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若月光博氏(以下、若月):ジャパンベストレスキューシステムの若月です。本日はよろしくお願いいたします。資料に沿って進めますが、6項目のテーマすべてについてはお話しできないため、「当社紹介」と「成長戦略」を中心に、会社概要や方針についてご説明いたします。また、お時間があれば、「News」の項目で買収に関してお話しできればと思います。

会社概要

若月:まず当社の紹介です。経営理念は「困っている人を助ける!」と非常にシンプルでわかりやすいスローガンを掲げています。みなさまが生活される中でいろいろなトラブルに遭遇すると思いますが、そのような時に、できるだけスピーディで効率的に、高い技術力を持って対応していくことを目指しています。

本社は愛知県名古屋市にあり、次に大きな拠点が東京の大手町です。スライド右のグループ体制については、子会社に保証会社のジャパンワランティサポート、保険の金融系会社のレスキュー損害保険、ジャパン少額短期保険があり、これらの本社はすべて東京の大手町にあります。また、9月30日付で買収実行日になる案件があるため、新たに2社が加わることになります。

我々の特徴は、5名いる取締役のうち、創業者で社長である榊原と私の2名だけがプロパーで、残り3名が社外取締役という点です。社外取締役が取締役の過半数を占める会社は上場企業の中で2パーセントくらいと聞いており、ガバナンスが非常に強く効いた会社になっていると思います。

東京と名古屋でそれぞれ一部上場していますが、従業員数はそれほど多くなく、会社としては小さくコンパクトな組織で、業績は2倍、3倍、5倍、10倍を目指していく方針を掲げています。従業員数は今までもあまり増えておらず、今後もおそらく増えていかないと思います。業績については順調に伸びており、今お話ししたことを実践している過程にあります。

沿革

若月:沿革についてご説明します。3ページをご覧いただくと、左端から右端にかけて、棒グラフの色が薄いゾーンが2012年までで、2013年から少し色が濃くなり、2019年からさらに濃い色になっています。スライド上部にはそれぞれの時期の象徴的な事業の記載もありますが、この中で一番お話ししたいのが、スライド中央の「再編期」についてです。

私たちは1997年の創業から、上場したり、新規事業を立ち上げたり、買収を行ったりとさまざまなことを経験しながら拡大してきました。黄色の折れ線グラフは営業利益を示しているのですが、再編期に至る過程では、売上高が上がっていてもボコッと下がったり、また上がったと思ったら大きく下がったりといった不安定さがありました。この間いろいろな出来事があり、私たちが反省しなければいけない失敗も起こりました。

再編期では経営陣も刷新されて、榊原以外はすべて入れ替わりました。今までと違う経営陣で新たな視点での改革を進め、その一例としてグループ再編や不採算事業の整理などを行っていきました。

まずは会計・契約基準を統一しました。それまでは契約が非常に多様化しており、それにあわせて会計処理自体もいろいろな形式がありましたが、契約を整理したことにより、会計処理も保守的でシンプルなものへ統一しました。そのほかの改革も時間をかけて、かつスピーディに進めています。

再編期では売上があまり伸びていないように見えますが、実際は伸びています。会計をシンプルな処理にしたため、売上が立ちにくくなったり、不採算のために整理したお客さまの分の売上が減ったことにより、ほぼ横ばいに見えています。

しかし、営業利益のグラフを見ると物凄い角度で急激に上がっていることがわかります。この時期に会社がブラッシュアップされ、よりよいかたちに変わりました。現在は第二創業期ということで、さらに生まれ変わったJBRをお見せしたいと頑張っています。

2019年、2020年に新型コロナウイルスによる一時的な衝撃があったため、売上が横ばいとなり営業利益もいったん下がりましたが、基本的には売上・利益ともに右肩上がりに成長しているステージにいます。

当社の強みとセグメント

若月:当社の強みとセグメントについてご説明します。スライド左側にセグメントを記載しており、上段から「駆けつけ」「会員」「保険」「リペア」「ライフテック」の構成になっています。

中でも、全体の売上の50パーセントを「会員」、残りの35パーセントを「保険」と、あわせて85パーセントを占めており、利益もほぼこの2つが稼ぎ出しています。そのため、本日は時間の関係もありますので、「会員」と「保険」を中心にお話しさせていただきます。

スライドの一番左に「フロー型」や「ストックサブスク型」といった記載があります。「フロー型」とは、1回1回お仕事をいただく駆けつけ型で、明日の売上がいくら立つかわかりません。

一方で「ストックサブスク型」は、契約が先々までしっかり成り立っており、いただいたお金を取り崩して売上を立てるような処理になります。当社では前受収益が80億円くらいありますが、こちらが将来の売上や利益につながるストックになっていきます。そのため、非常に手堅い業績を生み出すモデルになっています。

サービス内容は、もともと生活トラブルを解決する会社ですので、一般のお客さま向けサービス、会員向けサービス、もしくは保険商品になります。会員向けと保険商品の「会費を先にいただき、何か起きたら私たちがお助けする」というかたちは共通になります。

お客さまにとっては、一定の会費・保険をかけておけば、何か起きた時に無料で助けてくれるのが会員向けの生活トラブル解決サービスです。一方で、トラブルが起きて何らかの損害を被った際に、お金をお支払いするのが「保険」になります。

もう1つ、「会員」の中の大きな柱が「住宅設備の延長保証」で、約10年の延長保証を行っています。住宅設備は長く使用されるため、ガス、トイレ、キッチン、給湯器などを保証しています。

スライド右端に「お客さま」とありますが、私たちとお客さまの間には「駆けつけ」を除き、必ず「提携企業」が入っています。基本的にお客さまと直接の接点はありません。お助けする場面ではお客さまのお宅に上がることもあるため接点はできます。しかし、新規契約も私たちが直接取ることは1件もなく、すべて「提携企業」が取るかたちです。

当社の強みは主に3つあります。まずは、いろいろなサービスに対応可能なパートナーのネットワーク網が全国にあることです。鍵屋、水道屋、ガラス屋などさまざまなサービスを提供するパートナー網があります。

2つ目は、高品質のコールセンターを持っていることです。いろいろなトラブルを電話で受け付けていますが、これが案外難しく、コールセンター会社に外注しようとしても「難しくてできません」となることが圧倒的に多いです。つまり、音声だけでトラブルの内容を把握し、その状況をパートナーに的確に伝えることは、実は難易度が高いと感じています。

3つ目は、提携企業群の多さです。「JBRさんはいろいろな会社と組めますね」とよく言われますが、こちらも強みだと思っています。

ビジネスモデル

若月:ビジネスモデルについてご説明します。5ページをご覧いただくと、左側に当社、右側にお客さま、中央に提携企業の箱があります。基本的に当社のサービスは、提携企業のサービスをお客さまに提供していることになります。提携企業がサービス内容をお客さまに提案し、会員になっていただきます。

会員になっていただくと、会費・保険料といったかたちで提携企業がお金を回収して私たちに振り込み、その見返りに提携企業に紹介手数料が落ちます。契約は基本的にこのようなかたちになっています。

会員や保険の加入者にお困りごとが生じると、お客さまから私たちのコールセンターに電話がかかってきます。全国各地から「鍵を無くして部屋に入れません」「ガラスが割れて困っています」などといった電話を受けると、それぞれの場所の鍵屋、ガラス屋といったパートナー店を手配して、パートナー店は60分以内に現地に到着するように出動します。

お客さまの支払いは、私たちが先にいただいている保険料や会費の中で賄うため、無料です。保険の場合は、先ほどお伝えしたように、サービスではなく損害を被った分のお金を支給してお助けとするというモデルです。

セグメント別売上高構成比

若月:セグメント別の売上高構成比は、先ほどお話ししたように、50パーセントが「会員」、35パーセントが「保険」と、大方この2つの事業で成り立っています。最近は売上・利益ともに順調に伸びているステージだと申し上げましたが、実際にここ数年は、「保険」の契約者数や「会員」サービスの会員数が右肩上がりで伸びています。

スライドの棒グラフは売上商品の内訳で、「保険」の主力商品は一番下の「新すまいRoom保険」です。賃貸住宅に入居している方が必ず加入する賠償責任保険にプラスすることで、自分の家財を守るための保険です。

「スポーツクラブ傷害保険」は、スポーツクラブのルネサンスに通われているみなさまが加入しているものです。被保険者数が伸びていましたが、コロナ禍によりスポーツクラブに通われる方が減少したことに伴い、契約数も若干減りました。新型コロナウイルスが落ち着けば再び増えてくると思います。

「スマホ保険」も最近伸びており、こちらはヨドバシカメラでスマートフォンを購入された方が、故障などに備えて加入する保険です。ヨドバシカメラで販売するスマートフォン購入者の約1割が加入しています。

スライド右側は会員向けサービスの内訳です。一番下の部分の「安心入居サポート」は不動産の入居者向けサービスで、100万人くらいの会員がいます。下から2段目が「安心修理サポート」という延長保証サービスで、こちらはすでに100万人を超える会員がいます。

下から3番目の「学生生活110番」は、基本的には1人暮らしの方をお助けするサービスで、学生だけでなくご家族の方もご利用いただけます。初めての1人暮らしは頼る人が身近におらず不安があると思いますが、何か起きた際にお電話いただけるとお困りごとに対応します。こちらには約30万人の会員がいます。会員向けサービスをすべてあわせると約265万人の会員がいます。

主力商品とチャネル

若月:私たちの会社をご存知の方はまだまだ少なく、会社について説明すると「ああ、あれはそうだったんだ」となるケースが多くあります。7ページには各サービスのパンフレットを載せています。

「安心入居サポート」はどのような売り方をしているかご説明します。スライドの表の左側にお示ししているのが、「エイブル安心入居サポート」というエイブルのパンフレットになります。パンフレットの最後のページに小さく「運営しているのはJBRです」と、ジャパンベストレスキューシステムの名前が入っています。

エイブルの賃貸住宅に入居する方に対して「JBRという会社があってね」と説明をするよりも、エイブルの名前を冠したサービスにすることでスムーズに展開することができます。会員を獲得していただくとエイブルに手数料が落ちて、残りのお金がまとめて私たちに入ってきます。

「ミニミニ安心入居サポート」「アパマン安心入居サポート」「ハウスコム安心入居サポート」といった、みなさまがご存知の会社でも同様に販売されています。1度でもこれらの物件に入居されたことがある方は、おそらく見積りの中にこのようなサービスが含まれていることがあったと思います。

私たちの販売設計の強みは、もちろん入居者のみなさまのお困りごとを解決するサービスですが、実はこちらを販売する不動産会社も助かる設計になっています。例えば以前は、入居者が夜中に鍵を無くして部屋に入れなくなった場合に、エイブルの賃貸住宅であればとエイブルに問い合わせをして、エイブルの担当者がその場にスペアキーを持って行くかたちになっていました。

しかし、我々のサービスを利用していただくと、電話もすべて受け付け、スペアキーを持っていなくても鍵を開けられる方が出動して対応できます。そのためエイブル側は何もしなくてよくなります。コールセンターも必要ないですし、誰かが鍵を届ける体制を24時間確保する必要もありません。

私たちが直接、会員を1件も獲得していないのに会員が伸びていくのはなぜかと言いますと、エイブルのような会社が、自分たちにとってもメリットがあると判断し販売をしてくださるからです。これが私どもの基本的なモデルになります。

「安心修理サポート」のパンフレットは当社のものですが、「安心入居サポート」と同様にいろいろな会社の名前になって世の中に出ています。わかりやすいところではヤマダ電機の延長保証です。ヤマダ電機で何か買われた際に「何年の延長保証、何千円払うと入れます」と勧められることがあると思いますが、それも私たちのサービスになります。

チャネルのところにホームセンターと記載していますが、こちらのシェアは非常に高く、みなさまが頭に思い浮かべるようなホームセンターの延長保証はほぼ私たちが担っています。コメリやカインズ、名古屋であればDCMカーマ、コーナン、ナフコなどで、キッチンやトイレを購入した際の延長保証が当てはまります。

また、最近ではハウスメーカーから「10年保証の家です」として販売しています。ハウスメーカーは職人がしっかり作ったところについては責任が持てるのですが、例えば給湯器やトイレの故障やトラブルについては、基本的に設置をしているだけで自分たちでそれを作っていませんし、修理の対応ができるわけでもありません。

ハウスメーカーには、私たちが裏側で保証を付けるかたちで「家全体が完全10年保証です」と販売していただいています。戸建てではミサワホーム、三井ホーム、セキスイハイム、レオハウスなど、マンションでは住友不動産などで展開しています。戸建てであれば棟数分、マンションであれば販売される部屋数すべてに当社の契約が付きます。

すべてを保証するサービスになるため、インターフォンのような小さなものから、床暖房が付いていれば床暖房まで保証しています。そのため、ミサワホームを買われた方が、「ちょっとここの調子が悪いです」と掛けた電話は、実は私たちが受けており、当社がミサワホームとして対応するかたちになっています。

スライドの写真では文字が小さくて見えないのですが、「学生生活110番」もパンフレットの一番下に黒字で全国大学生協と名前が記載されています。こちらも同様に生協の名前で販売していただいています。

これ以外の会員サービスとして、インフラ関係の会社だと大阪ガスや中部電力の「駆けつけサービス」などは私たちが対応しています。そのほか、ジェイコムの映像配信サービスの付加サービスになっていたりします。

家財保険については、先ほどご説明した「新すまいRoom保険」という入居者が入るための保険があります。こちらは国内でも屈指の売れ筋で、軽く10本の指には入るような販売数を誇っています。

同業他社との比較

若月:同業他社との比較です。私たちは先駆者的にこのようなサービスを開始しました。現在は同業他社もいらっしゃいますが、私たちとまったく同じことを行っている会社はありません。

8ページに記載してある従業員一人当たりの売上高は、各サービスごとに競合が存在するという前提で、競合の短針や公開されている情報から算出したものです。サービスの売上を従業員数で割っただけの単純なものですが、スライドの棒グラフの上から2つ目にあるA社は、会員型の生活トラブル解決サービスで2番手だと思っているのですが、当社のだいたい半分の売上高です。私たちのほうが1人当たりの売上が倍くらいあるかたちです。

同様に住宅設備の延長保証においても、当社の2番手と思われるB社は、やはり売上が当社の半分くらいでした。駆けつけ型サービスにおいて、私たちと並んでよく名前が出るC社もやはり半分くらいの売上です。結果として、私たちが効率的に高い収益性を実現できていることがわかりました。

後ほどお伝えしますが、同業他社であるA社について、9月30日付で株式交換での買収を行うことが決定しています。

成長の展望

若月:成長戦略についてご説明します。10ページのグラフは、縦軸が契約数で、マーケットの大きさそのものを表すものだといえると思います。横軸が展開順で、私たちはグラフの左側から右側に向かってサービスを展開しています。

私たちはもともと駆けつけサービスを行っていた会社です。タウンページなどをご覧になった方から「トラブルが起こったので」という問い合わせを受け、対応する仕事をしていました。グラフ左下に灰色の文字で「顕在市場」と記載していますが、私たちがもともと行っていた、トラブルが顕在化した時に対応するサービスのことです。

生活する中で毎日のようにトラブルが起こるわけではないため、世帯数から見ると、トラブルの数はごく一部になります。この事業を担っている競合他社は私たち以外にもたくさんいらっしゃるので、そのような意味ではレッドオーシャンで、競争の激しい世界になっています。

一方で、「潜在市場」とは、あらゆる方に「いつ生活トラブルが起こるかわからないため、先に備えておきましょう」という保険モデルです。極端にいいますと、生活しているすべての方が対象になりますので、マーケットの規模が格段に増えます。「潜在市場」でサービスを提供している競合他社は少ないため、かなり優位に事業を進められると見込み、こちらに大きく舵を切って進めています。

スライド下部に記載のとおり、まずは既存のサービスを既存のマーケットで展開し、着実に伸びる成長の土台を形成しました。最近はクレジットカード業界などいろいろな会社との新たな取り組みを進めており、今までとは少し違う角度で伸び始めるのではないかと考えています。

市場の大きさも、初期の賃貸・集合住宅を中心とした「潜在市場」を狙っていた時期は2,200万世帯でしたが、それを戸建までを含めると5,800万世帯まで増えます。現在はガス会社やクレジットカード会社と提携し、戸建を持っている方をターゲットに販路拡大しており、マーケットも非常に大きくなっています。

地域金融機関との提携

若月:11ページに、金融機関とどのような組み方をするのかという例を記載しています。細かくご説明する時間がありませんが、少しご覧ください。

現在、地方銀行は数が多いと言われており、競争も激しくなっていて、金融庁からの再編のプレッシャーも働いています。また、日銀もマイナス金利になっているため、あまったお金を日銀に預けても逆にペナルティが付いてしまうので、もっと地元に根付いていろいろな応援をしていかなければならないといわれています。

そのような中で、今までは横並びだったところがありますが、「サービスの付加価値をもっと上げよう」「今までと違い、お金の部分ではないことにまで展開しよう」など、いろいろな発想を持っている銀行が圧倒的に多くなっています。ここ半年か1年くらいで、地銀の考え方は変わってきていると思います。

それに対して私たちは、教育ローンに「学生生活110番」を付けて、新しいローンとして販売すると付加価値が上がるため、金利も上げられるかもしれないなどというご提案をしています。また、パチッと連携だけすれば、同じ競合の地銀が持っていないサービスを、ある瞬間急に作ることができますので、「そのようなかたちで組みませんか?」とご提案したりもします。

当然ですが、住宅には住宅設備が付いています。先ほど私たちがお伝えしたような延長保証と組めている住宅を買われた方はよいのですが、そうではない住宅のほうがはるかに多いです。そのため、住宅ローンを購入される方に、「住宅ローンに修理の保証が付いていたら、おもしろいローンになりませんか?」などといったご提案も行います。

そのような組み方で、現在一部の銀行のリリースを始めていますので、今後もいろいろな地銀のお名前がリリースできるのではないかと思います。

今後の新規案件

若月:今後の新規案件についてですが、リリースした1ヶ所のみ名前を挙げ、他は挙げていません。また、スライド左上には関連テーマを挙げています。

私たちは、世の中の変化や課題に遭遇している会社と提携していきます。スライド左に記載しているのは、私たちが持っているもともとのサービスであり、それらを提携先候補のところへ持っていき「このような切り口で新サービスを作りませんか?」と提案し、提携を結んでいます。

先ほど地銀再編についてお話ししましたが、現在、地銀再編の動きが活発化してきているため、私たちの今までのサービスを地銀に向けても提案し、提携を進めていきます。

例えば、少子高齢化については長年の課題ですが、若い時にできていたことが、高齢になると身体の自由がきかなくなったり、重いものが持てなくなったりするという問題が出てきます。個々にいろいろな問題がありますので、高齢者が増えることは私たちのサービスの可能性が増えることにもなります。

もともと経営が厳しい病院が多く、コロナ禍でさらに大変になっているため、私たちは医療をサポートするような提携を模索し、さまざまな組み立てをしています。

コロナ禍でたくさんの会社が苦労していますが、私たちはあまり影響を受けない会社ですので、しっかりしたものを持って「一緒にやっていきましょう」と、提携を進めています。世の中のさまざまな変化が私たちのチャンスになっています。

スライド左下に記載している内容は、既存のネットワークが非常にたくさんあるため、そこに新しい商品を組成して販売していこうという取り組みについてお示ししています。既存のお客さまに対し、新たなサービスとして「見守りサービス」や、「リペアサービス」といった補修サービスを提携しにいくなどの取り組みをしています。

スライド右側の「協議中の案件(一部)」の右から2列目の「時期」に「近日」とある案件は、本当に近いうちに発表する予定のもので、「年内」とあるものは今年の12月までに発表する予定です。「未定」には、おそらく契約としては成立しますが、時期について特定するのは難しい、というものを挙げています。

今までお話しした地銀やクレジットカード会社とは別に、旅行業界や介護業界などとも提携を組みに行っていますので、私たちは企業として非常に可能性がある会社だとと思っています。

SDGsに対する取り組み

若月:SDGsについて、13ページにまとめています。私たちは小さくコンパクトな組織であり、みなさまと連携することでサービス全体を成り立たせていますので、17番の「パートナーシップで目標を達成しよう」がもっともよく達成できている会社かと思います。

加えて8番「働きがいも経済成長も」や、9番「産業と技術革新の基盤をつくろう」、さらに11番「住み続けられるまちづくりを」などができている会社だと思っています。

スライド左側に数字を並べていますが、こちらは私たちのサービスを販売していただいている会社の店舗数です。およそ6,700店舗が、私たちのいろいろなサービスを全国で販売しているということです。

私たちのパートナーとしてお助けに行っているみなさまは、店舗数で言えば3,000店舗であり、中には上場企業も入っています。人数で言うと、この程度の数ではなく、もっと多くの方が全国でお助けに行っています。

さらに、さまざまなベンチャー企業などとも組んでいます。私たちと組んだ企業は年に2社から3社は上場していきますので、経営に弾みをつけたり売上貢献をしたりするという意味では、いろいろな協力ができていると思います。

株主還元(配当)

若月:15ページは配当についてですが、基本的にはずっと増配を続けてきています。当期はコロナ禍で横ばいにステイする状態になってしまい、ほとんど伸びていませんが、これ以降は売上利益と一緒に伸びていますので、再び増配を続けていけるのではないかと思っています。

株主優待(キッザニア優待券)

若月:株主優待として、国内で唯一キッザニアの優待券を付けています。私たちは9月決算ですが、キッザニアは4月スタートです。そのような事情もあり、優待券の進呈時期は、3月の中間決算時点で株を保有している方に対し、6月くらいにお送りすることになります。

到着日以降、翌年の3月まで使える優待券であり、最大19名、また、キッザニア東京・甲子園の両方でご利用いただけるため、これを目当てに株主になっている方も結構いらっしゃいます。

M&Aの概要

若月:M&Aについてお伝えします。私たちは、現在100万人の会員を持つ、不動産・賃貸の市場における会員サービスを提供する中ではトップの企業です。

アクトコールで会員サービスを行っており、TSUNAGUがコールセンター部分になっているかたちですが、会員数が50万人で、2番目のシェアです。3番目がおそらく30万人くらい、4番目は10万人台だったと思います。

したがって、会員数100万人を持っている私たちが2番目の50万人の会員を買収したかたちになるため、市場の中では150万人でトップであり、次いで2番目となる企業の約30万人と比較すると、圧倒的な立場をキープできるということになります。

また、いろいろなシナジーが出せると思っています。もともと2番目の会社は、先ほど生産性のところで少しお話ししたA社のことです。生産性ではもともと私たちよりも劣っていたことになりますが、その点も私たちのノウハウで変えられると思っています。将来は、かつて彼らが出していたものを上回るような業績予想を出していけるのではないかと目論んでおります。そのあたりはご期待ください。

駆けつけセグメント

若月:補足資料についてもお伝えします。私たちは裏方に徹している会社で、表面にはアパマンショップやヤマダ電機という名前が出ているため、なかなか見えませんが、唯一表に出ていると思うところが、テレビ出演です。

いろいろな放送局で、昔の金庫が出てきて「中に何が入っているんだろう?」ということで、鍵の職人が呼ばれて何時間も掛けて苦労して開けるという内容の番組がよくあると思います。スライドに掲載している所ジョージさんの番組もそうですし、林修さんの番組などもあります。各局がいろいろなかたちで放送していると思いますが、あのような番組に出る鍵の職人は、すべて私たちの会社の社員です。

スライド右上の写真に顔が出ている社員は所さんの番組に出ていますし、その下のほうの動画チャンネルのアイコンの左側に写っている人間はフジテレビに出ています。テレビで見た時には「これがあのJBRって会社だ」と思い出していただければと思います。私からは以上となります。

質疑応答:今後期待している提携先について

高井ひろえ氏(以下、高井):提携先についてのご質問を多くいただいています。「提携先について、今後の提携先で特に期待しているところや、今提携しているところで特に拡大の期待をしているところについて教えていただきたい」という内容になりますが、いかがですか?

若月:現在提携しているところは、契約ができた瞬間から急激に会員数が増えるということではなく、提携してからそれ以降の入居者にずっと契約が付いていくかたちになります。そのため、既存の提携先については黙っていても増え、かつ規模が大きければ大きいほど増えていきます。特にどれと言うわけではなく、放っておいても伸びていく、というところだけをお伝えしたいと思います。

ちなみに、今後のおもしろい話を12ページに記載しています。簡単にお話ししますが、スライドにお示ししているように現在20行以上の地銀と交渉していますので、かなりの数が決まっていくのではないかと思います。この中には大手の地銀も入っています。

また、クレジットカードについては、提携予定の百貨店がA、B、Cと3つあるのですが、デパート系列の百貨店のカードやクレジットカードの解散というように、今後デパートがどうなっていくのかという議論もあります。

カード会社としては「できるだけ自立してもっと収益性を高めていこう」「もっといろいろなサービスを付加して、魅力のあるカードにしていこう」とは思いつつ、何をすればよいのだろうという状態です。しかし、私たちは、そのような時もどなたにも必要とされるサービスを提供しています。

私たちは優待サービスを非常にたくさん持っています。ネットで探しても絶対にたどり着けないくらいの優待価格で用意できており、しかもそのサービスを付けることで魅力度を上げ、「そのサービスを使うには、必ずこちらのカードで決済してください」という仕組みにするため、決済額も上がるというわけです。このあたりもマーケットの規模があるため、なかなかおもしろいのではないかと思います。

加えて、現在の病院は新しいことに動けないため、医療の状況が少し落ち着いた後にはなりますが、結構おもしろいものを仕込んでいます。この状況が落ち着けばどんどん提携が増えていくのではないかと思います。

同じことがいえるのが旅行業界です。あとは提携する寸前の状態になっているものがあり、新型コロナウイルスの感染状況を見て提携を結びますので、このあたりもおもしろいです。

また、旅行業界の「マーケット規模」のところに記載している「※」印についてお話しします。クレジットカード業界を例にすると、百貨店Aでは150万人以上の会員を持っているため、約150万人がサービスを使うのではないかと目論んでいます。

しかし、旅行業界の「※」印のところは規模が大きく、数字を記載すると会社が特定できてしまうため書けませんでした。逆にいえば、この提携が決まれば非常に大きいということですので、楽しみにしていただきたいと思います。

質疑応答:大家向けのサービスについて

高井:「大家さん向けのサービスはありませんか? 入居者にクレーマーの方がいて困っています」という、ユーザーとしてのご質問もいただいています。

若月:大家さん向けのサービスは、少し意識しているところはあります。提携しているため言いにくいのですが、管理会社を通さない自主管理オーナーが非常に増えています。つまり管理会社にお金を払わず、自分で管理しているのです。

管理会社が担っていた負担がオーナー自身にかかってしまうため、お金は浮くものの、手間がかかります。しかし、私たちが持っているサービスをオーナーに直接つなげることができれば、オーナーにとっては、今までよりコストも下がり、面倒くさいことも外注業者がやってくれるかたちになります。これが実現できればと思いますが、管理会社に喧嘩を売るかたちになるのはよくないため、検討しているところです。

質疑応答:地銀との提携内容について

高井:「地銀とはどんな提携があるのですか? 住宅ローン関連など、もっと詳しく教えてください」という、掘り下げたご質問です。

若月:地銀との提携の内容は、基本はスライドの11ページに挙げた4パターンです。1つイレギュラーなケースがありますが、その銀行だけですので例外とします。

スライド下段の表の一番上にある「生活救急車・リペア」ですが、例えば「水漏れが起こってしまった」「家に傷がついてしまい、そこを直したい」という時に、知っている方がいれば信頼して頼めると思いまが、そうでなければ、よい業者を探すのは大変だと思います。ネットで検索しても、リフォーム詐欺のような業者も結構いますし、中には反社会的勢力などもいるかもしれず、みなさまには見極めが難しいと思います。

私たちは上場企業ですし、きちんとしているつもりですが、あまり有名ではないため、私たちにたどり着かない方もいると思います。銀行はお金のかからないサービスを提供しようとしているため、銀行の名前であれば「銀行は信頼できて、変なことはしないだろう」とみなさまは思っているはずです。

そこで、銀行に「みなさまの生活のお困りごとも提携先と連携してお助けしますよ」とアピールしていただくことで、躊躇していた方からお問い合わせをたくさんいただけると思っています。ご依頼がそのまま私たちに来ますので、私たちも銀行の顔を潰さないようしっかりとサービスを提供します。

そのため「このような連携をしたい」という銀行からのお問い合わせは多いです。銀行から代表電話に直接かかってきて、「こういうことをしたいので組んでください」といったご提案をいただいたりします。

2つ目の「住宅ローン+リペア」についてお話しします。例えば、高いお金をはたいて買った家に、お子さまが何か傷をつけてしまったり、犬がガリガリ引っかいたりしたら、ちょっとした傷でも最初はショックですよね。10年も経つと思い出の傷ということになりますが、最初は新居ですので気になります。

私たちは木だけでなくて、石でもタイルでも金属でも補修できる技術を持っていますので、「何か気になったら直せますよ」といった権利が付くような住宅もおもしろいのでは、ということでこのようなサービスを提供しています。

4つ目にある「教育ローン」は、地銀ががんばっているところです。地銀は地方でもそれなりに数がありますが、大学はあまりない地域が多いため、一人暮らしになる学生が多いです。そこで、地銀の教育ローンに一人暮らしをお助けするサービスが付いていたら親も安心して借りられるし、「子どもに対してのサポートまで付いていてよいよね」ということになる、というわけです。

質疑応答:JBRと提携することのメリットについて

高井:「貴社の提携先になることは、サービスラインナップ拡充以外でどのようなメリットがありますか?」というご質問です。

若月:もちろんユーザー・会員に役立つサービスを提供していますが、実は私たちはBtoBtoCのモデルです。手前のBが私たちで、Cが会員なのですが、真ん中のBのみなさまが動いてくれないと、私たちの業績は伸びないのです。

そのため、この方々のニーズにかなり応える設計をして、2段階のニーズに応えています。Cの方に役立つサービスにするのはもちろん、Bの方も動きたくなるような仕掛けになっています。

先ほどの鍵の例がそうですが、不動産会社は電話を受ける体制、モノを届ける体制は過去に持っていますが、「面倒くさいことはやりたくない」という本音があります。例えばヤマダ電機も、モノを販売する会社であり、このような体制をたくさん持っています。「売りっぱなしではなく、アフターフォローをしっかりやることが大事だ」と思いながらも、本音は「なかなかそこまで十分に手が回らない」ということです。

そこで、私たちのサービスをお客さまに販売し、お客さまにこのサービスに入っていただくことによって手数料が落ちます。ヤマダ電機にも、ミニミニにも手数料が落ち、収益源が得られます。

そして、残りのお金は私たちに払い、面倒くさい電話など、最後の報告まで全部私たちが行い、「今月はこれだけサポートしました」とヤマダ電機に提出します。彼らが過去に行っていた仕事が消えてしまうので、新たな収益が得られるというのも1つのメリットですが、販売後のアフターフォローをしなくてよくなるというメリットもあるのです。

お金をかけてアウトソースするのはよくある話ですが、お金をもらってアウトソースしている状態なのです。そのため、彼らは売れば売るほどほどお得なので、がんばって売るというかたちになります。