日本郵政グループ 決算の概要
鶴田信夫氏:日本郵政IR室長の鶴田でございます。よろしくお願いいたします。
まず、こちらのスライドに全体の概要を記載しております。スライドの表の赤枠で囲った部分が連結決算ベースの経営成績であり、その右側に各社の経営成績がございます。詳細についてはこのあとご説明いたしますが、日本郵便については経常利益・四半期純利益ともに前年同期よりも増加しております。
ゆうちょ銀行・かんぽ生命について、概要を申し上げます。まず、ゆうちょ銀行につきましては、低位で金利が推移することが続く環境下において、国債利息の減少を主因に資金利益が減少しております。役務等利益などの増加もありましたが、経常利益は若干減少し1,057億円、四半期純利益は5億円減益の778億円と、前年同期よりほぼ横ばいとなりました。
次に、かんぽ生命につきましては、経常収益が減少していることと、金融課税商品費用などのキャピタル損が増加したということで、経常利益は192億円減少の560億円でございます。四半期純利益は価格変動準備金の戻し入れを行ったほか、契約者配当準備金繰入額の減少などにより3億円減益となり、前年同期よりほぼ横ばいとなりました。
これを受けて、グループ全体での経常収益は1,740億円減少の2兆9,851億円、経常利益は79億円減少の2,022億円、四半期純利益は115億円増加で1,350億円となりました。
スライドの下側の表に掲載しておりますが、グループ連結での純利益に対する進捗率で申し上げますと、当期純利益の1Q進捗率は(4,200億円の年間目標に対して)32.2パーセントとなります。日本郵便が1,000億円の年間目標に対して35.4パーセント、ゆうちょ銀行が(2,700億円の年間目標に対して)28.8パーセント、かんぽ生命が(930億円の年間目標に対して)36.3パーセントとなりました。
この2020年3月期第1四半期はとくに郵便物事業の好調もあり、数値上では4分の1を超える進捗率となり、好調といえると思います。しかしながら、お客さまに不利益を生じさせた可能性のある保険契約の判明に伴い、今後、2020年3月期第2四半期以降は、かんぽ商品などの積極的な営業を控えることによる新規契約の減少などが想定されるところであります。
これらの影響については、合理的に算定することは困難なことから、現時点では業績予想の修正は行いません。今後、開示すべき事象が生じた場合は、速やかに公表したいと考えております。
郵便・物流事業 決算の概要
それでは、日本郵便の各セグメントの決算の概要について、順次説明してまいります。まず、郵便・物流事業についてでご説明します。
スライドの右側にある「取扱数量の推移」の棒グラフをご覧ください。各グラフの下側にある「郵便」は、前年同期より0.9パーセントの減少となりました。これは統一地方選の影響もあり、減少幅としては小さなものになっております。
それから、「ゆうメール」が3.0パーセントの減少、「ゆうパック」が2.6パーセントの減少となりましたが、こちらについて分解してご説明します。スライド上側の枠で囲った部分の1行目に書いておりますように、ゆうパケットは前年同期より20.8パーセントの増加となり、ゆうパックからゆうパケットを除いた場合だと、前年同期より15.8パーセントの減少となります。
スライド左側にある「営業利益の増減分析(前年同期比)」の滝グラフでございますが、営業収益につきましては、荷物の単価見直しと値上げの効果が継続していることと、ゆうパケットの増加、選挙の影響で郵便の減少幅が少なかったことなどもあり、前年同期より37億円の増収でございます。
営業費用につきましては、人件費の減少や集配の配送委託費の減少もあり、マイナスとなりました。郵便窓口業務手数料は、2018年6月から行っている集荷の見直しなどもあり、増加が続いております。営業利益は215億円となり、前年同期より66億円の増加ということでございます。
金融窓口事業 決算の概要
次に、金融窓口事業についてご説明します。スライドの右側にある「収益構造の推移」というグラフをご覧ください。2020年3月期第1四半期から「郵便局ネットワーク維持交付金」というものが新しく加わっています。グラフでは水色の項目となりますが、従来の項目のうち、手数料の一部がここに振り替わっております。
手数料全体と「郵便局ネットワーク維持交付金」の合計額は、前年同期より62億円の増収となりました。
「銀行手数料」「保険手数料」「郵便局ネットワーク維持交付金」の合計額でみると、前年同期より36億円の増加ということになります。また、郵便手数料は内部取引消去されるものですが、一応セグメントとしては計上しております。
スライド左側にある「営業利益の増減分析(前年同期比)の滝グラフでございますが、先ほど申し上げたように新しい制度がはじまりましたので、「受託手数料」が675億円のマイナスとなりましたが、「交付金」が738億円のプラスとなり、差し引きすると増加となります。
「その他収益」では、物販事業の縮小などがありましたが、費用についても減少しており、とくに人件費が大きくマイナスとなりました。これにより、金融窓口セグメントも前年同期より109億円増加の218億円ということになります。
国際物流事業 決算の概要
次に、国際物流事業についてご説明します。
(スライド右側にある「当第1四半期の経営成績」の表ですが、)項目内の数値の上段が百万豪ドル、下段かっこ内が億円という単位となります。為替の影響があり、円高も進行しておりますので、豪ドルベースだと増収となりましたが、円ベースだと数値上は収益が減少していることになります。今回の2019年3月期第1四半期の営業利益は赤字ということになります。前年同期よりも3,300万豪ドル、25億円の悪化となりました。
スライドの左側にセグメント別にまとめたグラフがありますが、「ロジスティクス事業」の営業損益(EBIT)が減少し、それから「エクスプレス事業」の赤字が拡大しております。「フォワーディング事業」は若干改善しておりますが、全体では赤字となりました。
日本郵便 決算の概要(まとめ)
次に、日本郵便の決算の概要ですが、こちらはただいま説明したものの合算でございます。全体としては減収増益ということになります。
5.引受郵便物等物数
2020年3月期第1四半期についての説明は以上ですが、これから補足資料についてご説明いたします。こちらのスライドの表は、2019年7月29日に公表した2019年3月期第1四半期の物数でございます。
参考として、スライドの下側に荷物の単価を掲載しております。今回の発表から、「ゆうパック」の単価については、「ゆうパック(ゆうパケット除く)」「ゆうパケット」の単価とは別に開示しております。
この2020年3月期第1四半期におきましては、ゆうパケットを含む「ゆうパック」の単価は445円で、前年同期より32円の増加となりましたが、「ゆうパック(ゆうパケット除く)」の単価は665円で、前年同期より7円の増加となりました。「ゆうパケット」に関しては178円で、前年同期より34円の増加となりました。「ゆうメール」は65円で、前年同期より2円の増加でございます。
それから、2019年3月期の累計についても、「ゆうパック」「ゆうパック(ゆうパケット除く)」「ゆうパケット」で分けたものを掲載しております。ここで1点お詫びがございますが、2019年3月期について発表したときに、「ゆうパック」の累計を443円とご説明したと思いますが、今回、集計ミスがございまして、(それを修正すると)442円が正しい累計になります。お詫びして訂正させていただきます。
2019年3月期の累計を分解すると、「ゆうパック(ゆうパケット除く)」が623円、「ゆうパケット」が151円となり、以上をふまえると、この2020年3月期第1四半期でそれぞれ単価が上がっているということが見て取れるかと思います。
6.郵便事業の収支の状況
こちらのスライドも2019年7月29日にリリースしたものになりますが、郵便事業の収支の状況でございます。
(スライドの表にございますように、)2017年度の「第二種(はがき)」の営業利益で赤字が発生しておりましたが、値上げの効果もあり、2018年度の営業利益は黒字となりました。郵便事業の収支は改善しております。
スライドの下側に荷物の収支を掲載しております。これは今回初めて開示したものになります。荷物に「ゆうパック」「ゆうメール」「ゆうパケット」が含まれることになりますが、ここにつきましては値上げの効果が非常に大きく、2017年度の営業利益である153億円から、2018年度の営業利益は817億円となり、2017年度より664億円上回るほどの大幅な改善となりました。
以上が日本郵便に関する補足資料の説明でございます。私からの説明は以上でございます。