主要事業の概要

井宮大輔氏:みなさま、こんにちは。SMNの井宮です。本日は、2022年3月期の通期決算についてご説明させていただきます。

まずは、事業紹介になります。当社の主な事業は、スライドに記載の3つとなります。アドテクノロジー事業では、ソニーグループで培った技術を活用した広告配信サービスを提供しています。マーケティングソリューション事業では、成果報酬型の広告ソリューションを提供しています。デジタルソリューション事業では、デジタルコンテンツの制作およびラグジュアリーブランドを顧客としたECサイトの構築・運営などを行っています。

決算ハイライト

2022年3月期の決算についてご説明します。第4四半期は、前年同期比で増収減益となる売上39億800万円、営業利益2億700万円となりました。

マーケティングソリューション事業は前年同期比でマイナスでしたが、アドテクノロジー事業がプラス8.1パーセントと復調しました。通期としては、前年度比で増収減益となる売上133億6,300万円、営業利益1億2,700万円となりました。

第4四半期業績:売上

売上の推移です。第4四半期はアドテクノロジー事業の復調、デジタルソリューション事業の成長により、四半期で過去最高の売上となりました。

第4四半期業績:売上原価

売上原価の推移です。売上増に伴い、第4四半期の売上総利益率は第1四半期・第2四半期と同水準を維持しています。

第4四半期業績:販管費

販管費になります。コスト効率化の効果により、第4四半期の販管費率は17.7パーセントに抑えることができています。

第4四半期業績:営業利益

第4四半期は、2億700万円の営業利益を達成しています。

第4四半期業績:営業利益増減要因(当期累計)

前年と比較した営業利益の増減要因となります。第3四半期までは、代理店事業およびルビー・グループの影響でマイナス1億4,800万円となりました。

第4四半期は、代理店事業は前年と比較してマイナス2,800万円、広告効果の改善機能の開発によりマイナス6,900万円となりましたが、ルビー・グループはのれん込みでプラス6,900万円を達成し、結果として通期では1億2,700万円の営業利益となっています。

第4四半期業績:貸借対照表

バランスシートです。短期から長期借入に変更した影響で、流動負債が前年よりも大きく減少し、固定負債が大きく増えていますが、それ以外に大きな変化はありません。

第4四半期業績:フリー・キャッシュ・フロー

フリー・キャッシュ・フローについては営業キャッシュ・フローの増加から、前年同期より改善しています。

今期の取り組み

2022年3月期に行ってきた取り組みについてご説明します。スライドは取り組みのまとめになります。新たな媒体・パートナー連携、商品強化、アドテクノロジー以外の領域の拡大の3点を実施してきました。

第2四半期:音声広告の取り扱い開始

新たな媒体として、音声広告の取り扱いを開始しています。規模はまだ小さいですが、今後は音声広告の成長も有望視されています。現段階からこの市場に進出し、将来の成長につなげていきたいと考えています。

第2四半期:Rakuten Marketing Platformの代理販売の開始

楽天グループが提供するマーケティングソリューション「Rakuten Marketing Platform」の販売パートナーとして、販売・運用を行っています。開始した第2四半期と比較して、第4四半期は15倍の売上を達成しています。

第2四半期:TVBridgeのテレビ視聴データを活用したABEMAとの協業開始

ABEMAさまとの協業についてです。コネクテッドテレビの領域において、当社のテレビ視聴データを活用してビジネスを拡大していきたいと考えています。

通期:TVBridgeの需要拡大

「TVBridge」の売上は引き続き拡大しており、第4四半期は第1四半期の2.2倍以上の売上を達成しています。

参考:国内コネクテッドテレビ広告市場規模

国内のコネクテッドテレビの広告市場規模の予測です。2025年には1,695億円まで成長すると予測しています。「TVBridge」の優位性を活かし、引き続き注力していきたいと考えています。

第2四半期:DOOHの再開

屋外広告のDOOHを、12月より再開しています。第4四半期は、第1四半期の7倍近い売上を達成しています。

第1四半期:IDソリューション「Unified ID 2.0」に対応

cookieレスの対応となります。IDソリューションの「Unified ID 2.0」と対応することで、広告チャネル全体を横断し、広告パフォーマンスを単一のIDで管理・分析することが可能となっています。

第2四半期:コンテンツマッチ広告の提供開始

9月にリリースしたコンテンツマッチ広告についてです。cookieに依存しない新たなターゲティング手段として、配信面のコンテンツに応じたターゲティングが注目されています。

通期:ASAの外資クライアントの売上拡大

アドテクノロジー以外の領域の拡大についてご説明します。デジタルコンテンツの制作を行うASAの外資クライアントの売上は、年間で28パーセント成長しています。

通期:ルビー・グループのPMIの推進

ルビー・グループは、PMI推進によるコスト効率化が進み、のれん償却費込みで営業利益が第3四半期と第4四半期で黒字化し、拡大しています。

まとめ

最後に、まとめになります。第4四半期は、アドテクノロジーは既存商材・新商材ともに伸長し、復調しました。ルビー・グループもPMIが進み、利益が拡大しており、通期で1億2,700万円の営業利益となりました。「TVBridge」は、テレビ視聴データを活用した成功事例に基づいて横展開することで、売上の拡大につながっています。

2023年3月期 経営方針

2023年3月期の業績予想と取り組みについてご説明します。2023年3月期の経営方針としては、アセット強化による事業拡大の基盤作りをテーマに行っていきたいと考えています。

そのため、データ連携の拡大、アドテクノロジー・マーケティングソリューションの提供価値の拡大、cookieレス対応、構造改革の完了、デジタルソリューション事業拡大/DTCの立ち上げの5点を進めていきたいと考えています。

データ連携の拡大:読売との資本業務提携について

データ連携の拡大としては、4月27日に読売新聞東京本社と資本業務提携について基本合意しました。読売新聞グループが保有する370万のIDデータ「yomiuri ONE」と「TVBridge」のテレビ視聴データを連携させ、デジタルを軸とした広告ビジネスでまずは協業していきます。今後はお互いのアセットを活用した、さらに幅広い協業を進めていきたいと考えています。

アドテク・マーケティングソリューションの提供価値の拡大

アドテクノロジー・マーケティングソリューションの提供価値の拡大についてです。アドテクノロジー事業では、従来の事業に加えて広告運用・クリエイティブ制作の受注拡大を行っていきます。

マーケティングソリューション事業では、記事以外のパートナーメディアの多様化を行うことで、提供価値の拡大を図っていきたいと考えています。

cookieレス対応:Privacy Sandbox対応の推進

cookieレス対応としては、Google社が提唱する「Privacy Sandbox」への対応を本格的に進めていきます。2022年上半期に行われるAPIの実証実験に参加し、検証を進めながら開発を確実に進めていきたいと考えています。

cookieレス対応:コンテンツマッチ広告の強化

もう1つのcookieレス対応として、コンテンツマッチ広告を強化していきます。現在はサイトのメタデータをもとにターゲティングを行っていますが、サイト内の本文もAIで解析することで、精度をより高めていきたいと考えています。

デジタルソリューションの事業拡大/DTCの立ち上げ

デジタルソリューションの事業拡大について、ASAは海外展開を拡大します。ルビー・グループについては、提供サービス/プロジェクトの拡張を図っていきます。DTCは基盤作りの1年として、今期中に体制の構築・クライアントの獲得を目指していきます。

デジタルソリューション~ASA~

ASAについてです。先ほどお伝えしたとおり、米国に事務所を設立し、好調な外資クライアントの売上拡大を図っていきます。

デジタルソリューション~ルビー・グループ~

ルビー・グループは、2024年3月期での提供開始を目標に、商品情報システム・在庫管理システムの開発に取り組みます。この開発により、クライアントへの提案のスコープを広げることで、売上の拡大を目指していきたいと考えています。

業績予想(サマリー)

最後に、2023年3月期の業績予想となります。売上は140億円、営業利益は4.6億円です。事業ポートフォリオの見直しにより売上は前期並みの推移となりますが、コスト削減により大幅な増益を目指していきます。

私からは以上です。ありがとうございました。