決算のポイント

森中哉也氏:T&Dホールディングスの森中でございます。本日はお忙しいところ、電話会議にご参加いただき誠にありがとうございます。それでは、ご説明をさせていただきます。資料の3ページをご覧ください。2021年3月期決算をご説明いたします。

ポイントは記載のとおりです。利益指標の経常利益・当期純利益は、フォーティテュード社に係る持分法投資利益の増加や大同生命の資産運用損益の増加により、前年度を大きく上回る実績となりました。グループ修正利益も前年度実績を上回った着地となっています。

新契約業績は、太陽生命・大同生命・T&Dフィナンシャル生命ともコロナウイルスに伴う営業自粛の影響等があったものの、当初想定を上回る実績となりました。

新契約価値は、大同生命が2019年7月に発売した「Lタイプα」の堅調な販売等により、前期から増加しました。Group MCEVは、新契約価値の積み上げや国内長期金利の上昇、内外株価の上昇等により、前期末から増加しました。

2021年3月期決算に係る自己株式取得を、100億円を上限として実施します。これにより、グループ修正利益779億円に対する還元として、総還元性向は48パーセントとなります。2022年3月期の年間配当金予想は、10円増配の56円の予想としています。

連結主要収支①

4ページをご覧ください。連結主要収支の状況はグラフのとおりです。経常収益・経常利益・当期純利益は、フォーティテュード社に係る持分法投資利益が増加したことなどにより、前年度を大きく上回っています。

連結主要収支②

5ページをご覧ください。グループ修正利益と当期純利益との差異、および1年間の修正利益の増減についてご説明いたします。

グループ修正利益は、当期純利益に含まれるT&Dフィナンシャル生命のMVA関係損益のマイナス23億円と、フォーティテュード社の再保険資産に係る評価性損益の影響のプラス866億円を調整した数値です。2021年3月期のグループ修正利益は779億円となりました。

連結主要収支③

生保3社およびT&Dユナイテッドキャピタルの主要収支の状況は、6ページに掲載していますので後ほどご覧ください。

連結損益計算書(要約)

7ページをご覧ください。連結損益計算書を記載しています。経常利益は2,281億円となり、前期から1,027億円の増益となりました。これはフォーティテュード社の持分法による投資利益が増加したことや、大同生命の資産運用損益が増加したことによります。当期純利益は1,623億円となり、952億円の増益となりました。

連結貸借対照表(要約)

8ページでは連結貸借対照表を記載していますので、後ほどご確認ください。

基礎利益・順ざや

9ページをご覧ください。基礎利益は1,610億円となり、前期から51億円減少しました。そのうち順ざや額は580億円となり、前期から26億円減少しました。

スライド右側の、太陽生命・大同生命の基礎利益の増減要因についてご説明します。太陽生命では、予定利息負担の減少の一方で、利息および配当金等収入の減少を主因に、前期から16億円減少しました。大同生命では、利息および配当金等収入の減少を主因に、前期から52億円減少しました。

MCEV計算結果

10ページをご覧ください。EVについてご説明いたします。Group MCEVは、新契約価値の積み上げや国内長期金利の上昇、内外株価の上昇により、前期末より増加しました。

フォーティテュード社の評価性損益等を除いたGroup MCEVは、7,028億円の増加となりました。新契約価値は、大同生命の「Lタイプα」の堅調な販売等により、前年同期から276億円増加し1,434億円となりました。

コアROEVは5.7パーセント、ROEVはフォーティテュード社に係る評価性損益等を除いたベースで25.4パーセントとなりました。また、新契約マージンは9.4パーセントとなりました。

各社別MCEV

11ページをご覧ください。生保3社のMCEVおよび新契約価値を掲載していますので、ご確認ください。

Group MCEVの変動要因

12ページをご覧ください。EVの変動要因です。Group MCEVは、新契約価値の積み上げに加え、スライド右側の「経済変動および経済的前提変更の影響」における国内長期金利の上昇や内外株価の上昇等により、前年度末より大幅に増加しました。

ESRの状況

13ページをご覧ください。2021年3月末のESRは、前四半期末から8ポイント上昇し、225パーセントとなりました。上昇は内外株価の上昇等によって、サープラスが増加したことによります。

健全性指標

ソルベンシー・マージン比率、実質純資産については14ページに記載していますので、後ほどご覧ください。

契約業績|太陽生命

15ページをご覧ください。太陽生命の契約業績は表のとおりです。保障性新契約年換算保険料は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う訪問活動の自粛等により、第1四半期の契約業績は減少したものの、ウィズコロナ時代に対応した営業活動の推進や、「感染症プラス入院一時金保険」の販売が好調でした。

その結果、第2四半期以降は当初の想定を上回り、年度累計も前年を上回る実績となりました。

契約業績|大同生命

大同生命についてご説明します。大同生命の新契約高は、新型コロナウイルス感染症拡大による対面営業自粛等の影響により、前年度比で減少したものの、対面・非対面を融合させたコンサルティング活動の推進や、コロナ禍で高まる保障ニーズに対して着実な提案活動を実践した結果、計画を上回る実績となりました。

特に2019年7月に発売した、オーダーメイド型の定期保険「Lタイプα」の好調等により、個人定期保険は前年度実績を上回りました。お客さまへの保障内容の丁寧なご説明などにより、解約失効率は6.06パーセントと、前期から0.25ポイント低下しました。保有契約高は46兆6,560億円と、前年度末からほぼ横ばいです。

契約業績|T&Dフィナンシャル生命

T&Dフィナンシャル生命についてご説明します。17ページをご覧ください。新契約年換算保険料は、「生涯プレミアムワールド5」等の販売堅調により262億円と、当初想定を上回り、前年度と同水準の着地となりました。

フォーティテュード社の損益状況

18ページをご覧ください。フォーティテュード社の状況です。当社の2021年3月期決算には、フォーティテュード社の2020年1月から12月までの損益を反映しています。

フォーティテュード社の2021年1月から3月期の米国会計基準の純利益は、投資収益の増加の一方で、再保険貸資産評価損等により20億6,600万ドルに低下しました。再保険貸資産の時価変動に起因する未実現損益や、責任準備金の再評価を調整した純利益は1億ドルとなりました。

この結果、当社の2022年3月期第1四半期決算では、持分法投資損失として570億円程度を計上する見込みです。グループ修正利益への影響額は、プラス30億円程度を見込んでいます。

資産運用状況等

19ページをご覧ください。太陽生命・大同生命の資産運用状況です。両社とも引き続き、公社債・貸付金などの円金利資産中心のポートフォリオを継続し、リスクバッファーの範囲内で株式や外国証券などのリスク性資産に投資しています。

太陽生命では、実質的な株式エクスポージャーは、株価上昇等により上昇しました。外貨エクスポージャーは市場見通しに基づき、前期末比で横ばいとしました。

大同生命の実質的な株式エクスポージャー・外貨エクスポージャーは、株価上昇等もあり、前期末から上昇しました。

一般勘定資産の差損益

21ページをご覧ください。一般勘定資産の差損益を記載しています。3社合算の差損益は内外株価の上昇等により、前期末から1,789億円増加の1兆3,178億円となりました。

株主還元

22ページをご覧ください。株主還元についてご説明します。当社およびグループ各社の経営の健全性維持に留意し、グループとして必要な内部留保を確保した上で株主価値の向上に取り組み、安定的な利益配分を実施していくことを基本方針としています。

上記方針の下、2021年3月期の年間配当金は2月12日に当初予想を引き上げたとおり、1株46円を予定しています。増配は6期連続となります。

自己株の取得は100億円を上限に実施いたします。これにより、グループ修正利益779億円に対する総還元性向は、48.0パーセントとなります。なお、2022年3月期の年間配当予想は、10円増配の56円の予想としています。今後、修正DOEについては現在の3パーセント程度から4パーセントへの段階的な引き上げを予定しています。

株主還元

23ページをご覧ください。株主還元は従来の「単年度の利益に基づく還元」から、今後は「資本に基づく還元」へシフトして、より安定的・持続的な株主還元を実現してまいります。

総還元性向については、中長期的に40パーセント以上を確保し、成長投資と株主還元を両立させます。なお、新たな株主還元方針の詳細については、5月24日に開示するグループ長期ビジョンの中でご説明させていただきます。

2022年3月期 通期業績予想

24ページをご覧ください。2022年3月期の通期業績予想です。2022年3月期の当期純利益は160億円と減益を見込んでいますが、フォーティテュード社の2021年1月から3月期決算において、主に米国金利の上昇に伴い、資産・負債の会計処理のアンマッチによる評価性損失を計上したことから、同社に係る持分法投資損失の発生を570億円程度見込んでいます。

グループ修正利益については、2021年3月期にフォーティテュード社関連会社化に伴う負ののれん相当額を計上したため、2022年3月期の業績予想は730億円と、前年度実績をやや下回っています。

2022年3月期 通期業績予想②

25ページは、グループ修正利益の2022年3月期通期業績予想と、2021年3月期実績との増減要因を掲載していますので、後ほどご覧ください。

(参考)通期業績予想

26ページは、参考として生保3社の通期業績見通しを掲載しています。

【参考】新型コロナウイルス感染症への対応

27ページをご覧ください。新型コロナウイルス感染症に関する2020年度の対応についてまとめています。金利減免の貸付については2020年4月から12月で748億円の取扱いがありましたが、第4四半期中に返済が進み、3月末の契約者貸付の残高は、コロナ前の2019年3月末を下回る水準まで減少しています。

最後になりますが、2021年3月期については、生保3社の契約業績は当初予想を上回り、グループ修正利益についてもフォーティテュード社の利益貢献等により当初想定を上回る結果となりました。

一方で、新型コロナウイルスの感染はさらに拡大しており、緊急事態宣言の地域が広がるなど、環境の不透明感も増しています。各社がウィズコロナに対応した営業活動に注力する中、感染対策にも十分留意しますが、引き続き契約業績への影響について注視してまいります。

グループ長期ビジョンについては、5月24日午前9時に開示する予定です。同日15時にIR説明会を実施しご説明しますので、ぜひご参加ください。以上をもちまして、ご説明を終わります。ありがとうございました。