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リックソフト、アトラシアン製品の導入・保守でストック収益安定 自社ソフト販売で海外売上倍増

2020年1月25日にログミーファイナンス主催で行われた、第10回 個人投資家向けIRセミナー&講演会の第2部・リックソフト株式会社の講演の内容を書き起こしでお伝えします。質疑応答パートはこちら

(提供:リックソフト株式会社)

シリーズ
ログミーファイナンス 第10回 個人投資家向けIRセミナー&講演会 > 第2部・リックソフト株式会社
2020年1月25日のログ
証券コード
4429 (SBI証券で株価をチェックする)
スピーカー
リックソフト株式会社 代表取締役 大貫浩 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
フリーアナウンサー 八木ひとみ 氏
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シリーズ
ログミーファイナンス 第10回 個人投資家向けIRセミナー&講演会 > 第2部・リックソフト株式会社
2020年1月25日のログ
証券コード
4429 (SBI証券で株価をチェックする)
スピーカー
リックソフト株式会社 代表取締役 大貫浩 氏
元ファンドマネージャー/元ディーラー 坂本慎太郎(Bコミ) 氏
フリーアナウンサー 八木ひとみ 氏

第10回 個人投資家向けIRセミナー&講演会(第2部)

大貫浩氏(以下、大貫) みなさまこんにちは。リックソフトの代表をしている大貫と申します。 本日は説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。当社は去年の2月にマザーズ市場に上場し、やっと1年経つところで、IR活動に注力していこうと考えています。 実は昨日も200人ぐらいの個人投資家さま向け説明会に登壇しました。 今日のセミナーとの違いは、昨日参加していただいた方々はかなりの大先輩ばかりで、(今日の参加者より)平均年齢が30歳ほど上の方向けのセミナーでした。当社のビジネスは法人向けなので、なかなか見えづらい面があって、難しいかな?、私の説明がうまくいかないと寝られてしまうかな?、と心配していました。 しかし、実際には非常に熱心に聞いていただいて、すごく噛み合った質疑応答もでき、個人投資家さまの勉強熱心なところが理解できました。今日も、みなさまのお姿やお顔を見させていただくと、より勉強熱心な方々がこの場に集まっていらっしゃるのかなと思っています。 それでは内容に入ります。

会社概要

まず会社の概要です。今日は当社のことを深く知っていただこうと思ったため、資料が多めになっていますが、あまり重要でないところは飛ばして説明します。 会社概要です。設立は2005年で、今から15年前に設立しています。今は従業員が80名です。私1人で設立したのですが、15年で社員が80名まで成長しました。事業所は本社の東京以外に名古屋にあります。当社は製造業、とくに車関係のお客さまが多いこともありまして、名古屋に事業所を設けています。 また、アメリカのカリフォルニア州にRicksoft,Incという米国子会社を持っています。ここの役割は後に説明します。 主な事業内容については、ビジネスモデルの項で説明します。

人員構成

80名の人員構成ですが、技術者が33人。プリセールスSEが6名、合わせて39名です。1行目に「技術者がメインの組織構成」と書いていますが、技術者とプリセールスSEを合わせて39人、約半分のメンバーが技術者です。それ以外の半数が営業やカスタマーサポート、管理系の仕事をしています。

ビジネスモデル

ここが、みなさまに1番理解していただきたいところ、当社のビジネスモデルについてです。 下側にある緑色の部分に海外ソフトウェアメーカーとあります。海外のソフトウェアを当社が仕入れて、国内の大手のお客さまに販売するのが1番のビジネスの柱になっています。 なぜそれがビジネスになるかというと、悲しい日本の話をしなければなりません。日本は製造業や車の輸出、家電の輸出では世界でトップなのですが、ことソフトウェアの業界では、グローバルの中で見ると日本は最下位の方です。 当社の社員だったあるインド人が、ソフトウェアのパッケージを選ぶときにどのように選ぶか教えてくれたことがあります。 まずアメリカ、ヨーロッパ、その次に日本以外のアジアの製品を見て、それでもなかったら最後に日本の製品を探すということでした。 グローバルで見ると、日本のソフトウェア産業の製品の出来、ラインナップはそのくらい劣っています。 そのため、日本の大手のお客さまとしては、ある業務の効率を良く、生産性を高くしたい場合、国産ソフトウェアを選ぶのは難しいという面があります。海外の優れた先進的な製品を使いたいということが多くあります。 当社はそのような需要、ニーズの存在を感じ、海外の優れたソフトウェアを国内のユーザーに提供することを始めました。 今までもそのようなサービスを行っていた技術系商社と言われる会社はあるのですが、それら技術系商社との違いを説明します。 技術系商社は大きくわけて、商社機能と技術サポート機能という2つの機能があります。今エンドユーザーが求めているものは商社機能よりも、最新の技術の深い内容や、ツールを1番効果的に使うための技術サポート機能です。 例えば、100万円のソフトウェアで価格以上の効果を出す使い方や、製品の裏側にある思想まで知りたい、と要望されるエンドユーザーさま(の増加)が、ここ最近10年間ぐらいの流れだと思います。 当社は技術系の社員が多いため、そのような技術的サポートをお客さまに提供することを会社のバリューとして行っています。 現在は、スライドで示したライセンス&SIサービスが売上の86パーセントを占めています。海外のソフトウェアのベストプラクティスをコンサルしたり、実際に運用を開始した際に起こるさまざまなトラブルの対応をSIサービスとして実施しています。 プラスアルファとしてお金の流れについてお話しします。ライセンス業と聞いて、どのような売上構造になっているかすぐに分かる人はなかなかいません。 例えば、100万円のソフトウェアを最初に買うとすると、最初1年目はお客さまから(全額)いただくのですが、2年目3年目以降は(ライセンス料の)50パーセントをいただきます。 とくにAtlassian社の製品が当社の売上のほとんどを占めているのですが、その製品については2年目以降、毎年50パーセントの保守料をいただいています。 最初の導入時にベストプラクティスを伝え、システムを設計することを当社ではSIサービスと呼んでいるのですが、初年度にSIサービスを提供するパターンが多くあります。 そして、2年目以降はSIサービスをあまり提供せずに、お客さまが使い続けていきます。そうすると、毎年ライセンスの保守料が50パーセントずつ入っていきます。 完全なサブスク(サブスクリプション)ではないのですが、特性としてはサブスク的な特徴を持っているビジネスです。 続いて、クラウドサービス業務についてです。基本的に、ソフトウェアを動かすのはお客さま側です。しかし、最近のお客さまはソフトウェアを買っても動かす時間がなく、「御社はこのソフトウェアについて詳しいんだから、動かすところまで御社でおねがいします。」という要望があります。 業界用語で言えば「運用」です。運用も当社に任せていただき、お客さまがその上で動くサービスだけを使って自分たちのビジネスを素早く展開したいというような要望が増えてきました。 とくに、「セキュリティ上の問題でクラウド環境は使えません」とよく言われていた数年前に比べて、最近はクラウドを使ってどれだけビジネスを早く回すかということがエンドユーザーさまの関心ごとになっています。 そのため、システム構築はベンダー側にしてほしいという要望が多いです。当社はAWSのパートナーでもあるので、要望を受けて海外ソフトウェアをAWS環境の上に乗せ、アプリケーションのサービスのみをエンドユーザーさまに提供するサービスを行っています。それが2番目のクラウドサービス業務です。 3番目はソフトウェア開発業務です。海外ソフトウェアは良い製品ではありますが、日本のお客さまの要望を100パーセント満足するものではありません。 必ず足りないところがあるため、その足りないところを当社が開発してお客さまに提供するということに取り組んできました。 そのサービスを何十件とこなすなかでそれを汎用的な製品に仕上げてほかのお客さまや海外にも売れる製品にして、実際に海外のエンドユーザーさまにも販売しています。 現在、海外のエンドユーザーさまは2,000社程度います。国内での売上を抜いて海外が数・売上ともに上回っている状況です。 ただ作れば売れるというわけではなく、海外には海外なりの売り方、マーケティングがあり、実は国内とは真逆です。 実際に(弊社は)、70ヶ国ほどに製品を販売しています。70ヶ国にうまく売るためには、それなりの販売ノウハウが必要で、そこを担当するのがRicksoft,Incです。 セールス、マーケティング、サポート、カスタマーサクセスの役割を担っているのがRicksoft,Incです。

取引の積上げ実績

こちらが、当社の売上のうち2009年から2019年の10年間のライセンスの積み上がりグラフです。 地層、ミルフィーユなどと言われますが、下にいる古いユーザーがずっと使い続けて、保守料を払い続けてくださり、毎年毎年だんだん積み上がっていきます。 よく見ていただくと、下の層でも段々と幅が太くなっていることがわかります。保守料を払い続けているのですが、「Atlassian」製品は1製品1価格ではなく、使えるユーザー数ごとに金額が上がる金額体系になっています。 「Atlassian」製品を1回導入して成功すると、(導入した会社内で)そのシステムを使うユーザー数が増えていきます。それに伴って、25ユーザーまでは◯万円、50ユーザーまでは◯万円、100ユーザーまでは◯万円というように保守料の単価も上がっていきます。 積み上げの高さが上がっているのは、その仕組みが成り立っているからです。この仕組を、当社は「Land and Expand」と呼んでいます。戦争的な表現になってしまうのですが、「Land」は上陸、「Expand」は領地を広げることを意味しています。 この「Land and Expand」がうまく機能して、結果的に導入後3年目以降に売上が伸びています。

導入事例

実際に導入されているお客さまとしてはYahoo!さま、リクルートさま、ANAさまなどですが、今回の事例としてはANAさまを紹介しています。

Atlassianについて①

当社がメインで扱っているAtlassian社の製品はどのようなものか説明します。アジャイル開発という分野があります。 実はANAさんのシステムもそうなのですが、システム、車の自動運転機能、カーナビ、テレビなど、何か商品を作っていくとき、企業はプロジェクトという体制を作ります。プロジェクトには2種類あって、ウォーターフォールというタイプとアジャイルというタイプがあります。 プロジェクトというものができた当時はウォーターフォールしかありませんでした。ウォーターフォールとは、最初に定義して、設計して、実装して、テストを行います。テストが終了すると1つの製品が完成します。 車で例えると、昔はモデルチェンジとして、2年間の開発期間を経て新しいクルマを開発し、新しい車が出した段階で次のモデルを設計し開発を行うという方法で商品が売れた時代でした。 一方、今は開発に2年間かけている間に、急にライバルの会社が、自分たちが開発する製品を打ち負かすような製品を出してくるのです。 また、現在は産業区分が混乱しており、車メーカーのライバルは車メーカーだけではなく、GoogleやIntel、Appleなどもライバルになりえます。 そのようにさまざまなライバル会社が新商品を出してくると、1年、2年をかけて製品を作り進めて製品が完成したとしても、ビジネス上は失敗してしまうということになります。 となると、ビジネス成功の見込みのない開発を辞め、ライバルの製品や市場の変化に対応した新しい製品を作らないと自分たちの組織が存続しないという点に、とくに製造業などが気付き始めました。 日本のガラケーメーカーが急に少なくなり、世界のほかのメーカーに席巻されている様子を見て、明日は我が身だと危機感を持ち、新しい新商品開発に取り組んでいます。 それをより体系的にまとめたものがアジャイル開発です。先ほど、ウォーターフォールは1、2年かけて開発を進めると言いましたが、アジャイル開発は開発サイクルの1周が2週間を基本にしています。 つまり、1年間は52週あるので設計・テストを26回行うことができるということです。26回、開発の方向性を見直すポイントがあります。 開発中にユーザーからフィードバックをもらったり、市場調査をやり直した結果このまま作ってもダメだとわかったら定義をガラッと違うものに変えて作り直します。 そうしないと、自分たちが作っているものが市場に出たときに魅力のあるものになりません。現代はネットがこれだけ発達しているので、製品比較サイトが山のようにあり、種類ごとに製品が横並びになって、評価が高い1つの商品だけが売れて、残りは売れないという時代です。 そのような、時代に合った方法で開発しなければならないため、開発競争がすごく激しくなっています。そんな時代に必要な開発手法がアジャイルと言われていて、アジャイル開発のために1番使われている製品が「Atlassian Jira」です。 2番目は「Microsoft Excel」です。みなさま、Excelはどの業務でも使うと思います。3番目以降はプロジェクト管理のツールで、3番目以降と「Atlassian」の利用率を比較すると2倍以上の差があり、業界では「Atlassian Jira」がデファクトスタンダードになっています。

Atlassianについて②

「Atlassian」の株価の推移です。時価総額が3兆円あります。日本の企業で言うと三井物産や三菱電機、資生堂と同程度です。単純にソフトウェアの開発をしている会社なのですが、このような企業価値を持っている会社です。

トピックス

続いて決算の状況です。第3四半期の結果を1月14日に発表しました。前年同期と比べて売上高は34パーセントアップ、営業利益は44パーセントアップして、売上高23億円、営業利益3億5,000万円となっています。

2020/2期 通期予想の進捗

進捗状況です。今期の通期予想は30億円を設定しているのですが、現在は23億円で進捗79パーセントです。各利益の進捗率も約80パーセントで、今期の予算は達成できると考えています。

2020/2期 決算の売上高と営業利益の推移

(3年間の売上高と営業利益を)グラフにして並べたものです。17億円、24億円、今期は30億円で、約8割まで進捗しています。

2020/2期 第3四半期実績

次は第3四半期の実績を比べたものです。前年と比べて売上も34.8パーセントアップしていますし、それ以外もとくに問題なく上がっています。 販管費は前期26.4パーセントでしたが、今期は23.9パーセントとなり、売上が上がった分販管費率が下がっていて利益が出る構造になってきたと考えています。

2020/2期 第3四半期 業務別の売上高

売上高の割合です。何と言っても当社の1番の売上ドライバはライセンスです。全体の68.7パーセントを占めています。 あと、クラウドサービスは前年度より50パーセント成長しています。

2020/2期 業績推移(業務別売上高)

以上を四半期ごとに切って縦に並べたものがこちらのグラフです。下から濃い緑がライセンス、薄い緑がSI、オレンジがクラウド、ピンクが自社ソフトというように並んでいます。 ライセンス以外は、基本的に右に行けば行くほど数値がアップしているのが見えると思います。ライセンスは1年ごとに更新していくのですが、実際にはお客さまは必ず1年ごとに購入されるわけではなく、都合によって購入時期が数ヶ月ズレたりします。 それによって緑の部分に凹凸が発生しています。毎年第1四半期に1番売り上げるかと言われるとそうでもなく、見込みを付けるときに難しいところだとは思っています。

2020/2期 ライセンスの売上構成

売上構成です。1番下の新規ユーザーは、今まで取引がなかった方に新規にお客さまになっていただいた部分です。 オレンジの部分はクロスセルと書いていますが、既存のお客さまに対して新規商品の販売が成功したところです。青い部分が1番大きいですが、毎年の保守更新が成功したところです。 アップセルともあり、ユーザー数が上がっていく時、要は100人から250人にして更新する際の売上も合算したものが青いところです。 緑は「Atlassian」以外の製品の売上です。Atlassianストック比率は、既存顧客ストック売上をAtlsassian製品の売上全体で割ったものです。 前期はだいたい70パーセント後半だったものが、今は80パーセント前半までストック比率が上がっています。

2020/2期 契約ライセンスアカウント数の推移

実際に、契約ライセンスアカウント数も右肩上がりになっています。

Atlassianパートナーにおけるポジション①

成長基盤です。なぜ当社がこれほど成長できているか説明します。Atlassian社にはパートナー制度があって「Silver」「Gold」「Platinum」という段階があるのですが、当社は2013年から約7年間連続してトップレベルのPlatinumパートナーに位置づいています。

Atlassianパートナーにおけるポジション②

グローバルに見てAtlassian社のパートナーは500社あるのですが、当社はだいたいグローバルの中で10位前後にいて、トップの50位を見ても日本でランキングしているのは当社だけ、それ以外は韓国・シンガポール・オーストラリアの企業です。 50位内にアジア・パシフィックの企業は8社しかおらず、アジア・パシフィックの中では当社が1位の地位にいます。

参考

参考として、アジャイル開発が業界的にこの後伸びていくということを示します。富士通やNTTデータに今後3年間の「顧客システムのアジャイル開発プロジェクトに携わるエンジニアの人数」について調査を行ったところ、要員を2倍〜13倍に増やすと回答がありました。アジャイル開発は今後も伸びていきます。

成長戦略①

最後に当社自体の成長戦略です。「Atlassian」以外にもさまざまな製品を扱い始めています。

成長戦略②

海外での売上が伸びていると言ったのですが、2018年2月期と2019年2月期を比べてみると、青く示した海外の売上は4,700万円から9,200万円と、前年比で95パーセントアップしています。 海外には約2,000社の顧客がいるのですが、円グラフに書いてあるように、Atlassian社の顧客は世界で16万社います。 16万分の2,000社というと、わずか1.3パーセントです。なので、当社はこの1.3パーセントを10パーセントに向かって増やしていきたいと思っており、それはあまり無茶なチャレンジではないと考えています。

カスタマーサクセスへの思い

最後に当社の考え方です。当社は、お客さまが必要とすることを問い合わせとして受けます。海外のメーカー、世界の進んだソフトウェアメーカーから良いものを引いてきます。 最近は海外のメーカーから「日本に広めてくれないか」と依頼が来るようになってきました。それをつなげるのが当社リックソフトであって、それが日本のお客さまのカスタマーサクセスに結びつくのではないかと思い、日々業務を進めています。 最後は駆け足になってしまいましたが、以上で会社説明を終わりにしたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

坂本慎太郎氏より質問

八木ひとみ氏(以下、八木) 大貫さんありがとうございました。では、このまま質疑応答に移らせていただきます。 坂本さん今のプレゼンを聞いて、機関投資家だったらどこが気になると思いますか。 坂本慎太郎氏(以下、坂本) ご説明ありがとうございました。御社は結構PERが高く、個人投資家の期待が高いと思います。 上場後3ヶ月から半年ぐらいであれば100倍の会社はたくさんあるのですが、やはり何らかの期待が乗ってないとそこから先株価は維持できないと思うのです。 そこで維持されているのは、将来のソフトウェア導入の期待と市場規模の影響があります。先ほど、日本の大手企業でも導入を増やしたいとありました。23ページです。 人員を増やしたいというところから、実際に短い開発環境において使い勝手の良いソフトを使いたいという需要は常にあると思っています。 御社の強みとして、市場環境と将来的な市場規模の可能性がみなさまの期待されているところだと思いますし、僕もそうです。

質疑応答:海外展開に向けた戦略の有無

いくつか質問します。一応、成長戦略について、現在の顧客をどんどん新興していくことで成長できると思っているのですが、成長戦略のなかに海外の話がありましたし、米国のRicksoft,Incの話もありました。日本のソフトウェア支援も含めて海外展開を目指しているソフトウェア会社も結構多いのですが、うまくいっている例は少ないです。 海外に対しての成長について、何か秘策や考えていることがあるのか教えてください。よろしくお願いします。 大貫 海外展開の秘策はあるのか、というご質問ですが、実は海外展開を進める上で、先輩企業が海外進出でうまくいってないのをよく見て、ヒアリングさせていただきました。そのなかでわかってきたものとして、2つチャレンジな課題があります。 1つは製品開発で、良い製品を作らなければならないということですが、更に重要な部分は販売です。海外の何十もの国に対してどのように効率的にマーケティングを行うのか、良い方法が見つからないと、せっかく良い製品が作れたとしても、販売で失敗してしまうことが分かってきました。 まずは自分たちで製品を作るところですが、当社は7年前ぐらいから海外向けの製品開発に取り組んできました。数字になるのは(開発開始から)5年後です。 5年間海外向けにいろいろな施策を講じてきて、ようやく海外でも使ってもらえる製品ができてきました。それが売上95パーセントアップにつながっています。この数字が示すように、海外でも受ける製品を作る力が会社にあり、1点目の課題は克服できていると思っています。 2点目の課題、セールスマーケティングはどうするのかについてです。Ricksoft,Incという海外子会社を作りましたが、セールスマーケティングが可能なのか。 実はここでもAtlassianをうまく使っています。海外で販売するときに、Atlassian製品の上で動くソフトウェアは「Atlassianマーケットプレイス」というスマホアプリのストアのような場所にうまく乗せて、そことタイアップを取りながら販売を進めます。 そうすると、面倒な税金関係や、自社で実現するとしたらさまざまな国で制約になるようなことをうまく乗り越えることができます。 そして、マーケティングにしても、3〜4年前から海外のAtlassianイベントの中でブースを出させてもらい、実際の顧客とそこで会話をしたり、他のライバルのパートナーとも情報交換しています。 パートナーが悩んでいる部分は一緒なので、要望を共同で「Atlassian」に伝え、当社の販売を改善させることができないかと思っています。他のパートナー企業はライバルなのですが、ある意味では協力し合いながら、その市場自体を押し上げていくことによって「Atlassian」のエコシステムをうまく使い、1社では難しいようなセールスマーケティングを進めていきます。 例えば、当社はパートナー企業のなかでもグローバルで上位にいるので、リックソフトだということで強力してくれるのです。ライセンス販売での良いポジショニングも使いながら、自分たちの製品を海外にうまく出していけるのではないかと考えています。

質疑応答:新規顧客の獲得が少なく見えることと導入方針について

坂本 ありがとうございます。18ページのライセンスの売上なのですが、やはり既存顧客が多いという話がありました。 導入後翌年から導入費用の50パーセントの金額がもらえるとのことなので、ストック型で積み上がっていくのはわかるのですが、新規顧客が若干少ないイメージがあります。 僕はまだまだ導入企業が増えていいと思っているのですが、導入企業がいっぱいいっぱいなのか、市場が飽和しているのか、それとも御社営業人員が足りなくて小さな案件は狙わないのか、そのあたりを、営業戦略を絡めて教えていただけたらと思います。お願いします。 大貫 営業戦略と市場の飽和性について、まず営業戦略としては基本的にインバウンドマーケティングを取っていまして、お客さまは全て、当社のホームページの問い合わせフォームから入ってきてもらっています。 今までほぼ100パーセントその方式です。押し売りのように無理に売り込みに行くようなことをしないという営業方針を取っています。 市場飽和性については、アジャイル開発においてはこれから大手のSIベンダーが入ってきます。実は、お客さまはこれから動きたいということなのです。 肌感として、ほかのベンダーにイベントなどで会ったときに話すと、業界ではアジャイル開発(の普及率)は2割に到達していないのではないかということで、まだまだ飽和するとは考えていません。 それではなぜ新規顧客の数値が小さいのかという点についてですが、実は当社はお客さまに導入を勧めるときに、スモールスタートで始めるように勧めています。 お客さまはアジャイル開発をお望みなのですが、お客さまが慣れ親しんでいるのはウォーターフォール方式です。そのような状態でまったく違う観点、正直真逆の考えから生み出された開発プロセスを持ち込んでも、うまくいくわけがありません。 その成功確率を上げるためには小さく始めるのがポイントです。Atlassian製品は25ユーザーのプランからあるのですが、まずはMAX25ユーザーで始めるように勧めています。 課レベルでうまくいくと、次は部に広がって、部から本部に広がって、本部から全社に広がります。部程度の規模までいくと、売上は当初の数倍というかなりの金額になります。それが、3年目以降に急に売上が立つ理由です。 18ページで赤く示した新規顧客数が0になるのは怖いのですが、スモールスタートの種まきの部分は毎期ある程度あれば問題ないと思っています。 坂本 ありがとうございます。細かい話で、ソフトによって違うかもしれないのですが、新規導入費用では100パーセントもらって、そのまま3年目から御社は売上が伸びてきます。そこでユーザー数を追加した場合は、保守更新の売上になるイメージですか。 大貫 そうです。もしくは、課のときはSIが入らないのですが、部レベルまで大きくなったときにもう1度SIを入れて、他のシステムと連携するというパターンもあります。 当社のSIが入るときは、1年目でベストプラクティスをコンサルして、3~4年目にシステム的な統合を行います。 1度システム的な統合を行うとなかなか止めることができなくなるので、そこまで持っていくのが当社の目的です。 坂本 継続率が結構高まりますか? 大貫 そうですね。プロジェクトって、実は社内に何十何百個存在しています。大きな企業だと何種類ものプロジェクト管理ツールを使っています。 あるツールの人気がなくなるとだんだんとそこで管理されるプロジェクトが減り、違うツールが採用されて管理されるプロジェクトがだんだん増えていくといった性格のものなので、そのような意味で、スモールスタートで1プロジェクト2プロジェクトの管理に成功すると、次年度はプロジェクト管理ツールを変更しようというようにだんだん増えてきます。 終わる時もゆっくり終わるので、そうならないようにさせるのが営業の……。 坂本 営業の注力領域というか……。 大貫 そうですね。営業はそのあたりをウォッチしている必要があるということです。

質疑応答:営業人員増加の目的とは

坂本 このままみなさまの質問に移行しようと思います。 営業に関しての質問がすごく多いです。インバウンドセールスと言うか、直接アポを取ってAtlassian製品について新規契約をしないのがポイントになっていると思います。 大貫 そうですね。 坂本 今後は営業人員を増やしたいと書かれていますが、導入企業が増えてきたらサポート営業のような営業を増やしていくのか、それとも新規(営業)が伸び出すのか、イメージを教えていただけたらと思います。 大貫 2年目以降は、営業事務がライセンス更新の手続きを行います。 ペーパーワークを営業事務に任せているので、本当に営業が行う仕事は顧客獲得やお客さんの話をよく聞いて伝えることです。そのような意味では現在人数が少なく、営業も忙しくなっているので増やしていこうとは考えています。 もう1つ、カスタマーサービスについてです。既存顧客からの問い合わせはカスタマーサービスの人たちが受けています。専門的かつ効率的に人を集めることによって、効率的に人を捌けるように進めています。

質疑応答:技術者の習熟にかかる期間について

坂本 ありがとうございます。技術者は、導入してどれくらい経ったら会社に常駐されますか。 大貫 当社は基本的に常駐を行っていません。設立当初から「Atlassian」の技術を知っている技術者は社内にいました。逆に言えば、求人しようにも外にいないのです。 そのため、基本的にはポテンシャルのある人を採用して、入社してから1年ぐらいかけてAtlassianの技術者になってもらうかたちを取っています。 坂本 システムの素養がある人であれば、だいたい1年ぐらいで習熟しますか? 大貫 そうですね。 坂本 新卒の採用は? 大貫 行っています。 坂本 新卒で採用された方は習熟までにもう少し時間がかかりますか? 大貫 要はその人のポテンシャルによるので、1年で認定技術者になる人もいます。当社はAtlassian社を専門的に取り扱っているため、年間200日間もAtlassian社製品を勉強していれば身につくということです。 坂本 そのような認定技術者の市場価値は高いのでしょうか。AWSだと、中級の技術者でも海外に行けば年収が高いと聞きますが、やはり市場価値はかなり高いですか? 大貫 高いのですが、だからといって給料が高いわけでもありません。どちらかというとロイヤルティー(忠誠心)が高いです。当社においては(Atlassianの)認定資格を持っているとヒーローなのです。 そのため、社長賞を送ったり、新入社員を教育するように役割のレベルを上げたり、給与金額で順列を付けるのは社風に合わないため、そのようなかたちにしています。

質疑応答:これから3年間の成長イメージ

坂本 ありがとうございます。よくわかりました。あとは「Atlassian」の依存率度が高いという点についてお聞きしたいです。今後のポテンシャルを考えるとある程度高くてもいいのかなと思いますが、これも薄めていかれるのか、今後の展望や中計を発表しないのかという質問がありました。 ここから3年の御社の業務イメージと成長イメージ、どの分野を育てていくかなど、3年後のイメージを教えてください。 大貫 社内に中計はあります。ただ、まだ開示するには早いかなと思っています。方向性だけお伝えしたいのですが、緑は「Atlassian」のライセンス&SIです。 これはこれで伸びていくのでしっかり刈り取りたいと思っているのですが、自分たちの手足を使って業務を進めているクラウドサービスや、自社ソフトの開発の比率を順次上げていきたいと思っています。 坂本 今後は核になる部分はもちろん脇の部分で増やせる分は増やしていきたいということですね。人員構成の3年後のイメージはありますか? 教えていただければ投資家の中には自分で計算できる方もいらっしゃるのかなと思います。 大貫 人員はまだ計算していなくて、売上だったり、利益率やEPSなど……。 坂本 成長のために先に人員を多く確保する会社もよくありますが、そうではなくてそちらを調整しながら進めていくということですか? 大貫 そのとおりです。 坂本 初期投資によりどうしても今の利益が潜ってしまい赤字になって、PERを維持することが難しく株価の成長が止まってしまうというパターンがよくあるので、1番聞いておきたいところでした。ありがとうございます。 大貫 一応トップラインと利益はバランス良く進めていきたいと思っています。

質疑応答:Atlassian製品の日本市場規模とリックソフトのシェア

坂本 ありがとうございます。あと1問あります。Atlassian製品の日本市場の規模の見込みと、現在の御社のシェアはどのぐらいですか。 大貫 日本での市場規模は順次毎年伸びているのですが、ここで言える数字は用意していません。実はある時点までAtlassian社が数字を開示してくれていたので当社のシェアも計算できていたのですが、向こうもNASDAQに上場してしまいあまり数字を見せてくれなくなりました。2~3年前までは(当社のシェアは)およそ50パーセントでした。 坂本 今もだいたい変わってないか伸びているといった認識で良いですか? 大貫 正直にいうと、最新の状況についてはわかりません。

質疑応答:なぜAtlassian製品には優位性があるのか

坂本 ありがとうございます。もう1つ質問します。最後にAtlassian製品の優位性を教えてください。Atlassian社についてのイメージが湧かなかった投資家もいたかもしれません。 そのへんを最後にまとめていただければと思います。よろしくお願いします。 大貫 Atlassian製品がなぜこんなに伸びているのか、実は私も不思議に思っていたので、いろいろな観点から調査してみました。 1つは、アジャイルの開発手法が伸びてきたときに、彼らが今までの開発プロセスを全否定してアジャイル開発に全部賭けたという点があります。 現在は(アジャイル開発に関しては)AtlassianがMicrosoftよりも上にいるのですが、もしMicrosoftがそうしていれば(アジャイル開発に全部賭けていれば)今のようにはなっていなかったと思います。 しかし、Microsoftには既存ユーザーがいて、既存の開発プロセスを使っている人たちもいたので、そこに注力できませんでした。それが、Atlassian社がアジャイル業界で1位になっている1番の理由だと思います。 他にもツールベンダーはたくさんありますが、アジャイルに全力を投じたのは「Atlassian」だけだったと思います。 その他のベンダーは大手ベンダーに買収されてしまいました。Atlassian製品がその業界で先頭を走っています。大手のベンダーはだいたい高い値段を付けるのですが、Atlassian製品は価格が手頃です。 そのため2位以下のベンダーがAtlassian社を追い越すことは難しく、Atlassian社は上手な価格戦略を取ったと思っています。 最後に1個だけ、Atlassian製品がなぜ良いかと言うと、使い勝手が良いということが上げられます。イメージですが、スマホでいえばiPhoneのように使ってて気持ち良いものがあると思います。ビジネスソフトウェアでは、そのような製品が今までありませんでした。 「Atlassian」は使ってて気持ち良く、口コミで広がっていくのです。「あの製品は使い勝手がいいから、使ってごらん」というように、同じ業界のメンバーが集まった時に口コミによって広がります。 そのようなビジネスソフトは今までにないと思います。それも1つの隠れた、シェア拡大の理由だと思っています。以上です。 坂本 ありがとうございました。 八木 ありがとうございました。改めましてご説明いただいたのは、リックソフト株式会社代表取締役大貫浩さんでした。みなさま大きな拍手をお送りください。

会場で寄せられたその他の質問と回答

<質問1> 質問1 前期売上で計算すると8名の営業が年間で一人当たり3億円強を売り上げていることになりますが、単純に営業の人数を増やせば売り上げが伸びると考えてよいですか?
直間比率は直接の比率が9割で、直販が多いようですが、8名の営業で全国の企業を相手にするのは少なすぎるように感じる気がします。
回答1 売上を上げているのは営業だけではありません。ソフトウェアのライセンスビジネスでは2年目以降に保守料を請求しますが、その際にメインで動くのが営業事務で、弊社には9名おります。 現在の売上は10年間の間に獲得した既存顧客様からの売上割合が多いため、営業の人数と売上は単純に比例しません。営業と営業事務を合わせた17名が協力し、直接販売と間接販売の全販売を処理しています。 <質問2> 質問2 なぜ保守費が50%も取れるのでしょうか? 通常は20%くらいだと思っていました。 回答2 一般的なソフトウェア保守費は20%程度が標準です。しかしAtlassian製品は製品単価が競合製品に対し強い価格競争力を持ちます。 一般的に企業がソフトウェアを購入する場合、5年間にかかる全体費用を比較、検討します。よって5年間の合計額で競合製品に負けず、費用対効果が認められるなら、お客さまは保守料金の50%をさほど気にせず製品を購入されます。 <質問3> 質問3 海外ソフトメーカーが直販をせず、貴社を通して販売する理由は何なのか教えていただければと思います。 回答3 さまざまな理由がありますが、大きな理由の1つとして、海外ソフトメーカーにはそれぞれの成功する販売パターンがあります。例えばAtlassianの場合、中小規模を超る500ユーザー以上の顧客にはパートナー経由で販売することが多いです。 なぜなら、500ユーザーを超えるAtlassian製品導入の場合、他の製品と連携させシステム全体で正しく動作させることが多くなり、Atlassianパートナーはその連携ソリューション全体に責任を持つことが多く、Atlassian社もパートナーにそのような役割を期待しているからです。 <質問4> 質問4 Atlassianのパートナーになるために必要な要件は認定技術者の人数のみでしょうか? また、認定技術者になるのは難易度が高いのでしょうか? 競合となり得る会社が今後出てくるのかどうか知りたいです。 回答4 ランクの高いAtlassianパートナーになるためには認定技術者以外にも売上などいくつかの条件がありますが、一番難しい条件が認定技術者の人数です。IT業界には各ベンダーが設定した数多くの認定技術者資格がありますが、その中でもAtlassian認定技術者になることは難易度が高い部類になると認識しています。 競合となり得る会社が今後出てくる可能性は否定できませんが、これまでの実績を見ると1人の認定技術者を出すことができずにパートナーを辞めていった会社が多々あり、今後、競合となる会社が出てくる可能性は低い認識です。 <質問5> 質問5 貴社のエンジニアも社内ではJiraを利用しているのですか? 回答5 はい、弊社社内ではエンジニアはJiraを利用しています。実はエンジニアだけでなく、営業も管理部門もJiraを利用しています。弊社では販売している商品の多くを自社内で利用しています。これは販売する商品をできる限り自分達で使い詳しくなることが、お客様へ提案する際に自信をもって提案することにつながると考えているからです。

  
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