セグメント別事業概要

牧野研二氏:社長の牧野です。本日は大変お忙しいなかで多くのみなさまにお集まりいただき、誠にありがとうございます。これから2019年7月期の決算の概況と、2020年7月期の業績見通しについて説明させていただきます。

本日の説明の順番ですが、まず決算の説明に入る前に、セグメントと事業環境について簡単に説明させていただきます。その後、2019年7月期決算の概況、中期経営計画ならびに2020年7月期業績の見通し、経営戦略の主な取り組み状況について説明させていただきます。

それでは、セグメント別事業概要について説明させていただきます。包装機械と生産機械の2つのセグメントで事業展開を行っています。各セグメントの主要品目は、ご覧の図のとおりであります。

包装機械では中国子会社を連結の範囲に含めていますが、決算日が異なりますので、6月で仮決算を実施し、連結上必要な調整を行っています。また、その他関係会社のFAMSとは、ロボット応用システムの仕入取引があります。

事業環境 –包装機械

包装機械の事業環境についてご説明します。ご覧のグラフは、経済産業省の生産動態統計による四半期推移であります。これによりますと、2019年の上半期の生産金額は、全体で前年同期比1.7パーセント増となっています。包装機械業界の環境は、国内の需要は好調に推移しているとともに、輸出もアジアとヨーロッパ向けが好調に推移しています。

当社につきましては、国内市場の需要が好調に推移し、機械受注高は前期を大幅に上回りました。海外市場も、機械受注高は前期を上回りました。2020年7月期は、国内市場は堅調に推移し、海外市場は需要拡大を見込んでいます。

事業環境 –食品機械

次に、食品機械の事業環境でありますが、経済産業省の生産動態統計では、2019年の上半期の生産金額は全体では前年度同期比5パーセント減となっています。食品機械業界の環境は、国内の需要は横ばい傾向で、輸出は主力のアジア向けが増加基調で推移しています。

当社子会社につきましては、大型プラントの実績が減少したことから、機械受注高は前期を下回りました。2020年7月期は、大型プラントの需要は少数でありますが、高額機械の更新需要増加を見込んでいます。

2019年7月期 決算のポイント

それでは、2019年7月期決算の概況についてご説明いたします。2019年7月期決算のポイントについて説明させていただきます。売上高・営業利益ともに、過去最高を達成いたしました。売上高は、包装機械・生産機械ともに増加したことから、12億2,900万円の増収となりました。

営業利益増減要因につきまして、図で示していますが、包装機械で3億2,800万円増加、生産機械で4,000万円増加したことから、営業利益は3億6,900万円の増益となりました。業績予想に対しては2,700万円の増収、1億4,500万円の増益となる結果となりました。

2019年7月期 連結決算概要

当期決算の概要について、対比表でご説明いたします。なお、売上高と営業利益の増減要因につきましては、前のスライドでご説明したとおりです。

売上総利益率は、包装機械の利益率改善により、前期から向上しました。営業利益率は前期から改善し、8.9パーセントとなりました。経常利益と当期純利益については計画を上回り、前期に対して大幅な増益となりました。ROEは13.9パーセントとなりました。

セグメント別業績概要

セグメント別の業績概要について、対比表でご説明いたします。包装機械では増収増益となり、利益率は向上しました。計画に対しては減収となったものの、売上総利益の増加により増益となりました。生産機械では、計画を上回って増収増益となり、無形固定資産の償却にて、利益率は4.1パーセントとなりました。

セグメント別売上内訳

次に、増収となった要因について、売上の内訳にてご説明いたします。包装機械については、高価格機種の実績が増加し、増収となりました。品目別では、主力の給袋自動包装機が前期から増加しました。一方、大型案件で翌期への繰越が発生したことから、計画を下回りました。

生産機械については、大型プラントの実績が増加したことから、製菓機械の売上高が増加しました。また、高額案件の増加により、計画も上回りました。

【包装機械】 四半期売上高推移

包装機械の四半期売上高の推移について説明させていただきます。ご覧の棒グラフのとおり、四半期売上高につきましては、大型案件の有無・高価格機種の販売台数により、大きく変動する傾向があります。また、販売台数についても、中小型案件の件数の増減により、ご覧のとおり大きく変動しています。

自社で設計・製造している機械の販売台数は前期比で15台増加し、売上高は高価格機種の増加により、前期比で10億7,700万円の増加となりました。2020年7月期の販売台数は増加する見通しであります。

【包装機械】エンドユーザー業種別機械売上高

次に、包装機械のエンドユーザー業種別についてご説明いたします。食品業界向けの売上高は、高額案件の実績が増加したことから、前期に比べて22.1パーセントの増加となりました。化学関連業界向けの売上高は、健康食品向けの実績が増加したことから、前期に比べて99.1パーセントの増加となりました。

その他業界向けの売上高は、海外のペットフード向けの実績が減少したことから、前期に比べて40パーセントの減少となりました。2020年上期は、その他の増加により、全体としては前期の下期から増加する見通しであります。

【包装機械】国内/海外市場別機械売上高

また、包装機械の売上高を、国内と海外市場別についてご説明いたします。国内市場向け売上高は、高価格機種の販売台数が増加したことから、前期比で6億8,600万円の増加となりました。

海外市場向けの売上高は、販売台数が増加したものの、大型案件の実績減少により、前期比で2,800万円の減少となりました。2020年上期は、海外市場の増加により、前期の下期からは増加する見通しであります。

【包装機械】海外市場 エンドユーザー地域別実

参考までに、包装機械・海外市場のエンドユーザー地域別納入実績は、ご覧の表のとおりであります。緑色で記載していますアジア地域につきましては、今期はASEANで16台、ASEANを除いたアジアで15台、合計で31台の実績となりました。欧州と北米・南米につきましては、ペットフード向けを中心として9台の実績でありました。

2020年上期につきましては、スライド下側に記載している国への納入を予定しています。

【包装機械】機械の受注動向

包装機械の品目別の受注動向について説明させていただきます。機械の受注高は、国内市場で高額案件の受注が増加したことから、前期比で13億7,200万円の増加となりました。期末受注残高につきましても、受注高が機械売上高を上回ったことから、前期比で13億3,700万円の増加となっています。

2020年上期の受注につきましては、高額案件の増加で、高水準の受注高の確保を目指していきます。

【生産機械】 売上高の動向

生産機械の売上高の動向についてご説明いたします。ご覧のグラフのとおり、半期売上高は大型プラントの実績額の増減により大きく変動する傾向にあります。

製菓機械の売上高については、大型プラントの実績増加により増収となりました。保守消耗部品の売上高についても増収となりました。2020年上期の売上高は、前期の下期に対して増加する見通しであります。

【生産機械】 機械の受注動向

生産機械における、機械の受注の動向についてご説明いたします。大型プラントの実績減少により、機械受注高は前期比で6億4,700万円の減少となりました。また、機械受注残高につきましても、前期比で1億7,500万円の減少となっています。2020年上期の受注につきましては、高額案件の件数増加を目指していきます。

連結B/S 概況

次に、バランスシートの概況についてご説明いたします。前期末と比較して、資産合計は12億1,000万円増加となりました。主に現金預金・棚卸資産の増加によるものであります。負債純資産については、仕入債務と前受金が増加しています。なお、自己資本比率は前期末から低下し、42.4パーセントとなりました。

第5次中期経営計画(2018年7月期~2020年7月期)

引き続きまして、中期経営計画ならび2020年7月期の業績見通しについてご説明いたします。第5次中期経営計画は、連結グループの基礎固めから成長基盤構築の時期と位置づけて、ご覧の中期経営ビジョンを掲げています。

中期数値目標につきましては、ご覧の表のとおり、すべての項目について第4次中計の最終年度である2017年7月期の実績から増加させることを目標としています。2020年7月期の数値目標につきましては、第2期目の2019年7月期の実績で当初業績目標を上回りましたので、赤字で記載しているとおり、上方修正しています。

業績計画

第5次中計の業績計画は、ご覧のグラフのとおりです。利益率の向上と収益の拡大に注力しています。第1期と第2期は、期初計画と実績の差異額をグラフに表示していますが、2期連続で期初計画を上回ることができました。最終期の2020年7月期は、当初計画からの今回の修正額をグラフに表示しています。

事業計画モデル(第5次中計)

続きまして、第5次中計の事業計画モデルにて、売上高の実績と見通しについて説明させていただきます。包装機械の国内市場については、2019年7月期は、期初計画では大型案件が減少することから前期からの減少を見込んでいましたが、受注が想定を上回って好調に推移し、42億1,300万円まで増加しました。2020年7月期は製袋自動包装機が減少することから、40億円を計画しています。

包装機械の海外市場については、2019年7月期は大型案件の繰越発生により期初計画を下回りましたが、2020年7月期は新規開発機種の販売効果により、24億円まで増加させることを計画しています。

製菓機械については、2019年7月期は高額案件の増加により期初計画を上回り、12億1,100万円まで増加しました。2020年7月期は、10億円台になる見込みです。

2020年7月期 連結業績見通し(概要)

2020年7月期の業績見通しについて説明させていただきます。売上高は、生産機械が減収となるものの、包装機械の増収により、全体として前期比5億7,200万円の増加を見込んでいます。

なお、前期の売上高は下期に集中しましたが、2020年7月期は上期が高くなる見通しです。営業利益増減要因につきまして図で示していますが、包装機械の営業利益率の低下により、営業利益は1億4,200万円の減益となる見通しです。

2020年7月期連結業績予想

業績予想数値は、ご覧の表のとおりです。売上高は前期から増加し、89億円を見込んでいます。売上総利益率は前期比2.1ポイント低下し、営業利益率は前期比2.2ポイント低下する見通しです。経常利益は6億円、当期純利益は4億2,000万円を計画しています。

2020年7月期セグメント別業績予想

セグメント別の業績予想数値は、ご覧の表のとおりです。包装機械では利益率の低下により、営業利益は前期に対して1億6,000万円の減益を見込んでいます。生産機械では減収増益となり、利益率は前期より2.2ポイント改善する見込みです。

2020年7月期セグメント別売上内訳予想

次に、セグメント別売上内訳の計画値は表のとおりです。包装機械については、給袋自動包装機の増加により増収となる見通しです。海外市場向けを中心に、高価格の新規開発機種の販売台数増加が寄与する見込みです。生産機械については、大型プラントの減少により減収となる見通しです。

株主還元

最後に株主還元についてですが、中期配当政策につきましては、連結配当性向30パーセントまたはDOE2パーセントを目安に安定配当を堅持しつつ、業績動向を見ながら配当金の増加を目指していきたいと考えています。

2019年7月期は計画よりも増益となったことから、期末配当は配当予想より5円増配して30円としました。2020年7月期は減益予想により、年間で50円を予定しています。

基本戦略①

続きまして、経営戦略の主な取り組み状況についてご説明いたします。基本戦略につきましては「さらなる成長に向けて海外事業の拡大を目指す」であります。ご覧の図のように、国内市場で安定的な収益と成長を確保しながら、海外市場で成長を加速していく戦略であります。

国内市場では新規分野と新規顧客の開拓に、海外市場では3極販売体制の確立と海外市場向け新機種の投入に取り組んでいます。また、国内市場の既存分野については、包装機械と生産機械の事業連携に取り組んでいきます。

基本戦略②

また、基本戦略についてさらに具体的な戦略を策定しています。ご覧の①から⑤については、先のスライドでご説明した項目を具体化したものであります。これらの戦略に対する取り組みを強化していきます。さらに開発力強化と事業領域拡大のために、アライアンスを推進しています。

【包装機械】販売戦略①

包装機械の販売戦略の取り組み状況について説明させていただきます。国内市場については、安定的な収益と成長の確保に取り組んでいます。主力機種として、メカトロハイスペック包装機の拡販に注力していますが、受注は好調に推移しており、自社包装機の受注は前期を大きく上回りました。

今後は、さらなる拡販に向けてオプション機能の追加を図るとともに、新機種の投入を計画しています。

ソリューションビジネスの拡大につきましては、新規納入先の開拓に取り組んでいます。高額システムの受注実績は30ページの表のとおりで、今期の実績は5件でした。

【包装機械】販売戦略②

海外事業の拡大につきましては、中国子会社での生産・アフターサービス体制の確立に取り組んでいます。中国子会社の売上高は前期を下回りましたが、2020年7月期は増加する見込みであります。当社の上海駐在員事務所については、中国市場での現地化を推進するために、中国子会社の支店へ変更しています。

販売体制の強化として、既存代理店の販売支援に取り組んでいますが、今期はアメリカ代理店による受注台数が増加しています。また、中国とタイに新規代理店を追加しました。

自社包装機の受注は、台数は減少したものの、受注高は前期を上回りました。海外市場の新規顧客開拓の受注実績は、ご覧の表のとおりです。

【包装機械】開発・技術戦略

次に開発・技術戦略の取り組み状況ですが、開発テーマとしては、第5次中計では、メカトロハイスペック包装機、海外市場向け新機種の開発、コア技術の強化、ニーズに対応した新機種の開発を推進しています。

メカトロハイスペック包装機のシリーズ開発としては、現在、製袋式機種と2連高速機の開発に取り組んでいます。2020年7月期に完成予定です。業種ニーズに対応した新機種として、記載した機種の開発に取り組んでいます。小袋用新機種の新バージョンが、2020年7月期の売上高増加に寄与する見込みです。

【生産機械】

最後に、生産機械の主な取り組み状況をご説明いたします。受注体制と新規顧客開拓の強化に取り組んでいます。大型プラントの受注については、今期は2件となりました。包装機械との事業連携として、親会社から営業・技術支援として3名を派遣するとともに、親会社営業との情報共有、同行訪問、展示会への共同出展などに取り組んでいます。

今後は、さらに連携した受注活動の強化に取り組んでいきます。また、内部管理体制の強化として、人材確保と育成などに注力しています。

包装機械業界・食品機械業界

次に、参考資料を添付していますのでご覧ください。参考までに、当社事業の関連業界についてご説明いたします。なお、記載の統計表につきまして、それぞれの工業会で集計方法が異なりますのでご注意願います。

包装機械業界の全体の市場規模は生産高で4,400億円程度で、需要先としては食品部門が5割程度を占めています。業界の中の機種別区分の中では、当社の主力包装機は製袋充てん機に位置づけられています。

食品機械業界の全体の市場規模は、販売額で5,700億円程度となっています。業界の中の機種別区分では、オサ機械のチョコレート製造機械は製菓機械に位置づけられています。それぞれの業界での主な上場企業や競合先は、スライドに記載のとおりであります。

会社概(2019年7月31日現在)

会社概要は、ご覧のとおりであります。

事業内容

当社グループの事業内容の概要をモデル図化したものです。主要市場・主要ユーザーとしては、ご覧の図のとおりですが、包装機械では、高品質・難易度の高い包装分野をターゲットとしています。

販売経路としては、6割以上が直販ですが、各業界の上位を中心に営業活動をしています。生産機械については、チョコレート製造機械分野で国内で高いシェアを持っており、直販が中心です。

(経営ビジョン)

経営ビジョンとして「オープンイノベーションで応えるソリューションカンパニー」を掲げていますが、図のように包装工程以外の分野についても、ソリューション力の強化に取り組んでいます。製造工程については、オサ機械が担っています。また、人員推移は表のとおりでありますが、開発・技術部を中心として、継続的に人材の強化を図っています。

以上で決算の説明を終わりますが、これからも食品や医薬品を安全・確実に包装する技術を通じて、より大きな社会的貢献を果たせるよう、いっそうの努力を重ねるとともに、業績の向上と企業の健全性に努めていきたいと考えています。ご清聴、誠にありがとうございました。