連結業績ハイライト

橋場真太郎氏:経営企画本部の橋場でございます。本日は、弊社決算説明会動画をご視聴いただき、まことにありがとうございます。

弊社のサービスをご利用いただいているお客さま、弊社と連携していただいているお取引先さま、弊社を支援いただいている株主さま、すべてのステークホルダーの皆さまに感謝申し上げます。

それでは、連結業績ハイライトについて、ご説明します。当第2四半期の売上高は119億1,900万円、売上総利益は23億8,900万円、営業利益は11億9,000万円、経常利益は11億6,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億7,600万円となりました。

第1四半期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、第2四半期はその影響が薄れ、売上高を大きく伸ばすことができました。

売上総利益の増減内訳

売上総利益の増減について、ご報告します。なお、当社グループは財産コンサルティング事業のみの単一セグメントですが、売上高の区分は、財産コンサルティング収益と不動産取引収益に区分しています。

また、財産コンサルティング収益は、個人資産家向けの財産承継コンサルティング収益、企業オーナー向けの事業承継コンサルティング収益、コンサルティングの有効性を高めるために商品提供を行う商品組成等による収益に区分しています。

また、不動産取引収益については、任意組合を組成し多数のお客さまに提供する「ADVANTAGE CLUB」と、プライベートの任意組合を含む不動産コンサルティング商品に区分しています。不動産取引、いわゆる不動産ソリューションの提供は、弊社の本業である財産コンサルティング収益事業を拡大するために組成するものです。

財産コンサルティング収益のそれぞれの区分と、不動産取引収益全体について、ご説明します。財産承継コンサルティング収益は8,500万円の減少、事業承継コンサルティング収益は4億1,000万円の増加、商品組成収益は1億4,600万円の減少、不動産取引収益は2億4,100万円の増加です。以上により、4億1,100万円の増加となりました。

営業利益の増減内訳

営業利益の増減について、ご説明します。人件費を除いた売上総利益は4億2,000万円の増加です。一方で、人件費の増加により2,500万円が減少要因となりました。販管費については、徹底的なコスト管理を行い、6,500万円の削減を行いました。以上により、営業利益は4億6,000万円の増加となりました。

売上高の区分別業績

売上高について、ご説明します。売上高の合計は、119億1,900万円でした。内訳は、財産コンサルティング収益が29億8,100万円、不動産取引収益は89億3,700万円となっています。

①財産コンサルティング収益(個人資産家向け 財産継承コンサルティング収益)

財産コンサルティング収益の内訳について、個人資産家向けの財産承継コンサルティング収益については、前期比較にてご説明します。当該収益は、お客さまの紹介や面談の制約等において、昨年来より新型コロナウイルス感染の影響を大きく受けていました。

しかしながら、財産承継コンサルティングのニーズに変化はなく、昨年末より、提携金融機関からのお客さまの紹介は増加に転じました。コロナ禍においては、ご紹介から分析、提案、実行までのそれぞれのコンサルティングフェーズに時間を要しました。第1四半期は、その影響を受けていましたが、第2四半期は、新型コロナウイルス感染影響の減少により、昨年、さらには一昨年を上回る収益計上ができるよう改善しています。

②財産コンサルティング収益(企業オーナー向け 事業承継コンサルティング収益)

事業承継コンサルティング収益について、ご説明します。企業オーナー向けの事業承継コンサルティングは、同族承継コンサルティングの事業承継コンサルティング、第三者承継のM&A、転廃業ニーズに対する事業承継ファンドを利用した収益に区分しています。

コロナ禍においても、事業承継のニーズに衰えはなく、むしろ増加しています。同族承継向けのコンサルティングは3億4,900万円と、昨年より大きく増加しました。M&Aについては昨年と同水準です。

一方で、事業承継ファンドの売上は大きく減少しているものの、2020年度の事業承継ファンドの収益7億9,600万円に対し5億7,300万円の原価が計上されています。

2021年度においては、4億2,600万円に対して原価は500万円であり、粗利ベースでは大きく増加しています。事業承継コンサルティング収益全体では1億9,000万円の減収ですが、粗利ベースでは3億7,800万円の増加となりました。

③財産コンサルティング収益(商品組成等によるコンサルティング収益)

商品組成等によるコンサルティング収益について、ご説明します。AD組成に関する収益は、当第2四半期で4件、78億円の組成を行ったことにより大きく増加しました。

一方、AD解散に伴う収益は、昨年は4件、当初組成金額42.7億円を解散したことに対し、当第2四半期は2件、当初組成金額18億円の解散に留まり、解散に伴う事務手数料が大きく減少しています。その他の収益は「ADVANTAGE CLUB」の管理報酬やオペレーティングリース、地方創生事業に係るAM報酬で構成されています。

当第2四半期においては、福井県敦賀市での地方創生事業の組成に係る収益を計上しており、前年を上回っています。以上から、当第2四半期においては5億7,600万円の収益を計上することができました。

不動産取引収益の内訳

不動産取引収益についてご説明します。「ADVANTAGE CLUB」について、2021年度は旺盛な需要に加え、金融機関との連携による外販を開始することになり、150億円の目標を設定しています。当第2四半期は計画どおり、78億1,200万円の組成を行いました。

一方、プライベートの任意組合を含む不動産コンサルティング商品の組成について、2021年度はその目標を設定していませんが、8億7,600万円の組成を行うことができました。

その他については、一部の「ADVANTAGE CLUB」についてサブリースを行っている賃料を計上していますが、昨年の4件の解散に伴い、サブリース賃料が減少しています。しかし、サブリースの収益はそのほとんどを任意組合へ配当として還元しており、収益性について変化はありません。

区分別の売上総利益 構成比

売上区分別の構成についてご報告しましたが、ここからは財産コンサルティング収益と不動産取引収益の総利益構成、および利益率についてお伝えします。財産コンサルティング収益原価は人件費が主体です。一方、不動産取引収益原価は人件費に加え、不動産取得原価を計上しています。

当第2四半期の財産コンサルティング収益は売上総利益16億7,600万円、総利益率は56.2パーセントとなりました。不動産取引収益は売上総利益7億1,300万円、総利益率は8パーセントとなりました。

売上総利益に占める財産コンサルティング収益の構成は約70パーセントです。不動産ソリューションによる商品提供を引き続き行いつつ、財産コンサルティング収益比率を高め、一層不動産取引に依存しない体質作りを構築していきます。

BSハイライト

​​当第2四半期における財務状況についてご説明します。弊社の財務健全性維持の考え方ですが、健全性維持のためにD/Eレシオは1倍未満、ネットD/Eレシオはゼロ以下を目安としています。

さらに、リスクアセットに応じた自己資本水準の維持と最適資本構成、有利子負債キャッシュフロー比率を勘案し、負債水準を総合的に決定しています。

当第2四半期の資産増加は主に現預金、売掛金等の流動資産の増加であり、弊社がリスクアセットとして認識する資産増加はありません。負債項目については、賃貸用不動産取得見合いで行った調達を除く、長期資金の年度約定返済見合い相当額を新規で調達しています。

2021年12月期期末の配当を修正(増配)

株主還元についてご説明します。2021年度の配当については、期末配当を増配修正し、1株当たり17円としました。中間配当に加え、年間では28円となります。

株式分割考慮前の年間配当額は56円となり、年間で3円の増配です。おかげさまで、11期連続の増配を実施できる予定です。引き続き配当性向50パーセントを目安とし、中長期的に増配を継続していきたいと考えています。

なお、自己株式の取得については、当第2四半期において11万株式の取得を行いました。今後も配当や手元資金、株価水準等を総合的に勘案し継続的に検討していきます。

株式分割(普通株式)

弊社は、普通株式について2021年8月31日を基準日として、株式1株につき2株の割合で分割します。株式分割により投資単位当たりの金額を下げ、弊社株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としています。

以上で、第2四半期決算に関するご説明を終了します。

第二次成長期のイメージ

蓮見正純氏:こんにちは、株式会社青山財産ネットワークスの蓮見でございます。ここからは私からご説明させていただきますが、お話しする内容は、トピックスおよび今後の方策、取組みでございます。

さっそくですが、株主総会でもお伝えしたスライドの表をご覧ください。左側は、弊社が行っている企業オーナーや不動産オーナー、金融資産家向けの財産コンサルティング事業です。枠内には、まさに全体最適を念頭に置いた総合財産コンサルティングを記載しています。

当初から、我々はスライド左側の3つのサービスを提供していますが、株主総会では、右側の8つのサービスを分離独立させ、それらのサービスを新規のお客さま向けに提供していくとお伝えしました。

「ADVANTAGE CLUB」を例にご説明します。「ADVANTAGE CLUB」は、もともと既存のお客さま向けにコンサルティングさせていただき、都心の不動産を持つ必要が生じた時に買っていただくものです。

そのため、これまでは既存のお客さまのコンサルティングにおける1つのツールとしてご提供していました。ところが非常にありがたいことに、どなたからお聞きになったかはわかりませんが、弊社のコンサルティングをまったく受けていない方々から「『ADVANTAGE CLUB』を買えませんか?」というお話が寄せられています。

金融機関の方々からも、「『ADVANTAGE CLUB』を我々が販売させていただくことはできないのですか?」といった申し出があります。実は、数年前からそのようなお話をいただけるようになっています。弊社が作った商品を口伝えで聞いて、「これはよい」と感じた方からお話をいただくのは非常にありがたいことです。

我々自身も、多くのお客さまにもっと「ADVANTAGE CLUB」を提供したいと思っていますし、購入をきっかけに、総合財産コンサルティングを受けていただきたいとも思っています。

そこで「ADVANTAGE CLUB」という商品を分離、独立させ、それを提供する会社を作り、日本全国の地方銀行や会計事務所の方々と連携して、全国に「ADVANTAGE CLUB」を提供していこうと考えました。

スライド右側に記載している8つのサービスは、総合財産コンサルティングの中で提供していたサービスを分離、独立させて、特定のサービスが欲しいというお客さまに届けようとピックアップした商品です。

8つのうち5つは既存のサービスですが、3つは新たなサービスです。株主総会でお伝えしたように、将来的には、総合財産コンサルティング事業を行う青山財産ネットワークスホールディングという会社があり、その下にこの8つの会社がぶら下がるイメージです。

弊社では、来年からの5ヶ年計画を今年9月に作成しようとしており、その中で「将来、このような会社になっていこう」というビジョンも少しずつでき始めています。本日は、もう少し掘り下げて、みなさまにその一端をご説明したいと思います。

8つのサービスの位置づけ

スライドの図は、先ほどの図を少し立体的にしたものです。縦軸がお客さま、横軸はサービスで、ブルーが既存、黄色が新規です。

「ADVANTAGE CLUB」や、購入コンサル等は既存のサービス、「ファミリーオフィスサービス」、「IFAによる金融商品運用サービス」、STO事業は新規のサービスです。既存のサービスは引き続き既存のお客さまにサービスを提供しますが、今後は、新規のお客さまを中心に新規サービスを展開していこうと考えています。また、新規のサービスは、既存のお客さまにももちろん提供するつもりです。同時に、新規のお客さまに対しても少しずつ浸透させ、提供していきます。

この8つのサービスが躍動することにより、既存のお客さまに対して、より品質のよいサービスを提供できるようになり、また、新規のお客さまに対しても、期待を持ってこのサービスを受けていただくことができます。弊社を知り、気に入っていただくことで、弊社の総合財産コンサルティングにも結びついていくとイメージしています。

戦略・ビジョン

8つのサービスの先には、「ARTシステム」と「Webを活用したコンサルティング」があります。

「ADVANTAGE CLUB」については、現在、購入いただいたお客さまに対して、書面で購入状況をお知らせし、年1回の鑑定評価も行い、結果を報告しています。また、「ADVANTAGE CLUB」のオーナーに対しては、「ADVANTAGE CLUB」の状況について、逐一、書面で報告しています。

しかしながら、我々は、「ADVANTAGE CLUB」を購入したお客さまに対して、どこを何口購入した等の購入情報や鑑定評価の情報、家賃収入状況、年間の利益や税金については、スマートフォンで見ていただいたほうがよいと考えています。

さまざまな情報が、スマートフォンで見ることができる時代になりつつあります。我々も「ADVANTAGE CLUB」だけではなく、例えば「STO」を購入したお客さまや、不動産を購入したお客さまに対しても、スマートフォンでその状況がわかる環境を作っていきたいと思っています。

そうなっていくと、今度は「購入した『ADVANTAGE CLUB』の状況はわかった。でも、実は資産運用だけではなく相続について悩んでいて、全体を見て、御社の総合財産コンサルティングを受けたい」といったニーズが出てくると思います。それが出てこないということは我々の努力不足ですが、きっと出てくると思います。

その時に「ADVANTAGE CLUB」だけではなく、保有している不動産や、ほかの有価証券などについてもすべて評価し直し、一覧にして、「相続ではどのようなことに気を付けて、どのような対策をすればよいか」というコンサルティングが、当然ながら必要になります。

例えば、仙台のお客さまだとします。以前であれば仙台まで出向き、資料をいただいて評価し、再度出向いて財産の状況やお客さまのニーズ、分析した結果の問題点、お客さまの問題意識に優先順位を付け、解決するための対策をお伝えしていました。

ただ、仙台や札幌のお客さまのために我々が時間をかけて移動し、コミュニケーションを取るのは、非常に非効率です。それが今、コロナ禍で本当に勉強になっているのですが、「コロナ禍でもコンサルティングが十分にできる」ことであるという確信につながりました。

直接のやり取りと比べると劣りますが、今まではリアルにお目にかからないとできないと思っていたことがオンラインでできるのです。例えば、パソコン等で情報を共有できますし、「Zoom」や「Microsoft Teams」を通じて顔を見てお話しすることもできます。慣れていくと、オンラインのコミュニケーションもだんだんスムーズになっていきます。

現在は「ARTシステム」を使い、全体の財産の評価、問題点の整理、対策のプランを含めたコンサルティングを行っています。Web上で「ARTシステム」や「Zoom」「Microsoft Teams」を活用していけば、仙台にお伺いしなくても、仙台のお客さまの総合財産コンサルティングができるようになることをまさに確信したということです。

将来、このようにスマートフォンやパソコン、「ARTシステム」を活用し、地方銀行と連携して、お客さまが日本全国、または世界中のどこにいても、Web上で財産コンサルティングができる会社にしていきたいと思っています。

そこに向けて、「来年から始まる5年間の中期計画を経て5年後に実現する」というビジョンも掲げていますが、このテクノロジーの進化のスピードを鑑み、3年くらいでそのレベルまで達したいと思っています。

本日お伝えしたいことは、株主総会でご説明したとおり、「8つのサービスを尖った商品として、新規および既存のお客さま向けに提供する」「本体は総合財産コンサルティングを運営する」「そこで尖ったサービスを評価してくれた方が、きっと総合財産コンサルティングを利用してくれる」ということです。

その8つのサービスが躍動することで、総合財産コンサルティングのお客さまもどんどん増えますし、総合財産コンサルティングのお客さまに向けて8つの商品を提供することにより、サービス品質も向上します。このようなシナジーがどんどん生まれていくイメージを、みなさまに持っていただきたいと思っています。

そこに「ARTシステム」の仕組み、Webを活用したコンサルティングの仕組みを導入することにより、「3年後、5年後には、場所を問わずお客さまに対してもコンサルティングができる会社になっている」ということを、今日はお伝えしたいのです。それがまさに弊社が掲げる今のビジョンです。

「今のビジョン」と表現したのはなぜかと言いますと、株主総会の時にも、「このようなものを活用してコンサルティングができる時代が、すぐそこまで来ているよね」と思いながらお話ししていたことにあります。総会が終わって、4月から8月までの5ヶ月の間に、まさにそれが現実的になってきていると感じています。

9月からの事業計画の立案においては、スライドにあるビジョンを3年後、または5年後に実現するという前提で事業計画を作っています。青山財産ネットワークスは、現在この方向に向けて取り組んでいけるように動いています。ぜひご期待いただきたいと思いますし、私自身もこのようなことが実現できればと考えています。

みなさまは「自分の財産の状況が、なぜ総合的にWeb上で見られないのか」と思いませんか? 現在は、自分がどのくらいの金融資産を持っているか、それぞれの銀行やプライベートバンクなどの金融機関ごとに見ることができますが、総合して見られるような仕組みはまだまだ一般的ではありません。そして、それは財産の状況やバランスシートが見られるというだけです。

しかし、P/L、キャッシュ・フロー、事業や財産の承継における問題、または、そのような問題をどのように改善したらよいかという改善の方向も見える世界というのは、本当にすばらしいと思います。体と同じくらい財産が大事でありながら、その状況を逐一確認できないことはおかしいと考え、多くのお客さまに役立てていただきたいと思い、このようなビジョンを掲げています。

ARTシステム

「ARTシステム」について、少しご説明します。今年2月に全機能をリリースし、上期にコンサルタント全員に対して、このシステムを使ってコンサルティングするように指示を出しています。併せて、資料の4番目に記載のように、「ARTシステム」を使ったコンサルティングのあり方について、有力地銀との協議を始めています。

このようなシステムを持っていることを地銀にお伝えし、「ARTシステム」を使ってどのような取り組みが可能か、あるいは、地銀がお客さまとの接点を作って問題を聞き、Webにおける「ARTシステム」を使ったコンサルティングを紹介し、我々がそれを受けてコンサルティングするなど、いろいろと模索しています。いずれにしても、地銀もこのシステムを使ったコンサルティングはマストだと思っており、話し合いを始めているということです。

このように「ARTシステム」をどんどんと使い、「ADVANTAGE CLUB」の購入や、コンサルも見られるようにしていくことが、最終的にシステムの向上につながります。そこに「Zoom」「Microsoft Teams」のようなテクノロジーを合わせて活用することで、お話ししたようなコンサルティングが実現すると考えています。

ADVANTAGE CLUB(AD)

8つのサービスについて、第1四半期、第2四半期の進捗を簡単にご説明したいと思います。「ADVANTAGE CLUB」の年間組成目標は150億円で、橋場からもお伝えしたとおり、第2四半期までは80億円です。ただ、9月30日に銀座で過去最大規模の組成を予定しており、それを含めると130億円近くになります。

また、今年から地銀8行と連携でき、地銀のご協力により、多くの新しい方に「ADVANTAGE CLUB」のお客さまになっていただいています。大変ありがたいことに、みなさまから高く評価いただき、既存のお客さまからは「どうして買えないのか」とお叱りも受けている状況でもあります。

ADVANTAGE CLUBのマーケットにおける位置づけ(任意組合型商品)

「ADVANTAGE CLUB」におけるマーケットでの位置づけについてです。「ADVANTAGE CLUB」は、もともと不動産特定共同事業法を使った商品として、2000年の初めからスタートし、かれこれ20年になります。おかげさまで、我々の商品がマーケットシェアの約60パーセントを占めています。これは、「この商品のリーダーとしてきちんとした商品を提供し続けよ」というメッセージでもあると受け止めていますので、よい商品を継続的に提供したいと考えています。

また、今年は150億円という目標を立てていますが、来年はそれを超える目標を掲げて、「ADVANTAGE CLUB」を多くのお客さまに提供する予定で、順調に推移しています。

ファミリーオフィスサービス

次に、新規サービスの「ファミリーオフィスサービス」です。1月にスタートし、本当にありがたいことに、垂直立ち上げができつつあります。去年、実は前倒しでスタートしていた会社もあります。すべて上場会社と有力な未上場の会社ばかりで、時価総額で数百億円のお客さまばかりです。そのような方々と契約を結び、進めています。

それ以外では都市銀行や地方銀行から、このサービスがおもしろいと評価いただき、銀行での勉強会や銀行のお客さまへの直接のご説明なども、着々と進んでいます。

「ファミリーオフィスサービス」は、「一族が一体となって会社を支えることでファミリービジネスは成長していける」という考え方に基づき、我々が立ち上げた事業です。

「ファミリーオフィスサービス」は、もともとはこのサービス名ではなかったのですが、ご家族の財産のコンサルティングを行っていく中で、財産だけではなく、それ以外のサービスも必要だと数年前から感じていました。

具体的にご説明すると、1960年くらいから日本ではどんどん会社が立ち上がって発展し、現在は2代目から3代目になろうとしています。1代目から2代目の承継は、同じ屋根の下で育った人たち同士で事業を承継することから、特段、一族の一体性を意識しなくても差し支えありませんでした。

ところが、2代目から3代目、または3代目から4代目になると、いとこ同士等の関係になっていきます。つまり、同じ屋根の下ではなく、違う屋根の下で育ってきた人たちが1つの企業を支えることになります。そのような世代において、「一族が1つにまとまって前に進める関係性を実現したい」というニーズが大きくなってきました。

関係性の構築においては、気持ちだけではなかなかうまくいかないため、ルールが必要です。企業にルールがあってガバナンスが作られているように、一族においてもルールを作り、ガバナンスを確立することが必要ということです。

そこで、ガバナンスをきちんと確立していくためのきめ細かなルール作りができるような非財産領域のサービスとして、「ファミリーオフィスサービス」の提供をスタートしました。財産領域だけではなく、非財産領域でもサービス提供することが、同族会社が成長・発展していくために不可欠だという考え方に基づいています。

ファミリーオフィスエッセンス

「ファミリーオフィスサービス」とは少し毛色が変わったところで、「ファミリーオフィスエッセンス」というサービスも併せて提供しています。

我々が一緒に仕事してきたM&Aセンターから、「譲渡オーナーに財産の運用と承継のニーズがあるから、青山でお願いしたい」というご依頼を受けて、喜んでご一緒することになった事業です。譲渡オーナーの中でも、財産領域だけではなく、非財産領域にも興味を持つ方が意外と多くいます。

これまでは会社経営が家族を1つにしていたものの、会社を売却することにより、お金はできても家族で支えるものがなくなってしまいます。それにより家族がバラバラになってしまうということで、今までどおり家族が1つになって前に進む家族環境を構築したいというニーズです。

その場合、前述の「ファミリーオフィスサービス」のスライドに記載している4つの非財産領域すべてをカバーしなくても、一族の理念とガバナンスさえきちんと整備すれば、十分に期待にお応えできるのではないかと考えました。

そこで、 「一族理念・ファミリーガバナンス」に加えて、財産領域である財産の承継と運用をお手伝いするサービスを、「ファミリーオフィスエッセンス」という名前を付けて提供しています。

これも多くの方に好評で、「会社は売却したものの、このように共同資産管理会社を作ることにより、家族が1つになっていけます」「一族の理念を明確にすることで、次の世代に自分の意志を伝えることもできます。本当にありがとう」など、ご評価いただいています。

また、「子どもが多いため争いごとがなければよいと思っていた。しかし、ガバナンスの整備をすることで、ある程度解決できる見通しも立ち、本当にありがたい」というお話もいただいています。

このように、「ファミリーオフィスサービス」および「ファミリーオフィスエッセンス」を展開し、ニーズはどんどん大きくなると考えています。

地方創生事業コンサルティング

地方創生のコンサルティングです。こちらもみなさまご存じだと思いますが、石川県小松市に次ぐ第2号案件として、今年の4月から福井県の敦賀駅西地区の開発事業に取り組んでいます。4月にホテルの起工式を実施でき、多くのメディアの方にも取材していただきました。

まだ第3号案件の受託には至っていませんが、徐々に石川県小松市や福井県敦賀市のような実績ができていくと、みなさまが「我が市もこんな取組みをしたい」というご相談が増えることは間違いなく、そのような流れになってきています。地道に続けることにより、事業も拡大できると思っています。また、地方創生事業をなんとか別会社にし、拍車をかけていこうと考えています。

IFAによる金融商品運用サービス

3つ目は、「IFAによる金融商品運用サービス」です。先ほど簡単にご説明しましたが、有価証券運用への期待に応えるために6月にスタートし、2ヶ月がたちました。まだまだお客さまの数は少ないですが、これからのサービスだと思っています。

この商品は、米国トップクラスの運用会社のディメンショナル・ファンド・アドバイザーズが作成したファンドをベースに、楽天証券に作成してもらった商品です。ぜひ、楽天証券のホームページで、どのような商品なのかご覧いただければと思います。また、この商品も、毎月残高が積み上がっていくものですので、またご報告します。こちらも、順調に進んでいます。

STO事業

次が、STO事業です。今年の3月に、「STO」でのセキュリティトークンを使って不動産を高次化し、多くの投資家に不動産商品を届けようということで、Hash DasH Holdingsと資本業務提携を行いました。

私が言うまでもなく、今の日本においては、大変多くの方々が安心して不動産運用をしたいと思っています。出だしは少しもたついていますが、「STO」はニーズに応える商品だと思っており、地道に作り込み、安心して買っていただけるよう世の中に出していきますので、期待してください。

他取組み

ほかにも、「ファンドを活用した廃業支援コンサルティング」「土地有効活用コンサルティング」「購入コンサルティング」の3つの分社化に向けて、計画を立てているところです。時期についてはまだお話しできませんが、確実にニーズが増えており、いち早く分社化して、単独でこのような商品をお手元にお届けできるようにしていきますので、ご期待ください。

簡単に、8つのサービスについてお話ししました。「ADVANTAGE CLUB」「ファミリーオフィスサービス」は非常に順調にスタートを切ったと思います。また、地方創生は、石川県小松市に続き、福井県敦賀市でも進行していますが、第3号案件の受注はまだまだですし、「IFAによる金融商品運用サービス」もスタートしたばかりです。

このような状況で、まだまだではありますが、総合コンサルティング会社へのスタートとして、8つの商品をきちんと立ち上げていきます。「ARTシステム」とWebでコンサルティングを行う会社を目指し、コロナ禍でも、日々、努力し続けていますので、ぜひご期待ください。

進捗については、またこのようなスモールミーティングなどで、みなさまにきちんとご説明しますので、またご参加いただければと思います。

青山財産ネットワークスは、これからの会社だと思います。さまざまなビジネスが展開されるこの世界で、多くの人がさまざまな情報を取って意思決定をしています。今ご紹介したようなことを活用し、今後、財産の世界でもそれを活用するのはもう目の前となっています。

時代の中で、我々が多くのお客さまの財産問題を解決すべく、コンサルティングしていくことをビジョンとして掲げて前に進んでいきますので、ぜひともご支援、ご指導を頂戴できればと思います。

本日は、長時間にわたり本当にありがとうございました。