2021年3月期第2四半期のハイライト
荒木秀夫氏:SGホールディングスの荒木でございます。ただいまより2021年3月期第2四半期決算を説明いたします。今回の流れですが、まず2021年3月期第2四半期の決算概要と取組みについて、続いて2021年3月期の業績予想、最後に中期経営計画の進捗についてお伝えします。
2021年3月期第2四半期は新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、テレワークなどの働き方の変化や消費者のライフスタイルの変化によりeコマース市場の拡大は継続し、宅配便の個数は増加しました。
増加する荷物への対応として、ラストワンマイルの配達の強化に取り組み、品質の維持、向上に努めました。また感染予想の効率化や適正人員の配置などの生産性向上の施策に取り組みました。
連結業績サマリー
当第2四半期累計期間の業績は営業収益6,348億円、前期比108パーセント、営業利益524億円、前期比141.1パーセント、経常利益527億円、前期比135.6パーセント、親会社に帰属する四半期純利益372億円、前期比169.9パーセントと増収増益で着地しました。
営業収益の増減分析
営業収益の増加要因です。平均単価は前期比0.3パーセント増加の639円で、14億円の増収となりました。取扱個数は前期比4.5パーセント増加し6億8,600万個、189億円の増収となりました。このほか、TMSは前期比2.1パーセント増加し、9億円の増収、不動産売却で61億円の増収となりました。その他198億円の増収となりましたが、主な要因はロジスティクス事業の234億円の増収です。
営業利益の増減分析
続いて営業利益の増減要因です。営業収益増加の影響が471億円です。人件費は160億円増加しましたが、適正にコントロールできました。外注費は141億円増加しましたが、ロジスティクス事業の増収によるもので、デリバリー事業の外注費は生産性向上の施策により抑制しました。以上が主な要因となり152億円の増益となりました。
セグメント別業績
セグメント別業績はお示しのとおりです。セグメントごとの概要は次のページで説明します。
セグメント別業績概要
デリバリー事業では、新型コロナウイルス感染症の影響を受け停滞していたBtoBの荷物が、社会経済活動の段階的な再開を背景に持ち直しの動きがあるものの減少しました。BtoCの荷物はeコマース市場の拡大を背景に増加し、BtoBを含めた全体では4.5パーセントの増加となりました。
これにより適正運賃収受の取組みは継続しているものの、相対的に小型の荷物の割合が増加したことで平均単価は前期比100.3パーセントの微増にとどまりました。ロジスティクス事業では、スリランカに本社を置くエクスポランカで個人用防具の国際チャーター便案件を受託し、大幅な増益となりました。このほかのセグメントはお示しのとおりです。
連結キャッシュ・フロー計算書
連結キャッシュフローについて説明します。営業活動により得た資金は653億円、投資活動により得た資金は388億円となりました。主な要因は日立物流株式の売却による収入です。財務活動により使用した資金は920億円となりました。
連結貸借対照表
貸借対照表は記載のとおりです。自己資本比率は49.1パーセントと前期末比で0.6ポイント減少しました。
2021年3月期の取組み①
続いて上期の取組み事例を3件紹介します。1件目はGOAL®のソリューション事例です。医薬品物流のソリューション事例ですが、お客さまの課題はリードタイム短縮、増加する通販需要への対応、適正な在庫の3点です。
本事例では一体型物流センター構築において医薬品、店舗販売登録と薬剤師常駐という大きな障壁がありましたが、グループの連携により解決しました。さらにサプライチェーンの効率化の実現により、お客さまの物流コスト削減ができ、それとともに横持ち輸送をなくしたことで、CO2の削減にも寄与することができました。
2021年3月期の取組み②
2件目は2019年12月、文部科学省が打ち出したGIGAスクール構想に関わるGOAL®事例となります。児童生徒向けに1人1台の端末を確保するための、調達からリペアまで包括的に物流をサポートした案件となります。
海外からの調達に始まり、通関、キッティング、納品、コールセンターによる修理依頼の受付、回収など幅広い物流領域をワンストップでカバーする当社グループのみが対応できるトータルロジスティクスの事例です。
2021年3月期の取組み③
3件目はスリランカに本社を置くエクスポランカ社による緊急チャーター便の事例となります。エクスポランカ社は世界の主要エリアにネットワークを持ち、フレートフォワーディングを主軸として事業を展開しています。
新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大する中、航空機の確保が困難になりましたが調達力に優れた同社による機敏な対応により、アジア発、アメリカ着の国際チャーター便案件を受託しました。当第2四半期累計期間において、ロジスティクス事業は本件の成果により営業収益134.4パーセント、営業利益は5倍弱と大幅な増収増益となりました。
2021年3月期の取組み④
続いて2021年3月期の業績予想について説明します。2021年3月期は中期経営計画「Second Stage 2021」の2年目にあたります。画面左下の6つの経営戦略に対し、各事業において右側に記載のとおり取組みを進めております。
連結業績予想及び配当予想について
上期の業績を踏まえ、通期業績と配当予想を見直しました。まず通期業績予想は営業収益1兆2,480億円、前期比106.3パーセント、営業利益970億円、前期比128.6パーセント、経常利益980億円、前期比121.7パーセント、親会社に帰属する当期純利益675億円、前期比142.7パーセントです。
続いて配当です。中間配当は9月25日の公表値から2円増配し26円、加えて特別配当10円、合計36円となります。期末配当は9月25日の公表値から1円増配し15円を予定しています。なお業績および配当予想は上期の業績を踏まえ修正しており、下期については今後の見通しが不透明であるため当初の予想並みの数値としています。
セグメント別業績予想
セグメント別業績予想はお示しのとおりです。
中期経営計画の進捗について
最後に中期経営計画の進捗について説明します。中期経営計画の大きな柱であるXフロンティアとデジタライゼーションについてです。まずXフロンティアですが、本年1月末に竣工し10月には佐川急便の中継センターが一部稼働を開始しました。
Xフロンティアによる効果はリードタイムの短縮と効率化、キャパシティの向上と省人化、新たなソリューションの創出、以上3点が挙げられます。またデジタライゼーションによる効果は生産性の「見える化」、効率的な配送、業務の平準化と標準化、以上3点が挙げられます。この2つが相乗効果を発揮しトランスポーテーションの進化へとつながります。
1.Xフロンティアによる進化
Xフロンティアはハブ&スポークのハブ機能を集約し、宅配ネットワークをシンプルにしました。
1.Xフロンティアによる進化 ①リードタイム短縮・効率
関東に点在する9つの中継センターを集約することで、1日約200台のトラックを削減し構内の従業員も1日約250人削減できると試算をしています。また幹線輸送のダイヤグラムがシンプルになることで、リードタイムが短縮します。
1.Xフロンティアによる進化 ②キャパシティ向上・省人化
Xフロンティアでは機械化による生産性向上に注力しており、1時間あたり10万個の処理能力を実現します。今までボトルネックであった中継センターの処理能力が向上したことで、取扱個数のキャパシティは16パーセントの拡大を見込んでいます。また機械化による省人化、省力化を推し進めることで少子高齢化の社会環境下でのサスティナブルな経営を目指します。
1.Xフロンティアがもたらす進化 ③新たなソリューション創出
Xフロンティアにはトータルロジスティクスを担うグループ会社が集結しているため、GOAL®による高度なソリューションの提供が可能となります。例えば、海外からの調達物流とスマート納品を組み合わせた、国内外一貫型スマート納品といったソリューションが挙げられます。
2.デジタライゼーション デジタル化のロードマップ
続いてデジタライゼーションですが、ファーストステップとして調査、企画を終え、セカンドステップで伝票のデジタル化や最適配送ルートの設定などさまざまな開発、トライアルを実施します。サードステップでフルデジタル化を目指します。このような段階を踏みながら生産性の「見える化」や効率的な配送および業務の標準化と平準化のレベルを引き上げます。
3 .Transportationの進化
Xフロンティアとデジタライゼーションによりトランスポーテーションが進化し、事業拡大と生産性向上に寄与します。また、さまざまな無駄がなくなることで労働時間が改善します。協力会社においても待機時間が削減されるなど、よりよい職場環境の中で従事できます。
4.SDGsへの貢献
SDGsへの貢献について説明します。当社グループはトラック運送事業が主要事業であるため、CO2の排出は避けられません。Xフロンティアによるネットワークの集約や待機時間の削減効果によりCO2の排出量を抑制します。また機械化やデジタル化を推進することで、労働環境の改善を実現します。
以上の取組みが当社グループによるSDGsへの貢献の代表例となりますが、当社が手掛けているビジネスそのものがSDGsへの貢献につながっています。当社のお客さまのサプライチェーンを改善することにより、顧客企業さまのCO2削減が実現しています。
また協力会社においても、待機時間削減や配達ルートの最適化などによる生産性の向上でCO2削減や労働環境の改善が実現します。今後もステークホルダーを巻き込んだSDGsへの貢献に注力し、持続可能な社会の実現を目指します。次ページ以降は参考資料として定量情報を記載しております。私からの説明は以上となります。