2021年12月期第1四半期決算説明会
三野隆之(以下、三野):サントリー食品インターナショナル社の三野でございます。本日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございます。エリアによって違いはございますが、残念ながら新型コロナウイルスの感染者数拡大が続いております。
罹患されたみなさま、その関係者のみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。感染拡大防止に向けご努力いただいているみなさま、感染者の診断や治療にあたられている医療関係のみなさま、ライフライン維持に努めていただいているエッセンシャルワーカーのみなさまに、心から敬意を表したいと思います。ありがとうございます。
2021年度 第1四半期(1-3⽉)概況
それでは、2021年度第1四半期決算について、ご説明いたします。2ページをご覧ください。第1四半期の概況についてです。昨年末からの新型コロナウイルス感染症拡大により、当社事業も年初1月、2月は影響を受けました。しかしながら、3月以降に日本と欧州を中心にロックダウンや営業自粛要請等の制限緩和が行われ、当社事業も成長基調に戻りました。
3月単月の売上収益は、全社計で前年を上回り、2019年との対比においてもその差を縮めました。日本と欧州は特に大きくトレンドが回復し、アジアパシフィックは断続的な制限があったものの1月、2月は前年超え、3月は2桁以上の成長と力強い成長が継続しています。米州は、飲料市場全体の需要の高まりが続き増収となりました。
2021年度 第1四半期(1-3⽉)の年間進捗率
3ページをご覧ください。第1四半期の年間予想に対する進捗について、ご説明いたします。年初の厳しい事業環境は想定以上でしたが、当初計画どおり全リージョンにおいてコアブランドへの集中活動、コストマネジメントを徹底した結果、第1四半期は想定を超える進捗となっております。
特に、利益は2019年との対比においても着実に進捗いたしました。最大の山場である第2四半期に活動をしっかり行い、年間業績予想の達成を確実なものとするべく取り組んでまいりました。
2021年度 第1四半期(1-3⽉)実績
4ページをご覧ください。当社2021年度第1四半期業績結果をご報告いたします。売上収益は2,698億円で、為替中立で4.2パーセント減、レポーティングベースでは2.7パーセント減となりました。既存事業ベース営業利益は199億円で、為替中立で2.7パーセント減、レポーティングベースでは1パーセント減です。
非経常的な要因も含めて計算した営業利益は198億円で、為替中立で2.3パーセント減、レポーティングベースではほぼ前年並みとなりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は107億円で、税法上の所得の認識の期ズレによるものと非支払株主持分の増加により、為替中立では18.2パーセント減、レポーティングベースで16.2パーセント減となりました。
2021年度 第1四半期(1-3⽉)実績 (セグメント別)
5ページをご覧ください。セグメント別の業績です。以降、為替中立でご説明いたします。日本および欧州は、累計では減収減益となりましたが、3月単月では、日本・欧州ともに力強く成長基調に戻ってきております。アジアパシフィックおよび米州は、増収増益となりました。
⽇本 2021年度 第1四半期(1-3⽉)実績
6ページをご覧ください。日本です。売上収益は1,342億円、営業利益は40億円、年初の緊急事態宣言発令により人の動きが制限された影響が大きく、清涼飲料市場の前年比は93パーセントと推定します。当社も、想定以上の外部環境の影響を受けましたが、コアブランドへ営業活動を集中しました。
3月以降は制限緩和の後押しもあり、トレンドが大きく回復し、全体としては販売数量が前年比97パーセントとなり、シェアを拡大いたしました。売上収益は、スーパーチャネルが伸長した一方、自販機・コンビニチャネルが引き続き減少したことにより、チャネル構成はマイナス影響を受けました。
なお、昨年リニューアルを実施した「伊右衛門」と、3月にリニューアルした「クラフトボス」が商品構成の改善に貢献いたしました。営業利益は、限界利益の減ならびに昨年の期ズレの影響があり減益となりましたが、コスト削減を継続し減益幅を抑えた結果、2019年との比較ではほぼ同等の進捗率となり、想定を上回りました。
⽇本 サプライチェーン構造⾰新
7ページをご覧ください。日本事業の重点戦略の1つであるサプライチェーン構造革新の進捗について、ご説明いたします。「サントリー天然水」の北アルプス信濃の森工場が、予定どおり本年度5月末に稼働開始いたします。
これにより、宇治川工場と榛名工場の増設と合わせ、生産体制の増強がほぼ完了いたします。商品の安定供給とコスト改善を、着実に遂行してまいります。加えて、プラスチックサステナブル化50パーセントの目標を、2022年に当初計画より3年前倒しで達成する予定です。
そのために、従来の「つくる」「つかう」に加えまして、4月より「またあえるボトル」プロジェクトを開始いたしました。良質な使用済みペットボトルを集める「ボトルtoボトル」水平リサイクルの有用性をお客さまに伝える活動を、強化してまいります。
APAC 2021年度 第1四半期(1-3⽉)実績
8ページをご覧ください。アジアパシフィックです。売上収益は735億円、営業利益は127億円です。アジア一部地域で、新型コロナウイルス感染者数増加に伴う影響を受けましたが、ベトナム・オセアニアの成長が事業を牽引し、増収に加えコストマネジメントの徹底を継続し、営業利益は大きく前年を上回りました。
ベトナム飲料事業は、「TEA+」「Sting」が牽引し、2桁以上の増収で市場シェアをさらに拡大しました。タイ飲料事業は、年初より非常事態宣言延長の影響を受けましたが、3月より成長軌道に回帰し、「Pepsi」を始めとした清涼飲料ポートフォリオが堅調で、再上市した「TEA+」も好調に推移して増収となり、市場シェアも拡大しました。
健康食品事業では、タイは飲料同様1月、2月はコロナ影響を受けましたが、「BRAND’S Essence of Chicken」に活動を集中し、3月より販売トレンドが大きく回復して、足元でも好調を維持しております。オセアニアは、エナジーカテゴリーの伸長以上に「V」が大きく成長し、大幅な増収となりました。
欧州 2021年度 第1四半期(1-3⽉)実績
9ページをご覧ください。欧州です。売上収益は417億円、営業利益は40億円、特に年初にはロックダウンの影響を大きく受けましたが、米国を中心にワクチンの普及が進み、3月以降は制限緩和が進んでおります。スペインでも、飲食店の制限緩和が実施されたことなどにより、販売トレンドが回復し、4月以降はこのトレンドが継続しております。
営業利益は、販促費投入のタイミングの調整や、管理費の削減を徹底し、減益額を最小限に留めました。フランスおよび英国は、ほぼ前年並みの利益を確保いたしました。フランスは、1月、2月の厳しい状況を乗り越え3月単月には好転した影響もあり、「ORANGINA」「Oasis」「Schweppes」それぞれが、2桁以上の成長となりました。
英国は、「Lucozade Energy」「Lucozade Sport」が、ともに3月よりトレンドを回復しました。スペインは、業務用では厳しい状況が続く中で、「Schweppes」が健闘し、家庭用チャネルが前年超えしたことにより、3月単月では前年を上回りました。
米州 2021年度 第1四半期(1-3⽉)実績
10ページをご覧ください。米州です。売上収益は204億円、営業利益は20億円です。家庭用チャネルが大きく伸長し、業務用チャネルも2月末からの制限緩和を受け、販売トレンドが回復しています。炭酸・非炭酸それぞれのコアブランドが前年を上回り、シェアを拡大いたしました。
サステナビリティへの取組み – アップデート
11ページをご覧ください。サステナビリティへの取組みについて、ご報告いたします。プラスチックに関しては、先ほど申し上げたとおりです。CO2については、4月に環境目標2030を改定し、2030年までに、温室効果ガス排出量を自社拠点のグローバルでは50パーセント削減し、バリューチェーン全体では30パーセント削減に、目標を引き上げました。グループ一丸となって、サステナビリティ経営に取り組んでまいります。
以上、2021年第1四半期決算について、ご説明いたしました。足元では、新型コロナウイルス感染者数が再び増加傾向のエリアもあるなど、外部環境の不確定要素がありますが、日本を始めとした北半球は、これから夏の最盛期に向かい、まさに第2四半期以降が活動の山場となります。足元の好調なモメンタムを、着実に成果に結びつけてまいります。私からは以上です。