思っています。ヨーロッパに関しては、まだ開発途上のため、その後の展開を考えています。

国内では「F:NEX」というD2CのEコマースを持っているため、こちらに載せることによって販売を始めたいと考えています。

質疑応答:プリントシール機のプレイ回数の戻りについて

質問者:第4四半期では、プリントシール機のプレイ回数の戻りが鈍いというお話がありました。新型コロナウイルスの影響というお話も出ましたが、例えばプリントシール機そのものでもう遊ばなくなっているリスクなどをどのように見てらっしゃいますか?

三嶋:おっしゃるとおり、リスクはあると思っています。当社が持っているガールズ総合研究所の分析によると、特に中高生は友達が減っており、友達が減ると外出頻度が下がります。友達が減り、外出頻度が減り、プレイ回数が減るという状況をこのまま放置すると、戻りがなく、どんどんマーケットはシュリンクしていくという、大きなリスクを孕んでいると思っています。

リスクヘッジとしては、中高生無料キャンペーンを実施しています。一度遊べば非常に夢中になる商品だと自負していますので、まずは遊んでもらい、大きなリスクを回避していこうと思っています。

質疑応答:「ピクトリンク」無料キャンペーンの効果について

質問者:3月1日から期間限定で中学1年生と2年生を対象に、「ピクトリンク」で無料サービスを始めたと思いますが、効果はどのように出ていますか?

三嶋:まだ始めたばかりで、今のところ効果を測定できるレベルに達していません。当初設定した利用者数の目標に関しても、まだ数パーセントに留まっている状況です。今後加速し、打ち手は実施していきたいと考えています。

質疑応答:オペレーターとの関係について

質問者:無料キャンペーンは、御社が負担を感じているように見えます。そのような中で、今後のオペレーターとの関係をどのように考えていますか? 

値上げした部分にどのようなイメージを持ったらよいのでしょうか? 逆に言いますと、オペレーターからすれば稼働率がよい機械だけ入れておけばよいという話で、悪くなれば入れなくてもよいと考えられます。そのような中で、オペレーターとの関係性をどのように整理されているのか、お考えがあれば教えてください。

三嶋:実はオペレーターの収益や利益管理の中では、プリントシールの利益は非常に薄いものになりつつあります。機器に投資し減価償却して、高い消耗品を売買していく中では、なかなか利益が出にくい状況でした。

そこで、オペレーターの収益についても一気に改善するのが、今回シール紙の値上げをトリガーにオペレーターが実施した400円プレイから500円プレイへの値上げです。値上げにより、オペレーターの利益は一気に回復しています。そのため、この春商戦の購買意欲も非常に高く、通常は3月と4月に機械の売上が伸びるのですが、3月に全部売り切ってしまいました。そのような状況のため、オペレーターは少し前のめりになってきたのではないかと考えています。

プリントシールは女子高生や女子中学生など、女性を集める機械として唯一無二のものです。プリントシールコーナーは維持しつつ、新たに出てきたクレーンゲームコーナーに誘導しながら収益を最大化されるというのが、オペレーターの戦略だと思っています。プリントシールコーナー単独でも利益を上げていただき、さらにクレーンゲームコーナーで追加の利益も上げていただけると考えています。

質疑応答:オペレーターへの支援について

質問者:投資に対する収益というところで、プレイ価格が高くなっていくことについてはオペレーターもハッピーになるというお話でしたが、単に価格を上げても、プレイ回数が減ってしまったら意味がないと思います。例えば、オペレーターはプリントシール機に対して、どういったプロモーションになることを考えているのか、御社がどのような支援をするかなど、何かあれば教えてください。

三嶋:オペレーター独自のプロモーションについては、さまざまなものがあります。例えば当社からグッズを提供して、それを配布していただくこともあります。最近では、昔のプリクラ帳の復活版のようなものをオペレーターに配布し、新しいプリントシール機へ誘導していただくことに取り組んでいます。また、店頭でのポスター告知や500円プレイの告知も、オペレーターと共同で実施しています。

最近では、タイトーステーションの町田店などがNHKの72時間ドキュメンタリーの取材を受けました。そういったメディアも通しながら、エンドユーザーにプリントシールの楽しさを告知し、オペレーターとともに市場を盛り上げていきたいと考えています。

質疑応答:キャラクタMD事業の増収減益の要因について

質問者:キャラクタMD事業は増収減益の予想になっていますが、その要因を解説いただけますでしょうか? 先ほど高価格帯ホビーの売上を30億円弱とおっしゃっていましたが、景品の売上が約130億円ということだと思うのですが、どのような費用がかかるのでしょうか? 為替の要因もあると思いますが、詳しく解説をお願いします。

三嶋:キャラクタMD事業が増収減益になった最も大きな原因は、資料に記載しているとおり、為替です。

先ほどお伝えしたとおり、前提として125円で計算していますが、前年の実効レートとしては、113円で為替の実効がありました。この差の12円が大きな影響となっています。当社は、だいたい為替が1円動くと約7,000万円の利益が動きます。それを逆算いただくと、その利益分程度が、為替による影響になります。

商品ミックスも大きな原因の1つです。大ヒットキャラクターには、1つの商品に大量に注文が集まります。昨年の「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」など、1つの商品に注文が集まると、非常に高い利益率が出ます。

そのようなキャラクターを前提にすると強気の見込みもできますが、当社の戦略は、ポートフォリオでさまざまなキャラクターによって売上を作っていくことを前提としています。そのため、第3四半期のような営業利益率15パーセントほどを当社の想定する利益として置き、先ほどの為替の影響をマイナスして出したガイダンスが、増収減益ということです。

質疑応答:高価格帯ホビーの利益について

質問者:今期は高価格帯ホビーでは利益が出る予想になっていますか?

三嶋:高価格帯ホビーは前期も黒字になっており、今期も黒字の予定です。

質問者:どのくらいか教えていただけますか?

三嶋:こちらは開示していませんので、黒字というレベルのご説明にとどまっています。

質問者:前期より増益になるということでしょうか? 

三嶋:はい、おっしゃるとおりです。